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2018年3月16日金曜日

【日本の選択】正恩氏が狙う「在韓米軍の撤退」と「韓国の崩壊」 南北、米朝首脳会談は目的のための手段でしかない―【私の論評】最終的には北を複数の国々で50年以上統治して中立的かつ民主的な新体制を築くしかない(゚д゚)!

【日本の選択】正恩氏が狙う「在韓米軍の撤退」と「韓国の崩壊」 南北、米朝首脳会談は目的のための手段でしかない

金正恩 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が南北首脳会談、米朝首脳会談を行う希望を表明した。歓迎する向きもあるようだが、「これで北朝鮮問題が解決した」とするのは全くの間違いだ。今ほど冷静な判断が求められている瞬間はないだろう。

 憂慮すべきは、「親北左派」で知られる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の今後の行動だ。文氏は、今回の首脳会談に前のめりになり、「不都合な真実」から目を背け、実体のない「友好」という観念に耽溺(たんでき=不健全な遊びにおぼれること)するであろうことは、火を見るより明らかだ。

文在寅

 北朝鮮が、韓国、そして、米国をも欺き、「核・ミサイル開発」の時間を稼ごうとしているという可能性を直視することが重要なのだが、文氏にそれを期待することはできない。

 今回の北朝鮮から韓国特使団に向けられたメッセージの中で重要なのは、次の箇所だ。

 「北朝鮮に対する軍事的な脅威が解消されて、北朝鮮の体制の安全が保障されるならば、核を保有する理由はない」

 このメッセージの後半部分の「北朝鮮の体制の安全が保障されるならば」という部分に注目し、金一族による独裁体制が保障されれば、北朝鮮が核兵器を放棄するとみなすのは間違いだ。

 重要なのは、前半の「北朝鮮に対する軍事的な脅威が解消されて」の部分だ。ここでの「軍事的な脅威」とは、具体的には在韓米軍の存在を意味している。すなわち、この個所は「在韓米軍が撤退すれば」と読み替えて解釈すべきなのだ。従って、在韓米軍を撤退せよとの要求が通らなければ、北朝鮮には核の保有が必要であると宣言していることになる。

 正恩氏の望みが「在韓米軍の撤退」であることは、亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使の米国下院における証言からも明らかだ。

太永浩(テ・ヨンホ)氏

 太氏は証言で、核開発を完了させた後、米国と交渉することで在韓米軍を撤退させようとする、正恩氏の戦略を明らかにしている。正恩氏はベトナム戦争を参考にし、韓国を(消滅した)南ベトナムに見立て、在韓米軍を撤退させ、韓国の体制崩壊を狙っているというのだ。

 南北首脳会談、米朝首脳会談も、基本的には「在韓米軍の撤退」と「韓国の崩壊」が目的であり、両首脳会談自体は目的のための手段でしかないと見做すべきであろう。

 北朝鮮の口先の言葉ではなく、実際の行動に注視することが肝要である。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。専攻は政治哲学。著書に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『人種差別から読み解く大東亜戦争』(彩図社)、『「リベラル」という病』(同)など。

岩田温氏

【私の論評】最終的には北を複数の国々で50年以上統治して中立的かつ民主的な新体制を築くしかない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で岩田氏が主張する"南北首脳会談、米朝首脳会談も、基本的には「在韓米軍の撤退」と「韓国の崩壊」が目的であり、両首脳会談自体は目的のための手段でしかない"という主張は妥当なものです。そうして、北朝鮮の最終目的は、北朝鮮主導で南北朝鮮を統一することです。最終的には、朝鮮半島全部を北が支配することです。

北の核と、南の経済力、技術力を融合して、半島に先進国並の経済力のある、軍事独裁政権を樹立することです。

このようなことは、まともな人なら、薄々気づいているのではないでしょうか。最近の情勢をみて、米国が北朝鮮を武力攻撃することなどないなどと判断するのは、全くの早計です。

ここ数カ月から、1〜2年くらいはもしかすると、ないかもしれませんが、その後北朝鮮が核を廃棄しないというなら、米国は必ず武力攻撃します。これに関しては、中国も、ロシアも反対はしません。なぜなら、彼らも朝鮮半島に核武装した経済力のある、軍事独裁政権が出来上がることを望まないからです。

