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2015年5月21日木曜日

CNNが米偵察機に搭乗取材―【関連記事】米国は、リバランス後のアジアをどのようにするのか、はっきりとした戦略を示すべき(゚д゚)!

CNNが米偵察機に搭乗取材



 南シナ海上空(CNN) 中国海軍は南シナ海上空を飛行する米軍の偵察機に対し、20日だけで8回にわたって警告を発した。CNN取材班はこの偵察機「P8Aポセイドン」に初めて搭乗を許可され、独占取材を行った。

 中国が南シナ海に相次ぎ人工島を建設して軍事施設を増強していることに対し、米国防総省は警戒を強め、中国の領有権に関する主張を米国が認めていないことを誇示する目的で偵察飛行を行っている。人工島の建設に対しては米国の同盟国も懸念を強める。

 国防総省がメディアによる取材を初めて認めた背景には、人工島が投げかける問題や米国の対応強化について世論を喚起する狙いがある。中国が米国の対応を歓迎していないことは即座に分かった。「こちら中国海軍。こちら中国海軍。どうぞ退去してください。誤解を避けるために」。取材班が搭乗した偵察機は、無線通信でそう呼びかける英語の音声を受け取った。

 国防総省が中国の建設作業現場の映像や米偵察機に対する警告音声を公表したのは初めて。

 偵察機は最も低い時で1万5000フィート(約4572メートル)の高度を飛行した。米軍はこの地域でプレゼンスを高めるため、偵察機や軍艦で人工島にさらに接近することも検討中だ。

 中国海軍の通信が入って間もなく、発信元の人工島が見えてきた。同島は中国の沿岸から1000キロほど離れた海上に建設されていた。

 南シナ海には豊かな漁場があり、大量の天然資源が埋蔵されている可能性もあることから、問題の海域では複数国が領有権を主張している。

 20日の偵察は3つの人工島の監視が目的だった。数カ月前までは小さな岩が点在するだけだった海上が埋め立てられて大規模な建設作業が進められており、米国はこうした島が近いうちに軍事施設として実用配備されることを危惧する。

 これに対して米軍側は一貫して、P8は国際空域を飛行していると繰り返す。

 この応答にいら立って、1度は「こちら中国海軍。出て行け!」という反応が返って来た。

 この空域は軍だけでなく民間の航空機も飛行する。米デルタ航空のパイロットが同じ周波数を使って民間機であることを伝えると、無線通信の相手は「中国海軍」と名乗り、デルタ機はそのまま飛行を続けた。

 建設作業が進むほど、中国海軍の米軍機に対する警告の頻度や攻撃性は高まると米軍司令官は予想する。

 ファイアリー・クロス礁やミスチーフ礁では埋め立てや建設の作業が盛んに進められている様子が見えた。「毎日こんな様子だ。週末も働いているのだろう」とパーカー大佐は話している。

【私の論評】米国は、リバランス後のアジアをどのようにするのか、はっきりとした戦略を示すべき(゚д゚)!

中国が、日本の尖閣周辺の領海、領空侵犯を繰り返したり、南シナ海に相次ぎ人工島を建設して軍事施設を増強している背景には、無論のこと中国の海洋進出の野望があります。

その野望については、随分前から多くの国々で周知されていることです。それに関する記事は、このブログでも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
日本が宮古島に地対空ミサイル展開 中国の太平洋への出口封鎖する狙いか(China.org.cn)―【私の論評】このままでは第一列島線確保もままならぬ中国の蹉跌(゚д゚)!永遠に無理か?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に中国の海洋進出の野望に関する部分のみ掲載します。
中国中央共産党幹部の妄想も酷いものです。その妄想に従い、第一列島線、第二列島線などの妄想ラインなどをまじめに考えています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%88%97%E5%B3%B6%E7%B7%9A 
第一列島線とは、上の図の緑の線であり、中国の海域における軍事的防衛ラインの一つで、九州・沖縄から台湾・フィリピン・インドネシアの諸島群などを結ぶ線。中国海軍は1980年代半ばに提唱された「近海積極防衛戦略」などに基づいて軍事力を増強し、それまでの沿岸防衛から近海・外洋へと展開している。この軍事戦略において近海と外洋を分ける目標ラインとされる。 
第二列島線とは、上の図の紫の線であり、中国の海域における軍事的防衛ラインの一つで、伊豆・小笠原諸島からグアム・サイパンを含むマリアナ諸島群などを結ぶ線。中国海軍は1980年代半ばに提唱された「近海積極防衛戦略」などに基づいて軍事力を増強し、それまでの沿岸防衛から近海・外洋へと展開している。この軍事戦略において外洋の範囲を示す目標ラインとされる。 
◆中国は2020年の運用を目標に通常型空母建設に着手しているほか、原子力空母建設構想など海軍力の整備・増強を表明しており、同国の軍拡が懸念されている。 
但し当然の事ながらこれら第一、第二列島線概念は公式に対外的にアナウンスされた方針ではなく、あくまで人民解放軍内部の国防方針である。 
同副主席が掲げた海軍建設のタイムスケジュール 
「再建期」 1982-2000年 中国沿岸海域の完全な防備態勢を整備 ほぼ達成済み
「躍進前期」 2000-2010年 第一列島線内部(近海)の制海権確保。
「躍進後期」 2010-2020年 第二列島線内部の制海権確保。航空母艦建造
「完成期」 2020-2040年 アメリカ海軍による太平洋、インド洋の独占的支配を阻止
2040年 アメリカ海軍と対等な海軍建設 
これからすると、躍進前期は遅れています。そうして、現在躍進前期の最大の障害は、日本によるものです。計画では、2010年までには、第一列島線内部(近海)の制海権確保が実現されていなければなりません。しかし、尖閣すらとれない状況では、これは現状では全く無理です。
 さて、この記事では、中国の太平洋米中二穀支配など妄想に過ぎないことを指摘しました。しかし、中国は自らの海洋進出を妄想とは思ってはいないようです。

