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2013年9月9日月曜日

夜勤バイトのほうが高給!? 土地家屋調査士の苦悶―【私の論評】ちょっと待ってくれ、過去20年間デフレだったことを忘れていないかい!デフレは、士業の大敵であることを!

夜勤バイトのほうが高給!? 土地家屋調査士の苦悶

お客様の声を聴く土地家屋調査士(左)

難関試験を突破するために、多くの時間とお金を費やした「士業」の先生方は、今、悪夢の真っ只中。報酬単価は下がる一方、新規の顧客もなかなか取れない。資格さえ取れば一丁上がりも、今は昔。彼らの窮状を覗いてみた。

【土地家屋調査士年収360万円(バイト代込み)】

◆本業よりもバイトで稼ぐ本末転倒な収入構造に、頭の痛い日々が続く

「お恥ずかしい話なんですが、周りに内緒で週4回、仕分けのバイトを夜勤でしてますんや。月の収入は本業とバイト合わせて30万円あるかないかっちゅうとこですわ」

 自嘲気味に頭をかきながら、今の生活を語ってくれたのは、高木正道氏(仮名・53歳)だ。高木氏はつい5年ほど前まで、関西地方の中規模都市にある土地家屋調査士の事務所で社員として働いていた。当時の年収は500万円を超えていたのだが、なぜ、安定を捨ててまで独立して辛酸をなめることになったのだろうか。

「見通しが甘かったとしか言えへんですわ。この職業は不動産屋との結びつきが濃いんです。でも、業者への営業がホンマに苦手で何回か接待したんですが、それまで勤め人時代に付き合いがあった不動産屋もガラッと態度が変わりよって、上から目線。周りの調査士は何度も頭を下げて仕事をもらっているみたいですが、僕にはどうにも不向きやったんです」

 土地家屋調査士は土地や家屋の登記をする仕事だ。月に4、5戸の登記をすれば30万円ぐらいの収入になるのだが、現在は土地家屋調査士の数が増加して飽和状態に。さらに価格破壊が起きて、10年前の半額で請け負うケースもあるという。なかにはリベートを営業マンに支払う者までおり、弱肉強食の混沌とした業界になっているのだとか。

「デベロッパーと付き合って新築マンションの登記を請け負えば、ン百万円と入りますが、僕にはそんな案件回ってけぇへんですしね(苦笑)。土地の測量と登記をやろうとしたんやけど、測量は自分一人ではできへん。だから社員を1人雇ったのが負の始まりやった」

この記事の詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】ちょっと待ってくれ、過去20年間デフレだったことを忘れていないかい!デフレは、士業の大敵であることを!

土地家屋調査士の徽章


土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)とは、測量及び不動産の表示に関する登記の専門家のことであり、他人の依頼を受けて、土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査して、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行います。土地家屋調査士の徽章は、五三の桐の中央に「測」の文字です。

アベノミクスの、異次元の金融緩和が実施されてから、株価や土地などの資産価格は上昇ぎみといわれていますが、上の記事のような事実をからみると、まだまだ、土地など価格があがっているにしても、比較の上で、あがっているというだけで、それが、人々のマインドを刺激し、土地の売買が頻繁になるという状況ではないようです。資産価格などについては、土地家屋調査士の仕事が増えるようでないと、まだまだということだと思います。



土地家屋調査士に限らず、いわる士業といわれる方々の事業が不振です。公認会計士も大変だという話をうかがったことがあります。それでも、公認会計士の場合は、税理士もできますから、まだ良いほうです。とにかく、公認会計士も上場企業のような大きな会社の仕事は激減しています。まあ、士業であまり変わりないといえば、お医者さんくらいなものでしょうか?

これは、本当にはっきりしています。とにかく、いわゆる士業といわれる人々、一部の例外を除いては、本当に仕事がなくて大変です。独立の夢を見て、それなりに難しい試験にチャレンジして、士業の資格をとても、仕事がないということではどうにもなりません。それに、一回あたりの仕事の単価も下がっています。

華麗なる女子アナの転身(゚д゚)!

