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2017年1月5日木曜日

南シナ海で横暴の支那に米空母で鉄槌か 演習実施で牽制―【私の論評】トランプ新大統領による対支那強硬策で習近平失脚は確実(゚д゚)!

南シナ海で横暴の支那に米空母で鉄槌か 演習実施で牽制

カール・ビンソン
 南シナ海で横暴の限りを尽くす支那に対し、米が鉄槌(てっつい)を下すのか。米太平洋艦隊がニミッツ級の原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群を西太平洋に派遣すると発表した。南シナ海で演習を実施する可能性もあり、昨年末から年明けにかけ、南シナ海で空母による挑発行動を繰り返している支那への牽制(けんせい)が狙いとみられる。

 支那海軍の空母「遼寧」は昨年12月、初めて「第1列島線」(九州-沖縄-台湾-フィリピン)の宮古海峡を越えて西太平洋で訓練を実施した。その後、台湾・フィリピン間のバシー海峡を通過し、南シナ海から海南島の三亜の海軍基地に到着した。

 空母による支那の挑発行動は、昨年12月27日に米ハワイで行われた日米首脳会談でも議題となった。安倍晋三首相とオバマ大統領は「中長期的観点からも注視すべき動向だ」との認識で一致し、支那を牽制した。

 ところが、支那は行動を改めるどころか、さらなる攻勢に出た。遼寧は年明けの1日、南シナ海で艦載機の発着艦訓練を実施した。支那国営中央テレビ(CCTV)の報道では、遼寧の乗組員は「1日の間に出動できる艦載機が当初の4倍まで増えた」と語り、副艦長は「2017年は訓練の内容と海空域を拡大し、空母部隊の戦闘力建設を引き続き推進する」と述べた。挑発行動を今後もやめるつもりはないということだろう。

 遼寧だけではない。支那は昨年、米国に対する実力行使にも踏み切っている。12月15日に、南シナ海で米海軍の無人潜水機を強奪したのだ。

 トランプ次期米大統領はツイッターで「支那は米海軍の無人潜水機を公海で盗んだ」と非難した。これに対し、支那の官製メディア、環球時報が運営するニュースサイトは、楊毅海軍少将の「トランプ氏の米大統領就任後は南シナ海での中米の衝突が、さらに激烈になるだろう」との談話を掲載した。

 支那はその後、無人潜水機を米側に返還したが、緊張関係は続いている。こうした中、西太平洋に派遣されるカール・ビンソンは5日か6日に米西部サンディエゴを出発する予定だ。米中関係は年明けから、さらに緊迫しそうだ。

*ブログ管理人注:この記事では、支那のことを「中国」と記していましたが、このブログでは「中国」とい表記は使用しないため、「支那」と書き改めています。

【私の論評】トランプ新大統領による対支那強硬策で習近平失脚は確実(゚д゚)!

「遼寧」の戦闘力は、かなり低く戦略的にも、戦術的にも何の意味もないことはこのブログでも以前述べたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【支那空母、太平洋進出】遼寧は台湾南部を抜け南シナ海へ―【私の論評】ボロ船「遼寧」で支那の国内向けイッツ・ショータイムが始まる(゚д゚)!
先月24日、航行する支那の空母「遼寧」
「遼寧」の能力の低さについては、この記事をご覧下さい。

「遼寧」に関しては、日米にとっては、戦術的にも戦略的にも無価値な代物です。ただし、日米以外の南シナ海の近隣諸国にとってはそうではありません。ボロ船「遼寧」でも十分に脅威になります。

これを牽制するために、米軍は第1空母打撃群を南シナ海に派遣するのでしょう。しかし、オバマが大統領のうちは、牽制とはいっても大したことはしないでしょう。

何しろオバマは今まで、南シナ海では何ら有効な牽制策を打ってきませんでした。

2016年当初、支那は南シナ海の7つの人工島のうちスービ礁、ファイアリークロス礁、ミスチーフ礁に、それぞれ3000メートル級滑走路の建設を進めていました。今やそれらの滑走路は、戦闘機から爆撃機や大型旅客機まであらゆる航空機が使用できる状態になっています。

滑走路周辺にはまだ完全には完成していないものの、戦闘機や爆撃機などの格納施設や整備施設も姿を現しており、管制施設やレーダー施設をはじめとする空軍設備群の建設も完成目前であります。そのため、2017年中には、それら3カ所の航空基地に人民解放軍海軍あるいは空軍の航空部隊が配備されることは十二分に可能な状態になります。