そうして、日本としては、まず第一に米国が武力攻撃をした後、朝鮮半島はどうなるのか、それを想定して今から準備しておくべきです。

もし米軍の武力行使が行われ、瞬時に北朝鮮側の核ミサイル能力が完全に除去されたとして、その後の朝鮮半島はいったいどうなるでしょうか。

軍事的に大打撃を受けた北朝鮮の体制が存続しうることは考えにくいです。それでは、北の体制崩壊後、朝鮮半島は統一されるのでしょうか。それ以前に「北の脅威」がなくなったあとの在韓米軍や米韓同盟はどうなるのでしょうか。

大統領選でトランプ氏は在韓米軍の撤退に言及しましたが、仮にそれが行われたら日米同盟は根底から揺さぶられることになります。米国の一部で唱えられているような米中両国による共同分担作戦によって事が進められれば、戦後の朝鮮半島では中国の影響力が画期的に高まることは明らかです。

第二に、米朝対話などによって査察体制など細部の合意も含め「北の非核化」が進むとすれば、その後に北朝鮮の現体制は存続しうるのでしょうか。あれだけ派手に核危機を演出しておいて、揚げ句、核放棄を約束して体制が揺らがないとは考えにくいです。

さらに、北が米本土に届く核搭載の大陸間弾道ミサイル開発を放棄すれば、残りの核はいわゆる「凍結」で事態が収められるでしょうか。そうなると、日韓を含む東アジアでは北の核脅威は恒常化することから、米国の「核の傘」や対米同盟の信頼性は低下することになります。その場合も、この地域の地政学的現状は決定的に変化することになります。

要するに、どのような事態変化があったにしても、日本周辺の地域の秩序は、この数十年続いてきたものとは大きく変容したものになるということです。これだけはどう考えても避けられないです。

そしてここで大きく浮上してくるのが、「習近平の中国」です。

今回の米中首脳会談で、権力基盤を強化した習近平国家主席はトランプ大統領と朝鮮半島の将来像についてかつてなく突っ込んだ話し合いをすることになるでしょう。対北制裁の強化とともに、米中間で将来の朝鮮半島の運命が決められるかもしれません。

その一つとして、この数カ月、米マスコミが繰り返し報じている「キッシンジャー構想」があります。

それは、北の核廃棄に向けて中国のかつてない強力な取り組みを求めるために、米国が北の非核化(つまりは北の体制崩壊)の後に、在韓米軍の大半を撤退させることをあらかじめ中国に約束する、というものです。

キッシンジャー氏はトランプ大統領、とりわけイバンカ氏の夫で親中派とされるクシュナー上級顧問に対して影響力が大きく、またティラーソン国務長官にはすでにこの助言を行っていると噂されています。

キッシンジャー構想は成り立たない?

ただし、私としては、この構想は容易には成り立たないと思います。その根拠として、2つがあげられます。一つ目としては、まずはキッシンジャー氏はすでに過去の人物であり、かつてのように大きな影響力はないといことです。

二つ目には、習近平はすべてを掌握しているわけではないということです。

第1次習政権で試みた、「朝鮮半島を、南(韓国)から属国化していく戦略」も見事に失敗し、米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)が配備されています。かつては「兄弟国」だった北朝鮮との関係も史上最悪で、「1000年の敵」呼ばわりされるまで悪化しました。

頼みの綱だったロシアとの関係も、中国政府が1月下旬、「(中国主導の広域経済圏構想)『一帯一路』構想に北極海航路を入れる」と発表したことで、プーチン大統領を激怒させてしまいました。

朝鮮半島情勢について、表向きは「米朝対話」を主張しながら、本音は大きく違う可能性が高い。「金王朝の崩壊」を狙っているはずの習氏が、それを察知する金王朝の核ミサイルや生物化学兵器の脅威にさらされているとすれば、トランプ政権が軍事オプションに踏み切ることを、内心で期待していてもおかしくはないです。

