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2016年8月30日火曜日

【「帝国の慰安婦」裁判】「誤った認識で若者が日本に敵意」 被告の韓国教授―【私の論評】慰安婦問題等捨て置き、まずは金融緩和をしない限りデフレ韓国に明日はない(゚д゚)!

【「帝国の慰安婦」裁判】「誤った認識で若者が日本に敵意」 被告の韓国教授

ソウルの日本大使館前の慰安婦像。足元に追悼プレートが新たに設置された







 慰安婦問題に関する著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦らの名誉を傷つけたとして名誉毀損罪で在宅起訴された朴裕河・世宗大教授の公判が30日、ソウル東部地裁で行われた。朴氏は出版の目的は「日本擁護ではない」とした上で「誤った認識で若者が(日本に)敵意を抱き、韓日関係が悪化するのを座視できなかった」と述べた。

 1月から続いた公判準備手続きを終え、30日から本格審理が開始。検察は冒頭陳述で、朴氏が慰安婦と日本軍の関係を「同志的」などと表現した一部記述について「虚偽事実で名誉を傷つけた」と改めて指摘した。

 弁護側は「帝国主義とは何かを考察した書す籍。資料に基づいており、名誉毀損は全くない」と主張した。

 裁判長は、問題とされた記述が実際に名誉毀損や虚偽に当たるかどうか、虚偽の場合は朴氏が虚偽と認識していたかどうかなどを争点として整理した。検察側は、存命中の元慰安婦の証人申請を検討しているとも説明した。

【私の論評】慰安婦問題等捨て置き、まずは金融緩和をしない限りデフレ韓国に明日はない(゚д゚)!

いわゆる、学術書『帝国の慰安婦』裁判に関しては、以前もこのブログでとりあげたことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「帝国の慰安婦」裁判 問われる韓国司法 弁護側は“メディア経由”の曲解報道を問題視 ―【私の論評】韓国で慰安婦ファンタジーが発祥する前の1990年代前に時計の針を戻せ(゚д゚)!
学術書『帝国の慰安婦』の著者朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授
この記事は、今年の1月のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では裁判の内容や、学術書『帝国の慰安婦』の著者自身の要約を掲載しました。以下に一部引用します。
ブログ冒頭の記事の内容をはじめて読んだ方は、何が問題なのか、その背景がわからないと、何のことかわからないと思います。本日は、そのあたりを明らかにしようと思います

まずは、この著者は、慶応義塾大学を卒業後、早稲田大学院で博士課程を修了していることを掲載しておきます。そうして、この『帝国の慰安婦』は、日本で早稲田次ジャーナリズム大賞を受賞したことを掲載しておきます。

「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」の授賞式が昨年、昨年12月10日10日、東京都内で行われました。その授与式では、元慰安婦の名誉を毀損(きそん)したとして韓国で在宅起訴された韓国世宗(セ・ジョン)大の朴裕河(パク・ユハ)教授の著書「帝国の慰安婦」(朝日新聞出版)が文化貢献部門で受賞していました。 
受賞のしたときに、朴氏は「多くの人に問題を知ってもらいたいと考えた。(慰安婦の)支援者とこの問題を否定する人たち(の両方)に向けて書いたものだ」と話しています。 
朴氏は、アジア太平洋地域に関する優れた出版物の著者に贈られる昨年の「アジア・太平洋賞」特別賞(主催・毎日新聞社、アジア調査会)にも選ばれています。朴氏はこの日、毎日新聞東京本社を訪れ、北村正任アジア調査会長から記念の盾を受け取りまし。同賞の授賞式は昨年11月に行われましたが、朴氏は体調不良で欠席していました。 
この『帝国の慰安婦』ですが、読まれたことのある人はあまりいないと思いますので、以下に朴裕河氏ご自身のフェイスブックに掲載されていた、要約を掲載します。非常に長い引用ですし、以下の内容がすべて正しいとも思えませんが、資料としては、一次資料ということになりますので、そのまま掲載させていただきます。この資料の後には、私の論評を付加してあります。
要約自体は、ここでは掲載しません。 この記事に掲載してある要約もしくは、著者自身のフエイスブックの要約をご覧になって下さい。以下に『帝国の慰安婦』の表紙の写真を掲載します。