それぞれの人工島には、航空施設に加えて、支那海軍艦艇や支那海警局巡視船艇が拠点とすることができるだけの港湾施設の建設も進められています。いまだ海軍艦艇などが母港化している状態ではないものの、2017年中にはいくつかの人工島港湾に海軍フリゲートやコルベットそれに海警局武装巡視船が配備されるかもしれません。

海洋戦力の強化にとって、軍艦や航空機といった装備の充実は当然ながら極めて重要であす。前方展開拠点の確保はこれまた非常に重要な要素です。そのためアメリカ海軍・海兵隊は日本(横須賀、佐世保、沖縄、岩国)やバーレーン、それにディエゴ・ガルシアという海外に設置してある前方展開基地を手放したくないのです。

ただし、アメリカ海軍にとってそれらの海外前方展開基地はすべて他国の領土内にあります。そのため、日本でのいわゆる沖縄基地問題のように未来永劫安定的に確保できる保証はありません。

それに対して支那は、ファイアリークロス礁、スービ礁、ジョンソンサウス礁、クアテロン礁、ガベン礁、ヒューズ礁そしてミスチーフ礁と、少なくとも支那の主張によっては自国の領土である7つもの環礁に前方展開基地を手にすることになったのです。

南シナ海を睥睨する支那軍事拠点 
さらに、それぞれの人工島には、地対艦ミサイル部隊や地対空ミサイル部隊が各種レーダー施設と共に配備され始めています。かねてより米海軍戦略家たちが危惧していた通り、南沙諸島に支那海軍が数セットの空母艦隊を展開させたような状況が現実のものとなりつつあります。

オバマ政権最後の年ということで、支那は南沙諸島の7つの人工島で軍事施設の建設を加速させただけではなく、西沙諸島の軍事的防衛態勢も強化し、フィリピンから奪取したスカボロー礁の軍事拠点化を進める態勢を明示し始めました。それに対してオバマ政権は(支那側の期待通り)効果的な対抗措置をとることはありませんでした。

米海軍戦略家の多くは支那による人工島建設の動きを事前に探知し、オバマ政権に「支那の南シナ海における拡張政策にストップをかける諸対策を実施すべき」との進言を繰り返していました。しかしながら、支那との深刻な軋轢を何よりも恐れていたオバマ政権は、そうした提言に耳を貸そうとはしませんでした。

2015年後半になって、かなり進展した人工島建設状況をCNNが実況して騒ぎになると、ようやくオバマ政権は支那に対する牽制作戦にしぶしぶゴーサインを出しました。しかし、海軍が許可された「FONOP」(公海航行自由原則維持のための作戦)はあくまで中国側を過度に刺激しない限度に制限されたため、さしたる効果が期待できる代物ではありませんでした。

支那に対して及び腰な対応しかできなかったオバマ
2016年にオバマ政権がアメリカ海軍に実施を許可したFONOPはわずか3回です。それらは、いずれも支那が実効支配中の島嶼・環礁に接近した海域を、国際法によって軍艦に与えられている無害通航権の範囲内で“平穏無事”に通過するだけの、中国にとっては痛くも痒くもないレベルのデモンストレーションに過ぎませんでした。

オバマは、軍衝突を避けると見た支那は、人工島建設を加速化させ、オバマ就任中にほぼ工事を終えてしまいました。後は、付属施設を構築し、航空部隊を配置してしまえば、不沈空母以上の前進基地が完成します。

オバマが最後の命令として、厳しい措置をするように第1打撃群に要請することはないでしょう。トランプ氏も就任したばかりでは、すぐに有効な手をうつことはできないかもしれません。

しかし、就任後1〜2ヶ月後にはトランプ氏は必ず、支那に対する牽制策をとります。それは、最初は軍事的なものではない可能性が高いです。

これについては、以前このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【スクープ最前線】トランプ氏「支那敵対」決断 台湾に急接近、習近平氏は大恥かかされ…―【私の論評】トランプ新大統領が支那を屈服させるのはこんなに簡単(゚д゚)!
台湾の蔡英文総統との電話会談で中国を牽制したトランプ次期米大統領
詳細は、この記事をご覧いただくものとしして、この記事より一部を以下に引用します。
超大国といわれるアメリカの一番の強さは、軍事力でもなく、イノベーション力でもありません。それは、米国による世界の金融支配にあります。現在の世界の金融体制は、ブレトン・ウッズ体制に端を発しています。これは、第二次世界大戦末期の1944年にアメリカのブレトン・ウッズで連合国通貨金融会議が開かれ、国際通貨基金(IMF)や国際復興開発銀行(IBRD)の設立が決定されたものです。 
当時、世界の金の80%近くがアメリカに集中しており、アメリカは膨大な金保有国でした。その金と交換できるドルを基軸通貨とし、他国の通貨価値をドルと連動させるという仕組みで、金・ドル本位制ともいわれます。 
世界各国、特に先進国の中で、食料や資源を100%自給できている国は少ないです。中国の食料自給率は85%以下といわれており、アメリカから穀物を買えない事態になれば、13億の人民は飢餓に苦しむことになります。
トランプ新大統領は、このようなことも視野に入れていると思います。まずは、軽い金融制裁により様子見をして、それでも中国の態度が改められなければ、さらに強化し、中国はとんでもない状況に追い込まれることになります。それでも、態度が改められなければらなる金融制裁の強化、最後の最後には軍事力に訴えることになります。

