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2013年3月23日土曜日

日銀・黒田新体制を待つ罠 異例の人事で不気味な兆候も…―【私の論評】日銀反リフレ派主流派の攻撃を阻止するには、縦深防御で臨め!!

日銀・黒田新体制を待つ罠 異例の人事で不気味な兆候も…
左より、岩田副総裁、黒田総裁、中曽副総裁

日銀は21日、黒田東彦(はるひこ)総裁(68)率いる新体制が本格始動する。黒田総裁は同日午後に日銀本店に初出勤、岩田規久男副総裁(70)とともに「2%のインフレ目標」早期達成へ、追加金融緩和の検討に着手する。だが、日銀内部の「抵抗勢力」が罠を張り巡らせているとの懸念もある。

黒田総裁と岩田副総裁は、従来の日銀に批判的で、国債購入の大幅な強化など金融政策を大胆に転換する構えだ。日銀プロパーにとって、これまでの政策ミスを突き付けられるだけに、歓迎ムードではないようだ。

ある元日銀マンは「正副総裁の講演原稿に日銀の意向に沿った文言を盛り込んで言質を取ったり、スケジュールを詰め込んで外部から情報を取れなくするなどしてコントロールしようとするだろう」と日銀プロパーによるレジスタンス活動に注意が必要とする。

すでに不気味な動きも出ている。日銀内で「将来の総裁候補」と目される雨宮正佳氏(57)が新体制発足直前、大阪支店長からわずか10カ月で理事に呼び戻される異例の人事があった。

「あれだけ批判された白川方明(まさあき)前総裁ですら、日銀内部では“最も金融緩和に積極的な人物”という評価」(前出の元日銀マン)だという。黒田、岩田両氏は“伏魔殿”に乗り込む覚悟が必要だろう。

【私の論評】日銀反リフレ派主流の攻撃を阻止するには、縦深防御で臨め!!

雨宮正佳氏

上の記事あまり長い記事ではないので、全文引用させていただきました。この中で気になるのは、異例の人事ということで、雨宮正佳氏が大阪支店長からわずか10ヶ月で理事に呼び戻されたという人事です。しかし、この人事はそんなに勘ぐらなくても良いと思います。

この人事は、おそらく日銀による維新の会対策ではなかろうかといわれていたからです。

この人事は昨年、5月11日付で発令されたものでした。この時に市場で関心をひいたのが、政策担当理事で「量的緩和政策」立案の中心人物だった雨宮正佳氏の大阪支店長への異動でした。

日銀は表向き、「雨宮氏に支店長経験がないため」と説明していましたが、この人事の正しい解釈は、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」対策だったと言われています。

さて、大阪維新の会は当時日ごとにその存在感を増していました。消費税増税や原発再稼働問題ではことごとく民主党政権の逆の政策を打ち出し、ついには倒閣まで口にしていました。次期総選挙で台風の目になることは確実でしたし、場合によっては政権を握る可能性すら秘めていました。

その場合、日銀としては気がかりだったのが当時の橋下氏の言動でした。日銀に関しても、「独立性が強すぎる」「(金融政策の)目標は(日銀ではなく)政府が決めるべきだ」と世界標準の正論を語り、インフレターゲット設定などを盛り込む日銀法改正にも前向きとされていたからです。そして、そんな橋下氏を説得して路線変更させられる力量の持ち主は、雨宮氏しかいないというのが実情だったのです。

ここで、日銀がどうやって政治家に取り入ってきたかのべておきます。まずは目をつけた政治家に金融関係のデータをこまめに届けることが第一歩です。そのうち、「ご説明に上がりたい」と接触し、定期的にアポが取れるようになったら、しめたものです。次の段階で、夜の会合に誘い出します。そうして日銀は、人目を気にせず夜の宴会ができる立派な施設を各地に持っています。

強みはなんと言っても経済情報です。民間金融機関の懐具合を知っているので、かなりの極秘情報も持っています。また、金融機関やそのシンクタンクに天下りも大勢おり、彼ら元日銀マンたちは古巣の情報などを元に経済情勢などを上手に語るので、政治家の講演会などにはうってつけのゲストになります。こうしたマンツーマンの人間関係で政治家に食い込むのです。

橋下市長

問題は、こうした日銀のお家芸が橋下氏に通用したかどうかです。橋下氏は議論を徹底的にオープンにしています。部内の会議でさえ公開していますし、記者会見はユーチューブで見られるようにしています。日銀の得意技であるマンツーマンの対人戦法は橋下流とは対極にあります。

日銀の大阪支店は、御堂筋を挟んで大阪市役所の真正面に位置する。「地の利」は果たしてメリットになったでしょうか。おそらく、ならなかったものと思います。その証拠として、私は日々橋下市長のツイートも追跡してますが、日銀大阪支店長との会談のことなどついに一言もみられませんでした。

日銀伏魔殿

おそらく、日銀としては、過去の民主党の歴代の野田、菅、鳩山総理大臣それに自民党の谷垣総理大臣などに対して、上にように取り行って、もっともらしい情報をたれこみ、日銀のどうしようもない馬鹿げた金融政策を正しい政策のように思い込ませることに大成功したのだと思います。これらの馬鹿総理大臣は、日銀にも財務省にもたやすく懐柔されて、意のままの操り人形となっていたというのが実情です。財務省には、あたかも日本がすぐに財政破綻するように信じこまされ、日銀には、日銀は十分に金融緩和をやっているかのごとく幻惑され、信じこんでいたというのが実情だと思います。

勝栄二郎元財務次官

ただし、財務省においては、従来の勝栄二郎財務次官は、すでに財務省を放逐され、IT企業に天下りました。財務高級官僚にとって、銀行や財務省関連の外郭団体などへの天下りならば、順当な天下りですが、IT企業などへの天下りなどは、放逐、島流し以外のなにものでもありません。やはり、財務省主流派は、勝氏の増税路線などは問題外の挙動だったのだと思います。ちなみに、財務省引き際の勝氏は、真砂財務次官から、部屋を取り上げられたそうです。真砂氏は、まさに、神か悪魔かといわれるような凄まじい人間ではないかと思います。それに、勝氏は財務省出身者の元老たちからは、末席に座らせてもらえないというとてつもない、しっぺ返しをくらわされたということです。

財務省はこのような状況ですが、日銀は違います。あくまでも、金融引締めが主流派の考え方であり、白川元総裁は、主流派からみれば、手ぬるい引き締めしかしなかったという評価です。ですから、とにかく歴代の総理や、これから、勢力を強める政治家などには、とにかくとりいって、日銀主流派の考え方が正しいことを吹き込むというのが、 常道です。

しかし、橋下市長には全く通用しなかったのでしよう。だから、これ以上雨宮氏を大阪に置いておいても、意味がなくなったのだと思います。それに、橋下大阪維新の会は分裂傾向にありますし、そんなことよりも、日銀にとっては、安倍総理が徹底的な金融緩和を進めること、それを実現しそうな、黒田総裁、岩田総裁が日銀に入り、先日のブログでも掲載したように、日銀政策決定委員会9人のメンバーのうち、これで4人が強力なリフレ派になったというお家騒動にどう対処するかが、大問題であり、そちらのほうが、大阪のことよりもはるかに重要なので、今回の異例の人事で雨宮氏を本店に戻したものと考えられます。

日銀は日銀なりに徹底抗戦を挑むつもりです。この抗戦に対してどう対処するかが、これからの大きな課題となります。

先日のブログでは、日銀政策決定委員会のうち、4人がリフレ派、4人が反リフレ派、1人がどっちつかずの、日銀出身の中曽宏日銀理事だった副総裁ということで、おそらく金融緩和政策に転じることが可能になることを掲載しました。そのブログのURLを以下に掲載します。

黒田日銀、“実弾”100兆円投入へ! 給料アップ、株価「年内2万円も」―【私の論評】賃金上昇を信じられない人は、頑迷固陋(がんめいころう)なだけ!!これからは、インフレ圧力に頭を悩ます時代に突入するんだぜィ!!


