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2012年10月16日火曜日

目標を達成し、思考の質を向上させるために「連続4時間」の作業時間を持つ―【私の論評】ライフログを取得や、時間管理の究極の目的は、本当に重要なことを考えるときにたっぷりと時間をとりとことん考えること!!

目標を達成し、思考の質を向上させるために「連続4時間」の作業時間を持つ:


残念ながら、職場での一日のスケジュール設定というのは、仕事に完全に集中できるような形式には基本的になっていません。集中して作業をしていると電話が鳴り、急ぎのメールが入り、同僚が話しかけてきます。この問題を解決するためのアイデアが『Harvard Business Review』に掲載されていましたので、今回はその一部をご紹介します。そのアイデアとは、誰にも作業を邪魔されない連続4時間のワークタイムを確保することなのだそうです。

【私の論評】ライフログを取得や、時間管理の究極の目的は、本当に重要なことを考えるときにたっぷりと時間をとりとことん考えること!!

iPhoneアプリ"Tab"お気に入りスポットのメモや、ライフログなど使い方は無限大。
かっこいいUIデザインと操作性をぜひ体感してもらいたい。巷では、ライフログ取得が
大流行
このブログにも、何回か、時間管理のことや、ライフログを取得することの重要性を掲載してきました。そうして、そのことの意義も掲載してきました。しかし、どちらかというと、過去の記事では、まとまった時間を得るということは、当然のこととしていたと思います。今回は、上の記事でも、そこまではあまり述べていないので、その点か非常に気がかりだったので、本日の記事を掲載することとしました。

上の記事で最も重要なのは、以下の部分です。
もう一歩深く踏み込みたいと思っている質問やアイデアを1つ選び、潜在意識にそのアイデアを常に入れておきます。 
二段階構造システムを使って自分の意識下にあるものをクリアにします。 
1. 考えを頭の中からリストに移動させます。 
2. ミーティングがキャンセルされた、飛行機が遅れたなどの休憩の際にリストをクリアします。 
やりたいと思っていることの中から最もプライオリティが高いものを3つリストアップし、週、月の計画を立てる。 
邪魔が入らない作業時間を最低でも連続で4時間確保してください。この4時間は、上記でリストアップしたプライオリティの高い3つのタスクに費やします。
foursquareは、場所に関連付けたライフログを取得できる

これについては、このブログでもしばしば、登場するドラッカー氏が、もう数十年も前に以下のようなことを語っています。
「仕事に関する助言というと、計画から始めなさいというものが多い。まことにもっともらしい。問題はそれではうまくいかないことにある。計画は紙の上に残り、やるつもりで終わる。成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする」(『経営者の条件』) 
 彼らは計画からスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートするという。 
 次に自分の時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。そして得られた時間を大きくまとめる
 ドラッカーは言いいます。
「時間は、借りたり、雇ったり、買ったりできない。供給は硬直的である。需要が大きくとも供給は増加しない。価格もない。限界効用曲線もない。簡単に消滅する。蓄積もできない。永久に過ぎ去り決して戻らない」。 
 時間の管理に取り組むには、まず時間を記録することが必要である。成果をあげるための第一歩は時間の記録である。 
 記録の方法を気にする必要はない。自ら記録してよい。秘書など他人に記録してもらってもよい。大切なことは、正しく記録することである。記憶によってあとで記録するのではなく、ほぼリアルタイムに記録することである。 
「時間の記録をとり、その結果を毎月見ていかなければならない。最低でも年2回ほど3、4週間記録をとるべきである。記録を見て日々の日程を見直し、組み替えていかなければならない」(『経営者の条件』)


最新のハーバードビジネスレビューに出ていた、最新記事も、ドラッカー氏が数十年も前に語っていたこと、両者の言っていることは、本質的には全く同じです。そうして、この本質は、実は非常に重要てす。そうして、時間をつくること自体ではなく、なぜこのようなことをして、わざわざ時間をつくりださなければならないのかということが本質です。

上記で太文字とした、「時間を大きくまとめる」というところに注目してください。何か、本格的にものを考えようと思った場合、10分、20分ではどうしょうもありません。20分考えて中断していては、まったく考えがまとまらないことのほうが多いです。これを何回やっても、新たな考えは、浮かんできません。こんなことを繰り返していると、日々が、単なる過去の問題、過去の経験で知っていることによる、反応で終わってしまいます。たとえ、4時間何かに時間を費やしたとしても、その間電話がかかってきたり、何かに対応しつつ、その時間を過ごせば、寸断されているのと同じです。



問題でも、課題でも、表面をなぞるだけではなく、その背景や、根本にまで、さかのぼって考えるには、寸断した時間では無理です。 毎日というわけてにはいかないでしょうが、本当に重要なことを考えるときには、意図して意識して、このくらいの時間をさくことが必要です。無論、上の元記事にもあるように、毎日それを実行するということは不可能です。しかし、少なくとも、最低でも1ヶ月に一回、できれば週に一回くらいは、そのような時間を意図して意識してつくるべきです。