この書籍、私は要約は無論のこと、書籍も実際に手にとって読んでみました。その限りでは、この書籍は内容も体裁も学術書であり、引用文献などの出展も明らかにしており、この書籍がなぜそれほどまで問題になり、裁判にまでなったのか全く理解できません。

この訴訟で韓国当局がやり玉に挙げているのは、『帝国の慰安婦』の中で朴裕河教授が「自発的な売春婦」「日本軍と同志的関係にあった」などと記述し、「日本軍が組織として強制動員したとみるのは間違いと考える」と分析した部分です。

元慰安婦らは、この内容に納得しなかったようで、一昨年6月、「慰安婦を侮辱している」などと刑事告訴していました。

検察は在宅起訴の理由について、「慰安婦制度は強制的な売春」とした米下院決議などを例示し、「元慰安婦は性奴隷同様の被害者で、日本軍に自主的に協力したわけではない」「虚偽の内容で被害者の名誉を毀損した」としています。

しかし、朴教授の著書は非常に実証的で、日韓双方から高い評価を受けている優れた学術書であり、名誉毀損とはとんでもないことです。

韓国の言論弾圧については、国連も強い警告を発しました。国連の自由権規約委員会は昨年11月5日、韓国検察当局が政府を批判する者に対し、重い懲役刑を科す名誉毀損罪を適用する例が増えているとして「懸念」を表明し、名誉毀損への懲役刑の適用廃止を勧告しました。

同委は「いかに重大な名誉毀損であろうとも、懲役刑を適用してはいけない」と断じましたた。朴大統領の耳に届くことを祈るばかりだ。

この書籍はあくまで韓国人の視点によって書かれたものであり、レトリックによって、ファンタジーとはらないギリギリのところまで日本側に慰安婦問題での譲歩を求める方向で書かれていること、当時日本が植民地支配していたのだから、日本に責任があるという方向で貫かれています。この本を書いたこと自体がなぜ、裁判にまでなるのか、私の理解の上限を超えています。

しかし、それは私自身が日本と韓国とを同列にみているから他ならないからだと思います。韓国と日本を比較すれば、日本のほうがはるかに言論の自由や学問の自由があります。

韓国は、北朝鮮や中国などから比較すれば、言論の自由や学問の自由はありますが、まだまだ日本や他の先進国レベルまでには及んでいません。それは、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が、韓国内のマスコミを引用した形で、日本国内で朴槿恵大統領の疑惑を掲載したことが、裁判になったことでもわかります。

この裁判で結局加藤達也前ソウル支局長は、無罪とはなりましたが、そもそも裁判になる事自体が異常でした。

2015年12月17日、ソウル中央地裁に
入る産経新聞の加藤達也前ソウル支局長
日本でこのような書籍を出版したとしても、様々な文献を参照した上で、あくまで学術書の体裁をとった上で著者自身の考えを表明したものであり、このような体裁ならば、日本ならばどのような内容であれ、批判されることはあるかもしれませんが、裁判になるなどということはあり得ません。

これでは、韓国ではとても、言論の自由と、学問の自由を保証しているとはいえない状況です。

言論の自由も、学問の自由も制限され、経済も低迷ということでは、若者等が将来に絶望して、韓国をぬけ出すのも無理はありません。韓国ではもう随分前から脱北者 (北朝鮮を脱出して韓国に亡命する人)よりも脱南者(韓国を脱出して、欧米などの国籍を取得して移住する人)のほうが多い状況が続いています。

最近では、脱北者が韓国に嫌気をさして、北朝鮮に戻ったり、他国に出国する人も多くでる始末です。

このような状況を打破するには、なんといっても経済の立て直しを最優先すべきです。しかし、朴槿恵にはそのやり方がわからないようです。それについては、先日も述べたばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
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詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、韓国がキャピタル・フライトを恐れて金融緩和をせずに、構造改革ばかりしようとする姿勢のまずさについて掲載しました。

