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2016年7月19日火曜日

【ビジネス解読】中国製車両が海外で初の大規模リコール シンガポール都市鉄道が故障だらけ 鉄道受注合戦さらに暗雲―【私の論評】中国高速鉄道には元々安全性に問題!導入すれば大惨事を招くだけ(゚д゚)!


外遊中の中国の習近平国家主席だが、国の威信をかけた鉄道輸出に難問が相次いでいる
中国が国家戦略の柱に掲げる「高速鉄道外交」が次々に頓挫しているニュースを「ビジネス解読」で取り上げたばかりだが、中国の鉄道がらみの失態がまた出てきた。シンガポールに納入した中国製鉄道車両に不具合が相次ぎ、ついに大規模なリコール(回収・無料修理)措置がとられたのだ。中国の鉄道車両メーカーによる海外でのリコールは今回が初めてで、中国まで持ち帰って修理を行うはめに追い込まれた。高速鉄道外交の頓挫に続く今回の大規模リコールは、中国政府が野心的に進める「新シルクロード構想(一帯一路構想)」にも悪影響を与える可能性がありそうだ。



「シンガポールで6月12日、秘密裏に列車の輸送作戦が展開された。厚いグリーンの包装材に包まれた長さ20メートルの列車が大型トレーラーに載せられ、ビシャン車両基地からジュロン港に運ばれた。その後は船で4000キロメートル近く離れた中国・青島まで輸送された」

今回の大規模リコールをこう報じたのは韓国メディアの朝鮮日報(日本語版)だ。

報道によると、大規模リコールの対象になったのはシンガポールの都市鉄道であるMRT(大量輸送交通システム)を運行するSMRTが2011年以降、南北線、東西線で使ってきた「C151A型」。中国の電車メーカー、青島四方機車車輛が納入した。これまで故障が相次ぎ、論議を呼んできたが、結局は大規模な交換、修理が避けられないと判断されたという。

青島四方機車車輛は2009年にSMRTが実施した公開入札で日本の川崎重工業とコンソーシアムを組み、韓国の現代ロテムなどを退け、中国企業としては初めて、シンガポールに鉄道車両を供給することになった。6両編成の35編成を納入し、金額は3億6800万シンガポールドル(約276億円)相当だった。このうち26編成、156両が問題となった。

中国がシンガポールに納入したC151Aは、川崎重工業が1980年代から製造したC151を改良したモデル。従来モデルはトラブルなく運行されたが、改良モデルは多くの欠陥が見つかり、運転中断が相次いだ。

2011年には修理途中に電源を供給するバッテリーが爆発し、中国製バッテリーがすべてドイツ製に交換され、さらに車両や下部連結部分などでひびが見つかったという。朝鮮日報によると、SMRT幹部は「構造的な欠陥が見つかり、メーカーに修理を委ねた。2023年ごろに完了する」と説明した。収束までかなり長い期間がかかりそうな雲行きだ。

中国の鉄道関連の失態といえば、死者40人、負傷者約200人を出した2011年の中国浙江省温州市の高速鉄道による追突脱線事故の記憶が新しい。事故の記憶が残っているのは、無残な事故映像もさることながら、事故後の不適切な処理も大きい。中国当局は事故翌日には事故車両を地面に埋めるなどして撤去し、すぐさま営業運転を再開した。このため、救助活動は短い時間で打ち切られたが、打ち切り後に生存者が発見され、運転再開を優先した当局の姿勢に「人命軽視」「証拠隠滅」などと国際的に非難が集中した。

習近平政権はここ数年、海外への鉄道輸出に力を入れるなど巻返しに懸命だ。だが、足元では中国企業が初めて建設を手掛ける米国の高速鉄道プロジェクトが挫折し、さらにメキシコ、ベネゼエラ、インドネシアの高速鉄道事業も頓挫するなど、苦境にあえいでいる。中国は巨大な資金力、価格競争力で大規模プロジェクトを相次いで受注してきた中国が、安全性やずさんな計画や採算などで弱みを見せたからとの指摘は多い。そんなときに起きた海外初の中国製鉄道車両のリコールは、中国の信頼をさらにおとしめることになりかねない。

東南アジアを中心に繰り広げられている鉄道受注合戦にマイナスに作用するのは避けられず、同時に習政権が打ち出すインフラ建設を通じ欧州までの経済圏を構築する「新シルクロード(一帯一路)構想」にも影を落としそうだ。

【私の論評】中国高速鉄道には元々安全性に問題!導入すれば大惨事を招くだけ(゚д゚)!

