当該記事の、財務官僚のインタビューを中心に要約を掲載します。
「政治家を転がすコツ?それはいい気にさせることですよ」天才的な人心掌握術を持つこの男の野望が、間もなく達成されようとしている。誰のための野望?もちろん国民ではなく、財務省のため。
「先週、野田首相の外遊中に民主党の合同会議が荒れただの、造反議員が何人出るだのって騒いでいましたが、ハッキリ言ってどうでもいいんですよね。
新聞には、まるで大事のように書いてあるでしょ。だからバカな国民は『大変なことが起きている』と勘違いしてしまう。
あれ、茶番ですから。どういう道筋をたどるか、可能性はいくつかあっても、最終的にはボクら、というか勝さんの思惑通りに進みます。つまり、消費増税関連法案は可決される。
じゃあなぜ、政治家があんなに騒いでるのか。それには、政治家と官僚の根本的な『生態』の違いを知ってもらわないといけない。
政治家という生き物は、基本的に『どこまでいっても一人』なんです。派閥だなんだと言ったって、選挙に落ちた瞬間、ただの人になる。いや、仕事がなくなるんだから、ただの人以下ですね(笑)。
かつて政治家は、パフォーマンスをすべきでないと語っていた橋山氏 |
そんな政治家の行動原理を一言で言うと、「目立ちたい」。だからパフォーマンスに走るんですよ。
『国民のために消費増税に反対する』
とか言って。本当に国民のためになるかどうかは、どうでもいい。とにかくわかりやすいことを言って、目立とうとする。まだ国会議員じゃないけど、橋下徹さんなんてその典型でしょう?橋下さんのあの性癖は、多かれ少なかれ政治家が皆持っているものです。
自分勝手なパフォーマンスに走る奴がいるから、まとまる話もまとまらない。
財務官僚の生態は、その真逆なんですね。組織のために、上から下まで一体となって働く。今だったら、勝さんの指令の下、全員が同じ方向を目指す。もちろん自分の能力をアピールしたい気持ちはあるけど、悪目立ちすることは極力避ける。軍隊的と言われたら、実際そうだと思いますよ。
だから、政治家が財務省に勝てるわけがないんです。もともとボクらのほうが頭が良いわけで、しかも集団で戦うんですから。
消費税を上げなかったら財政は破綻します。国民はよくわかってないかもしれませんが、ボクたちの仕事は『おカネの管理』『国家の家計簿をつけること』ですから。税収を増やすためには消費税アップ、それが正しいことだというのは、すべての財務官僚のDNAにすり込まれています」。
財務省のDNAとは何を意味すのか? DNAは、単なる塩基配列にすぎないのだが? |
カネが権力の源泉だと言うが、それはもともと財務省のカネでも、ましてや勝氏のカネでもない。国民から吸い上げた税収を差配することで、自分たちが偉大なことをしていると考えるのが、そもそも思い上がりではないか。
日本には真の政治は存在しない。ただ財務省に君臨する王、天下人がいるだけなのだ。この記事の詳細は、こちらから。
【私の論評】東大話法を想起させる、国民不在のエリート意識?
