アメリカのCNNテレビで、最近日本航空の社長のことが報道されました。その内容は、まずは、社庁が一般の社員と同じく、毎日バスで通勤していることでした。それから、社長(CEO)の給料が年間で900ドル程度で、これは日航のパイロットの給料よりも低いということ、昼食も社員と同じ社員食堂で社員と同じものを食べていて、給仕に時間がかかってさめてしまうのではないかと心配している様子が映し出されていました。また、インタビューのシーンもあって、社長がアメリカのCEOは189億円もの年収を得ていることを聞いて、「信じられない」と絶句しているシーンも掲載されています。
それから、アメリカのシーンも写されていて、公聴会でアメリカビッグスリーのCEOが、ある人から「公的資金の注入をして欲しいとの依頼のために、あなた方はワシントンに来ている。その足は一体なんでしたか?自家用ジェット機ですね。これが、公的資金を獲得するために来るものがする行動でしょうか?」と、厳しく指摘されているシーンも写っています。
そうして、CNNテレビのアナウンサーは、「アメリカのCEOも日本航空の社長を見習っては」というコメントを出していました。このニュースは先月22日時点で、YouTubeにも掲載されました。それが上の動画です。この動画、私がこの文章を書く際に検索した際には、126,909回も再生されていました。YouTubeの中でもヒットの部類です。
英語の番組をそのまま、字幕なしでの動画ですので、やはり見ているのとはほとんどがネイティブだと思います。この動画に対するコメントのほとんどが英語で、内容はほとんど賞賛するものばかりです。日本語の書き込みの中にはたまに、ネガティブなものがあります。皆さんはどうお思いになるでしょうか?
それでも日本はガラパゴスか?
アメリカのビッグスリーなども問題ですが、アメリカのCEOの年俸など、本当に異常なほど高額です。また、金融機関に従事している人の年収も異常です。リーマン・ブラザーズの日本法人の社員の平均年収が何と4000万円です。日本では、一部上場企業の社長ですら、5000~6000万の人も大勢います。
丁度2000年でしたが、バービー人形でMattel Corporationの当時のCEOであった、Jill Baradが会社の資産価値を半分以下に落とすような経営をしたため、辞職させられたという事件が発生しました。彼女は、何歳だったのかは判りませんが、経営者としては若いほうだったと思います。公聴会で釈明していましたが、砂区とも50歳以下のようにはみえました。この人が退職するときに、役員退職慰労金のようなものを、それも天文学的数字のものをもらっていたことを記憶しています。
これを見たとき、私は、アメリカ金融・経済は将来必ず何らかの形で破綻がくると思いました。どう考えてみても異常です。なぜ、失敗した経営者に天文学的な退職慰労金のようなものを支払わなくてはならないのでしょうか?逆だとおもいます。弁済させることはあっても、あのようなことはすべきでないと思いましまた。それから、8年後に金融危機です。あのときに私の勘は正しかったといえると思います。というよりも、まともな日本人なら、あれをみれば誰でもアメリカ社会は狂っていると思ったことでしょう。
それから、しばらくしてから思ったのが、アメリカ標準の会計制度です。特に時価会計です、2000年を過ぎたあたりから、アメリカの会計制度が世界のスタンダードのようになり、日本の会計制度もどんどん変わっていきました。いいろな変更点もありましたが、特に大きなものは時価会計だったと思います。時価会計とは資産を時価(決算期末時点に流通市場で付いた価格)で評価し、企業の決算に正確に反映させる方法とされています。しかし、これも非常に疑問でした。市場に完全に連動するなら、極端なことをいうと、大昔にヨーロッパでチューリップの球根が値上がりして、珍しいものだと、広壮な邸宅が一軒購入できるようになったことがあります。そんな、ときには、珍しいチューリップの球根を1000個も持っている会社はとてつもない資産を持っていることになります。
逆に今度は、チューリップの球根が市場で暴落してしまったら、球根を1000個持っていても、二束三文になるわけです。これは、全くおかしなことです。私が思うに、資産に関しては、何かの基準を定めて、極端に変動しないようにして、計上するようにして、基準は5年から10年で変更するなどの処置が必要ではないかと思っていました。それからしばらくすると、エンロンの問題などが起こって、やはり、アメリカスタンダードの会計には問題がありと思いましまた。