最近の中国の鉄道事業の頓挫続きなのは、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【恐怖の原発大陸中国】南シナ海の洋上で中国製の原発計画が進行中 19年までに運転開始へ―【私の論評】中国の原発輸出は頓挫するが、南シナ海浮体原発は甚大な危機!核兵器持ち込みも(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、最近の最近の中国の海外での頓挫ぶりについての部分のみ以下に引用します。
最近、中国共産党は、内需の不振から外需の取り込みを図ろうとしていました。最近の中国では国内での投資が一巡して、もう有力な投資先がほとんどないことから、投資による内需の拡大が望めない以上、どうしても外需に頼らざるを得ません。

その典型が海外への中国高速鉄道売り込みでした。しかし、その中国高速鉄道の売り込みは頓挫の一歩手前です。以下に4つの失敗事例を掲載します。
バンドン郊外で開かれた高速鉄道の着工式典に出席したジョコ大統領(左から2人目)

と中国鉄道公司の盛光祖社長(中央)ら=1月21日、インドネシア
まずは、インドネシアです。昨2015年、中国はインドネシアで我が国と高速鉄道の受注をめぐって激しい競争を行いました。 
中国は、インドネシアに高速鉄道の建設を事業費55億米ドルの全額融資する、政府の債務保証は求めない等の丸抱えで請け負うという破格の条件で約束しました。ジョコ政権が、中国に建設を依頼しようと考えたのも無理はありません。 
昨年9月、中国がインドネシア高速鉄道敷設(ジャカルタ―バンドンの全長約140km)を受注しました。そうして、2019年の開業を目指していました。
ところが、インドネシア当局は、まず、中国から提出された書類が(英語やインドネシア語ではなく)中国語で記載されていたので、事業契約が調印できませんでした。 
また、中国とインドネシアの合弁会社が、一転して、事業失敗の際の保証をインドネシア政府に求めたのです。そのため、インドネシア側に、将来、負担を押しつけられるのではないかとの懸念が芽生えました。 
今年2月、インドネシア当局は、その合弁会社に対し、地震対策を強化し、鉄道の耐用年数を60年間から100年間にするよう求めました。当局は、もしそれが改善されない限り認可を出さない方針です。 
中国には技術力に限りがあるため、たとえ短い距離であっても、インドネシアで高速鉄道建設が困難に陥っています。
廃墟のようになったベネズエラ・サラサの高速鉄道関連工場
次に、ベネズエラです。同国でも、2009年、中国がティナコ―アナコ間全長400kmで、高速鉄道敷設を手がけました。この建設計画は75億米ドルで契約が交わされ、2012年に完成する予定だったといいます。 
しかし、すでに同国からは中国人スタッフが消え、習政権は、その建設を放棄しました。そして、現場に残された金目の物は、現地住民に持ち去られたと伝えられています。 
もともと、ベネズエラは電力不足に悩まされていたため、同国で高速鉄道を走らせるのには無理があったのです。
タイ国鉄115周年のイメージが華々しく描かれた未来のタイ高速鉄道
3番目は、タイですが、初め、中国の借款で高速鉄道敷設(バンコクを起点に5線。特に、バンコク―ナコーンラーチャシーマー間)を計画していました。ところが、タイ側が急に、一部資金を自前で賄うことにしました。 
タイは、巨額な建設費を理由にして、中国に借款の金利引き下げや投資増額を要求しました。これに対し、中国側はタイの要求をのみ、金利を2%に下げました。 
にもかかわらず、タイは中国の譲歩を受け入れず、自己資金で一部路線の建設を決めました。タイの高速鉄道も、先行きが不透明です。おそらく、これから中国に受注することはないでしょう。
ラスベガスとロサンゼルスを結ぶ高速鉄道の
建設計画、赤い点線の部分に高速鉄道が走るはずだった
最後に、習近平政権は、米国でも高速鉄道(ロサンジェルス―ラスベガス間全長370㎞)の敷設契約を締結していました。ところが、今月、その契約が破棄され、米高速鉄道は白紙に戻っています。 
同路線は昨年9月、米エクスプレス・ウエスト社と中国の国有企業「中国鉄路総公司」が率いる中国企業連合の合弁事業として、今年9月にも着工予定でした。
しかし、エクスプレス・ウエスト社は6月8日、合弁解消を発表した。その理由として、(1)米国では、中国企業連合による認可取得が難しい、(2)すでに工事に遅れが生じている、(3)米連邦政府が高速鉄道車両は米国内での生産を求めている、などです。 
2日後、中国企業連合は新華社通信を通じて、米国側の一方的な合弁事業解消は、無責任であり、反対するとの声明を発表しました。 
このところ失敗つ次の中国の高速鉄道輸出は、中国の国家戦略です。そうして、中国の経済圏構想である「一帯一路」実現の手段でもあります。そのため、中国は、採算性を度外視しているところがあり、ビジネスとして成立しにくいのです。このような杜撰なビジネス手法では、習近平政権は、おそらく今後も失敗を重ねるだけになることでしょう。

そもそも、高速鉄道の技術は中国にはありませんでした。元々は日本の新幹線の技術のパクリです。技術力がないにもかかわらず、無理をして受注するので、うまくいかないという面も否定できません。