詳細は、このブログを読んでいただくものとして、私はこの記事を書いた時点においては、かなり楽観的な見方をしていました。

しかし、上の記事では、厳しい内容になっています。やはり、こういう厳しい見方をしておいたほうが良いと思います。考えてみれば、日銀政策決定委員会のうち、4人だけがリフレ派で、あとの政策決定委員会のメンバーは反リフレ派、それに日銀の大部分の人間が反リフレ派ということです。中曽副総裁が、日銀主流派に懐柔されるなどいうことは多いに考えられることです。それに、マスコミは反リフレ派です。自民党の中でも、本当のリフレ派は少数派です。他政党でも、リフレ派は少数派です。ふりかえってみれば、ほとんどが安倍総理や黒田総裁、岩田副総裁それに、政策委員会の二人と一部のリフレ派を含めても、周りは敵だらけです。

現在の政策委員会審議委員 

職名 氏名 就任年月日 任期満了日 前職等 任命した内閣 年齢
総裁 黒田東彦 2013年3月20日
(平成25年)
2013年4月8日
(平成25年)
財務官
アジア開発銀行総裁
第2次安倍内閣 68歳
副総裁 中曽宏 2013年3月20日
(平成25年)
2018年3月19日
(平成30年)
日本銀行理事 第2次安倍内閣 59歳
副総裁 岩田規久男 2013年3月20日
(平成25年)
2018年3月19日
(平成30年)
学習院大学経済学部教授 第2次安倍内閣 70歳

宮尾龍蔵 2010年3月26日
(平成22年)
2015年3月25日
(平成27年)
神戸大学経済経営研究所教授 鳩山由紀夫内閣 48歳

森本宜久 2010年7月1日
(平成22年)
2015年6月30日
(平成27年)
東京電力取締役副社長 菅内閣 68歳

白井さゆり 2011年4月1日
(平成23年)
2016年3月31日
(平成28年)
慶應義塾大学総合政策学部教授 菅内閣 (2改) 50歳

石田浩二 2011年6月30日
(平成23年)
2016年6月29日
(平成28年)
三井住友ファイナンス&リース
代表取締役社長
菅内閣 (2改) 65歳

佐藤健裕 2012年7月24日
(平成24年)
2017年7月23日
(平成29年)
モルガン・スタンレーMUFG証券
マネージングディレクター
野田内閣 (2改) 51歳

木内登英 2012年7月24日
(平成24年)
2017年7月23日
(平成29年)
野村証券金融経済研究所
経済調査部長
野田内閣 (2改) 49歳

上の名簿のうち、黒田総裁、岩田副総裁、佐藤、木内審議員のみが、リフレ派であとは、反リフレ派です。

こうした、状況を打破するには、攻撃するよりも防御が重要になると考えます。防御とはいっても、単純な防御ではなく、縦深防御が必要になってきます。縦深防御(じゅうしんぼうぎょ、英語: defence in depth, elastic defence)は、戦闘教義の1つです。縦深防御は、攻撃側の前進を防ぐのではなく、前進を遅らそうとすることを目的とします。それにより、時間を稼ぎつつ、攻撃側の前進による占領地域の増加と引き換えに敵の犠牲者を増加させる戦略です。日本語では、深層防御(しんそうぼうぎょ)と呼ばれることもあります。対義語に水際作戦があります。

この縦深防御の考え方は、非軍事的な戦略の記述においても広く使われています。この場合、日本語では、階層的防御、多層防御、多重防御の名前で呼ばれます(英語での表記は同一である)。

この防御は、横一線に陣地を築いて防御するというのではなく、縦に深く陣地を構築して、侵入してきた敵を弱らせ、最終的に勝利を得るという方式です。これ は、第二次世界大戦の独ソ戦では、ソ連軍のゲオルギー・ジューコフ司令官がとった戦法で、この戦法により、優勢だったドイツ軍を敗退させました。

ゲオルギー・ジューコフ

とにかく、日銀側の攻勢に備えて、横一線の単純な防御をするにのではなく、深く深く防御をするのです。そのためには、たとえば、日銀主流派にとって、針のむしろを用意するにしても、このむしろを一重ではなく、二重、三重、四重、五重までつくって、徹底的にいたぶり、五重を突破したころには、へろへろにさせるのです。

日銀醜聞を流布するにしても、日銀官僚の身辺を徹底的に洗い、最初は週刊誌、次はテレビ、次は、新聞、次はネットとこれも、幾重にも防御をはりめぐらして、これも、全部を突破するまでにはへろへろになるまで徹底するのです。

次に、ネット上でも、最初は通常の文字によるものから、写真、その次は動画と幾重にも防御をはって徹底的に攻撃して、ここでも、ヘロヘロにするのです。

そうして、日銀法改正案についても、1次案では、比較的ゆるいもので、日銀側を安心させ、2次案では、それよりも厳しくして、案が出されるたびに厳しくし、10次案まで出すのです。最終的には、11次案をだして、そこには、本当に厳しい条項を盛り込みます。

そうなると、日銀側は、必死で旧来手法により、政治家などに接触などして、とにかくとりいって、日銀主流派の考え方が正しいことを吹き込み厳しい日銀法の成立を阻止しようとします。そのときがこちらのつけ目です。これら取り込み屋のうち数人が精神に異常をきたすまで追い込むくらいの勢いで責め立てるか、懐柔してこちらに取り込むかして、日銀主流派の攻勢を阻むべきです。

これからの裏の駆け引き、表には、出てこないでしょうが、これくらいの覚悟がないと、過去20年間とんでもない日銀の行状は直りません。それにしても、日本の戦後体制からの脱却への道はまだまだ遠いです。まず身内からこのようにして日本を防御しなければならないということが情けないといえば情けないです。しかし、現実は、現実です。

本格的にやるつもりなら、このくらい、あるいはもっと上をいくくらいの覚悟で取り組んでいただきたいものです。そうして、安倍総理には、その覚悟があると思います。そう思うのは私だけでしょうか?_

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2012年11月3日土曜日

小泉純一郎元総理 霞が関に権力持ったのはわずか3か月だった−【私の論評】世論を味方につけねばならないからこそ、デフレ脱却の優先順位が高い!!

小泉純一郎元総理 霞が関に権力持ったのはわずか3か月だった

政界から一切身を引き趣味人として生きる細川氏
かつて自民党から政権を奪った細川護煕元首相、鳩山由紀夫元首相は改革を期待されながら、1年足らずで政権を投げ出した。国民には橋下維新への期待がある一方で、「どうせ総理になっても何もやれないのでは」と感じてしまうトラウマがあるのも事実である。

鳩山氏は、細川氏の生き方を見習うべきた!! この人には、もう政治を汚してほしくない!!
なぜ、改革派政権はいつも挫折するのか。

 総理大臣として国家の仕組みを根本から作り直す「本当の改革」は、いわば超高層建築のてっぺんで作業するとび職... 続きを読む
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NEWSポストセブン
「NEWS ポストセブン」は小学館が発行する「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」「マネーポスト」4誌を統合したニュースサイトです。各誌の最新記事・コラム等をネット用に再編集し、掲載するほか他のニュースサイトにも配信します。
ウェブサイト: http://www.news-postseven.com/

【私の論評】世論を味方につけねばならないからこそ、デフレ脱却の優先順位が高い!!