中国は長さ約1400キロという中朝国境に、数千人から数万人とされる人民解放軍を配備しました。ところが、いざ戦闘状態に突入すれば、朝鮮族の多い北部戦区(旧瀋陽軍区)の部隊が、どこに銃口を向けるか分からないです。習近平と、江沢民を比較すると後者のほうが、北部戦区や北朝鮮と親和的です。

そもそも、北部戦区の受け持つ地区は、旧満州(中国東北部)といわれるところに位置していて、この地はもともとは満州族のものでした。この地には数は減ったとはいえ、今でも満州族が1千万人以上も住んでいるのです。

朝鮮半島と接する中国東北部(赤とピンクの部分)

さらにこの地域は、今日急速な少子高齢化に見舞われ、人口流出が深刻化しています。経済的にもこの地域は北朝鮮という地理的な障壁があって経済が中国の他の地域から比較すると遅れていることから、不満が鬱積しています。

こうした人口の減少と高齢化は、当然のことながら中国がいま進めている養老保険(年金)の整備に大きなマイナスの効果を与えています。国家開発銀行の元副行長の劉国によれば東北部の年金の負担率(年金を支払う労働者と年金受給者の比率)は、1.55であり、これも全国平均の2.88にはるかに及んでいません。これらは「火薬庫」としての東北部の火種が将来的にもなかなか消えない可能性を示唆しています。

そうなると、米国が中途半端をして、北の核関連施設を完全破壊するのと、金王朝を潰すだけで手を引いてしまえば、北が無政府状態の混乱した状態になってしまう可能性が高いです。今の中東のように多数の勢力の衝突による不安定な地域になる可能性が高いです。

これを防ぐには米軍が少なくと50年以上の長期にわたり、この地域に軍隊を送り込み統治して、中ロ寄りでもない、日米寄りでもない、中立的な民主的な体制をつくりだすしかありません。

米国一国だけでは無理というのであれば、複数の国々で構成される国連軍を派遣して長期間統治して、北に新たな秩序を構築するしかありません。そうして、その中で韓国との関係をどうするのかも十分に考慮したうえで、新たな秩序を模索して、アジアから不安定要因を取り除くべきです。

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2013年3月23日土曜日

日銀・黒田新体制を待つ罠 異例の人事で不気味な兆候も…―【私の論評】日銀反リフレ派主流派の攻撃を阻止するには、縦深防御で臨め!!

日銀・黒田新体制を待つ罠 異例の人事で不気味な兆候も…
左より、岩田副総裁、黒田総裁、中曽副総裁

日銀は21日、黒田東彦(はるひこ)総裁(68)率いる新体制が本格始動する。黒田総裁は同日午後に日銀本店に初出勤、岩田規久男副総裁(70)とともに「2%のインフレ目標」早期達成へ、追加金融緩和の検討に着手する。だが、日銀内部の「抵抗勢力」が罠を張り巡らせているとの懸念もある。

黒田総裁と岩田副総裁は、従来の日銀に批判的で、国債購入の大幅な強化など金融政策を大胆に転換する構えだ。日銀プロパーにとって、これまでの政策ミスを突き付けられるだけに、歓迎ムードではないようだ。

ある元日銀マンは「正副総裁の講演原稿に日銀の意向に沿った文言を盛り込んで言質を取ったり、スケジュールを詰め込んで外部から情報を取れなくするなどしてコントロールしようとするだろう」と日銀プロパーによるレジスタンス活動に注意が必要とする。

すでに不気味な動きも出ている。日銀内で「将来の総裁候補」と目される雨宮正佳氏(57)が新体制発足直前、大阪支店長からわずか10カ月で理事に呼び戻される異例の人事があった。

「あれだけ批判された白川方明(まさあき)前総裁ですら、日銀内部では“最も金融緩和に積極的な人物”という評価」(前出の元日銀マン)だという。黒田、岩田両氏は“伏魔殿”に乗り込む覚悟が必要だろう。

【私の論評】日銀反リフレ派主流の攻撃を阻止するには、縦深防御で臨め!!

