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2019年1月13日日曜日

レーダー照射で逆ギレ「韓国」が米国と訣別する日―【私の論評】文在寅の甚だしい誤認、北は反中もしくは嫌中、親中にあらず(゚д゚)!

レーダー照射で逆ギレ「韓国」が米国と訣別する日



同盟消滅が現実味を帯びている

 河井克行・総裁外交特別補佐は訪米先ワシントンで8日、講演をして、韓国が中国、北朝鮮陣営に傾いていることへの懸念を表明した。河合氏は、アメリカにこの地域で引き続き存在感を示してもらいたい旨も語ったが、そのように事態が進むかはますます怪しくなっている。

 直近の問題は、韓国側の「逆ギレ」的対応により、出口が見えづらくなっている韓国軍のレーダー照射事件だろう。日本側はアメリカに仲裁を期待しているといった報道もあるが、実のところ、アメリカがどこまで関与するか、そして韓国がそもそも聞く耳を持っているかも不透明な状況のままである。

 評価は様々にせよ、アメリカの存在が北東アジアの平和に貢献していたことは間違いない。しかし、現在の韓国大統領がそのような「恩義」を感じているかは極めて怪しいのもまた事実だ。北朝鮮に対して異常なほどの接近を示す韓国は、とてもアメリカの同盟国とは見えないというのは衆目の一致するところだろう。この流れが続けば、アメリカが韓国を見捨てる日も遠くない――昨年末来、この危うい状況に警鐘を鳴らしていたのが、半島情勢に詳しいジャーナリストの鈴置高史氏だ。鈴置氏の新著『米韓同盟消滅』の冒頭にはこうある(以下、引用は同書より)。

「この本の目的は米韓同盟が消滅しかかっていると日本人に知らせることにある。米国の後ろ盾を失えば、韓国は表向きは中立を唱えるだろうが、実質的には中国の勢力圏に入る可能性が高い。朝鮮半島は日清戦争以前の状態に戻り、百数十年ぶりに日本は大陸と直接向き合うことになる。(中略)

 反米的で民族の和解を掲げる文在寅(ムン・ジェイン)政権は同盟破棄に協力的だ。韓国の親米保守は米国との同盟を失うことに絶望感を抱く。だが、米国から見捨てられる以上、どうしようもない」

 鈴置氏は、同盟消滅が現実味を帯びていることを示すファクトをいくつも挙げている。たとえば、昨年、文政権の統一外交安保特別補佐官は、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に「(南北の)平和協定が締結されれば、在韓米軍の持続的な駐留を正当化しにくくなる」と書いたという。

「米韓同盟の打ち切りに大統領のブレーンが言及したのだ。1人の不規則発言ではない。青瓦台(大統領府)は『反米親北』の人々で占められている。

 中枢組織である秘書室の秘書官31人のうち、政権ナンバー2の秘書室長を含め61%の19人が左派の学生運動か市民運動の出身者だ。保守系紙、朝鮮日報が2018年8月8日に報じた。根っからの『反米親北』政権なのだ」

 こうした動きに対して歯止めをきかせる役目を本来、担っていたはずの親米保守派が存在していたのだが、彼らは現在沈黙を強いられている。

「対話ムードに抗せなくなったのだ。韓国の政界から北朝鮮との対決を主張する党派が消滅した。それは米韓同盟の死守を叫ぶ勢力が消えることも意味した」

 南北の間の緊張が緩和すること自体は、多くが歓迎する動きだろう。しかし、だからといって、これまでの同盟の歴史を無視するかのような韓国の振る舞いについて、日本人には理解しがたいところがある。朝鮮戦争では数多くの米国兵が犠牲になっているのだ。

 しかし、韓国では定期的に反米機運が国レベルで高まることがある。2002年には、米軍の装甲車に韓国人の女子中学生がはねられて死亡した事件をきっかけに激しい反米デモが勃発。当時のブッシュ大統領が2度にわたって遺憾の意を表明したが、国民は収まらなかった。当時の世論調査では、アメリカよりも北朝鮮にシンパシーを感じる人が多いという結果が出ている。同盟国よりも「休戦中の敵国」に対して親しみを持っていたのだ。

 かつて、鈴置氏はこうした「反米気運」について素朴な疑問を保守系紙の編集幹部にぶつけてみたことがある。

「日本は戦争で米国に負け、原爆まで落とされた。だが、今は同盟を結んでいる。韓国は米国によって日本から解放してもらい、朝鮮戦争の時にも救われた。米国に徹頭徹尾、世話になったではないか」

 これに対する答えはこうだったという。

「世話になったからこそ、韓国人は反米になるのだ。全力で戦った日本に対し、米国人は敬意を払う。少なくとも下に見はしない。だから日本と米国は対等の関係にある。だが米国人は『いつも助けてやっている韓国』をまともな国として扱わない。この悔しさは日本人には分かるまい」

 こうした恨みもまた、同盟消滅の推進力となるのだろうか。

デイリー新潮編集部

【私の論評】文在寅の甚だしい誤認、北は反中もしくは嫌中、親中にあらず(゚д゚)!