それも、段階を踏んてすこしずつ強化していくことでしょう。 
中国は、早めにこのようなことを自覚して、南シナ海や東シナ海での暴挙をやめるべきです。そうでないと、本当にとんでもないことになります。 
オバマと違って、トランプ大統領にとっては、中国を屈服させるのはこんなに簡単なのです。というより、米国の実力をもってすれば、元々かなり簡単なことなのですが、オバマ大統領がそれを実行してこなかったため、中国が増長したというのが現状です。ごく最近の中国を一言で表現すれば、「身の程知らず」だったということです。大統領就任中に、かなりのところまでこれを実施するというのがトランプ氏の腹です。
過去の支那の信用力は、大量のドルを持っていることによるものでした。今や、このドルがどんどん支那から海外に逃避しています。米国が何らかの金融制裁措置をとれば、これからさらに加速され、中国からドルが消え失せることになります。

それどころか、トランプ氏は「中国が人民元の対ドル市場を不正に低水準に保っている」として、中国を為替操作国として認定し、対抗措置として中国からの輸入品に45%もの関税をかけるという経済政策を主張していました。これを実行する可能性もあります。

そうなれば、支那は軍事どころか、人民にまともに食料品を供給することすらできなくなります。そうなると、人民の憤怒のマグマは習近平を頂点とする、共産党中央政府に向くことになります。そうなれば、習近平は失脚するでしょうが、それでも中国が南シナ海での暴挙を続ける限り、金融制裁は緩められことはないでしょう。そうなったとき、支那には全く勝ち目はありません。

たとえ軍事的手段に打って出たとしても、到底米国には及びません。米国が本気を出して軍事衝突すれば、「遼寧」を含めた艦艇はあっという間に海の藻屑と消え、環礁の前線基地は、即座に破壊されてしまうでしょう。イラクのような砂漠地帯ではない、海洋では、半日程度で決着がついてしまうでしょう。

習近平にとっては、オバマが大統領だったときの米国は、かなり御しやすかったと思います。支那という国は、ほとんどが自国内部の都合で動く国です。外交も自国内部の都合にかなり左右されます。というより、最初に自国の都合があって、その後に外交があるというとんでもない国です。

オバマが大統領だったときは、習近平はまず支那国内を優先して、国内対応を中心として動いていたものと思います。習近平にとっては、オバマは国内の習近平反対派の、胡錦涛派(共青団)の李克強氏、上海閥と太子党の江沢民派のほうが、余程大きな存在だったに違いありません。

胡錦濤(左)と江沢民(右)
オバマ大統領は、習近平にとっては、胡錦濤や江沢民のほうが余程大きな存在であったに違いありません。

しかし、トランプ氏が大統領になれば、胡錦濤や江沢民よりも、トランプ氏のほうがはるかに大きな存在になるに違いありません。

今までは、習近平は、中国国内の胡錦濤派と江沢民派と腐敗撲滅運動という名の下での権力闘争を繰り広げて、時折米国対応をしていれば、比較的楽に権力闘争を戦えたのですが、トランプ大統領になれば、そのようなわけにはいかなくなります。

そうして、反習近平派はここぞとばかり、権力闘争を強めてくるに違いありません。習近平としては、今までは2つの派閥にプラスアルファ程度で戦ってこられたのが、派閥が3つに増え、しかも増えた派閥が、それまでの派閥よりはるかに強力になったというような状況になります。

以前にも、このブログでは、権力闘争で手詰まりの習近平は失脚するであろうことを掲載しました。権力闘争が手詰まりなのに加えて、トランプ大統領が登場して、対支那強攻策を実行すれば、習近平の失脚はほぼ確実です。

何か大きく情勢が変わらないかぎり、習近平は失脚に追い込まれるのは確実とみるべきでしょう。

ポスト習近平が、米国に対してどのような対応をするのかはまだ見えてきません。それについては、いずれまた掲載させていただきます。

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