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2016年3月30日水曜日

約2年間少女監禁、その支配実態とは 容疑者男、実家周辺では「頭のエエ子」―【私の論評】誘拐された少女だけでなく、民進党も『学習性無力感』に陥っているのでは?


ストリートビューに掲載されていた、寺田容疑者の借りていたアパート(赤い矢印部分)
撮影日が2015年の6月なのでこの時点で中に監禁されていた可能性が高い。
下は、容疑者が借りていたアパートの間取り。



埼玉県警が未成年者誘拐容疑で指名手配し、28日に身柄を確保された東京都中野区の職業不詳、寺内樺風(かぶ)容疑者(23)=同容疑で逮捕状=は、千葉大学工学部に通いながら女子生徒(15)を監禁していたとみられる。大学に隣接するアパートで約2年もの間、誰にも悟られずに女子生徒の自由を奪い続けられたのはなぜか。大阪府池田市の実家周辺で「頭のええ子」と神童扱いだった同容疑者の猟奇的犯行に、関係者は言葉を失っている。

■監禁部屋

「秋葉原に携帯電話を買いに行く」

寺内容疑者は27日昼前、女子生徒にこう言って東京・東中野のマンションを外出した。この日は鍵が掛かっておらず、女子生徒は部屋から逃げ出し、JR東中野駅の公衆電話から110番した。

2014年3月に行方不明になってから2年、事件が大きく動いた瞬間だった。

女子生徒は27日に保護されたが、数週間前までは、寺内容疑者が東中野に転居してくる前の住居、千葉市稲毛区の3階建てアパートの最上階で監禁されていたとみられている。

アパートは千葉大学に隣接し、最寄り駅のJR西千葉駅から徒歩15分。不動産サイトによれば、賃料は月5万3000円で、間取りは洋間と和室の6畳間が1つずつある2K。面積はほぼ40平方メートル。オートロックはなく築年数は31年だが、1人暮らしの大学生にとっては恵まれた居住環境といえる。

同じ階に住む男性(69)は「1~2週間前に出ていったばかりだよ。女の子がいたなんて全然気づかなかった。俺は雪駄を履いて外出するから部屋の前の廊下をペタペタ歩く音だって聞こえたはずなんだ。助けを求めようと思ったら、いくらでもできたと思うんだけどね」と首をかしげる。

寺内容疑者については「3回くらい見かけたことがあるけど、元気にあいさつするいい男だったよ。根暗な印象はまったくなかった。コンビニなんかのポリ袋を手に提げていて、いつも1人分の食べ物を持っていたように思う」と話す。

寺内容疑者の下の階に住む男性(21)は「上から聞こえてくるのは足音ぐらいで、女性の声を聞いたことはなかった。(寺内容疑者とは)顔を合わせたことがなく、生活感がない部屋だなと思っていた」と振り返った。その上で「監禁されていたことを気づけなくて、(女子生徒に)申し訳なく思う」と表情を曇らせた。

■池田の神童

寺内容疑者は大阪府池田市で育った。実家の賃貸住宅を所有する大家の男性(90)によると、同容疑者は15年近く前、両親と妹計4人で転居。隣接する2棟を借りて父親が1棟を職場として使用しているという。

男性は「ご両親は家賃もきっちり払ってくれて家族間のトラブルも聞いたことがない。息子さん(寺内容疑者)が高校生くらいのころにニューヨークに留学すると聞いて『頭ええんやな』と思っていた」と振り返る。

一方、寺内容疑者の子供時代を知る会社員の男性(68)は「カブ(寺内容疑者)のことは小学生のころから知っているが活発で気のいいやつ。今でも『何かの間違いやろ』と思ってる」と明かす。

男性によると、寺内容疑者は実家近くの市立小学校に入学。地域の子供会に参加し、高学年になるとキャンプなどの野外活動で班長として年下の子供たちの世話をするなど、リーダーシップを発揮した。卒業後は難関国立大学合格者を多く輩出する大阪教育大付属池田中、高校に進学した。