上の記事では、いかに総理大臣の権力がもろいものか、そうして、与党に対してどのくらい力があるかが鍵であることを示しています。確かにそうです。最近の日本の総理大臣の早期辞任は、野党からの追求などもありますが、党内部のまとまりが欠け内部から総理降ろしの声があがってそれが、辞任に拍車をかけている面があります。

霞ヶ関官庁街
だから、上の記事のようにただでさえ、プレッシャーの多い総理大臣の仕事をさらに、難しいものにしています。これは、過去の自民党でも、民主党でも全く同じことです。最近では、野田総理の様子が以下のように報道されています。



【スクープ最前線】野田酒浸り まぶた腫れ、目も充血…財務省もあきれ果て

 詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、相当プレッシャーがあるのは確かです。それも、半端ではないでしょう。このプレッシャーは、どこから来るかといえば、やはり、前財務次官勝栄次郎氏が退官したことが大きいものと思います。

以前は、増税法案を通すという目的があり、これに政治生命をかけると言っていたものが、通ってしまったことによる燃え尽き状況にあることと、さらには、増税までは、熱心に増税の必要性などをレクチャーしてくれ、ある意味では、人生の師でもある、勝栄次郎氏が退官し、次の大きな目標を見失っているのだと思います。


勝栄次郎氏は、高級官僚であるにもかかわらず腰も低く、かなり面倒見も良いということもあり、野田首相は、かなり頼りにしていたと思います。それに、増税で頑張っていたときには、自民党総裁谷垣氏も、増税賛成派であり、谷垣氏も、増税に関して勝栄次郎氏のレクチャーを受けており、この二人は、増税ツインともいって良いくらい、増税に関する考え方では一致していました。

敵方の政党の総裁が、当面政治生命をかける「増税」ということでは、考え方が全く一致していたことは、これほど力強いことはなかったでしょう。しかし、恩師である勝栄次郎氏が退官し、野田氏をサポートすることもなくなりました。それに、谷垣氏は、総裁選にでることもなく、安部新総裁にとってかわりました。

野田総理と増税ツインともいわれた谷垣元自民党総裁
安部新総裁は、野田氏とは、180度考え方が異なります。デフレから脱却しないうちは、増税しないと明言していますし、日銀の金融政策も変えるべきであると明言しています。このような、状況の変化で、大きな支えを二つも失った野田総理は、ほとんどレイムダック状態であり、孤独感もあり、かなりのプレッシャーを感じていることでしょう。

自民党安倍総裁
考えてみれば、上の記事でも指摘しているように、確かに、最近では与党に対する力の弱い総理大臣が多かったと思います。なぜなら、最近の特に自民党でも、民主党でも、選挙互助会的な性格が強いからです。もともと、基本的政治信条が異なるのに、一つにまとまっているからです。これは、次の総理大臣になる確率が現在では、一番高いと見られる、自民党安部総裁とて、同じことです。同じ自民党でありながら、安部総裁に対する自民党内の反対派は、3/4であると見て良いと思います。これは、実質的に、安部総裁が、以前総理を辞任したときの頃と変わらないと思います。

今回は、健康問題は克服された、安部新総裁ですが、上記のごとく、総理大臣の仕事は、本当に厳しく、プレッシャーが多く孤独なものでもあります。おそらく、総理大臣にふたたびなれば、ありとあらゆる勢力が、高い障壁となってたちはだかることでしょう。

立ちはだかる障壁を乗り越えなけれは!!
しかし、私たちには、希望もあります。上の記事では、小泉純一郎元総理 霞が関に権力持ったのはわずか3ヶ月だったとしていすが、小泉氏は、「自民党をぶっつぷしてやる」と公言していた人です。逆にいうとこのようなことを言っていても、3ヶ月も霞が関に権力を持っていることができたということです。上の記事では、ある財務省OBが以下のように述べたとされています。
官僚が総理の力を計るのは、与党にどのくらいの影響力を持っているか。与党が一致して総理の方針を支持すれば官僚は正面から抵抗できない。小泉氏が郵政選挙で反対勢力を駆逐し、自民党内に圧倒的な力を得た後の3か月ほどは、官僚は総理の顔色をうかがい、その言葉に無条件に従った。しかし、小泉氏が次の総裁選に出馬しないことがわかると、急速に求心力が落ちていった。
これは、事実だと思います。安部総理が退陣して5年、その後の麻生総理が退陣して、政権交代してから、 3年以上の月日が流れました。この間自民党は、下野したわけですから、自民党の主だった派閥も、結局下野していては、何ら意味がないことを悟ったと思います。そうして、政権与党に復帰したとして、またぞろ、総理下ろしなどやっていれば、ただの馬鹿です。

安部総裁が、総理になることができたら、自民党内の反対勢力も、安部総理のやることには協力すべきです。協力するのがどうしても嫌なら、自民党を出て、新政党をつくるか、他の政党にはいるべきです。内部で抗争するのではなく、まずは外部の敵である、官僚と戦うべきです。

石原慎太郎氏
しかし、官僚と戦うべきとはいっても、石原氏のように、官僚支配からの脱却をメインにするのではなく、安部新総裁が主張するように、まずは、日銀の誤った金融政策を一日もはやくやめさせることです。そうして、デフレ下の増税を見送り、デフレ対策を行うことです。ただし、安部総裁も、石原慎太郎氏も、最終的に目指すところは、同じことだと思います。しかし、今では、まずはデフレ対策だと思います。

こういうと、あたかも、官僚支配からの脱却は、後回しにして、経済問題を優先するように言っているに聞こえるかもしれません。しかし、そうではありません。財務省も、日銀も官僚によって運営されています。そうして、政府による積極財政、日銀による金融緩和政策はデフレ対策としては、当たり前の真ん中であり、すぐにも実施すべきものですが、結局過去20年もの間実行されず放棄されてきました。

円高・デフレ守護神の日銀白川総裁
そのため、日本は、円高・デフレの二重苦で、失われた20年を無為に過ごしてきました。この壁を破れば、経済は間違いなく好転します。そうして、官僚支配の一部を間違いなく崩すことになります。というより、崩さなければできません。そうして、経済が好転すれば、世論も味方になります。上記の記事にみられるように小泉総理が、霞が関に権力が持てたのも背景には、郵政選挙でもみられた世論の味方があったからです。世論の絶大なる味方なしに、「自民党をぶっつぶしてやる」と言っていた人が、党をまとめて、霞が関に権力を持てるはずがありません。

ただし、現在では、郵政民営化などでは、世論を味方につけることはできません。経済が好転し、デフレが収束し、円高が是正され、企業が一息つき、特に、雇用が本当に好転すれば、間違いなく世論を味方につけることができます。そのことに、もっと多くの政治家が気づくべきです。そのことにはっきり気づいているのは、今回の総裁選を見ている限りでは、自民党総裁候補者の中では安部総裁だけでした。

郵政選挙のときは世論が小泉を後押しした!!
だからこそ、まずは、日銀法改正、増税阻止を行う必要があるのです。こうすることによって、官僚支配の一角を崩し、世論を味方につけて、日銀法改正と、増税阻止を官僚支配からの脱却の一里塚とすべきなのです。安部新総裁もおそらく、このように考えて、日銀の金融政策の転換や、デフレなら増税見送りと明言しているのだと思います。

安部総裁が、総理だったころには、日銀の問題や、デフレ脱却のことを前面には打ち出してはいませんでした。そうして、短い在任期間中であったにもかかわらず、総理としては、教育基本法改正、防衛庁の防衛省への昇格などなど、多くの輝かし成果をあげていたにも関わらず、世論を味方につけることができませんでした。安部総裁は、こういうことの反省に立ち、熟慮に熟慮を重ねた上で、今後の政策の大枠を決定されているのだと思います。

日本国憲法の原本
そうして、安部総裁の頭の中には、総理だった頃の「戦後レジュームからの脱却」という言葉が刻み込まれていると思います。そうして、これは、本来自民党の党是であったはずのものです。ドイツでは、戦後何回か憲法の改正がなされています。日本だけが、今では、白日のもとにさらされた、馬鹿とソ連のスパイで構成されていた、GHQが作成した、日本国憲法を守り続けることは、全くおかしなことです。安部新総裁は、まちがいなくこういうことも変えていくことになります。これは、石原慎太郎氏も同じくそう考えています。

上の記事で、総理大臣の仕事は、プレッシャーが多く、障壁が高いこともおわかりになったことと思います。安部総裁が総理大臣になったとしても、民主党が政権交代したとき多く人が期待したように、すぐになにもかもが変わって、バラ色に変わるなどということはありません。抵抗勢力が多いので、薄皮一枚、一枚を剥がすように良くなり、変わっていくものと思います。だから、焦りは禁物です。

このブログでは、こうした安部総裁の動向を追跡しつつ、良い意味での世論形成にも寄与していきます。

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2012年8月31日金曜日

李大統領を竹島に上陸させたのは朴槿恵?!−【私の論評】アメリカ金融機関経済植民地韓国の教訓を活かせ!!