雨宮正佳氏

上の記事あまり長い記事ではないので、全文引用させていただきました。この中で気になるのは、異例の人事ということで、雨宮正佳氏が大阪支店長からわずか10ヶ月で理事に呼び戻されたという人事です。しかし、この人事はそんなに勘ぐらなくても良いと思います。

この人事は、おそらく日銀による維新の会対策ではなかろうかといわれていたからです。

この人事は昨年、5月11日付で発令されたものでした。この時に市場で関心をひいたのが、政策担当理事で「量的緩和政策」立案の中心人物だった雨宮正佳氏の大阪支店長への異動でした。

日銀は表向き、「雨宮氏に支店長経験がないため」と説明していましたが、この人事の正しい解釈は、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」対策だったと言われています。

さて、大阪維新の会は当時日ごとにその存在感を増していました。消費税増税や原発再稼働問題ではことごとく民主党政権の逆の政策を打ち出し、ついには倒閣まで口にしていました。次期総選挙で台風の目になることは確実でしたし、場合によっては政権を握る可能性すら秘めていました。

その場合、日銀としては気がかりだったのが当時の橋下氏の言動でした。日銀に関しても、「独立性が強すぎる」「(金融政策の)目標は(日銀ではなく)政府が決めるべきだ」と世界標準の正論を語り、インフレターゲット設定などを盛り込む日銀法改正にも前向きとされていたからです。そして、そんな橋下氏を説得して路線変更させられる力量の持ち主は、雨宮氏しかいないというのが実情だったのです。

ここで、日銀がどうやって政治家に取り入ってきたかのべておきます。まずは目をつけた政治家に金融関係のデータをこまめに届けることが第一歩です。そのうち、「ご説明に上がりたい」と接触し、定期的にアポが取れるようになったら、しめたものです。次の段階で、夜の会合に誘い出します。そうして日銀は、人目を気にせず夜の宴会ができる立派な施設を各地に持っています。

強みはなんと言っても経済情報です。民間金融機関の懐具合を知っているので、かなりの極秘情報も持っています。また、金融機関やそのシンクタンクに天下りも大勢おり、彼ら元日銀マンたちは古巣の情報などを元に経済情勢などを上手に語るので、政治家の講演会などにはうってつけのゲストになります。こうしたマンツーマンの人間関係で政治家に食い込むのです。

橋下市長

問題は、こうした日銀のお家芸が橋下氏に通用したかどうかです。橋下氏は議論を徹底的にオープンにしています。部内の会議でさえ公開していますし、記者会見はユーチューブで見られるようにしています。日銀の得意技であるマンツーマンの対人戦法は橋下流とは対極にあります。

日銀の大阪支店は、御堂筋を挟んで大阪市役所の真正面に位置する。「地の利」は果たしてメリットになったでしょうか。おそらく、ならなかったものと思います。その証拠として、私は日々橋下市長のツイートも追跡してますが、日銀大阪支店長との会談のことなどついに一言もみられませんでした。

日銀伏魔殿

おそらく、日銀としては、過去の民主党の歴代の野田、菅、鳩山総理大臣それに自民党の谷垣総理大臣などに対して、上にように取り行って、もっともらしい情報をたれこみ、日銀のどうしようもない馬鹿げた金融政策を正しい政策のように思い込ませることに大成功したのだと思います。これらの馬鹿総理大臣は、日銀にも財務省にもたやすく懐柔されて、意のままの操り人形となっていたというのが実情です。財務省には、あたかも日本がすぐに財政破綻するように信じこまされ、日銀には、日銀は十分に金融緩和をやっているかのごとく幻惑され、信じこんでいたというのが実情だと思います。

勝栄二郎元財務次官

ただし、財務省においては、従来の勝栄二郎財務次官は、すでに財務省を放逐され、IT企業に天下りました。財務高級官僚にとって、銀行や財務省関連の外郭団体などへの天下りならば、順当な天下りですが、IT企業などへの天下りなどは、放逐、島流し以外のなにものでもありません。やはり、財務省主流派は、勝氏の増税路線などは問題外の挙動だったのだと思います。ちなみに、財務省引き際の勝氏は、真砂財務次官から、部屋を取り上げられたそうです。真砂氏は、まさに、神か悪魔かといわれるような凄まじい人間ではないかと思います。それに、勝氏は財務省出身者の元老たちからは、末席に座らせてもらえないというとてつもない、しっぺ返しをくらわされたということです。