「母親が教育熱心で、カブは勉強のできる子やった。子供会の同世代にはやんちゃな子もいたが、まじめであまり周囲とはなじんでいなかった」(男性)

高校時代、女子高生アニメに熱中していたとの情報もある。

高校を卒業後、千葉大学に進学。同容疑者が長期休暇などで実家に帰省した際、男性が声を掛けると会釈をしながら笑顔を見せていたという。だが、最近は事件以前とみられる数年前の正月に会ったきり、姿を見かけなかった、と話す。

男性は「子供会で面倒を見てきた子供たちはいい子ばかりで、こんな事件に関わるとは信じられない。今会えるとしたら、叱ってやりたい」と肩を落とした。

■異常な支配欲

長期にわたる監禁事件では「被害者はなぜ逃げなかったのか」という指摘が度々起きる。今回の事件でも寺内容疑者は、近隣住民の目につきやすいアパートやマンションに居住し、2人で外出をしていた形跡もある。女子生徒は逃げ出すきっかけが皆無だったとはいいにくい状況だ。
しかし、矢幡心理教育研究所の所長で臨床心理士の矢幡洋氏は、被害者の心理を「多くの場合、被害者は『逃げない』のではなく『逃げられない』心理になっている」と分析し、こう続ける。

「生物全般にみられる反応で『学習性無力感』と言われる。過度なプレッシャーや恐怖にさらされ続けることで、逃げる意欲が希薄になる心理現象を言う。自分のやることに効果がないという体験を繰り返すと『自己効力感』が失われる。無力感にさいなまれて現状を変えようという意欲がなくなる。少女もこうした心理状態に陥っていた可能性が高い」

寺内容疑者は犯行に走る前の13年に大学を休学して渡米、現地の航空学校で固定翼の単発機を操縦できる自家用機の操縦資格を取得した。さらに女子生徒を監禁しながら大学に通い、卒業して就職…と行動力の高さが際立つ。

「行動が大胆で自信家の傾向が見受けられる。その半面、自己の願望、欲望を満たすには犯罪に手を染めることもいとわない。反社会性パーソナリティーの傾向を感じる」(矢幡氏)

捜査関係者によると、女子生徒は寺内容疑者に拉致された際、「全く知らない男に『両親は離婚してしまうので弁護士に会わせる』と声をかけられ、車で連れて行かれた」と話している。言葉巧みに少女を連れ出す狡猾さがうかがえる。

「他人の心理操作にたけている印象で、他人を支配することに喜びを感じるタイプだったのかもしれない。本人のフェイスブックには上空から眼下の町並みを写した写真がアップされているが、そこから支配欲求の強さが感じられる」(同)

空白の2年間に何があったのか。これから徐々に明らかになる。
【私の論評】誘拐された少女だけでなく、民進党も『学習性無力感』に陥っているのでは?
上の記事で、やはり『学習性無力感』という言葉が気になります。この少女に限らず、様々な人が実は自分の思い通りの人生を生きていない可能性も多いにあると思います。
まずは、『学習性無力感』という言葉について、定義など以下に掲載します。
これは、米国の心理学者マーティン=セリグマンが1967年に発表した心理学理論です。
長期にわたって、ストレス回避の困難な環境に置かれた人は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという見解です。

自分の努力によって状況を変化させることができなくなると、「無力感」が学習されてしまいます。すると、「何をやってもダメだ」というあきらめの境地に入り、現状を変える意欲どころか、逃げ出す気持ちさえも起こらなくなるそうです。

これは、鬱に至る過程と目されていた理論ですが、最近では生理学的に矛盾が出てきているそうです。とはいえ臨床心理の現場では、まだ現役で学習性無気力の理論に基づいた心理療法が用いられているそうです。

