ラベル 振り込め詐欺、スクリプト、聖書、被害額、過去最小、10億円割れ、内需拡大、バーチャル需要、コールセンター の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2009年2月16日月曜日

振り込め詐欺、過去最小=1月被害、10億円割る-警察庁-なぜ彼らはかくもバーチャル需要を喚起できるのか?

皆さん今日は、函館は3日前までは雨など降って、雪が融けて、まるで春のようでした。一昨日から急に寒くなり、雪がかなり振りました。五稜郭公園も、すっかり雪がとけてしまったのですが、一作日から冬に逆戻りで、上の写真のようにまた雪化粧をしています。

さて、内閣府が16日発表した2008年10~12月期のGDP(国内総生産)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比3.3%減、年率換算で12.7% 減となりました。マイナス幅は第1石油危機に見舞われた1974年1~3月期(13.1%減)に次ぐ大きさだそうです。2けたの減少は約35年ぶりで、戦後2度目だそうです。経 済成長の要である輸出は過去最大の減少率を記録し、世界的な景気後退の波が直撃した日本経済を浮き彫りにしました。

しかし、私は、この数字おかしいとみています。何かと批判される麻生総理ですが、金融危機の影響は他国に比較して軽微であるという、総理の見解、私も正しいと思っています。勉強不足のマスコミは、いろいろあおっていますが、彼らに共通するところは、現代世界史に疎いことです。歴史を理解していれば、あおり記事を書かなくてもすむのですが、知らないということは恐ろしいことです。

いずれにせよ、今は、政府も民間も内需拡大に向かって一致協力する時期であることは間違いありません。今のところその努力が足りなすぎます。こうした、只中にあって、間違った方向ではあるのですが、変に頑張っている連中もいます。こういう努力を見ていると、方向性は間違ってはいるのでしょうが、注目に値します。

振り込め詐欺、、過去最小=1月被害、10億円割る-警察庁(この内容すでにご存知の方は、読み飛ばしてください)

 1月の振り込め詐欺被害は810件、9億8400万円となり、月別統計を取り始めた2004年7月以降で件数、金額とも最少だったことが10日、警察庁のまとめで分かった。1カ月の被害が10億円を下回るのは初めて。官民挙げての防止対策が奏功しつつあるとみられる。
 1月の被害は、件数は前月比23・7%(252件)、金額は19・7%(2億4000万円)減少。前年同月比では、それぞれ48・2%、55・1%減った。検挙は287件で、検挙率は35・4%だった。(2009/02/10-18:32)


なぜ彼らはかくもバーチャル需要を喚起できるのか?
過去、最小とは言っても10億円近く被害額があります。ある意味ではすごいことだと思います。おそらく、詐欺グループといってもそんなに数は多くはないと思います。捕らえられたあるグループでは、数人で毎月数千万円を荒稼ぎしていました。しかし、今はものが売れないとか、不況であるとか言われているのに、なぜ彼らはこれほど荒稼ぎができるのでしょうか?

振り込め詐欺グループが逮捕されると、良く手書きのスクリプトが出てきます。パソコンで作ると足がつくからでしょうか?それとも流出して対策が打たれてしまうからでしょうか?そのスクリプトを見ると、コールセンターの電話営業ノウハウが活かされていることが良くわかります。

スクリプトとは、要するに電話のオペレーターが語るときのマニュアルです。いわゆる「書き言葉」ということです。人が話すように書かれている、文章のことです。英語では、聖書のことを「スクリプト」とも言いますが、これは日常教会や家庭や、学校、職場などで朝礼や、お祈りのときに聖書の中の言葉を話し言葉で言って聞かせるということが日常的に行われていることに由来しています。

振り込め詐欺で荒稼ぎしているグループが逮捕されると、押収物件が公開されることがありますが、その中に良く出てくるのがスクリプトです。正式には、「オペレーション設計書」などといいますが、電話をかける際の話し言葉を文書としてA4程度の1枚の紙にまとめたものです。一つのオペレーションに関して、5~6枚バリエーションがあったりします。かなり業績をあげているコールセンターなどではこのほかに「FAQ:良く質問される事項」として、顧客から質問される事項を予めデータベース化しておき、端末からキーワードで検索できるようになっています。

現在の振り込め詐欺は、分業体制を敷いています。バイトとして雇われた人が、オペレーターとして机も無い部屋でひたすら電話をかけ続け、紙に書かれたスクリプトを読み続けます。

オペレーターのリクルーティングはネットで実施してるようです。バイト同士も本名を知らないというような、すさまじいことが起きています。経営学用語でいうところの、分散マネジメントというところでしょうか?スクリプトの配信も、ネットで行っています。

そういった詐欺で使われているスクリプトが、公開されていますが、非常に計算して作られています。普通の人はひっかかって当然と言ってもいいようなよく出来たスクリプトです。

