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2017年3月8日水曜日

米韓演習中に北ついに挑発!軍事的な対抗措置も 中国も交え一触即発の緊張感―【私の論評】現実味を帯びてきた金正恩斬首作戦(゚д゚)!


今月1日に始まった米韓合同演習「フォールイーグル」
 トランプ政権が誕生して初めてとなる米韓軍事演習が1日に始まった。昨年の演習には、米軍約1万5000人、韓国軍約29万人が参加したが、今年はそれより大規模になり過去最大となる予定だ。

 トランプ政権になったことで米国のアジア戦略も大きく変更しそうだ。オバマ前大統領は当初、中国の海洋進出に対してそれほど反発するでもなく、極端にいえば黙認する形だった。

 その後、南シナ海での中国の軍事的な動きが急速に進むと、かなり警戒するようにはなったが、当初の中国に対する寛容的な政策が、北朝鮮の核・ミサイル開発を助長させたといっていいだろう。

 一方、トランプ大統領は、選挙期間中、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と話をしてもいいと発言したことで、対話路線かと思われた。しかし、今では「(正恩氏は)チャンスを逃した。もう遅い」と言い切っている。

 先日行われた日米首脳会談で、中国や北朝鮮の情報を安倍晋三首相から直接聞いているのだろう。安倍首相との夕食時に入ってきたミサイル発射を受けて共同で記者会見を開いたことをみても、北朝鮮の傍若無人ぶりにかなり憤っているはずだ。

 また、トランプ大統領は、国防費を10%程度増額することを表明している。増額された国防費はホルムズ海峡や南シナ海などでの支出に充てられるだろうが、トランプ氏は「衰えた米軍を再建する」とも述べている。こうした意味において、朝鮮半島の安定化においても、米軍のプレゼンスを高くするつもりだろう。

 加えて、マレーシアで起きた正恩氏の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件について、北朝鮮が国家ぐるみで行った疑いが強まり、朝鮮半島は緊迫度を増している。国際会議の場でも、韓国側が「北朝鮮による犯行」と断言すれば、北朝鮮側は「韓国による政治利用、プロパガンダだ」と激しく応酬している。

 正恩体制は、政権当初から挑発姿勢であったために、いまさら後には引けなくなっている。米韓軍事演習に対し、「超強硬な対応措置で立ち向かう」と反発する談話を発表しており、2カ月に及ぶ軍事演習中にも、核実験を含めた挑発行為に及ぶ可能性はかなり高いといわざるを得ない。

 そして6日、北朝鮮はミサイル発射を行ってしまった。米韓は軍事演習中なので、そのまま軍事的な対抗措置に入り、事態がエスカレートする可能性もあり、予断を許さない。

 ここ2カ月間の米韓軍事演習中には、危険な要素が至るところに転がっている。

 軍事演習の場所は機密なので非公表であるが、仮に米原子力空母が朝鮮半島西側の黄海に入ることなれば、中国もすぐに反応して緊張感が走るだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


【私の論評】現実味を帯びてきた金正恩斬首作戦(゚д゚)!

史上最大規模となる米韓合同軍事演習が1日始まりました。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮の核や弾道ミサイルの開発をけん制し、挑発には強力な報復を行うと警告する姿勢を示します。正恩氏の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件などを受け、朝鮮半島情勢は緊迫しています。北朝鮮が新たな挑発行為に出た場合、ドナルド・トランプ米大統領がアジアと世界の平和と安定を守るため、正恩氏を排除する米軍特殊部隊主導の「斬首作戦」を決断することも十分ありそうです。

上の高橋洋一氏の記事は、それに対する警告も含んでいるものと思います。これだけ、具体的な軍事的な脅威が迫っているにもかかわらず、日本では国会で日々くだらない、審議ばかり行われいることへの批判でもあると思います。

ブログ冒頭のの高橋洋一氏にもあるとおり、北朝鮮の挑発で韓半島の緊張が頂点に達する場合、米核空母が西海(黄海)に進入する可能性も排除できません。

北朝鮮の首都、平壌(ピョンヤン)は朝鮮半島の北西部にある。確かに、世界最強の米原子力空母が黄海に入れば、正恩氏に逃げ場はなくなります。1日始まった米韓両軍の合同野外機動訓練「フォールイーグル」には、空母「カール・ビンソン」が参加しています。さらに、横須賀には空母「ロナルド・レーガン」もいます。つまり、極東に二空母艦隊が集結している異例の状態です。

今月2日には、原子力潜水艦「サンタフェ」も横須賀に入港。この「サンタフェ」は、ロサンゼルス級といい、空母打撃群の直衛であり、トマホーク巡航ミサイルなどの「対地火力投射」能力を持つといわれています。

