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2011年6月23日木曜日

菅首相が素直に辞めない3つの理由―【私の論評】マスコミもう終了しました!!

菅首相が素直に辞めない3つの理由

上杉隆
マスコミの質が劣化している。このことは、このブログで再三述べてきたが、それは、マクロ経済などの見方など、どちらかといえば、物事を根底から見る見方の劣化を指摘したものでした。しかし、マスコミの劣化ぶりは、それだけに及ばないことが最近ますます、顕著になってきました。

最近のマスコミは、直近の目の前のことですら、把握することができなくなっています。もう、マスコミもう終わりました!そのことについて、ジャーナリストの上杉隆氏が、ダイヤモンド・オンラインに『菅首相が素直に辞めない3つの理由』興味深い記事を書いていますので、本日は、その内容を掲載します。

まずは、当該記事の要約を以下に掲載させていただきます。
「本当に菅首相は素直に首相を辞めるのだろうか。まさか、辞める代わりに解散するなどと言わないだろうか。 
これまで15年間、菅首相をみてきた立場からすると、まだ信じられないのである」(週刊文春6月16日号)。 
2週間前発売の「週刊文春」で私はこう書いた。不信任案決議前の代議士会での鳩山由紀夫前首相との約束を受けて、すべての新聞・テレビが、菅首相の退陣を確定的に報じていた。 
だが、私は3つの理由でそんなに簡単に菅首相が辞めるとは思っていなかった。だからこそ、記事の文末にあえてこう書いたのである。そしてそれは、なかば的中しているようだ。 
地盤・看板・カバン――何一つ持たずに首相の座を射止めた男
わずか4人の小政党だった社民連出身の菅直人首相は、今の永田町において抜群の権力闘争の巧者といわざるを得ない。地盤・看板・カバンの3バンを何一つ持たずに首相の座を射止めた実力は、もっと注目されてもいいだろう。 
その最後の仕上げともいうべき15年間、私は、菅首相を同じ政党の秘書、あるいは米紙の取材記者、そして民主党を取材するフリーランスジャーナリストとしてみてきた。 
 「菅? そんなに簡単に辞めないだろ」 
かつての私のボスで、民主党結党時のメンバーのひとり、東京18区で菅直人氏と選挙で戦いもした鳩山邦夫氏は、自由報道協会の会見でこう語った。 
まったく同感だった。菅直人氏が権力を掌握するまでの努力と、最高権力へのあくなき執着心を知っている者からすれば、マスコミが書くように「6月にも退陣」などということはナンセンスに映るのだ。 
さて、その卑劣さは置くとして、なにかこの朝日新聞の記事にデジャビュを感じるのは、3年前に同じ経験をしたからだろう。まったく学ばない人たちである。 
2008年9月、就任したばかりの麻生首相は補正予算案などの成立に強い意欲を示していた。その最中、朝日新聞は〈麻生氏、9月にも解散〉という記事を一面トップで打つ。
新聞記事を内面の問題として書けるのならば記者の苦労はいらなくなる。しかもそれは現実と明らかに違っている。ならばどんな駄文だろうが妄想だろうが記事にすることができるではないか。 
ということで、それ以来、朝日新聞を読まなくなったのだが、他の新聞テレビも同類であった。 
つまり、新聞やテレビが「辞める、辞める」と騒ぎ出すと、首相は辞めない、というのがここ数年の傾向になっているのだ。また、首相の方でも意地になって、辞めないのかもしれない。 
いずれにせよ、すでに菅首相の退陣時期については新聞は誤報を打ち始めている。注視すべきだろう。 
首相自身が「反菅グループ」のリーダーに!?
最後の3つ目は、菅首相が辞めずに済む強力な武器を手に入れたことが大きい。
きょう発売の「週刊文春」に寄稿したため、詳細はそちらに譲るが、その強力な武器とは、あるひとつの法案のことである。 
6月14日、超党派の議員勉強会であるエネルギーシフト勉強会は、菅首相に対して「提言」を行なった。 
提言内容は、再生可能エネルギーへのシフトであったのだが、問題はその勉強会に集まった人数と顔ぶれである。 
勉強会には与野党問わず、衆参206人もの国会議員が名を連ねている。 
さらにその顔ぶれは幅広い。現職閣僚の松本龍環境大臣、自民党官房長官経験者である中川秀直、塩崎恭久が加盟し、また、国民新党の亀井静香代表、新党日本の田中康夫、社民党の福島みずほなど各党の党首級も加わっている。公明党の遠藤乙彦氏、さらに党内からは小沢グループの若手中堅が、そして除名された無所属の松木謙公氏も入っている。 
彼らの大多数はこれまで菅政権に対して距離を取ってきたもの、あるいは反発していたものだ。 
ところが、そのグループの掲げる政策に対して、菅首相が突如、全面的な支持を打ち出したのだ。さらに法案成立に政治生命をかけるとまで言い切る。つまり、菅首相みずからが、いきなり反菅グループのリーダーに就いてしまったという形になる。 
権力闘争で手段を選ばない菅首相の圧倒的な勝利
一方で、菅首相が反対勢力の案を丸呑みしたことによって、振り上げたこぶしの行き場を失ったのが勉強会の方である。彼らは菅首相を退陣させる大義名分をなくしてしまったのだ。 
自らの延命のためならば手段を選ばないのが菅直人という政治家の真の姿である。その本領発揮ともいうべき手腕が発揮された。政治権力闘争において、これは菅首相の圧倒的な勝利といえるだろう。 
今後、内閣改造をちらつかせながら現職閣僚に対して脅しをかけることができる。また、いざとなれば実際に内閣改造を行ない、反主流派をすべて取り込む「エネシフ内閣」を造ればいいだけの話である。 
それでもダメなら、最後は「伝家の宝刀」、再生エネルギー解散もあり得る。
そうなれば、6年前の夏の小泉郵政選挙のときのように、国民が菅首相を支持するだろう。 
これほど優位な立場にいて菅首相が辞めるだろうか。新聞やテレビは〈退陣〉を打つだろうが、筆者はやはり「辞めないのではないか」といい続けることにする。
【私の論評】マスコミもう終了しました!!