結局、外国で鉄道を建設するにおいても、中国国内でのやり方しか知らず、地元の人民の意向など関係なく自分の都合で押し付けをするため、失敗してしまうのです。中国のアフリカ投資も同じような理由から、ことごとく失敗しています。
そうして、今回の上の記事にもあったように、"シンガポールに納入した中国製鉄道車両に不具合が相次ぎ、ついに大規模なリコール(回収・無料修理)措置がとられた"とられたわけですから、中国の鉄道事業に対する信用は、地に落ちてしまったということです。

2011年の中国浙江省温州市の高速鉄道による追突脱線事故に関する記事に関しても、このブログに記事としていくつか掲載しています。その記事の一つのリンクを以下に掲載します。
事故車両、穴に埋める 「事故原因隠蔽では」「生存者いるかも」…ネットで反発渦巻く―【私の論評】尖閣問題でも露呈された、異質中国大炸裂!
この記事は、2011年7月25日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この事故車両、当時まだ事故が起きてから日が浅いかったにもかかわらず、上の記事にもあったように、破壊されて地中に埋めるという暴挙を行っています。その場面の動画もこの記事には掲載されていますので、それを以下に掲載します。



この動画では遠くから撮影しているので、良くわかりませんが、もっと近くで撮影した写真だと、全部がKOMATSU、KOBELCOなどの外国製の重機でした。これを見た、当時の日本のネットユーザーが、「重機も自分の国で作れないのに、本当にまともな高速鉄道などできるのだろうか」と訝っていたものです。

そうして、この記事では、中国の鉄道事業も以下のように批判しました。
上記(管理人注:上の動画のこと)は、中国で報道された、脱線した高速鉄道を埋めるシーンです。かなり、乱暴にやっています。クレーンでかなり破壊して、埋めています。日本の常識では、ほとんど考えようがない光景です。これは、完璧な隠蔽工作です。

しかし、これじゃ隠蔽にはなりませんね。何か、あまり頭の良い隠蔽方法ではないです。上手に隠蔽するなら、どこかに運びだし、隠すのが順当だと思うのですが、そうではないのですね。このようなやり方をすれば、ますます、疑惑が深まるばかりです。国家の威信をかけた鉄道のようですが、これでは、逆効果です。国民の信頼を裏切り、海外からの不信を招き、国家の威信を地に貶めたようなものです。

中国では、高速鉄道に限らす、普通の列車でも他の国に比較すると非常に事故が多いです。日本では、新幹線は、開業以来一人も死傷者を出していません。それにしても、事故がおきて、2日目で原因追究も十分にしていないうちから、運行を再開するなど、とてもじゃないですが、日本の常識、いや世界の常識では考え及びもつきません。 
日本は、会社がどうだ、政府がどうだ、何がどうだと、批判は厳しいものがありますが、さすがに中国のようなことはしないです。福知山線の脱線事故で、いったい、どれくらいの間電車が走らなかったでしょうか?今回の震災で、甚大な被害を蒙った福島原発に限らず、被害にあわなかったものでも、定期点検で稼動をとめていたものも、すぐには稼動を再開しませんでした。これが、あたり前のことです。とは、いってもこれは、あまりに当たり前の常識的なことです。
日本の福知山線脱線事故
中国では、この事故に限らず、以前から鉄道事故が多すぎてす。中国の鉄道は、日本の技術を盗用したとされていることは、昨年このブログ掲載で掲載したことがあります。この記事では、中国は鉄道事故が多すぎるので、こんな国の鉄道など、まともに考えれば、誰も買わないだろうと、掲載しました。まさにその通りです。こんな事故を起こしたようなシステムなど、どこの国でも買わないでしょう。いくら、安いとはいっても、このようなシステムは安全が第一ですから。
一時、中国の高速鉄道の輸出が華々しく報道されていたので、そんなことは中国の技術水準からとてもできるものではないと思っていた私は、特に安全性に関して非常に懸念していました。 中国にはもともとは、高速鉄道の技術など存在していませんでしたが、中国に高速鉄道を導入するときに、日本の新幹線技術を盗んだとされています。それも、現在のものではなく、一昔前のものです。中国の現在の高速鉄道の技術はそれに枝葉を付け加えたものに過ぎません。

まだ、しっかりと自分のものにもしておらず、事故が起こってもその原因をはっきりと突き詰めそれに対処する技術を新たに開発することもなく、事故が起こっても車両を埋め立てて隠蔽してしまったのです。

これでは、最初から欠陥技術ということであり、そのようなお粗末な技術で外国に無理やり売り込もうとしていたのです。

そんな中国が、外国への高速鉄道の売り込みに成功するはずもありません。これから、どんどんメッキが剥げ、ボロが出て、ことごとく失敗することでしょう。そうして、中国は外国に高速鉄道の売り込みができなくなるでしょう。そうして、安全面から考えれば、そのほうが良いです。実際に、システムが多くの国々に導入されてしまえば、その後の惨禍は、目を覆わんばかりの大惨事になることでしょう。

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