以下に、マーティン=セリグマンが、『学習性無力感』という理論を生み出すきっかけとなった実験について記します。
マーティン=セリグマン
マーティン・セリグマン(1942年8月12日生まれ)ニューヨーク出身の心理学者で、うつ病と異常心理学に関する世界的権。学習性無力感に関して以下のような実験を行いました。
◆◆【実験概要】◆◆ 
床に電気ショックの流れる2つの部屋に、それぞれ犬を入れる。片方の部屋の壁はジャンプすれば逃げられ、もう一方は到底飛び越せない。ブザーを鳴らし、双方の部屋に幾度が電流を流した結果、低い壁の犬はジャンプして逃げ出すが、高い壁の犬は完全に無抵抗になった。

セリグマンの犬の実験では、嫌悪刺激として電気ショックが採用されましたが、人間の場合には様々な刺激が嫌悪刺激となり得ます。身体への嫌悪刺激のみならず、精神的な嫌悪刺激が無気力状態を引き起こすことも、容易に想像できます。

さて、このような状況に陥っている可能性のある事例を以下に掲載します。以下、セリグマンの著書からの抜粋を掲載します。

例えば、近年ニートが増加していますが、その理由はかつての就職超氷河期で面接で落とされ続けて、意欲を失って『学習性無力感』に陥った若者が増加したからかもしれません。

選挙に行く若者が減っているそうですが、過去に投票しても何も結果は変わらないということを何度が経験したことで『学習性無力感』に陥り、選挙行っても無駄であると考える若者が増えたのかもしれません。

職場などで、こちらが提案しても、上が保守的で、結局何にも変わらなかったことを経験したので、『学習性無力感』に陥り、何も提案しなったのかもしれません。

かなり重い例では、家庭内暴力を振るわれ続けて抵抗する妻が、いくら抵抗しても殴るのをやめない夫を見ている内に、その状況を受け入れてしまう、などのこともあります。

学習性無力感に陥っている人は、程度の差こそあれ、結構存在するかもしれません
以下に、学習性無力感を抱えている人の特徴をあげておきます。

やる気がでないので、努力せず、親や上司に怒られる。そうすると、さらにストレスがたまる。やる気がさらに減る。こういうことを繰り返しているうちに、『学習性無力感』に陥り、何もしなくなってしまう。

このような状態に陥っている状況下では、「今度は成功するかもしれない」という期待を持ったり、意欲がわいたりする可能性は低くなると考えられています。

失敗・挫折・苦痛・不幸の原因を全て『自分が悪いから・自分が無能だから・自分が怠惰だから』といった個人的要因に還元してしまうのです。

そうして、新たな人間関係の構築に消極的になってしまったり、他人の親切や好意を信頼できない人間不信から他者とのコミュニケーションを楽しめなくなってしまうのです。
ではどうすれば、『学習性無力感』に陥った人が、そこからどうすればぬけ出すことができるのでしょうか。

肝心なのは、本人が自分の学習性無力症状態から回復したいと願っていること。そして、できれば支援を得て再起したいという「熱意」という「火種」を持つこと。これが、最も重要なことだそうです。

無力感はたいてい上司や周りの人から何度も否定されることを通して生じます。どうしてもやる気が出なければ、専門医のカウンセリングにいったり、否定する人に相談してみるのもいいと思います。

これは、実際に『学習性無力感』に陥っている人には、なかなか難しい注文ですが、一人で抱え込んでいるより誰か仲のいい人にでも吐き出してしまうのが楽な近道かもしせません。

そうして、人生に目標を持つことも大事であるといわれています。最初から大きな目標を持つだけでは『学習性無力感』にさらに苛まされるという事態も考えられるので、まずは大きなも目標達成のためにやるべきことを細分化し、できることからやってみるという姿勢が重要です。

失敗し続けることを学習してしまったのなら、反対に成功し続けることを学習しなおせばいい、というシンプルな理屈です。ただ、いきなり大きな目標を立てるとさらに落ちてしまうので、小さなことからコツコツ努力するのが吉というわけです。

何か失敗したときに、「人や状況のせい」にして、ただしそれを実際に口に出して人にいうのではなく、「心の中」それをするのが良いそうです。自分のメンタルな健康を守るためには、その方がよいそうです。

