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2012年7月8日日曜日

【アンケート結果発表】kindleとkobo、買う? 買わない?―【私の論評】koboは単なる電子書籍端末ではない、いずれKindle Fireのようになり、世界中のありとあらゆる、コンテンツ・商品・サービスを提供するようになる!!

【アンケート結果発表】kindleとkobo、買う? 買わない?:

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たくさんのご回答、ありがとうございました!

みなさんにご協力頂いたアンケート「kindleとkobo買う? 買わない?」の結果を発表します。この記事執筆時まで頂いたアンケート結果はなんと2436票! コメントもひとつも漏らさずすべて目を通させて頂いています。本当にたくさんの方のご参加ありがとうございました!
気になる結果はこうなりました!

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39%が「買う」と回答

じゃん。全体の39%の方がkindleとkoboどちらも、もしくはどちらかを買うと回答しています。まだどちらもサービス開始前、kindleに至っては詳細がわからない中でのこの39%という数字は多いと言えるんじゃないでしょうか。

みなさんのコメントは「デバイスが安いので試しに買ってみる」「kindleの実績に期待する」「電子書籍はkindleかkoboを使う。それ以外はiPadで使い分け」あたりが目立ちました。低価格を打ち出したkoboがkindleの実績を超えられるか、kindleが期待に沿った端末とサービスを展開できるか、というところがポイントになりそうですね。もしKindle Fireのようなカラーの端末が出た場合はiPadから乗り換える人も多そうです。

様子見・買わないが33%

一方「様子見・買わない」と回答した方が33%でした。コメントでもいくつか頂いた「コンテンツの品揃えが大事」というところがいちばんネックになっているようです。確かにデバイスを買っても読みたい本・コンテンツがなかったら本末転倒ですもんね。ここはやはりみなさん慎重なようです。
それからもうひとつ目立ったのが「iPadやNexus 7、Kindle Fireでいい」という声です。必ずしも電子インクの端末が必要ではない、タブレットひとつで完結したいというコメントを頂きました。また少ないながらも「本は紙で読む」という声もありました。やっぱり「紙の本」は強いですよね。

28%のiPad好きからはいろんな声が

この28%も「様子見・買わない」の中に含めてもいいと思うんですが、いろんな意見を頂きましたよ。「専用端末が必要なほど本を読まない」「読書のためだけに端末を増やすのではなく、マルチに使えるiPadが便利」「噂されているより小さいサイズのiPadが気になるから」「iPadのkindleアプリを使う」などなど。

確かに読書のためだけに専用タブレットを持ち歩くというのは、コンスタントに本を読む人でないと負担になってしまうところもあるのかもしれません。でもiPodの登場でiPodを持ち歩いて音楽を聴く人が増えたように、kindleやkoboで電子書籍が日本でも普及すれば専用タブレットを持ち運ぶことも普通のことになるかもしれませんね。

まとめ

まだはじまっていない新たな分野の商品に対して「買う」と前向きな姿勢をしている方が39%もいたことは多いと見てもいいんじゃないでしょうか。kindleの詳細がわからない中ですが、kobo Touchの低価格と今年こそは! という期待も後押しした結果でしょうか。

「様子見・買わない」「iPadしか見えない!」の回答を足すと61%です。実に6割の方はまだ手を出さずに見守る段階。しかしこの中で電子書籍にまったく興味がない・本は紙で読むと応えた方はごく少数でした。今回のアンケートに参加して頂いた方は少なからず電子書籍に興味がある方々でしょうから、一概には言えない部分があるにせよ、やっぱりみんな電子書籍に興味があるということが言えるんじゃないでしょうか。

そしてみなさん、今回はアンケートへのご協力、本当にありがとうございました! みなさんからのコメントはすべてどなたでも見ることができるので、目を通してみるのもいいですよ。いろんな意見があっておもしろいです。日本での電子書籍、1年後、3年後にはどうなっているんでしょうね。
あ。kobo Touchを注文済みな僕は、価格次第でkindleも買ってみたいと思っているんですが、さっき編集部の河原田さんに「鈴木さん、iPad持っててNexus 7も買うんでしょ? それでkoboもkindleも買ったらタブレットまみれじゃないですか」なんて言われちゃいました。冗談で「たくさんディスプレイがあったらデイトレーダーみたいでしょ?」って答えましたが、正直言われるまで自分がそこまでたくさん買おうとしてるの、気づかなかったよ...。

Special Thanks!:アンケートに参加してくれた読者のみなさま
(鈴木康太)

【私の論評】koboは単なる電子書籍端末ではない、いずれKindle Fireのようになり、世界中のありとあらゆる、コンテンツ・商品・サービスを提供するようになる!!