USS Santa Fe (SSN-763)
最新鋭ステルス戦闘機「F35B」や、強襲揚陸艦を参加しています。これは、「正恩氏への『斬首作戦』の準備は完了した」という米国の強烈なメッセージといえそうです。

米韓両軍は、韓国と周辺海域で合同野外機動訓練「フォールイーグル」を4月下旬まで続けます。

13日からは、朝鮮半島有事の際の米軍の増援や指揮態勢を点検する合同演習「キー・リゾルブ」も開始されます。

韓国メディアは、米原子力空母「カール・ビンソン」や、イージス艦、原子力潜水艦を含めた空母打撃群が参加予定と報じています。

加えて、超音速で敵地に侵入する米戦略爆撃機B1B「ランサー」や、「死の鳥」の異名を持つ同B52「ストラトフォートレス」、空飛ぶ円盤のような形状をしたステルス爆撃機B2「スピリット」、米軍が誇るステルス戦闘機F22「ラプター」などが、朝鮮半島に飛来することになっています。

昨年の演習では、北朝鮮首脳部、つまり正恩氏の暗殺を意味する「斬首作戦」の訓練が初めて行われ、米陸軍の特殊部隊「グリーンベレー」や、米海軍の特殊部隊「ネービー・シールズ」、韓国の陸軍特殊部隊が参加しました。今回も同様の訓練が行われるとみられますが、北朝鮮の暴走もあって、緊張度は高まっています。

北朝鮮は、日米首脳会談(2月10日)をけん制するように新型中距離弾道ミサイルを日本海に発射しました(同12日)。北朝鮮の国家的関与が疑われる正男氏殺害事件(同13日)では、化学兵器禁止条約で製造・保有が禁止されている猛毒の神経剤VXが使用されました。さらに6日、弾道ミサイル4発を日本海に向けてほぼ同時に発射しました。



このような状況の中で、今回の米韓合同軍事演習をどう見るべきでしょうかか。トランプ氏が大統領に就任したことで米国は変わりました。今回は単なる軍事演習ではありません。

オバマ前大統領は、軍が『北朝鮮を放置するのは危険だ』『核・ミサイル開発が限界を超える』と進言しても、『戦略的忍耐』と言って動きませんでした。しかし、トランプ大統領は違います。

大統領選では、『正恩氏と話してもいい』と最後のチャンスを与えていましたが、北朝鮮が反応しなかったため、『正恩氏排除=北朝鮮の体制転換』を決意したようです。中国に『米軍の作戦計画の黙認』について事前協議を申し入れたとの情報もあります。2月の習近平国家主席との米中電話首脳会談でも、この話は出ているはずです。

トランプ氏が、正恩氏を見限った可能性が高いことは、最近のニュースからもうかがえます。

トランプ氏は2月23日、ロイター通信とのインタビューで、正恩氏との直接会談について「もう遅すぎる」と語りました。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は同月24日、ニューヨークで計画されていた北朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)北米局長と、米政府の元当局者による接触が中止になったと報じました。米国務省が崔氏へのビザ(査証)を発給しなかったというのです。

昨年6月23日、北京の北朝鮮大使館前で笑顔で
取材に応じるチェ・ソンヒ外務省米州局副局長
米韓合同軍事演習を意識したのか、トランプ氏は同月27日、中国の楊潔チ国務委員(外交担当)とホワイトハウスで会談しました。会談内容は公表されていませんが、ショーン・スパイサー米大統領報道官は「安全保障上の共通の利益」について話し合ったと明かしました。

最近、北朝鮮では正恩氏による粛清の数が増えています。トランプ氏も『常軌を逸している』と判断していることでしょう。米軍が、正恩氏の近くに協力者を確保し、地下の秘密部屋の位置や、逃亡経路も把握したとの情報もあります。軍事演習中に挑発行為に出れば、一気にゴーサインが出てもおかしくない状況です。

昨年も今回と同じような米韓合同演習が実施されており、そのときにも金正恩斬首の噂もあったのですが、昨年はまだオバマ政権であったので、おそらく実行されないだろうと思っていましたが、今年はどうなるかは本当ににわかりません。

金正恩の正確な位置が確認されたり、その他の様々な条件が揃えば、今年は実行する可能性が大です。

米空母「カール・ビンソン」といえば2011年5月、国際テロ組織「アルカーイダ」の最高指導者、ウサマ・ビンラーディン容疑者の遺体を、アラビア海で水葬したことで知られます。正恩氏の葬儀も、同艦で行うことになるかもしれません。

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