財務省はこのような状況ですが、日銀は違います。あくまでも、金融引締めが主流派の考え方であり、白川元総裁は、主流派からみれば、手ぬるい引き締めしかしなかったという評価です。ですから、とにかく歴代の総理や、これから、勢力を強める政治家などには、とにかくとりいって、日銀主流派の考え方が正しいことを吹き込むというのが、 常道です。

しかし、橋下市長には全く通用しなかったのでしよう。だから、これ以上雨宮氏を大阪に置いておいても、意味がなくなったのだと思います。それに、橋下大阪維新の会は分裂傾向にありますし、そんなことよりも、日銀にとっては、安倍総理が徹底的な金融緩和を進めること、それを実現しそうな、黒田総裁、岩田総裁が日銀に入り、先日のブログでも掲載したように、日銀政策決定委員会9人のメンバーのうち、これで4人が強力なリフレ派になったというお家騒動にどう対処するかが、大問題であり、そちらのほうが、大阪のことよりもはるかに重要なので、今回の異例の人事で雨宮氏を本店に戻したものと考えられます。

日銀は日銀なりに徹底抗戦を挑むつもりです。この抗戦に対してどう対処するかが、これからの大きな課題となります。

先日のブログでは、日銀政策決定委員会のうち、4人がリフレ派、4人が反リフレ派、1人がどっちつかずの、日銀出身の中曽宏日銀理事だった副総裁ということで、おそらく金融緩和政策に転じることが可能になることを掲載しました。そのブログのURLを以下に掲載します。

黒田日銀、“実弾”100兆円投入へ! 給料アップ、株価「年内2万円も」―【私の論評】賃金上昇を信じられない人は、頑迷固陋(がんめいころう)なだけ!!これからは、インフレ圧力に頭を悩ます時代に突入するんだぜィ!!


詳細は、このブログを読んでいただくものとして、私はこの記事を書いた時点においては、かなり楽観的な見方をしていました。

しかし、上の記事では、厳しい内容になっています。やはり、こういう厳しい見方をしておいたほうが良いと思います。考えてみれば、日銀政策決定委員会のうち、4人だけがリフレ派で、あとの政策決定委員会のメンバーは反リフレ派、それに日銀の大部分の人間が反リフレ派ということです。中曽副総裁が、日銀主流派に懐柔されるなどいうことは多いに考えられることです。それに、マスコミは反リフレ派です。自民党の中でも、本当のリフレ派は少数派です。他政党でも、リフレ派は少数派です。ふりかえってみれば、ほとんどが安倍総理や黒田総裁、岩田副総裁それに、政策委員会の二人と一部のリフレ派を含めても、周りは敵だらけです。

現在の政策委員会審議委員 

職名 氏名 就任年月日 任期満了日 前職等 任命した内閣 年齢
総裁 黒田東彦 2013年3月20日
(平成25年)
2013年4月8日
(平成25年)
財務官
アジア開発銀行総裁
第2次安倍内閣 68歳
副総裁 中曽宏 2013年3月20日
(平成25年)
2018年3月19日
(平成30年)
日本銀行理事 第2次安倍内閣 59歳
副総裁 岩田規久男 2013年3月20日
(平成25年)
2018年3月19日
(平成30年)
学習院大学経済学部教授 第2次安倍内閣 70歳

宮尾龍蔵 2010年3月26日
(平成22年)
2015年3月25日
(平成27年)
神戸大学経済経営研究所教授 鳩山由紀夫内閣 48歳

森本宜久 2010年7月1日
(平成22年)
2015年6月30日
(平成27年)
東京電力取締役副社長 菅内閣 68歳

白井さゆり 2011年4月1日
(平成23年)
2016年3月31日
(平成28年)
慶應義塾大学総合政策学部教授 菅内閣 (2改) 50歳

石田浩二 2011年6月30日
(平成23年)
2016年6月29日
(平成28年)
三井住友ファイナンス&リース
代表取締役社長
菅内閣 (2改) 65歳

佐藤健裕 2012年7月24日
(平成24年)
2017年7月23日
(平成29年)
モルガン・スタンレーMUFG証券
マネージングディレクター
野田内閣 (2改) 51歳