李大統領を竹島に上陸させたのは朴槿恵?

始まりは、指導者の判断ミス

国際紛争が起こる大きな原因の1つは「指導者の判断ミス」という国際関係の理論がある。韓国の李明博大統領による竹島上陸は、大統領と側近たちの「判断ミス」で始まった。その背後には「日本はもう大国ではない」という日本軽視論がある。韓国政府内で「中国派」が台頭しているためだ。韓国の外務省には、「米国派」「日本派」「中国派」がある。「日本派」は主流の座から追い払われている。


韓国の大統領府スポークスマンは、8月9日午後3時に大統領府担当の記者を集め、翌日の大統領の日程を発表した。「明日10日、大統領閣下は我が国の領土である独島を訪問される。同行取材について説明する」。スポークスマンは「ソウルにいる日本人特派員や日本大使館に、情報を漏らさないように。もし、情報が漏れた場合は、あなたたちの携帯電話の通話記録やメールを調査し、処罰する」と繰り返した。

この時点で、大統領府の高官たちは「大変な外交問題になる」とは判断していなかった。日本の反発は、「たいしたことない」と考えていたのだ。日本がいかに重要な国であるか、現実を認識していなかった。韓国は、輸出品の重要部品や技術を日本に依存している。また、在日米軍基地なしには米韓同盟も機能しない。だが、その実感が指導者や政治家はもとより、一般国民にも欠けている。。

竹島問題と慰安婦問題は関係なかった

李明博大統領は、竹島に上陸した理由として「日本が、慰安婦問題に対応しなかったから」と述べた。それなら「慰安婦問題に対応しなければ、竹島に上陸する」と、外交駆け引きをすればよかったのに、そうはしなかった。つまり、竹島訪問と慰安婦問題は、関係なかったのだ。さらに、天皇陛下の訪韓に触れ「亡くなった独立運動の犠牲者に、謝罪すべきだ」と述べた。そのうえ、野田首相からの親書を送り返すという事態まで、引き起こした。こうした経過は、大統領が韓国内の「反日感情」を盛り上げ、朴槿恵氏が大統領候補になることを妨害するのに利用しているとしか見えない。

朴槿恵氏
ところが、8月下旬になって韓国の状況が変わった。竹島問題のおかげで、大統領選挙への関心が高まらないのだ。8月25日から、野党の大統領候補を決める「予備選挙」が始まった。けれども、まったく盛り上がらない。これは、李大統領にとって困った事態だ。朴槿恵氏がセヌリ党の大統領候補になってしまった以上、同氏を大統領にさせないためには、野党が盛り上がらないと困る。野党候補に有権者の注目を集めた上で、自分を逮捕しない候補を密かに応援し、対立する野党候補のスキャンダルを流すつもりなのだ。

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】アメリカ金融機関経済植民地韓国の教訓を活かせ!!

このブログでは、以前イ・ミョンバクの竹島上陸や、天皇陛下に対する物いいに対して、以下のような記事を掲載したことがあります。

“竹島問題の背景にある日本の「経済力」の衰退。日韓企業の競争力の差を生む「円高」「ウォン安」の構造を変えよ  | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]−【私の論評】韓国の異常な経済は、米国金融界による日本の富収奪システムか?

その中でイ・ミョンバクについて以下のように掲載しました。
というのも、イ・ミョンバク氏は、失政続で韓国民の怒りを買い、間近に控える次の選挙では、落選確実といわれています。だからこそ、今更もう手遅れなのですが、虚勢をはって、竹島に上陸してみたり、天皇陛下に対する無礼な物言いをしたりして、起死回生をはかろうとしているのです。そうして、韓国では、恒例のことですが、大統領が任期を終えるのではなく、選挙で敗北ということにでもなれば、なぜか旧悪が露見され、下手をすると財産を没収され刑務所入りということになりかねません。
ノ・テウ(パソコンでタイプした遺書が発見されたという。普通遺書にタイプはあり得ない?)
これに関しては、イ・ミョンバク氏の前の韓国大統領ノ・テウ氏が、崖から飛び降り自殺をしたとされていますが、これは、おそらく、旧悪露見のため、刑務所に入れられることを嫌い自殺したなどと、いわれています。イ・ミョンバク氏もそうなりそうな勢いです。なぜ、そうなるかといえば、やはり、失政がはっきりして、国民はおろか、韓国の有力筋からかなりの恨みをかっているからです。 
在任中の失政にも、様々なものがありますが、その中でも、最大のものは、米韓FTA批准です。日本でも、TPPのことが問題になっていますが、これに対しては、私は、これが本当に自由貿易になるというのなら、にやるべきと思いまずか、どう考えてもそうではないようなので、大反対です。このFTAに関しては、私が下手な解説をするよりも、下の動画で経済評論家の三橋貴明さんが、余すところなく、解説していますので、以下の動画をご覧になってください。



この動画、韓国でも物議を醸したとみえ、ハングルの翻訳までついて、韓国人によって再アップロードされています。この動画は、韓国人のアップロードしたものです。
さて、上の動画で、韓国は、米国の経済植民地になったと解説していましたが、これは、まさにそのとおりです。そうして、韓国の米国経済植民地化は、実は、以前からいわれていたもので、FTAは、まさに、その最後の総仕上げをするものです。
このブログの冒頭の記事は、まさしく、私の論評を裏付けるものであり、私の推論は正しかったといえると思います

さらに、当該記事では、韓国のアジア経済危機以来の経済植民地化についても、掲載しました。これに関する詳細は、当該記事をご覧いただくものとして、韓国の大手7銀行のうち、6銀行には、アメリカの金融機関の資本が注入されており、韓国民が汗水垂らして働いたお金が、韓国銀行の配当として、その多くがアメリカの金融機関に吸い取られるということを掲載しました。

このようなことを理解していれば、なぜ以下のような不思議な事態がおきるのか、理解できるというものです。

まず韓国国債格付け引き上げに関する以下の記事、よく理解できると思います。

韓国国債格付け引上げ「Aa3」~スワップ協定見直しへのプレゼント?

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、疲弊して経済危機に見舞われそうな韓国の国債の格付けがなぜあがるのか、その理由は容易に推理できますね。

これは何のことはない、実質上米国金融機関経済植民地韓国に関して、最近は経済危機が叫ばれているなか、少しでも経済植民地の地位を向上して、米国金融機関の実入りを維持するという意図があるのがみえみえです。所詮アメリカの民間格付け機関の格付けてす。ムーディーズもアメリカの金融機関が、韓国から儲けられるだけ儲けてもらえば、自分たちも潤うので、このような格付けの変更を行ったということです。

そうして、米国金融機関の経済植民地である韓国の国民の窮状が以下のように伝えられています。

危機的レベルに近づく韓国の家計債務

これも、詳細は当該記事を読んでいただくものとして、これも、なぜこのようなことになるのか、簡単な話です。米国金融機関は、韓国の銀行を使って、韓国民からも、搾り取れるだけ搾り取ろうという腹だということです。韓国民に対して、銀行が金を貸しつければ、韓国民の財産も直接搾り取れるということです。

ローマ時代の奴隷のコスプレの女の子たち、
アメリカ金融界にとって、韓国は、まさしくこう見える?
さて、こうした韓国民の窮状をみていて、私たち日本人も対岸の火事だと思っているわけにはいきません。それこそ、ギリシャなどに関しては以前私が述べたように、対岸の火事といっても良いのですが、韓国の窮状はそうではありません。