金正恩(左)と文在寅(右)

文在寅は、自身が親中派であり、金正恩氏もそうであると思っているでしょう。親中派とまではいかなくても、少なくとも金正恩氏は米国などより中国のほうを信頼しているだろうと無意識に思っているに違いありません。これは、全くの文在寅の誤認です。

金正恩は、親中派ではないどころか、反中派です。

「中国の奴らに昔と今は違うということを見せつけてやる」

2015年8月米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、北朝鮮の現役幹部の証言として、金正恩第一書記の口から「爆弾発言」が出たことを報じました。

建国以来「血の友誼」と呼ばれる固い同盟関係を築いてきた北朝鮮と中国ですが、核実験の強行や張成沢氏の処刑などをきっかけに中朝関係は悪化。「爆弾発言」が事実なら、金正恩氏が中国との関係改善に関心がないことを示すことから、北朝鮮権力内で衝撃が走ったようです。

「爆弾発言」は、当時金正恩氏が幹部たちを集めた席で語られたといいます。発言を聞いた幹部たちの多くは拍手しましたが、国際社会からの孤立を自ら招きかねないと不安視する幹部もいたとのことだそうです。

発言の真偽は不明ですが、金正恩氏は、2015年6月に長江で起きた旅客船沈没事故に関連して「中国に公式の弔意を示すな」との指示をしたとRFAの北朝鮮内部情報筋が伝えていました。

金正恩氏が、中国との関係改善に消極的で「反中感情」を抱いている可能性は充分にあります。上から目線で「先輩風を吹かせる」中国を毛嫌いしているようです。

北朝鮮が、ロシアとの関係改善に注力していることも、金正恩氏の反中感情が反映されていると見られますが、「政府は、朝ロ関係に積極的に動いているが、それほど大きな効果は得られていない」という見方もあります。

2015年9月3日には中国の北京で「抗日戦争勝利70週年」記念式典が行われました。当時の韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は参加しましたが、金正恩第1書記は欠席しました。ただし、金正恩の腹心である崔竜海・朝鮮労働党書記を派遣しました。

ごく最近は、金正恩氏は習近平と頻繁に首脳改題を開催するようになりましたが、これはあくまで、米国による非核化要求に関わる協議のためであり、やはり金正恩氏自身は、親中派ではなく、どちらかというと反中派もしくは嫌中派とみなすべきでしょう。

では、北朝鮮の人民はどうなのでしょうか。

「私が会った北朝鮮の人たちは米国よりも中国を嫌っているようだった」

こう語るのは元駐平壌英国大使のジョン・エバラード氏です。2012年6月下旬、米ワシントンのブルッキングス研究所で講演し、北朝鮮の中国嫌いを端的に指摘しました。

元駐平壌英国大使のジョン・エバラード氏

エバラード氏は2006年2月から2008年7月まで大使として北朝鮮に駐在し、その体験をまとめた『Only Beautiful, Please』を出版したのを記念して講演しました。

北朝鮮が中国から膨大な経済支援を受けていながら、中国が嫌い理由についてエバラード氏は「中国人は傲慢で横柄、生意気だと思っている。実は北朝鮮は中国から“独立”したいと思っているのだ」と分析しました。

同氏は、平壌在住のマッサージ師の話を引き合いに出して、「ロシア人やドイツ人にはマッサージを施したが、中国人だけは相手にしなかった。奴らは体臭がきついんだ」とのエピソードも紹介しました。

北朝鮮が「米帝国主義」などとして激しく批判する米国については「一般の国民はそれほど敵対的ではなく、米国が北朝鮮を攻撃すると考える住民は多くはない」と語りました。さらに、韓国が北朝鮮に攻撃をするかどうかについて、「北朝鮮国民は韓国を米国の傀儡政権みなしていることから、韓国が単独で北朝鮮を攻撃するとも思っていないようだ」と解説しました。