木内登英 2012年7月24日
(平成24年)
2017年7月23日
(平成29年)
野村証券金融経済研究所
経済調査部長
野田内閣 (2改) 49歳

上の名簿のうち、黒田総裁、岩田副総裁、佐藤、木内審議員のみが、リフレ派であとは、反リフレ派です。

こうした、状況を打破するには、攻撃するよりも防御が重要になると考えます。防御とはいっても、単純な防御ではなく、縦深防御が必要になってきます。縦深防御(じゅうしんぼうぎょ、英語: defence in depth, elastic defence)は、戦闘教義の1つです。縦深防御は、攻撃側の前進を防ぐのではなく、前進を遅らそうとすることを目的とします。それにより、時間を稼ぎつつ、攻撃側の前進による占領地域の増加と引き換えに敵の犠牲者を増加させる戦略です。日本語では、深層防御(しんそうぼうぎょ)と呼ばれることもあります。対義語に水際作戦があります。

この縦深防御の考え方は、非軍事的な戦略の記述においても広く使われています。この場合、日本語では、階層的防御、多層防御、多重防御の名前で呼ばれます(英語での表記は同一である)。

この防御は、横一線に陣地を築いて防御するというのではなく、縦に深く陣地を構築して、侵入してきた敵を弱らせ、最終的に勝利を得るという方式です。これ は、第二次世界大戦の独ソ戦では、ソ連軍のゲオルギー・ジューコフ司令官がとった戦法で、この戦法により、優勢だったドイツ軍を敗退させました。

ゲオルギー・ジューコフ

とにかく、日銀側の攻勢に備えて、横一線の単純な防御をするにのではなく、深く深く防御をするのです。そのためには、たとえば、日銀主流派にとって、針のむしろを用意するにしても、このむしろを一重ではなく、二重、三重、四重、五重までつくって、徹底的にいたぶり、五重を突破したころには、へろへろにさせるのです。

日銀醜聞を流布するにしても、日銀官僚の身辺を徹底的に洗い、最初は週刊誌、次はテレビ、次は、新聞、次はネットとこれも、幾重にも防御をはりめぐらして、これも、全部を突破するまでにはへろへろになるまで徹底するのです。

次に、ネット上でも、最初は通常の文字によるものから、写真、その次は動画と幾重にも防御をはって徹底的に攻撃して、ここでも、ヘロヘロにするのです。

そうして、日銀法改正案についても、1次案では、比較的ゆるいもので、日銀側を安心させ、2次案では、それよりも厳しくして、案が出されるたびに厳しくし、10次案まで出すのです。最終的には、11次案をだして、そこには、本当に厳しい条項を盛り込みます。

そうなると、日銀側は、必死で旧来手法により、政治家などに接触などして、とにかくとりいって、日銀主流派の考え方が正しいことを吹き込み厳しい日銀法の成立を阻止しようとします。そのときがこちらのつけ目です。これら取り込み屋のうち数人が精神に異常をきたすまで追い込むくらいの勢いで責め立てるか、懐柔してこちらに取り込むかして、日銀主流派の攻勢を阻むべきです。

これからの裏の駆け引き、表には、出てこないでしょうが、これくらいの覚悟がないと、過去20年間とんでもない日銀の行状は直りません。それにしても、日本の戦後体制からの脱却への道はまだまだ遠いです。まず身内からこのようにして日本を防御しなければならないということが情けないといえば情けないです。しかし、現実は、現実です。

本格的にやるつもりなら、このくらい、あるいはもっと上をいくくらいの覚悟で取り組んでいただきたいものです。そうして、安倍総理には、その覚悟があると思います。そう思うのは私だけでしょうか?_

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