先の私のブログの記事で、私は、以下のような結論を述べています。
このように、すでに韓国は、米国の経済植民地と化していたのです。韓国の銀行の多くに、アメリカの金融機関の資本がかなり入り込んだため、韓国人が一生懸命に働いて、銀行にお金をいれると、そのお金が、配当金としてアメリカの金融機関に送金されるということです。これでは、働けど、働けど、韓国人は、儲かることがなく、多くが、アメリカに簒奪されているという構図です。 
しかし、私達日本人も、韓国人を憐れんでいるわけにはいきません。韓国GDPの50%が輸出によるものです。その輸出先は、どこかといえば、無論日本も含まれていますし、韓国にとっては、大きな稼ぎ先であることには違いありません。 
そうして、異常なウォン安で、たとえば、日本の家電メーカーなどサムスンの後塵を廃するようになています。半導体産業などもかなりやられています。これらの、産業は、異常なウォン安、異常な円高では、とうてい太刀打ちできません。皆さんの身の周りにも、韓国製品が溢れていると思います。 
そうして、こうして、日本への輸出で儲けた韓国の利益は、銀行に入り、その銀行から配当金として、米国にかなりの部分が送られるという構図です。なんのことはない、韓国の異常な経済は、米国金融界による日本の富収奪システムでもあるということです。
さて、アメリカ金融機関は、韓国の経済植民地化に上記のように大成功したのですが、日本も、韓国を通じて、かなり富を簒奪されていることは、ご理解いただけたと思います。

そうして、貪欲なアメリカ金融機関は、韓国に続き日本の経済植民地化を狙っていることはいうまでもありません。いままでのところ、日本の経済植民地化は、少しづつは進んでいますが、彼らからすれば、未だ完璧の域に達してはいません。過去にもいろいろな手練手管を弄してきましたが、日本は韓国よりはるかにしぶとくなかなか一筋縄ではいきませんでした。

貪欲なアメリカ金融界

しかし、彼らにとって一筋の光明が見えてきています。それは、まずは、日銀の円高・デフレ推進政策です。そうして、ごく最近の一大イベントとしては、日本がTPPに加入の意思をみせたことや、増税に踏み切りそうなことです。こうしたことに、彼らの「ワシントン・コンセンサス」が重要な役割を果たしてきたことは、いうまでもありません。

特に、ワシントンコンセンサスにおいては、不景気のときには、ケインズをはじめ、まともな経済学者が行うべき対策とするのとは、真逆の、「緊縮財政」をせよ、としています。この最たるものは、不景気な時の増税です。これに関しては、数年前にイギリスが不景気なのに、増税をして大失敗したことはこのブログにも掲載しました。これに、日本政府や自民・公明党は、見事に追随しており、いまのところ、大成功を収めています。

そうして、彼らアメリカ金融機関は、前々から、日本のソブリンリスク(国家財政破綻)などことあるごとに煽ってきました。とはいいながら、随分前から何回も煽ってきたので、最近では「狼少年」のようになってしまい、世界の金融市場は、日本がすぐにも財政破綻するというような与太話には、誰ものらなくりました。だから、今では、あの強欲なゴールドマン・サックスでもそのような話はしなくなりました。しかし、日本政府それも、特に総理大臣と財務大臣は、この与太話を信じており、いままでのところ、こうしたキャンペーン見事にのってきました。

アメリカ金融界の韓国経済植民地化の成功には、 中国もこれを注視し、情勢を見守ってきました。彼らからすれば、韓国経済は、垂涎の的であることはいうまでもありません。そうして、このようなことを国家レベルで強力に推進していきたいと考えています。そうして、それは、日本に対して、一部日銀の円高・デフレ政策で成功していることは、以前のブログにも掲載したことがあります。ロシアもこれに対しては、積極的に取り組もうとしてはいるようですが、昔日本の憲法まで変更した、強力なコミンテルンの存在もなく、中国ほど存在感がなくなったため、とても無理なようです。

この米中両国による日本の富搾取システムは、少しずつではありますが、着実に前進しています。しかし、両国は、本来は、日本搾取システムの完成ということにかけては、競合同士あるはずですが、こうしたことは、表立ってできることではないので、互いに目だって牽制しあうことはなかなかできません。何しろ、自分たちの意図が表沙汰になれば、当の日本が警戒し、自分たちの意図を挫く可能性があるからです。

少し前のアジア。当時の植民地は、主に武力を背景に
つくられたが、今では、経済による植民という方法もある。
それにしても、日本のボンクラ政治家たちや、自分たちの利権ばかり考える高級官僚たちも、このような危機には、ほとんど気づいていないようです。日本は、いまのところ、韓国のように完璧に他国金融機関の経済植民地にはなっていません。そうして、現在は実際には、増税などしておらず、首の皮一枚で、つなかっている状態にあります。

そうして、増税に関してはまだ、本決まりではありません。ここで、増税してしまえば、日本は、デフレ・円高の奈落の底にさらに深く沈んで、大変なことになります。そうなれば、本来ならいくらでもやりようのある日本経済が完璧に落ち込み、これをうまく利用して、米国金融機関や、中国共産党が、日本を何らかの形で、経済植民地化しようと、虎視眈々と狙っているのです。特にアメリカなどは、韓国を経済植民地にした実績があります。

元寇は、神風によって、くじかれたというが、経済植民化にも神風は吹くのか?
アメリカの金融界は、強欲で、金融知識も豊富です。韓国のように、銀行にアメリカ金融界の資本を入れるという方法ではなくても、他にも様々な仕掛けがいくらでもあります。実際、ゴールドマン・サックスなど、ギリシャにトラップをかけ、ギリシャの財政破綻により、儲けています。彼らは、強欲の塊です。日本国民や世界秩序などどうでもよく、後先を考えることもなく、日本を自分たちの金融奴隷にすることを夢見て、その機会を虎視眈々と狙っています。

虎視眈々
皆さんは、韓国がアメリカ金融機関の経済植民地になったように、日本がアメリカ・中国の経済植民地化されることを望みますが、それとも、そのようなことは断固として拒否しますか?

答えは、おのずからはっきりしていますね。そんな圧力は撥ね退けるべきです。そのためには、まずは、増税阻止と、日銀の金融政策の転換をはかるために、日銀法の改正が必須です。次の選挙では、当面日本の経済が上向くまで、増税しないことを確約し、日銀法を改正することを確約する政党や、個人に投票すべきです。

そうして、私達国民だけではなく、日本の良識派である天の声も、この最大の国難を避ける方に動きつつあるようです。なぜ、勝栄二郎財務次官が増税の最後の詰めの段階を経ることなく、財務省を去らなければならないことになったかを考えるべきです。韓国の教訓は、日本で活かされることになるのでしょうか?まさに、今年から来年にかけてが正念場です。天の声に呼応して、私達も、絶対増税阻止、日銀法の改正に向かって動くときと思うのは、私だけでしょうか?



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2012年8月4日土曜日

(倉山満氏の緊急解説)総裁造反?−【私の論評】日本国と、日本人という文脈で、物事をとらえ、語り、行動せよ!!

(倉山満氏の緊急解説)総裁造反?

本日は、非常に重要な情報なので、倉山満氏のブログから引用させていただきます。
本日のAJERは、三木武夫シリーズをお休みして、「緊急解説」番組をしました。
安倍晋三最後のチャンス!!

大蔵元老院の鉄槌
ここのところの砦の情報をさらに裏取りして解説したものです。裏取りっていっても、取材と言うほど立派なものではないですが。 
要点をまとめると、 
・このままでは、日本は今後6年間、今以上の不況が続く。それで持つのか? 
・小泉元首相や、大蔵省次官OB連(元老院)は、相当の危機感を抱いている。 
・増税「大政翼賛会」は、今を乗り切れば勝ちだと思っている。 
・逆に言えば、今が敵の最大の弱み。ここを逃してどう戦う? 
・もしかしたら、負けるかもしれない。しかし、ここで「負けること」と「戦わないこと」、どちらが国民の支持を失うのか? 
・もはや民主も自民もつぶれてしまえ!というのが国民の多数。 
・「敗戦国のままで良いのか」を争点に、政界再編を行うべし。 
・国会を見渡して、安倍晋三元首相以外に旗印はいるのか。いや、いない。
そうこう言っている間に、野党七党が増税採決前に不信任案提出。公明党は否決の方向。 
あとは自民党だが、これで賛成しなかったら、次の総選挙は大敗だな。話は簡で、「もう我慢できない!」と一言だけ言って、不信任案に賛成すれば良い。もし谷垣自民党総裁が不信任案否決をするなら、造反したのは総裁の方だ! 
ですな。
【私の論評】日本国と、日本人という文脈で、物事をとらえ、語り、行動せよ!!