「ただ、北朝鮮は絶対に核を放棄しない。核が外部の敵から自国を守る唯一の武器だと考えているからだ」と同氏は強調し、米国や中国が北朝鮮に核の放棄を求めても、絶対に応じないとの見方を示しました。

一方、国際社会の北朝鮮への食糧支援などについて、「支援物資などは権力集団の体制維持に活用されているようだ」と述べて、食糧不足に苦しむ一般住民の手には渡らず、北朝鮮の指導部や軍の段階で止まっているとの見方を明らかにしています。

以上から、どうやら、金正恩も、一般人民も中国を嫌っているようです。

そうして、北朝鮮のミサイルの射程距離を思い浮かべてください。以下に2017年度チャートを掲載します。


左から
火星5 飛距離300Km
火星6 飛距離500Km
ラドン 飛距離1300Km
テポドン1 飛距離2500Km
ムスタン 飛距離3000Km
KN−08 飛距離6000Km (開発中・未テスト)
テポドン2 飛距離6700Km (開発中・未テスト)
テポドン1は1998年、2006年、2009年、2012年に発射実験が行われており、その射程距離圏内には、日本全域、中国東側の大部分、ロシア極東部などが含まれます。現在開発中のKN-08やテポドン2ではアメリカのアラスカ州が射程距離内に入ります。

2017年7月4日に発射された大陸間弾道ミサイルは高く打ち上げて飛距離を抑えるロフテッド軌道を利用したと見られており、発射角度を調整すればアメリカも射程距離に入っていたと見られます。

この射程距離、日本では米国や日本への到達などばかりが報道していますが、上のチャートのラドンから右のミサイルは、すべて中国の中枢に到達します。ムスダンから右は、中国内のほぼ全域に到達します。

そもそも、北朝鮮は中国の東北地方(旧満州)と国境を接していますから、どのミサイルも中国の領域に到達します。

中国は、こうした北朝鮮のミサイルに脅威を感じるのは当然のことだと思います。

金正恩が、中国嫌い、北朝鮮人民も中国が嫌い、そうして北が核ミサイルを保有しているという事実から何が浮かんでくるかといえば、昨日もこのブログに掲載したように、結果として、北朝鮮の核保有は北朝鮮の独立を保証すると同時に、中国の影響力を朝鮮半島全土に浸透させることも防いでいます。米国にとって、朝鮮半島が南北に分断され、北朝鮮が核を保有している現状が中国をにらみ望みうる最善の状態です。

北の核は、確かに米国にとって脅威ではありますが、もう一方からみれば、中国にとっても脅威なのです。

現状は、米国にとっては中国封じ込めという観点からは、朝鮮半島はうまくバランスがとれているのです。

昨日も掲載したように、トランプ政権はこのバランスを継続させることに大きな意味があると考えていることでしょう。

そうして、昨日も述べたように、中国が体制を変えるか、経済が落ち込んで、他国に影響を及ぼせないほどになれば、そのとき本格的に北朝鮮との非核化協議にはいることになるでしょう。それまでは、

そうして、昨日も述べたように、中国に接近する韓国は中国の影響力を朝鮮半島全土に及ぼす役割は担っていないのです。それを今は北朝鮮が担うという皮肉な状況になっているのです。

北も中国との関係を大事にするだろうと思いこんでいる、文在寅は、日米はもとより、北朝鮮からも、これからはしごを外されっぱなしなることでしょう。

そうして、他ならぬ中国からもはしごを外された状況に陥るでしょう。なぜなら、韓国は未だ米国との関係もありますし、何よりも嫌中の北朝鮮に両手を上げて接近しようとしています。

この対局を文在寅は全く理解していないでしょう。北と接近し、中国とも同時に接近することが、韓国の国益にかなうことと無邪気に信じているのでしょう。

北に強く接近すれば、中国からは疎まれるということを理解していないようです。そのことを理解させるため、中国はさらに韓国に対する制裁を強めるかもしれません。それでも、大局を理解してない文は、なぜ中国がそのようなことをするのか、理解せず、さらに北朝鮮に入れあげ、挙げ句の果てに自滅するかもしれません。

最悪の場合、韓国は日米中の制裁の対象になるかもしれません。そうなれば、韓国はお手上げになります。

米国としては、このバランスを継続することに注力するようになるでしょう。米韓同盟が消滅したとしても、このバランスを保つことに支障がないと判断すれば、シリアから撤退したように、あっさりと米韓同盟を解消し、米軍を韓国から撤退させるかもしれません。

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