原発反対」と「菅退陣」を求めるデモ隊は長蛇の列と
なった。500~600人が参加した。(16日、原宿駅前)
私は、上杉氏の見方正しいと思います。菅さんの権力志向は、すさまじいものがあります。これは、ひよっとすると、あの小沢氏を越えているかもしれません。

私は、このことは、過去のブログにも何回か掲載してきました。先日も、永田町に駆けめぐる首相「原発解散」の噂に関して以下の内容を掲載しました。
上の噂の真偽のほどはわかりませんが、ありそうな話ではあります。菅さんというと、マスコミも「空き缶」など揶揄していますが、私は、菅さんは、確かに政治、経済、社会、安全保障、そうして現在脚光を浴びているエネルギー政策など、およそ国を統治する上で重要な事に関する知識という点では確かに劣っていますが、こと権力掌握ということにかけては、左翼政治家では最高峰だと思っています。 
権力掌握型の政治家は、右寄りの政治家では普通ですが、菅さんは、生粋の左翼系では数少ないうちの一人だと思います。菅さんは、総理大臣の席を温めるためには、どのような姑息な手でも使うと思います。それどころか、権力掌握に関しては、誰も想像にも及ばないような深慮遠謀を巡らしているかもしれません。だから、今回の内閣不信任案に対しても、うまくすり抜けることができたのであり、この点では菅さんをあなどってはいけないと思います。
これに関しては、この記事だけではなく、その以前もこのブログに何回も掲載してきたことです。