そうして、今回の金融危機でこの疑問はまさしく的中したと思います。最近アメリカでは時価会計を変えようという動きが高まっています。
しかし、2000年あたりは、こうして今から考えてみると、異常だという穏当なものの見方も誰も評価しなかったということだと思います。その頃は、アメリカでも、金融馬鹿や賭博師達が幅を利かせていて、何を言っても無駄という感じだったのだと思います。日本でもその影響をかなり受けていたと思います。金融アナリストや、経済アナリストがしょっちゅう表に出てきて、テレビなどで話をするような社会はおかしいと思います。金融・経済アナリストは所詮、金融馬鹿や賭博師達の側の人間であり、企業経営や社会に関しては、素人だと思います。これらの人たちが語っているのを聴くことは、賭博師に賭博をやめてまともな生活をするにはどうしたら良いのかを聴いているのと同次元だと思います。
私自身は、アメリカをはじめ世界の国々は、もっと社会の変化に着目すべきと考えていました。そのことについては、このブログでも何回も書いているので、ここでは詳述しません。それについて、この記事の下の方に【関連記事】として掲載しておきますので、是非そちらをご覧になってください。
さて、何を言いたいかというと、やはり、アメリカンスタンダードが必ずしも、スタンダードにはなり得ないということです。常識的に考えて、おかしいものは、おかしいということです。現在は、アメリカの非常識、特に金融馬鹿と賭博師達の非常識が金融危機を端緒として一気に表に出てきたということだと思います。
最近、日本におけるガラパゴス化ということが言われています。以下にガラパゴスかの意味を簡単に掲載しておきます。
日本におけるガラパゴス化現象とは?
(1) | 高度なニーズに基づいた製品・サービスの市場が日本国内に存在する |
(2) | 一方、海外では、日本国内とは異なる品質や機能要求水準の低い市場が存在する |
(3) | 日本国内の市場が高い要求に基づいた独自の進化をとげている間に、海外では要求水準の低いレベルで事実上の標準的な仕様が決まり、拡大発展していく |
(4) | 気がついた時には、日本は世界の動き(世界標準)から大きく取り残されている |
下は、日本市場でガラパゴス化現象の進展が危惧されている分野の一例です。 |
携帯電話、非接触ICカード、建設業、地上デジタル放送
まあ、上記の内容程度のものであれば、技術的なものであり、さほど問題はないと思います。
しかし、会計制度や、社会制度にまで、敷衍(ふえん)してものを考えるととんでもないことになると思います。会計制度は、やはりスタンダードが必要だと思います。しかし、アメリカのものがスタンダードとはならないことがはっきりしました。では、ヨーロッパがスタンダードかというと、今はとても危険な状況にあります。ヨーロッパは現在はっきりいって、環境会計やサブ・プライムローンよりも劣悪な金融デリバティブ商品である二酸化炭素排出権取引などでトチ狂っているので、スタンダードにはできないと思います。現状をみているとかなりの円高であり、市場ではそれだけ日本に対する信頼があるということですから、日本で新しいものをつくって、スタンダードにできないものかと思います。
社会制度については、国や民族によってかなり違います。何もかも、同じにしてしまえ、などとして、たとえば、イスラムの社会に西欧の社会にあわせろなどということになれば、大変な災厄をまねいてしまう可能性が大です。やはり、相手を尊重すべきでしょう。
こうやって考えていくと、グローバル化などといわれているにも関わらず、国や民族の壁というのは、思いのほか高いということを思い知らされます。国民国家が2025年になくなるという、予測をしたNICの予測は完全に的外れだと思います。
さて、日本航空の社長の報酬の話から、あらぬ方向に話が向いてしまいましたが、CEOの報酬に関しては、アメリカスタンダードより、日本スタンダードが良いような気がします。できれば、私は、日本の社長の報酬はもっとあげるべきだと思いますが、アメリカのような法外な報酬は問題外だと思います。皆さんはどうお考えですか?
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