日本が通貨交換で韓国を援助したにしても、これによって韓国政府が外貨をある程度確保した上で、大規模な金融緩和と積極財政を実行して内需を拡大する道を選ばないかぎり、韓国に明日はありません。そうして、日本の援助は水泡に帰します。

これから、ますます経済が低迷し、国民の不満が高まるばかりです。これでは、ますます、政府が言論の自由や学問の自由を制限せざるを得ない状況に追い込まれるだけになると思います。

一般に、慰安婦問題と経済とは全く関係ないかのように思われているふしがありますが、私は大いに関係があると思っています。

政府の経済対策が全く的を射たものではないので、格差は日本等と比較するととんでもない水準にまで高まり、最近では若者は、ヘル朝鮮と形容するほどにまでなっています。

ヘル朝鮮とは、韓国の主に20-30歳代の若者たちが韓国社会の生きづらさを「地獄 (Hell) のような朝鮮」と自嘲するために使うスラングのことです。2015年にSNSから広がり、その後メディアや文化人も頻繁に言及する流行語となりました。

流行の背景には、韓国の超競争社会による雇用不安と、縁故採用がはびこる不公正な就職状況があります。韓国では過酷な受験競争を経て大学を出てもすぐ就職できないことは珍しくなく、2014年時点で20代の就業率は57.4%でした。

高学歴層の就職競争は特に熾烈です。反面、富裕層やエリート官僚による縁故採用がなくならず、政治的なスキャンダルにもなっています。結局、カネもコネも無い「第三身分」は勤勉に努力したところで安定したキャリアデザインを描けないという不条理な現実に対する憤りが、自国を否定する「ヘル朝鮮」という言葉への若者たちの共感を生んだのです。

 ヘル朝鮮を報道するテレビ番組の画像 ハングル:헬조선、漢字:헬朝鮮、発音:ヘルチョソン
このような、状況の背景にはデフレがあります。このデフレを解消しないかぎり、若者を中心とした、不満は高まるばかりです。雇用と、金融政策は密接にからみあっているということを理解すべきです。金融緩和をして、数%インフレ率を高めれば、即座に数百万人の雇用が生まれるという経験則を学ぶべきです。

雇用の確保は、韓国銀行(韓国中央銀行)の役割であることをしっかり認識すべきです。これは、世界の常識です。なぜ、グローバル経済を自認する韓国が、こと自国内の経済というと、構造改革一辺倒で、世界で普通に行われている金融緩和政策をしないのか理解に苦しみます。

しかし、政府は経済がこのような状態になる前も、なった後でもまともな経済対策を実施することなく、ことさら慰安婦問題を煽り、日本を悪者に仕立て、国内の求心力を保ってきました。

韓国の中央銀行韓国銀行 韓国の唯一の希望は韓国銀行が金融緩和に踏み切ること。
しかし、このようなことをいつまで続けても、韓国社会に救いはありません。慰安婦問題をいくらつついてみても現在の韓国のデフレは解消しません。ますます苦しくなるばかりです。デフレと、慰安婦問題、竹島問題は全く別次元の問題です。

重ねていいます。この状況を改善するには、まずは金融緩和をしてデフレから脱却する以外に方法はありません。その後に、ミクロ的な問題を解消することにより、やっとまともな経済状態となり、まともな社会になります。金融緩和をすれば、確かにキャピタル・フライトの恐れがありますが、日韓通貨スワップがあれば、外貨をある程度確保して、キャピタル・フライトを防ぎ、金融緩和をソフトランディングさせることも可能です。

しかし、デフレを放置していては、何も進みません。これは、まるで、2013年より以前の日本の姿のようです。ただし、日本経済はデフレであったにしても、もともと韓国経済よりは基盤がしっかりしていたので、朝鮮ヘルのような状況までにはいたりませんでしたが、それでも、就職率はかなり低下しました。それは、誰よりも日本の若者が実体験で知っていることです。

韓国は、日本の過去の姿を見て、参考にすべきです。まずは、慰安婦問題などは、捨て置き果敢に金融緩和に取り組むべきなのです。恨の文化など捨て置き、まずは金融緩和を実行して、真っ先に若者の雇用を安定させることこそ、韓国が喫緊で進むべき道です。

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