これは、「言い訳を是としない」古き良き日本的美意識を変革しろというわけではありません。まず状況や人のせいにしておいて、自分が失敗しない状況というものを自分自身に思い込ませることで成功を学習させる方法。

以下にマーティン・セリグマン氏による「ポジティブ心理学」という動画を掲載します。



この動画では、マーティン・セリグマンが心理学(学問としての、患者とセラピストの1対1の関係にお­いての)について話します。病気を越えたことに注目が移ってきた今、現代の心理学は私­たちにどのように役立つのでしょうか?ポジティブ心理学の創設者の一人であるセリグマ­ンは、心理学は異常や病を扱うだけではなく、普通の人たちの人生をより充実させること­に貢献できるようになりつつあると言います。3種類の幸せ -快楽、フロー、意味- が持つ影響と効果、そしてそれらを持続・維持するためのテクニックについて語ります。­2004年2月、TED2004。

さて、このような誘拐された少女が陥ったいてかもしれない『学習性無力感』ですが、最近結成された民進党などみていると、彼らもこれを患っているのではないかと思ってしまいます。


夏の参院選が迫る中、民主、維新両党の合流新党「民進党」が27日、船出しました。党名もポスターも一新したのですが、執行部の大半は旧民主党出身者が占め、「名ばかりの新党」との印象は拭えません。それどころか、新党の平成28年度の活動方針では「憲法改悪のストップ」など左派色を強く打ち出しており、旧態依然とした革新政党に先祖返りしただけのようです。

とにかく、民進党の幹部連中は、安全保障に関してもこの有様ですが、経済や金融についても何もわかっていません。安倍総理の金融緩和策など、世界中で左翼やリベラルが雇用状況を好転させるという理由で、大賛成であるにもかかわらず、反対し、雇用統計の見方も良くわからないようで、トンチンカンなことばかり語っています。

彼らのほとんどは、元々民主党ですが、民主党といえば、野党時代が長く、一度政権を取ったものの、政権与党時代には、政治主導などといって、何にもならない事業仕分けなど行ってみせたりするだけで、結局何もできず、3年間漂流していただけです。

野党のときも何もまともにできず、やることなすこと失敗の連続で、与党になっても、それは何も変わらず、結果として3年間も漂流を続け、日本国家を毀損し、再度下野してからも、やることなすこと全部見当外れで、馬鹿にされたり、蔑まれたりはしても、誰も評価しません。評価するのはほんの一部のコアな人だけです。

この状況を見ていると、選挙に勝つためにできることすらしていないように見えます。国会での審議でも、ほんとうにどうでも良いような、週刊誌の下請けのような質問をしてみたり、「日本死ね」という汚い言葉の個人ブログの下請けまでやっています。これではもう、まともな野党としての役割も全く果たしておらず、これは政党組織が『学習性無力感』に陥っているとしか思えません。

何度も失敗を経験しているうちにこのようになってしまったのでしょうか。個人であっても、組織であっても『学習的無力感』に陥ることなく、ポジティブに生きたいものです。誘拐された少女の場合は、誘拐犯によって、そのように操作されてしまっのですが、世の中には民進党のように自らそれにハマるような組織や個人もみられます。

マーティン・セリグマンの『学習性無力感』の研究は、後にポジティブ心理学を生み出す土台となりました。

ポジティブ心理学(ポジティブしんりがく、英語: positive psychology)とは個人や社会を繁栄させるような強みや長所を研究する、近年注目されている心理学の一分野です。ただ精神疾患を治すことよりも、通常の人生をより充実したものにするための研究がなされています。これに関しては、ここで述べると長くなってしまうので、また改めて掲載しようと思います。

組織を運用する人々は、このようなポジティブ心理学を実践して、組織に属する人や支持する人たちを幸せにする努力をすべきです。間違っても、少女を誘拐した犯人のように『学習性無力感』を植え付けるようなことがあってはならないです。

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