昨日は、オバマ大統領率いる米国が、海洋覇権を狙う中国を強く牽制しているとした記事について解説させていただきました。
習近平主席、とんだ赤っ恥 海洋覇権狙う中国を米国が封じ込めへ―【私の論評】及び腰オバマの遅きに失した中国対応!ほくそ笑む習近平の前に立ち塞がる安部総理(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部分のみ以下にコピペさせていただきます。

この記事の元記事では以下のようなことを掲載していました。
米海兵隊が、日本などアジア太平洋諸国の20カ国以上の部隊幹部らをハワイに招き、島しょ防衛能力を向上させる研修会合を始めたのだ。キューバも合意していた中国艦艇の常駐を撤回していた。習近平国家主席としては、赤っ恥をかかされたことになりそうだ。
これに対して、私は以下の様な論評をしました。
もう、オバマは対外的に何もしないしできません。上の記事では、さも中国牽制のために、米海兵隊が、日本などアジア太平洋諸国の20カ国以上の部隊幹部らをハワイに招き、島しょ防衛能力を向上させる研修会合を始めたようなことを掲載していますが、私はそうではないと思っています。
オバマが何を考えているかといえば、キューバとの国交回復のみです。すでに、レームダック化しているオバマにおいては、もはや対外的に成果を残せそうなのは、キューバとの国交回復だけです。今回の研修会合は完璧に、キューバとの国交回復のための、地ならしにすぎないものと私は思います。
もし、中国への牽制なら、実施する場所が間違えています。中国を牽制するというのなら、日本か韓国、台湾かフィリピンで実施すべきものです。 
このニュースに接して、習近平は赤っぱじをかいたと思うどころか、オバマのあいかわらずの、及び腰に、「こいつはまだまだ」いけると、ほくそ笑んでいることでしょう。
この習近平のほくそ笑みの発露が、今回の 中国海軍による南シナ海上空を飛行する米軍の偵察機に対する、20日だけでも8回にわたって警告だとみるべきです。

現中国が、海洋進出するなどということは、第二次世界大戦後の戦勝国による「戦後体制」にはなかったシナリオです。そもそも、中華人民共和国は、国民党軍と戦ったのであり、第二次世界大戦に参戦していません。

そのような、現中国が戦勝国面するどころか、海洋進出の野望を抱いています。オバマとしては、本来「戦後体制」の守護者としても中国と厳しく対峙しなければならないはずです。中国の海洋進出を防がなければ、「戦後体制」の維持は困難です。


しかし、オバマの態度を見ているとどうもその気はないようです。もしオバマが「戦後体制」を崩すというのなら、日本の真の独立を促し、アジアにおける日米の同盟関係のあり方などはっきり示して、その方向に向かって準備するなどのことをすべきです。

アジアを重視するという、リバランスの表明だけでは不十分です。リバランス後のアジアをどのようにするのか、はっきりとした戦略を示すべきです。

オバマの優柔不断により、海洋進出の野望を持つ中国の野望はさらに拡大され、今日のような状況になっています。

アメリカ議会は、日本の鳩山以下のオバマ大統領の及び腰を補い、中国の野望阻止する方向にアメリカの舵を大きく切るべきです。そうして、次の大統領は、さらにこの方向性を強力に推進すべきです。何よりも、一刻も早くリバランス後のアジアをどのようにするのか、はっきりとした戦略を示し、その方向に向かって動くべきです。

私は、そう思います。みなさんはどう思いますか?

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