本日は、チャンネルAjerの倉山満氏の緊急解説を掲載します。このビデオ自体は、昨日見たばかりで、そのうちこれに関連する報道もなされるであろうと思っていたのですが、どうもそのような動きが見られないので、掲載することにしました。これは、有用・有益な情報として、皆さんに是非知っておいていただきたいものです。ご覧になっていない方は、是非ご覧になってください。

さて、私が動画を見た後の感想など下に掲載しておきます。

現場のデフレのままの状況で、増税することは、とんでもないということは、もうすでに多くの方々にとって、既成事実になっています。それに、最近では、日本における消費税増税にあたるイギリスでの付加価値税増税は完璧に失敗だったことが白日のもとに晒されています。


日本では、97年に増税して以来、一度も税収が前の水準戻ったことはありません。このような既成事実によっても、増税しようとする動きは、全く愚かであると言わざるを得ません。もし、今回増税に踏み切ったとすれば、いままでに経験したことのない最悪のデフレになることは、容易に想像できることですし、ほぼ確実です。それに、倉山氏は、上の記事で、このままでは、6年間不況が続くとしていますが、それは、動画をご覧いただけれは、最短という意味であり、私自身は、10年は続くものと思います。そうして、失われた10年は、すでに、20年に近づきつつありますが、そんなものは軽く乗り越えて、失われた30年になると思います。30年間デフレを放置する国など聴いたことがありません。まさに、狂気の沙汰です。

失われた20年と、3200兆円、クリックすると拡大します
そうして、税収が減り、財政再建どころではなくなります。これを推進した人々は、戦犯のようなものです。後々必ず、非難されるでしょうし、それも微に入り細に入り詳細にわたって愚かであったことが白日のもとに晒されることは明らかです。これは確かです。昔のように、インターネットがないとか、SNSがない時代とは違います。ほぼ確実に政治生命を失うことでしょう。雇用など更に悪化、多くの星の数ほどの多くの中小企業がやっていなくなったり、自殺者が増えれば、当然です。



民主党は政治においては何も決断できずに、結論を延々と先延ばしすることが常なのですが、そんな性向にもかかわらず、消費税増税だけは、首相が政治声明をかけるなどとして、熱心にすすめます。こんな、恐ろしいこと、しかも、イギリスの例をみるまでもなく、すぐに、大失敗であることが発覚するようなことを良く平気で進められるものだとその度胸に感心してしまいます。というより、野田総理や安住財務大臣などは、それが正しい道と心から信じているのでしょう。本当に愚かです。


それに政局だけからみても、この時点で、増税推進をした与党などは、後々汚名をかぶることは必至です。これは、97年に増税に踏み切った橋本龍太郎氏がどのような末路をたどったかを見れば、理解できることです。野田総理は、そうなりたいのでしょうか?それとも、増税した後は、野となれ山となれで、どうでも良いと思っているのでしょうか?それに、大蔵省分裂によって、できた財務省と日銀も?それに、デフレ下の消費税増税が、政権交代のきっかけの一つになっていたことは否めないと思います。実際、民主党は、政権交代前の選挙で、自分たちが政権をとれば、4年間は増税しないとはっきり公言していました。そもそも、政権交代した民主党が今日のように増税の推進をするなどとは、当時の有権者は誰も思っていなかったでしょう。


この期に及んでまで、増税を阻止できなければ、大変なことになることは明らかです。この時点においては、最早、左翼、左派、中道、右派、右翼などのイデオロギーは、どこかにおいておいて、とにかく、増税阻止の立場の人々は、結託すべきです。

勝栄二郎財務次官
そうして、増税阻止をしてから、イデオロギー論争をするなり、対立するなりして欲しいです。現在の状況でそれができないとか、しないというのでは、後世の歴史家が、この時代を愚鈍マスコミと、愚鈍政治家の時代と位置付けると思います。それこそ、倉山満氏が良くたとえにだす、あの戦争を阻止するどころか、推進してしまった、近衞内閣末期症状といわれることは必定です。

近衛内閣
さて、自民党内にも、いろいろな動きがあるようですが、やはり、結党の精神に立ち戻り、増税阻止は無論のこと、安部氏が総理のときに語っていた「戦後レジュームからの脱却」を目指すべきです。そうしなければ、いつまでも、日本独自の、財政政策も、金融政策もできず、今後も「デフレの時の増税」などというとんでもない政策に似たような政策を実行し続け、国民を道ずれにして、日本国弱体化を推進し、挙げ句の果てに日本という国がこの世から実質上消えてしまうなどということになりかねません。というより、そうなりかけていると思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?そうして、このようなことを誰が一番喜ぶのか?二番目は誰なのか?皆さん、考えてみてください!!

戦後歴代の自民党総裁
そう考えるのは、私だけではなく大勢いるからこそ、上の動画で、倉山満氏が説明しているような事実が発生しているのだと思います。日本人は、そろそろ、映画「マトリックス」のようなバーチャルワールドから目覚めて、本来の自分を取り戻すべきときにきています。国民国家として当然である日本国と、日本人という文脈で、物事をとらえ、語り、行動すべきです。本来の自分を取り戻さなければ、領土問題や、諸外国の干渉の呪縛から永遠に解き放たれることはないです。



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【緊急掲載】06.13 衆議院社会保障・税特別委員会公聴会 上念司氏―【私の論評】日本国解体推進無限ループの端緒となる増税阻止!!大拡散希望!!






2012年7月2日月曜日

この国のあり方を考える 天下人・勝栄二郎(財務省の王)はこうして伝説になった(現代ビジネス)―【私の論評】東大話法を想起させる、国民不在のエリート意識?

この国のあり方を考える 天下人・勝栄二郎(財務省の王)はこうして伝説になった(現代ビジネス)


当該記事の、財務官僚のインタビューを中心に要約を掲載します。
「政治家を転がすコツ?それはいい気にさせることですよ」天才的な人心掌握術を持つこの男の野望が、間もなく達成されようとしている。誰のための野望?もちろん国民ではなく、財務省のため。 
「先週、野田首相の外遊中に民主党の合同会議が荒れただの、造反議員が何人出るだのって騒いでいましたが、ハッキリ言ってどうでもいいんですよね。 
新聞には、まるで大事のように書いてあるでしょ。だからバカな国民は『大変なことが起きている』と勘違いしてしまう。 
あれ、茶番ですから。どういう道筋をたどるか、可能性はいくつかあっても、最終的にはボクら、というか勝さんの思惑通りに進みます。つまり、消費増税関連法案は可決される。 
じゃあなぜ、政治家があんなに騒いでるのか。それには、政治家と官僚の根本的な『生態』の違いを知ってもらわないといけない。
政治家という生き物は、基本的に『どこまでいっても一人』なんです。派閥だなんだと言ったって、選挙に落ちた瞬間、ただの人になる。いや、仕事がなくなるんだから、ただの人以下ですね(笑)。
かつて政治家は、パフォーマンスをすべきでないと語っていた橋山氏
そんな政治家の行動原理を一言で言うと、「目立ちたい」。だからパフォーマンスに走るんですよ。 
『国民のために消費増税に反対する』 
とか言って。本当に国民のためになるかどうかは、どうでもいい。とにかくわかりやすいことを言って、目立とうとする。まだ国会議員じゃないけど、橋下徹さんなんてその典型でしょう?橋下さんのあの性癖は、多かれ少なかれ政治家が皆持っているものです。
自分勝手なパフォーマンスに走る奴がいるから、まとまる話もまとまらない。 
財務官僚の生態は、その真逆なんですね。組織のために、上から下まで一体となって働く。今だったら、勝さんの指令の下、全員が同じ方向を目指す。もちろん自分の能力をアピールしたい気持ちはあるけど、悪目立ちすることは極力避ける。軍隊的と言われたら、実際そうだと思いますよ。 
だから、政治家が財務省に勝てるわけがないんです。もともとボクらのほうが頭が良いわけで、しかも集団で戦うんですから。 
消費税を上げなかったら財政は破綻します。国民はよくわかってないかもしれませんが、ボクたちの仕事は『おカネの管理』『国家の家計簿をつけること』ですから。税収を増やすためには消費税アップ、それが正しいことだというのは、すべての財務官僚のDNAにすり込まれています」。
財務省のDNAとは何を意味すのか?
DNAは、単なる塩基配列にすぎないのだが?
カネが権力の源泉だと言うが、それはもともと財務省のカネでも、ましてや勝氏のカネでもない。国民から吸い上げた税収を差配することで、自分たちが偉大なことをしていると考えるのが、そもそも思い上がりではないか。 
日本には真の政治は存在しない。ただ財務省に君臨する王、天下人がいるだけなのだ。
この記事の詳細は、こちらから。