本日は、Koboか、Kindleかという上の記事の内容や、どちらが読みやすいとか、ハードがどうのこうのという話は、他のサイトに譲るとして、もっと本質的な、koboの強みはグローバルな版権と決済システムであることを掲載します。koboが他と一線を画すのは、Eブックの版権をグローバルに獲得していることです。ここに目をつけ、買収してしまうとは、楽天も本当に良いところに目をつけたものだと関心してしまいます。


日本国内販売に先駆けて、日本でキンドルを入手した人なら経験があるでしょうが、アメリカのアマゾンのサイトに行って、欲しい本を見つけても、いざダウンロードしようとしたら「日本でのお取り扱いはできません」とメッセージがかえってきててガッカリしたことがあると思います。これはアマゾンがキンドルの版権を扱うときに、アメリカを中心にテリトリーごとにマーケットを作ってきたからです。

その点、koboは最初から英語以外のヨーロッパ言語や、さらにアジアの言語でも表記ができるように、フォーマットが「緩い」のです。EPUBベースなので、最初から日本語の縦書き表示もできます。もちろん、グローバルスタンダード、つまり世界のどこでも使えるものは、それぞれの地域に細かく対応できないというマイナスはあります。しかしながら、世界標準としフレキシブルに対応できるという利点があります。


アマゾンも世界進出を目論んではいるのですが、マーケットを分けてその国ごとにキンドル本を用意してきました。世界の地域のキンドルストアごとに分断されているのです。だから日本で同じキンドルを使っているのに買えないタイトルが出てきたりするのです。ただし、これは、以前よりは、きつくはなくなってきていることも事実です。

それに対してkoboは、人口の少ないカナダの企業だからだということもあり、自国のマーケットで流通させるコンテンツを集めるときも最初から世界を意識して世界版権か全英語圏版権であることを重視してきました。そうすることによって、koboの端末で、あるいはパソコン上で、北米、ヨーロッパ、オーストラリアのどこにいても同じ本が買えるのです。とくにヨーロッパの人は、母国語が英語でなくても英語の本を読める人が多いので、自国でアマゾンや他の電子書籍サービスが遅れていても、koboであれば、そのようなことはないのです。日本でも、同じようになることでしょう。


こういうマーケット戦略のおかげでkoboは最初から、同じ本を通貨単位の違う国で売れるように決済システムを構築してきました。ユーロでもカナダドルでも、米ドルは無論のこと、世界各地で同じものを販売して、決済処理できるシステムとノウハウをもっているのです。そうしたところに、円の決済を導入することなど、たやすいことです。

そのkoboを楽天が買ったということは、そのノウハウを搭載した端末で、世界中でモノが売れる道筋を作ったというこことなのです。 国内でアマゾンと電子書籍で競争するためだけに236億円を投じたとは思えません。これによって、世界でアマゾンと闘うための投資だと考えると、これ以上適した端末はないのではないのではないでしょうか。楽天は、書籍だけを販売する会社ではありません。無論皆さんご存知のように、ありとあらゆるものを売る物販サイトです。その出展内容など、まだ、世界には進出してはいないとはいえ、Amazonに匹敵するほどだと思います。


そうして、当然のことながら、Amzonが電子書籍のKindleに甘んずることなく、Kindle Fireで、本以外の幅広いコンテンツ、物販も可能としたように、楽天同じようなことを意図しているのです。世界のどこにいてもkoboがあれば、世界中の本が読めるようになったり、世界中のモノが買えるようになったりしたとしたら、これは、Amzon並み以上になるかもしれない、潜在能力を秘めています。

私は、こういう背景から縮む一方の日本国内の書籍市場のためだけに楽天がこんな買い物をしたのではなく、いずれ、世界に打って出るために、このような買収をしたのだと思っています。


電子書籍で成功するであろう楽天は、すでに日本語の本を売ってどうこうという狭くて小さい世界を超えた大きなビジョンを持って未来のeコマースを見据えているのです。そうして、そこから、現在までをたどって、今着々と駒を進めているのです。

そうして、いずれ楽天も、Koboを電子書籍端末のままにしておくのではなく、いずれ、iPadや、Kindle Fireのように、それ以外の種々様々なありとあらゆる、コンテン・商品・サービスを提供できる端末を開発し提供し始めることでしょう。


とはいいながら、いくら、koboと、それを買収した楽天が素晴らしいとしても、現状の日本の電子書籍は、楽天も含めて、あまりに貧弱です。とにかく、電子書籍の奥行きも、幅も極端に狭いです。とにかく、読みたい本があまりありません。特に、日本語電子書籍コンテンツが少なすぎです。たとえば、アメリカのアマゾンで普通に販売されているようなドラッカーの書籍ですら、日本では、まだ日本語による電子書籍が販売されていません。あるとすれば、ドラッカー直筆ではなく、その関連書籍だけです。とにかくアマゾンだろが、koboだろうが、日本語書籍のコンテンツを増やすことができなければ、日本では、成功できないでしよう。アマゾンでも、koboでも良いので、とくにかくこの現状を変えていただきたいと思うのは私だけでしょうか?



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