こうしたスクリプトの内容などは、「人に怪我をさせてしまったから、300万必要になった。助けて欲しい。お金は自分が取りに行くから」と言えば、かわいい孫のため、おじいちゃん、おばあちゃんはお金を下ろしに行きますよね・・・。気の利いたスクリプトだと、おじいちゃん、おばあちゃんの話や、こちら側の質問に対して答えた内容によって、分岐して続きの話を書いたりしているものもあります。それどころか、引退した高齢者の家族向けとか、若者向けとか、顧客グループ毎に作成されているものもあるようです。

お金の受け渡しの直前に、「急用で行けなくなった、お金は友達が取りに行く」と言えば、もう下ろしているお金ですから渡しまいますね。これはほんの一部ですが、非常にうまく出来ています。

コールセンター業務に関わったことがある人なら、もしくはセールスマネジメントに携わる人なら、こういったスクリプトを作った、もしくは使ったことはあるでしょう。教育・訓練の行き届いたコールセンターなら、毎日のように、成績をチェックしていて、明らかに効果があるスクリプトなのに、効果の上がるトークができないオペレーターに対して「読みあわせ」や「ロールプレイング」などをやって、成果をあげさせるようにしています。

一昔前だと、テレホン・アポイントなどといって、何も管理しないで、オペレータの恣意に任せた電話営業をやっていて、給料は歩合制で、教育も何もしないというところが多かったです。しかし、今やまともな、コールセンターではトークスクリプトをの運用をきちっと行っているところがほとんどです。そうして、オペレーターの教育にも熱心です。このスクリプトがコールセンター会社の財産だったりします。持ち出し禁止になっていたりします。いわば、スクリプトはその会社の儲けの源泉だったりします。

私は、スクリプト自体はコールセンターの財産だとは思っていません。なぜなら、顧客は変わっていく、季節変動もする、社会情勢は変わるで、固定されていつも売れ続けるスクリプトなど存在しないからです。いつもすこしずつ変えていく、数年に一度は大幅に見直すことが必要だと思います。それよりも、そのスクリプトをきちんと運営するシステム、あるはそのシステムの基礎をなすインフラが本当の財産だと思います。以前、あるエステの電話営業のスクリプトを見せてもらったことがありますが、「驚き」でした。これなら、絶対に勧誘できると納得できました。読んでいるだけで、「癒される」ような気がしました。

振り込め詐欺では、コールセンターのノウハウが転用されている。

あのグループは今でも順調に業績を伸ばしているようです。ただし、この内容、その会社の大切なノウハウですから、こここには残念ながら掲載できません。ただし、良く売れるスクリプトの特徴としては、随所に理屈だけではなく、特定の顧客の情感に訴える仕掛けをしてあるということです。そうして、スクリプトが優れているだけではなく、読み合わせや、ロールプレイングを徹底して行わせています。スクリプトにないような、顧客の反応があった場合は、検討して、新たなスクリプトをつくるとか、変更するなどのことも行われています。

振り込め詐欺グループの場合は、短期的に荒稼ぎをすることが目的ですから、おそらく、コールセンターで働いた経験など生かしてこのようなノウハウを生かしているのだと思います。主犯格がコールセンターのノウハウを生かして、まずは自分で電話をかけてみて、うまくいった場合のトークをスクリプト化しているだと思います。そうして、犯罪機会を増やすため、分業化して効率の良い活動をしているのだと思います。だからこそ、彼らはあれだけ実績を上げられるのだと思います。

さて、振り込め詐欺は、犯罪で、結局は人為的に「バーチャル需要」を作り出しているだけで、いつかは破綻します。彼らは、それを最初から承知でやっているのだと思います。しかし、これだけ、モノが売れない、不況だ、金融危機だと叫ばれている時期に、こうした犯罪実績をあげているのは注目に値すると思います。

彼らの中にも、犯罪でなくて、きちんと事業をすれば良い経営者になれた人もいるかもしれません。彼らと、まともな人との違いは、まともな人には、「売りたいモノ、売りたいサービス」があるのに、振込み詐欺をするグループにはそれがないということです。無論、「売りたいモノ、売りたいサービス」があったとしても、詐欺になる場合もあります。詐欺を勧めるつもりはあませんが、徹底的に顧客を研究して、顧客グループごとのスクリプトをつくるとか、分業体制を敷いて効率を高めるとか、参考になることはたくさんあります。こうした、実例をみていると、「不況」だ、「モノが売れない」などと言うのはまだまだ努力が足りないのかもしれないという気がしてきます。

しかし、振り込め詐欺など長くは続くはずはありません、商売の原点は、お客様の喜ぶ姿だと思います。商売をしていて短期間に儲けを出したとしても、お客様に喜んでいただけなければ次はありません。お客様に末永く喜んでいただいて、初めて商売が成り立ちます。そのことは、絶対に忘れるべきではないと思います。

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