本日は、月曜日です。当社では、普段は部署ごとに朝礼をするのですが、月曜日には、一箇所に集まり全体朝礼を行います。全体朝礼では、役員も持ち回りで話しをします。その中で1人の方が「東大話法」について話していました。この方は、この話で、 言葉で逃げを打つ人に対する戒めとしてこの話をしていました。
今年の2月に東京新聞に掲載された、「東大話法」関連記事 |
財務官僚の生態は、その真逆なんですね。組織のために、上から下まで一体となって働く。
という下りは、あまり頭がきれるタイプとも思えない、東大話法を長く続けてきて、頭が腐っているのではないかと思います。
財務省というか、もともとは、大蔵省ということで、歴史をみてみると、増税に関しては決して主流派ではないということがわかります。それに、デフレ下の増税は、間違いであることを表明している人もいます。実際、増税すると、国民の所得が減るということを国会で証言している財務官僚も存在します。
ボクたちの仕事は『おカネの管理』『国家の家計簿をつけること』。と語っていますが、これは、全く違うと思います。政府の管理帳票は、単式の帳簿で、まるでお小遣い帳のようであると、揶揄する人もいますが、単式であれ、複式であれ、お小遣い帳をつけることだけが財務省の仕事でないことだけは、確かです。
これは、たとえば、普通の会社で、経理の人に「あなたの仕事は何ですか?」と聴いて、真顔で、「ボクたちの仕事は『おカネの管理』『会社の家計簿をつけること』などと答えれば、馬鹿と言われても仕方ないと思います。
この答えでは、確実に落第です。まるで、責任のない傍観者のような発言です。財務省の仕事は、国家の家計簿をつけて、帳尻を合わすことではありません。無論、このような仕事もないとはいいません。しかし、このような仕事だけであれば、何もわざわざ、超エリートを投入する必要は、ありません。これだけだったら、システムを整えて誰かが管理して高卒の普通の能力のアルバイトにやらせたほうが、よほど賃金も安くて、効率的です。
そんなことは、ありません。たとえば、予算編成などという大事な仕事もあります。これは、何のためにやっているかといえば、帳尻合わせのためにやっているというわけではありません。はっきりいえば、『国家の意思の表明』です。政治家がいかに、何をするこれをどうするなどと言葉たくみに語ったとしても、予算がつかなければ結局何もできません。これは、企業とて同じことです。予算という裏付けがなければ、ほとんど何もできません。その意味では、企業の予算は、『企業の意思』そのものです。無論予算は、最終的には、政治家が国会で決定することではありますが、財務省は、専門家的な立場から、たたき台を作るという仕事があります。
ノーパンしやぶしゃぶコスチューム(イメージ) |
勝次官は、このようなタイプの人ではないと思います。上記のような愚かな発言をする官僚などそもそも、存在しているかどうかが疑わしいです。まあ、取材して掲載いるのですから実在はしているのだと思いますが、本流の考え方している人ではないと思います。本流が、この程度であれば、日本の大エリートも落ちたといわざるを得ません。
大蔵省は、昔から、エリート中のエリートが入るところといわれてきたはずです、そんなエリートがこの発言なら、情けないです。しかし、現実にはそのような人もいるかもしれません。これは、ドラッカーが語っていた、「本当に優秀な技術者を一人雇いたければ、6人の技術者を雇え」と語っていたことを思い起こすべきです。
優秀な技術者を破格の待遇で獲得するサムスン |
だから、財務省、旧大蔵省だって、この原則があてはまるのです。東大に入り、東大を卒業し、難関である国家公務員試験に合格した人たちは、本来全員が優秀であるはずです。しかし、これらの中にも、優劣ができてしまうのです。そうして、上の記事のインタビューで意味不明の受け答えをしていた人は、優秀ではない部類の人なのだと思います。そうして、勝次官などと比較すれば、雲泥の差なのだと思います。
そうして、この手の優秀でない人が、いわゆる、「東大話法」に耽溺し、自らの能力を開発せず官僚キャリアを終えるのだと思います。
さて、東大話法といえば、上の写真に示したように今年の2月に、このことが、東京新聞の記事になっていました。その内容を以下に要約して、掲載します。
安富歩教授 |
安富歩教授「東大話法」(東京新聞2/25)
原子力ムラでまん延 「東大話法」思考奪う 偽りの言葉 高慢 無責任な傍観者
安冨歩(やすとみ・あゆむ)・東大教授に聞く 東京新聞 2月25日
着想のきっかけは福島原発事故の直後、NHKに出ずっぱりだった関村直人(原子力工学)の話しぶりだったといいます。
関村直人教授 |
関村教授といえば、不安でテレビにかじりつく視聴者に向かって、実際に起こっていそうなことよりも、ずっと楽観的な「安全」を強調し続けた専門家。1号機が爆発したのではないか、という一報にも「爆破弁を作動させた可能性がある。」などと言い切り、あとにひどい学者不信を招いてしまいました。
「過酷事故が目の前で起こっていても、官僚や学者は原発を安全と印象づける『欺瞞言語』を手放さなかった。東大で見聞きする独特の話しぶりにそっくりだと思った。」
ちなみに「東大話法」とは、東大OBが最も巧みに操るだけで、出身大学とは関係なく散見されるそうです。爆発事故を「爆発的事象」と繰り返した東北大出身の枝野幸男官房長官の会見も、典型的な東大話法だそうです。
枝野幸男氏 |