多くのマスコミや、政治家らが、今回の内閣不信任案否決の件では、すっかり菅さんの掌で踊りに踊らされたというわけです。菅さんの権力欲の凄まじさ、執念深さにきづかなかった多くの、人々が、菅さんに単なる、一時しのぎのために利用されたのです。自民党などの野党も例外ではありません。

こうした、愚かなマスコミや、政治家などが、菅さんの本質を見抜けるはずがありません。おそらく、菅さんは、ありとあらゆる手をつかい権力の座にとどまることでしょう。

昨日、私はこのブログに一見意味不明の記事をあえて掲載しました。

「節電しないと今夏、大停電」はウソ、火力・新エネルギーで電力需要は賄える―【私の論評】胡散臭い連中が、あなたのことも、自分のために利用しようとして、虎視眈々と様々な深謀遠慮を巡らしていることをお忘れなく!



上記の記事は、簡単にいえば、地球温暖化二酸化炭素説などにいとも簡単に騙されてしまったような、人は、国のエネルギー政策に関わる様々な説や論評に関して、いともたやすく騙されるであろうというものです。そうして、地球温暖化に関しては、マスコミはてもなくいとも簡単に騙されてしまいました。

そんな低劣なマスコミだからこそ、国のエネルギー政策に関しても、いとも簡単に騙されることでしょう。もうすでに、上の記事のように先読みができないという点で騙されています。

「あたなたのこと、自分のために利用しようとして、虎視眈々と様々な深謀遠慮を巡らせている」その第一人者は、日本では菅総理ということです。これに関しては、日本では右に出るものは、ないでしょう。小沢氏だってこれには及びません。

しかしなが、落ち着いて考えてみてください。自分の権力のためだけに、様々なことを利用する政治家というものは、どんなに権力維持能力にたけていても、何かを間違えています。そうです。本来逆であるべきものです。自分の理想、しかも、国民を中心に考えた理想のために、粉骨砕身し、それを実現するために権力を得るために努力するというのが正しい姿です。

残念ながら、どんなに正しい理想や、意見などもっていても、権力がなければ、子供の説く世界平和の理想と何らかわりが無くなってしまいます。ドラッカーも語っているように、「良き意図」だけでは何もできないのです。だから、権力を得ようと努力するのは当然のことです。

菅さんはそうではないようです。もともと、権力志向であり、権力そのものが目的になっています。だから、利用できるものは、民主党でも、自民党でも、マスコミでも外国でも、国民でも、その時々で利用できるものは何でも利用することでしょう。

しかし、もう一つ忘れてはいけないことがあります。もし、菅さんの手練手管が成功して、最終的に再生エネルギー解散を経て、6年前の夏の小泉郵政選挙のときのように、国民が菅首相を支持し、民主党の大勝利ということにでもなれば、それは、菅さんが悪いということではありません。

それに関しては、以前のブログでも掲載しました。


永田町に駆けめぐる首相「原発解散」の噂 自民党に警戒感―【私の論評】これで騙されれば、国民が悪い!!悪いのは菅さんではない!!



詳しくは、上の記事を読んでいただくこととして、以下に上の記事の、福沢諭吉先生の言葉をコピペしておきます。

この人民ありてこの政治あるなり
西洋の諺に、愚民の上に苛き政府ありとはこの事なり。
こは政府の苛きにあらず、愚民の自から招く災なり。 
もし、菅さんの手練手管が成功し、次の衆議院選挙で民主党が大勝利ということになり、菅さんが権力の座にとどまり続けることにでもなれば、まさに、日本国民が愚民だったといことです。どんな場合でも、権力欲だけの、為政者に国の政を信任することは間違いです。

私は、菅さんの本質を見ぬけないほどに、マスコミは劣化してどう仕様も無い状況には陥っていますが、私自身、日本国民は、愚民ではないと信じています。 少なくとも、今回はシングル・イッシューという単純な手口で騙される国民はいないと信じたいです。


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