どうして、こんなことになってしまうのでしよょう。でも、これは、はっきりしています。その理由は、20年にもわたって、続いたデフレです。特に、15年間はデフレ気味ということてばなく、完璧にデフレになってしまいました。

デフレになれば、モノの値段がさがり、お金の価値があがります。そうして、多くの人の賃金も下降気味、もしくは下降してしまいます。そうなると、土地や家屋の価格も下がります。そうなると、あわてて買わなくても、ゆっくり買えば、同じお金であれば、安く買えるか、もっと広い土地や家屋が変えます。必然的に、土地・家屋の売買は減りますから、土地家屋調査士の仕事は減ります。

何も、難しいことはありません。単純な事実であり、これ以外に理由はありません。それに、考えてみると、土地家屋調査士の仕事は、他の仕事と比較すると、確かに頭は使うのですが、その頭のつかいかたが、定型化していて、どの調査士もいわゆる差別化をつけるのがかなり困難です。

これが、医師や弁護士などであれば、同じ外科医や内科医といっても、かなり差別化をつけることができます。特に、これらの職業の場合、不景気だからといって、病気が減るとか、犯罪や揉め事が減るということはありません。だから、直接不景気によって、仕事の多い少ないが決まるわけではありません。まあ、無論これらの仕事だって、あまりデフレが続けば、多くの人が、金がかかるので、ちょっとやそっとの病気や、揉め事などでは、医師や弁護士に頼ることをしなくなり、多少は減るとうこともあるかもしれません。

建築士なども、デフレになれば、仕事は当然減ります。ただし、建築士などは、同じ建築士とはいっても、たとえば、アート的感覚が優れた人なら、かなり差別化をつけられます。あるいは、人間工学的に優れた家屋や、オフィスをつくることができま、これもかなり差別化をつけやすいです。

しかし、土地家屋調査士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、司法書士、社会保険労務士などの士業の場合は、仕事が定型化しているので、かなり景気には左右されます。特に、同じ士業でも、医師や、弁護士などとは異なり、法律で、資格のある人だけ、仕事ができるような分野とは異なる資格による、士業ということになれば、デフレになれば、仕事がなくなり、ほとんど資格の意味すらなくなります。こういう資格としては、たとえば、調理師などです。

中小企業診断士女子

調理師免許がないと、飲食店で調理をしてはいけないなどということはありません。資格があろうが、なかろうが、料理の腕前が良くて、それを認めてくれるところが、あれば、資格があってもなくとも勤められます。

いずれにせよ、デフレが士業ビジネスを脅かす存在てあることは、はっきりしています。そうして、士業といわれる方々の仕事がなくなれば、この方々も消費を減らさざるをえなくなり、そうなるとますます、不景気は続くということになります。

女性医師
これは、士業をたまたま例にあげたのですが、これと同じことは会社のサラリーマンだってあてはまります。様々仕事に適応できるような職種についていると良いですが、一つの仕事に特化して、定型化している仕事についている人は、デフレなどで不況になれば、すぐに影響を受けてしまいます。


デフレに影響を受けたくなければ、士業であれば、医師、弁護士など、仕事の幅、奥行きが広い専門職につくか、資格などとは関係なしに、知識社会に対応して、新たなビジネうを生み出す仕事とか、さまさまま仕事を素早く学び取る力を持っていて、すぐに適応できるなどのことが肝要になると思います。

女性弁護士

それにしても、とにかく、デフレを解消しなければ、士業をはじめとして、多くの人が似たような悲惨な目にあうわけですから、まずは、デフレを解消することが何にも増して、緊急の課題です。

それにしても、いろいろなアンケートなどをみると、来年4月からの増税に対して、「やむなし」とする人々の数が未だに結構存在するという事実に驚きます。

来年4月時点では、デフレが解消されている見込みはほとんどありません。その時点で、増税すれば、デフレがさらに継続することになります。そうなると、税収は減り、財政再建もままならなくなります。これは、過去の二度の増税でもそうでしたし、直近では、EU諸国のイギリス、スペイン、ポルトガル、イタリアなどの国々がまさにそうでした。

こうしたことからも、来年4月の時点での増税は絶対にすべきではありません。士業の方々も、大反対すべきです。とにかく、デフレが15年も続いているなんて異常です。士業方々が、普通に仕事ができるのが、まともな状態です。今は、まともではありません。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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