「正しくない言葉で、まずだましているのは自分自身。目の前で爆発が起こっている現実を直視できなくなり、正気を疑うようなことも平気でできるようになる。」
日本を戦争の破滅に導いた近衛文麿 |
二十代のとき、2年半の銀行勤務の経験もある経済学博士だが、安冨歩教授の研究テーマは、「なぜ人間社会は暴走するのか。バブルに突き進んだ銀行の暴走と、戦争に向かってひた走った昭和初期の日本社会の相似に気づき、既存の学問分野を超えて探求してきたそうです。安冨歩(やすとみ あゆむ)教授は、「最も恐ろしいのことは、危機的な事態が起こった際、正しくない言葉を使うこと。それは一人一人から判断力を奪う」と強調しています。
危険なものを危険といわず
戦前、戦時中に「日本は神の国だ」などと言い続けたことが客観的な現状認識を妨げ、いたずらに犠牲者を増やした。
「『危険』なものを『危険』と言わない東大話法が偽りの安全神話を支え、事故を招いた」今年1月に出版した「原発危機と『東大話法』」(明石書店)では、上から目線の話しぶりに潜む東大話法のウソを暴きました。
「暫定的」と前置きしつつ、二十も列挙した法則の主な項目を見ると・・・。
規則1:自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する
「原子力関係者がよく使う言い回しに、『わが国は・・・しなければなりません』があります。『私』ではなく、往々にして国や役所などを主語にするのが『立場』の人です。」日本人のほとんどは、立場に合わせて考え、「立場上そういうしかなかった」といった言い訳もまかり通りがちです。
「責任から逃げている『立場』がいくつも寄り添い、生態系のように蠢(うごめ)いているのが日本社会。しかし、『立場の生態系』がどこにいくのかは、誰一人知らない。」
高慢 無責任な傍観者周囲もあぜん 「記憶飛んだ」
規則8:自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル張りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。
原子力ムラには自分を「傍観者」とみなしたがる習性も根付いているそうです。
「客観的であることと傍観することをはき違え、なんら恥じるところがない」
斑目春樹氏 |
傍観者ぶりが際立っているのが、原子力安全委員会の斑目春樹委員長。無責任な発言を繰り返し、「デタラメ」と揶揄された東大OBです。つい最近も、事故直後の対応を聞かれた国会の原発事故調で「一週間寝ていないので記憶が飛んでいる。(官邸に)どんな助言をしたか覚えていない」と、当事者とは思えない言い訳をして、周囲をあぜんとさせました。
「原発に反対し続けた京大原子炉実験所の小出裕章さんが、講演のたび『原子力にかかわってきた者として謝罪したい』と繰り返しているのと比べると驚くばかりの傍観者ぶりだ。」
規則3:都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけを返事する
規則5:どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも、自信満々で話す
九州電力の社員動員が発覚した2005年の「ヤラセ討論会」に参加した東大大学院の大橋弘忠教授(システム量子工学)も、典型的な東大話法の使い手だといいます。
討論会の議事録などによると、参加者の一人だった小出助教授は「人は間違うし、想定外の事態も起こり得るので、安全余裕をなるべく多くとるのが、原子力のようなものを扱うときの鉄則だ」と主張していました。
大橋弘忠氏 |
これに対し、大橋教授は「安全余裕を完全に間違えて理解している方の考え方」と冷笑。
水蒸気爆発の心配をする市民団体の代表にも、「私は水蒸気爆発の専門家」と胸を張り、見下すような議論に終始しました。
「見つけたら 笑ってやって!」プルトニウム拡散の『遠因』
「原子炉を四十年間、研究をしてきたのは小出さんの方。ところが、大橋教授が討論会を仕切ってしまいました。その結果、九州電力の玄海原発には危険なプルトニウム混合燃料が投入された」
玄海原発に続き、福島第一原発3号機でも、プルサーマル発電が始まっていました。つまるところ、3号機の爆発事故でプルトニウムが飛び散った遠因に、大橋教授の東大話法が貢献したとも言えます。
ちなみに、同教授の語録には「プルトニウムを飲んでもすぐに排出される」があります。
「東大話法」にだまされないためには、どうすればいいのか。
安冨教授は、「自らの内にある東大話法に向き合い、考えることから逃げない姿勢が大切。東大話法を見つけたら、笑ってやること」と提案しています。笑われて、恥ずかしいことだと気づくことで東大話法から抜け出せる。
どこに向かうかわからない『立場の生態系』については、パイプに詰まったごみのような存在が迷走を止める役割を担うこともあるといいます。
「官僚にも学者にも、あるいはメディアにも、自分の言葉を持つ人たちがわずかにいる。そんな一人一人の存在でかろうじて社会がもっている。もし、人間社会がひきょう者の集団になったら、社会秩序は維持できない。」以下に、に20の法則を掲載しておきます。
東大話法 20の法則 安冨歩(やすとみ あゆむ)・東大教授
○規則1:自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。しかし、これだけ、東大話法をみせつけられると、何か、上の記事で、自分たちの仕事は、お小遣い帳をつけることと、傍観者的にいう、官僚こそが、本当は、財務省の主流であるのかもしれないと思えてきます。
