政府と日銀は2%の消費者物価の上昇率を「目標」とする共同声明を発表した。これは、デフレ脱却に向けた一つの前進だが、日銀の将来の政策のコミットメントとして曖昧さを残す、不十分なものだった。声明発表後の為替レートと株価の反応は失望が優勢だった。
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実現性のありそうな方で、一番円安・株高に効きそうなのは岩田一政氏か。氏は外債購入プランを唱えたことがあり、円安に対して積極的だ。
伊藤隆敏氏が総裁に就く可能性もありそうだが、同氏も明確なインフレ目標論者であり、市場は好意的に反応するだろう。
財務省出身の武藤敏郎氏、黒田東彦氏には、将来、出身母体の財務省に呼応して、緊縮路線に割合早く転ずるのではないかという懸念がつきまとう。特に、元大物次官の武藤氏の「実力」はマーケット的には懸念材料だ。(経済評論家・山崎元)
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【私の論評】今の時点で、安倍総理の戦線拡大を主張する輩は、偽装転向コミンテルンか過去の歴史の反省を踏まえないただの愚か者!!
日銀白川総裁 |
上の記事にもあるように、現在日銀総裁人事が焦点となっています。そうして4月の日銀総裁人事を巡って安倍政権が、どの政党と協力体制を構築するのかに注目が集まっています。それというのもどこと組むかで、誰を新総裁にするかが変わってくるからです。
日銀総裁人事は国会同意人事です。衆院定数の3分の2以上を確保した自公連立ですが、国会同意人事は法案とは異なり衆院の再議決は認められていません。そのため参院で過半数に達していない自公が、日銀総裁を選任するためには他党の協力が必要不可欠です。
しかし、自民党が勝ちすぎてねじれが事実上解消してしまったので、自公以外にとって日銀総裁人事が数少ないカードとなってしまいました。自公にとっては、選択肢は2つしかありません。1つは「みんなの党+日本維新の会」。そしてもう1つは「民主党」です。
しかし、安倍政権が掲げる金融政策と民主党のそれは、全く相容れるものではありません。それは、昨日のブログでもあげたように、民主党の海江田代表の代表質問では、徹底的にアベノミクス自体を非判してます。それに対してみんなの党の金融政策は、デフレ脱却へ向けて大幅な金融緩和策を進めるというもので、安倍政権の目指す方向とピタリと一致しています。安倍政権がどちらと組むかは明らかです。
イエール大学の浜田宏一名誉教授 |
金融政策面での安倍首相の知恵袋は、イエール大学の浜田宏一名誉教授です。その浜田教授は、元財務官僚の高橋洋一氏を通して渡辺喜美みんなの党代表とも通じています。最終的には浜田教授のお眼鏡にかなった人物、ということになるのではないか考えられます。
現日銀総裁の白川方明氏は、浜田教授の教え子の一人でした。にもかかわらず、白川体制では、日銀の金融政策を徹底的に批判する浜田教授を完全に無視してきました。いずれにせよ総裁人事をはじめとする一連の人事においては、白川ラインは徹底的に干される可能性が高くなっています。
巷では、このように、日銀総裁人事に焦点があてられています。しかし、日銀の政策は、日銀の総裁、副総裁および審議員によって定められるものであり、総裁だけがアベノミクスに好意的な人に変わったとしても、何も変わりません。これについては、私の説明よりも以下の動画をご覧いただければ、ご理解が深まると思います。
これについては、以下に、総裁、副総裁、審議員を含めた、現在の日銀政策委員会の顔ぶれを紹介します。審議委員は、日銀の最高意思決定機関の政策委員会のメンバーです。同委員会は総裁と副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成されています。日銀の金融政策は、現状ではこの9人の多数決で決定されるのです。
政策委員会委員
総裁 白川方明 | 副総裁 | 副総裁 |
審議委員 宮尾龍蔵 | 審議委員 森本宜久 | 審議委員 白井さゆり |
審議委員 石田浩二 | 審議委員 佐藤健裕 | 審議委員 木内登英 |
アベノミクス賛成派は、佐藤氏と、木内氏だけであるが、この二人は、昨年7月24日に審議員入りしたばかりです。両氏の任期は、17年7月23日までの5年間です。両氏は8月8~9日の金融政策決定会合から政策論議に加わっています。
昨年4月初めに審議委員2人が任期満了で退任。当時の野田政権は後任の人選を進めましたが、この後任も反リフレ派であったため、当時野党の自民党などの反対で国会の同意を得られないなどして空席が続いていたものを7月にこの二人を入れたということです。
この日銀政策決定委員会が、アベノミクスに好意的な人が多数にならなければ、アベノミクスは日銀の抵抗にあって、うまくはいかないということです。総裁人事に勝利し、これらの委員もアベノミクス賛成派に変えるとなると時間もかかります。
やはり、いずれかの時点で日銀法改正に踏切、世界標準からみると、異常な日銀の独立性の定義をまともなものにすることが重要です。日銀の独立性とは、なぜか日本だけが、日本国の金融政策を日銀が他から干渉を受けずに、決定できる、現状では政策委員会で決定できることを意味します。
しかし、世界標準では、日本国の金融政策は、あくまで政府が決めるものであり、中央銀行は、政府の金融政策を実施する段階で、専門家的立場からその方法を他から干渉を受けずに実施できるというものです。明らかに、現在の日銀法は、異常です。国の一下部機関が、国の重要な金融政策を決定するなどあり得ません。これを改める必要があります。
こんなことを考えると、安倍政権の前途はまだまだ多難であることが、良くお分かりになると思います。こんなときに、安倍政権に対してあれもやれ、これもやれと言うのは、ちょうど大東亜戦争のときに、日本軍に北は、アリューシャン列島から、南はガダルカナルまで、西はインバールから、東はハワイまで戦線を広げさせ、しかも小さな島々を一島ずつすべてとらせるなものであり、わざわざ、アメリカに有利な拡大をしてしまったようなことをやれというようなものです。
これだけ戦線を拡大し、しかも、小さな島まで1つずつ全部制圧するなどのことをしていたら、いかに強かった帝国陸海軍といえども、負けたのが合点がいきます。ちなみに、1930年代には、帝国陸海軍といえば、あまりに強すぎて、当時のアメリカもソ連はもとよりいかなる国の軍隊も迂闊に手を出せる相手ではありませんでした。実際、日本が当初想定した防衛圏を守れば、大東亜戦争に勝利できたか、少なくとも講和に持ち込めたであろうとするアメリカ人の軍事専門家もいます。それについては、本題ではないので、本日は詳細をここに記すことはしません。以下の動画を参照願います。
これからでてくる、味方のようにみせかけながら、あれもやるべき、これもやるべき、あれもこれもできていないと、安倍政権を非難する輩は、このブログでも再三述べているように偽装転向コミンテルンか、このような背景に頭がまわらないただの愚か者だと思います。
そうして、安倍自民党政権がその手にのって、戦線を拡大すれば、アベノミクスは頓挫して、失われた20年が30年になる可能性も高まるわけです。そんなことにならないためにも、安倍総理が戦線を拡大しないことを非難するのは、控えるべきですし、戦線拡大を主張する輩に対しては、味方であれ、敵方であれ、徹底的に糾弾していくべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?
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