【私の論評】東大話法を想起させる、国民不在のエリート意識?
本日は、月曜日です。当社では、普段は部署ごとに朝礼をするのですが、月曜日には、一箇所に集まり全体朝礼を行います。全体朝礼では、役員も持ち回りで話しをします。その中で1人の方が「東大話法」について話していました。この方は、この話で、 言葉で逃げを打つ人に対する戒めとしてこの話をしていました。

今年の2月に東京新聞に掲載された、「東大話法」関連記事

そうして、全体朝礼が終わって、ネットである調べ物をしていたら、上の記事にたどりつきました。そうして、上のインタビューを受けている財務省の受け答えを読んでいると、まさに、「東大話法」という感じで鼻持ちならないと感じました。

財務官僚の生態は、その真逆なんですね。組織のために、上から下まで一体となって働く。

という下りは、あまり頭がきれるタイプとも思えない、東大話法を長く続けてきて、頭が腐っているのではないかと思います。

財務省というか、もともとは、大蔵省ということで、歴史をみてみると、増税に関しては決して主流派ではないということがわかります。それに、デフレ下の増税は、間違いであることを表明している人もいます。実際、増税すると、国民の所得が減るということを国会で証言している財務官僚も存在します。

ボクたちの仕事は『おカネの管理』『国家の家計簿をつけること』。と語っていますが、これは、全く違うと思います。政府の管理帳票は、単式の帳簿で、まるでお小遣い帳のようであると、揶揄する人もいますが、単式であれ、複式であれ、お小遣い帳をつけることだけが財務省の仕事でないことだけは、確かです。

これは、たとえば、普通の会社で、経理の人に「あなたの仕事は何ですか?」と聴いて、真顔で、「ボクたちの仕事は『おカネの管理』『会社の家計簿をつけること』などと答えれば、馬鹿と言われても仕方ないと思います。

この答えでは、確実に落第です。まるで、責任のない傍観者のような発言です。財務省の仕事は、国家の家計簿をつけて、帳尻を合わすことではありません。無論、このような仕事もないとはいいません。しかし、このような仕事だけであれば、何もわざわざ、超エリートを投入する必要は、ありません。これだけだったら、システムを整えて誰かが管理して高卒の普通の能力のアルバイトにやらせたほうが、よほど賃金も安くて、効率的です。

そんなことは、ありません。たとえば、予算編成などという大事な仕事もあります。これは、何のためにやっているかといえば、帳尻合わせのためにやっているというわけではありません。はっきりいえば、『国家の意思の表明』です。政治家がいかに、何をするこれをどうするなどと言葉たくみに語ったとしても、予算がつかなければ結局何もできません。これは、企業とて同じことです。予算という裏付けがなければ、ほとんど何もできません。その意味では、企業の予算は、『企業の意思』そのものです。無論予算は、最終的には、政治家が国会で決定することではありますが、財務省は、専門家的な立場から、たたき台を作るという仕事があります。

ノーパンしやぶしゃぶコスチューム(イメージ)
このような愚かなタイプの人が、過去の大蔵省の時代に「ノーパンしゃぶしゃぶ」にハマったのかもしれません。

勝次官は、このようなタイプの人ではないと思います。上記のような愚かな発言をする官僚などそもそも、存在しているかどうかが疑わしいです。まあ、取材して掲載いるのですから実在はしているのだと思いますが、本流の考え方している人ではないと思います。本流が、この程度であれば、日本の大エリートも落ちたといわざるを得ません。

大蔵省は、昔から、エリート中のエリートが入るところといわれてきたはずです、そんなエリートがこの発言なら、情けないです。しかし、現実にはそのような人もいるかもしれません。これは、ドラッカーが語っていた、「本当に優秀な技術者を一人雇いたければ、6人の技術者を雇え」と語っていたことを思い起こすべきです。


優秀な技術者を破格の待遇で獲得するサムスン
これは、昔から知られてい経験則です。全員が優秀だと折り紙つきの定評のある人を6人雇うと、全員優秀なはずなのに、なぜその中で、かなり優秀な人、真ん中くらいの人、優秀ではない人と、順位ができてしまうそうです。だから、ドラッカーは、本当に優秀な人を雇いたければ、6人雇えと言ったのです。これは、人事関係の人なら誰もが知っている経験則です。


だから、財務省、旧大蔵省だって、この原則があてはまるのです。東大に入り、東大を卒業し、難関である国家公務員試験に合格した人たちは、本来全員が優秀であるはずです。しかし、これらの中にも、優劣ができてしまうのです。そうして、上の記事のインタビューで意味不明の受け答えをしていた人は、優秀ではない部類の人なのだと思います。そうして、勝次官などと比較すれば、雲泥の差なのだと思います。


そうして、この手の優秀でない人が、いわゆる、「東大話法」に耽溺し、自らの能力を開発せず官僚キャリアを終えるのだと思います。

さて、東大話法といえば、上の写真に示したように今年の2月に、このことが、東京新聞の記事になっていました。その内容を以下に要約して、掲載します。

安富歩教授

安富歩教授「東大話法」(東京新聞2/25)
原子力ムラでまん延 「東大話法」思考奪う 偽りの言葉 高慢 無責任な傍観者
安冨歩(やすとみ・あゆむ)・東大教授に聞く 東京新聞 2月25日