○規則2:自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
○規則3:都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事する。
○規則4:都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
○規則5:どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
○規則6:自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱいに批判する。
○規則7:その場で自分が立派な人だと思われることを言う。
○規則8:自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル張り氏、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。
○規則9:「誤解を恐れずに言えば」と言って嘘をつく。
○規則10: スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を倒喝し、迎合的な態度を取らせる。
○規則11:相手の知識が自分より低いとみたら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す。
○規則12:自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。
○規則13:自分の立場に沿って、都合のよい話を集める。
○規則14:羊頭狗肉。
○規則15:わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
○規則16:わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する。
○規則17: ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる。
○規則18:ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところに突然落とす。
○規則19:全体のバランスを恒に考えて発言せよ。
○規則20:「もし○○○であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける。
まあ、いわゆる民間企業では、あり得ないことです。やはり、民間企業では、利益などの指標がはっきりしているせいでしょうか。それに、組織風土が全く違うのだと思います。上のような、東大話法をまともな民間企業で、語れば、とんでもないことになります。企業であれば、営業関係の人間であれは、必ず売上や利益目標があります。営業関係以外であっても、その部署にふさわしい目標があり、それに向かって努力し、この目標を達成すれば、皆で喜びます。
財務省のような役所や、原子力ムラなどでは、こんなこともないのだと思います。そうして、多くの人が、組織や、国民のことなどは、そっちのけで、自分の保身のために、東大話法に励み、原子力ムラや、先の財務省の馬鹿役人のようになるのだと思います。
財務省組織図 |
そうして、おそらく、上の記事など読んでいると、勝次官は、本当に優秀であり、東大話法などせずに、努力して能力を鍛えあげたきたため次官にまで上り詰めた方なのだと思います。もともと、早稲田大学出身ということですが、本来は、最初から東大に入ろうとしいたのではないかと思います。なにしろ勝次官が、大学受験の頃は、東大紛争の混乱で、1年間入学試験が中止された時期にあたっいたっています。だからこそ、後に東大に学士入学したということです。東大に最初から入っていないということから、財務省では、主流派ではないのかもしれません。だからこそ、東大話法の罠にはまらなかったのかもしれません。
勝栄二郎氏 |
しかし、日本では、このようなエリート中のエリートであり、東大話法などと無縁な人までが、本当に危険で無意味な消費税増税を推進する立場にならざるを得なかったということが、本当に残念です。勝氏は、何が、国民のためになるのか、また、長い目で見た場合、何が財務省にとっての省益になるのか、十分知り抜いておられると思います。
このような優秀な人は、私が拙いブログで、掲載しているようなことは、すべて知り抜いているどころか、はるかに上をいっており、専門家の立場から私など思いも浮かばない何百段階、いや何万段階も上のことを考えておられるのだと思います。
東大話法の罠にはまっていない人までが、このように間違った方向に進んでしまう、日本の優秀な人々のことを考えると、暗澹たる気持ちにならざるを得ません。
私など、拙い頭で考えてみても、まずは財務省の将来、そうして国民のことをついでに考えたとしても、増税などに走るよりも、まずは、中央銀行の本来の役割を忘れて暴走する日銀を討伐することのほうが、はるかに優先順位が高いように思えるのですが、そうではありません。なぜ、財務省が増税にひた走るのか、理解できません。この疑問をはっきりさせていただきたいと思うのは、私だけでしょうか?