会社でも地位の高い人の場合は、こういう時間をとることは比較的容易です。しかし、職位があまり高くない人は、場合によっては、休みの日の半日をあてて自宅で考えるとか、残業して考えるということも必要になる場合もあると思います。事実私は、そのようなことをしている人をたくさん知っています。

そうして、このようなことをするにしても、前準備が重要です。何かを考えるという段階になって、誰かに話をしたり、サイトや、書籍など、あれこれ情報を集めばかりやっていれば、時間をまとめたことの意義がなくなります。大体の情報集めは、ほとんど終えて、情報をある程度集約させておく必要があります。情報集めなど、細切れの時間でも十分できます。本質は、課題・問題を時間をかけて、じっくり考えることです。いわゆる、思考実験とか、シミレーションです。いろいろなことを仮定してみたり、一度考えたことでうまくいかなければ、また、別の考え方をしてみるなど、徹底的に考えぬくのです。


会社などの組織でも、職位が低いうちはまだ良いのですが、職位が高くなるにつれて、このようなことが重要になってきます。もし、このようなことを実施する習慣を身につけることができなければ、そのような人は、いつも、寸断された時間の中で、単純にしか物を考えなくなり、自分の持つ限られた過去の経験・知識によって、即物的にものごとを処理することしかできなくなります。

こんな生活を3年以上も続けると、そこから抜け出すのは、大変です。5年以上もつづければ、もう考えることなどできなくなります。それが当たり前になってしまい、深く物は考えられなくなります。職位が低いうちは、それでも何とかなりますが、管理者以上になってしまえば、それではすみません。そういう人は、大きな責任を担うことはできません。そんなことにならないために、意図して意識して、ライフログを取得したり、時間管理をして、長時間かけてものを考える時間を持つ習慣をつける意義があるのです。


そうして、職位が低いうちは、ひょっとしたら、そんなに長い間時間をかけなくても、上司や同僚からいくつかの業務のやり方を対して意味も考えずに、安直に聞けば、それで仕事には支障がないかもしれません。しかし、その仕事の本質を理解しないでそのようなことばかりしていれば、いずれ、たとえばその業務を改善・改革あるいは、破棄しなければならなくなったとき、何も考えが浮かばないということにもなりかねません。もっと恐ろしいのは、何か新しいことを考えなければならないときに何も考えられなくなることです。

ドラッカー氏は、著書『経営者の条件』の中で、以下の重要性を語っています。
①時間を管理すること
②貢献に焦点を合わせること
③強みを生かすこと
④重要なことに集中すること
⑤成果をあげる意思決定をすること
詳細は、書籍を御覧いただくものとして、ドラッカーは、この書籍の中で、「職位がどうであれ、現在では、自己が担当する範囲の中では誰もが意思決定をしなければならず、その意味ではすべての人がExecutiveである」ということを語っています。ということは、この原則は何も経営者にだけあてはまるのではなく、組織の中で働く人すべてにあてはまるわけです。

そうして、時間を管理することを筆頭にあげているということです。いかに、時間管理が重要であるかおわかりになると思います。

そうして、裏返して考えると、上で示したように、時間を管理することを疎かにすれば、上記で示したように深くものを考えられなくなるという代償があるわけです。

このような原則を無視するとどういうことになるか、ドラッカーのこの書籍には書かれてはいませんでしたが、他の書籍では、「優秀だとみられていた人が、40歳になるかならないかで、ただ話しがうまいだけだったことが判明することがある」と述べています。これは、管理者教育に関するところで、最初から少数の人間を選んでいわゆるエリート教育をするべきではないという文脈の中で語っていました。

優秀だと思われていた人が、そうではなかったことが、判明することは良くあることです。その主な原因は、上の五原則を若いうちに、習慣化しなかったためであると思います。ドラッカー氏は、原則を述べるときには、その重要性について詳細を述べますが、それを実行しなかった場合の恐ろしい結果については、併記はしません。しかし、同じ書籍の他の部分とか、他の書籍で、その恐ろしい結果について「さらり」と述べています。この「さらり」が恐ろしくて、背筋が寒くなるときがあります。

この重要な五原則は、今でもかなり重要です。その中でも、時間管理は最も重要です。

ドラッカー氏は、数々の書籍を著作していますが、以下のようにも語っています。
知識は、本の中にはない。本の中にあるものは情報である。知識とはそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である。
このブログで提供させていただいているのは、知識ではありません。あくまでも、情報です。これを提供することは、難しいことでありません。しかし、それを仕事や成果に結びつけ知識にまで高めるかどうかは、このブログを読んでいただいた皆さん次第です。このブログでは、今後もこのような観点から皆さんにとって重要と思われる事柄を掲載していきます。



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