着想のきっかけは福島原発事故の直後、NHKに出ずっぱりだった関村直人(原子力工学)の話しぶりだったといいます。 
関村直人教授
関村教授といえば、不安でテレビにかじりつく視聴者に向かって、実際に起こっていそうなことよりも、ずっと楽観的な「安全」を強調し続けた専門家。1号機が爆発したのではないか、という一報にも「爆破弁を作動させた可能性がある。」などと言い切り、あとにひどい学者不信を招いてしまいました。 
「過酷事故が目の前で起こっていても、官僚や学者は原発を安全と印象づける『欺瞞言語』を手放さなかった。東大で見聞きする独特の話しぶりにそっくりだと思った。」
ちなみに「東大話法」とは、東大OBが最も巧みに操るだけで、出身大学とは関係なく散見されるそうです。爆発事故を「爆発的事象」と繰り返した東北大出身の枝野幸男官房長官の会見も、典型的な東大話法だそうです。
枝野幸男氏
「正しくない言葉で、まずだましているのは自分自身。目の前で爆発が起こっている現実を直視できなくなり、正気を疑うようなことも平気でできるようになる。」 
日本を戦争の破滅に導いた近衛文麿
二十代のとき、2年半の銀行勤務の経験もある経済学博士だが、安冨歩教授の研究テーマは、「なぜ人間社会は暴走するのか。バブルに突き進んだ銀行の暴走と、戦争に向かってひた走った昭和初期の日本社会の相似に気づき、既存の学問分野を超えて探求してきたそうです。安冨歩(やすとみ あゆむ)教授は、「最も恐ろしいのことは、危機的な事態が起こった際、正しくない言葉を使うこと。それは一人一人から判断力を奪う」と強調しています。 
危険なものを危険といわず
戦前、戦時中に「日本は神の国だ」などと言い続けたことが客観的な現状認識を妨げ、いたずらに犠牲者を増やした。 
「『危険』なものを『危険』と言わない東大話法が偽りの安全神話を支え、事故を招いた」今年1月に出版した「原発危機と『東大話法』」(明石書店)では、上から目線の話しぶりに潜む東大話法のウソを暴きました。 
「暫定的」と前置きしつつ、二十も列挙した法則の主な項目を見ると・・・。 
規則1:自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する
「原子力関係者がよく使う言い回しに、『わが国は・・・しなければなりません』があります。『私』ではなく、往々にして国や役所などを主語にするのが『立場』の人です。」日本人のほとんどは、立場に合わせて考え、「立場上そういうしかなかった」といった言い訳もまかり通りがちです。  
「責任から逃げている『立場』がいくつも寄り添い、生態系のように蠢(うごめ)いているのが日本社会。しかし、『立場の生態系』がどこにいくのかは、誰一人知らない。」 
高慢 無責任な傍観者周囲もあぜん 「記憶飛んだ」
規則8:自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル張りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。
原子力ムラには自分を「傍観者」とみなしたがる習性も根付いているそうです。 
「客観的であることと傍観することをはき違え、なんら恥じるところがない」 
斑目春樹氏
傍観者ぶりが際立っているのが、原子力安全委員会の斑目春樹委員長。無責任な発言を繰り返し、「デタラメ」と揶揄された東大OBです。つい最近も、事故直後の対応を聞かれた国会の原発事故調で「一週間寝ていないので記憶が飛んでいる。(官邸に)どんな助言をしたか覚えていない」と、当事者とは思えない言い訳をして、周囲をあぜんとさせました。 
「原発に反対し続けた京大原子炉実験所の小出裕章さんが、講演のたび『原子力にかかわってきた者として謝罪したい』と繰り返しているのと比べると驚くばかりの傍観者ぶりだ。」 
規則3都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけを返事する 
規則5:どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも、自信満々で話す
九州電力の社員動員が発覚した2005年の「ヤラセ討論会」に参加した東大大学院の大橋弘忠教授(システム量子工学)も、典型的な東大話法の使い手だといいます。
討論会の議事録などによると、参加者の一人だった小出助教授は「人は間違うし、想定外の事態も起こり得るので、安全余裕をなるべく多くとるのが、原子力のようなものを扱うときの鉄則だ」と主張していました。 
大橋弘忠氏
これに対し、大橋教授は「安全余裕を完全に間違えて理解している方の考え方」と冷笑。 
水蒸気爆発の心配をする市民団体の代表にも、「私は水蒸気爆発の専門家」と胸を張り、見下すような議論に終始しました。 
「見つけたら 笑ってやって!」プルトニウム拡散の『遠因』
「原子炉を四十年間、研究をしてきたのは小出さんの方。ところが、大橋教授が討論会を仕切ってしまいました。その結果、九州電力の玄海原発には危険なプルトニウム混合燃料が投入された」 
玄海原発に続き、福島第一原発3号機でも、プルサーマル発電が始まっていました。つまるところ、3号機の爆発事故でプルトニウムが飛び散った遠因に、大橋教授の東大話法が貢献したとも言えます。 
ちなみに、同教授の語録には「プルトニウムを飲んでもすぐに排出される」があります。

「東大話法」にだまされないためには、どうすればいいのか。
安冨教授は、「自らの内にある東大話法に向き合い、考えることから逃げない姿勢が大切。東大話法を見つけたら、笑ってやること」と提案しています。笑われて、恥ずかしいことだと気づくことで東大話法から抜け出せる。 
どこに向かうかわからない『立場の生態系』については、パイプに詰まったごみのような存在が迷走を止める役割を担うこともあるといいます。 
「官僚にも学者にも、あるいはメディアにも、自分の言葉を持つ人たちがわずかにいる。そんな一人一人の存在でかろうじて社会がもっている。もし、人間社会がひきょう者の集団になったら、社会秩序は維持できない。」
以下に、に20の法則を掲載しておきます。

東大話法 20の法則 安冨歩(やすとみ あゆむ)・東大教授
○規則1:自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
○規則2:自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
○規則3:都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事する。
○規則4:都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
○規則5:どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
○規則6:自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱいに批判する。
○規則7:その場で自分が立派な人だと思われることを言う。
○規則8:自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル張り氏、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。
○規則9:「誤解を恐れずに言えば」と言って嘘をつく。
○規則10: スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を倒喝し、迎合的な態度を取らせる。
○規則11:相手の知識が自分より低いとみたら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す。
○規則12:自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。
○規則13:自分の立場に沿って、都合のよい話を集める。
○規則14:羊頭狗肉。
○規則15:わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
○規則16:わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する。
○規則17: ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる。
○規則18:ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところに突然落とす。
○規則19:全体のバランスを恒に考えて発言せよ。
○規則20:「もし○○○であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける。
しかし、これだけ、東大話法をみせつけられると、何か、上の記事で、自分たちの仕事は、お小遣い帳をつけることと、傍観者的にいう、官僚こそが、本当は、財務省の主流であるのかもしれないと思えてきます。

まあ、いわゆる民間企業では、あり得ないことです。やはり、民間企業では、利益などの指標がはっきりしているせいでしょうか。それに、組織風土が全く違うのだと思います。上のような、東大話法をまともな民間企業で、語れば、とんでもないことになります。企業であれば、営業関係の人間であれは、必ず売上や利益目標があります。営業関係以外であっても、その部署にふさわしい目標があり、それに向かって努力し、この目標を達成すれば、皆で喜びます。



財務省のような役所や、原子力ムラなどでは、こんなこともないのだと思います。そうして、多くの人が、組織や、国民のことなどは、そっちのけで、自分の保身のために、東大話法に励み、原子力ムラや、先の財務省の馬鹿役人のようになるのだと思います。

財務省組織図
本来優秀であるはずの人たち、優秀でなければならない人たちが、このような有様であることを見ると、本当に忸怩たる心持ちがします。

そうして、おそらく、上の記事など読んでいると、勝次官は、本当に優秀であり、東大話法などせずに、努力して能力を鍛えあげたきたため次官にまで上り詰めた方なのだと思います。もともと、早稲田大学出身ということですが、本来は、最初から東大に入ろうとしいたのではないかと思います。なにしろ勝次官が、大学受験の頃は、東大紛争の混乱で、1年間入学試験が中止された時期にあたっいたっています。だからこそ、後に東大に学士入学したということです。東大に最初から入っていないということから、財務省では、主流派ではないのかもしれません。だからこそ、東大話法の罠にはまらなかったのかもしれません。

勝栄二郎氏
勝次官は、「十年に一人の大物次官」「最後の大物次官」「影の総理」と呼ばれ、消費税増税に驀進する財務省にとっては切り札的存在といわれているそうです。

しかし、日本では、このようなエリート中のエリートであり、東大話法などと無縁な人までが、本当に危険で無意味な消費税増税を推進する立場にならざるを得なかったということが、本当に残念です。勝氏は、何が、国民のためになるのか、また、長い目で見た場合、何が財務省にとっての省益になるのか、十分知り抜いておられると思います。

このような優秀な人は、私が拙いブログで、掲載しているようなことは、すべて知り抜いているどころか、はるかに上をいっており、専門家の立場から私など思いも浮かばない何百段階、いや何万段階も上のことを考えておられるのだと思います。

東大話法の罠にはまっていない人までが、このように間違った方向に進んでしまう、日本の優秀な人々のことを考えると、暗澹たる気持ちにならざるを得ません。

私など、拙い頭で考えてみても、まずは財務省の将来、そうして国民のことをついでに考えたとしても、増税などに走るよりも、まずは、中央銀行の本来の役割を忘れて暴走する日銀を討伐することのほうが、はるかに優先順位が高いように思えるのですが、そうではありません。なぜ、財務省が増税にひた走るのか、理解できません。この疑問をはっきりさせていただきたいと思うのは、私だけでしょうか?


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