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2018年1月6日土曜日

【日本の解き方】AI時代に消えゆく「士業」、役人の仕事こそ代替可能だ 残るのは付加価値生む仕事―【私の論評】コミュニケーション能力こそ、AIでは不十分な人間にとって最後の砦(゚д゚)!

【日本の解き方】AI時代に消えゆく「士業」、役人の仕事こそ代替可能だ 残るのは付加価値生む仕事


 人工知能(AI)やロボットの導入により、今後多くの仕事が失われるとの予測がある。今後も必要とされるスキルや身につけておくべきは何か。

 2013年に発表された英オックスフォード大のフライ氏とオズボーン氏による『雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか』の中で、タクシー・トラック運転手、ネイリスト、銀行の融資担当者、弁護士助手らの仕事は、コンピューターに代替される確率が90%以上とされている。

 ほかにも、コールセンター業務、電話オペレーター、集金人、時計修理工、映写技師、カメラ・撮影機器修理工、ホテルの受付係、レジ係、レストランの案内係、不動産ブローカー、スポーツの審判、仕立屋(手縫い)、図書館員補助員などの伝統的な仕事もなくなるという。

 金融業界も大転換があり、投資判断、資産運用アドバイス、保険の審査担当者、税務申告書代行者、簿記・会計・監査の事務員などは消えるとしている。

 これらには、専門的なスキルといわれてきた「士業」が多く含まれている。法律などによる専門資格を要件としているが、そうした「専門的スキル」と称されるものがAIで代替可能になるというわけだ。

 例えば、弁護士は、難関の国家資格が必要とされる業務である。しかし、その実態といえば、過去の判例を調べることが中心ともいえる。過去の判例はデータベース化されているので、適切な類似例を調べるのは、今でもパソコンを使ってやっている。そうであれば、AIでもかなり代替できる可能性がある。

 筆者は、定型的な業務が多い役人こそAIに向いていると思っている。役所の業務は定型的であるとともに、えこひいきはご法度だ。それはAIの特徴とかなり適合する。

 国家公務員の残業の一因となっているのが国会対応だが、国会想定問答の大半は過去のものと同じである。筆者の経験では、一晩に100問以上の想定問答を作ったこともあるが、ほとんどは過去のパターンの繰り返しであるので、AIならもっと速くできるだろう。実際、経済産業省ではAIで国会想定問答に対応した結果、すでにこの種の残業がなくなっているといわれている。

 金融業界では、将来をにらんで大リストラ時代に入ってきている。

 定型的な労働はロボットでもできる。定型的な知的作業で資格規制によって守られている業務は将来なくなるので、そうした資格は今後必要とされなくなるだろう。

 冒頭の論文では、芸術など感性に基づいた仕事については代替確率は低い。芸術と限定することはないが、自分の力で付加価値を生み出せるものは、AI時代でも生き残れるというわけだ。

 それは、「言うは易く行うは難し」というのが現実だろう。というのは、簡単にできるのならばAIやロボットでもできてしまうからだ。難しいからこそ付加価値を生み出せるので、それを考えることこそが、重要なのではないだろうか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】コミュニケーション能力こそ、AIでは不十分な人間にとって最後の砦(゚д゚)!
さて、AIにより、これから世の中で様々なことが変わっていくことと思います。経営学大家ドラッカー氏は変化について以下のように語っています。
変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけである。(『ドラッカー 365の金言』)
今日のような乱気流の時代、200年に一度という大転換期においては、変化が常態だとドラッカーは言います。変化はリスクに満ち、楽ではありません。
しかし、この変化の時代を乗り越える唯一の方法が、あえて変化の先頭に立ち、変化の生み手になることだというのです。
恐怖は、後方の席に深々と腰を落ち着かせたとき、高まります。変化は、最前列で腰を浮かせハンドルを握るとき、初めてコントロールできるものです。 
いわんや今日の乱気流下の悪路にレールはないのです。自らハンドルを握ることなく、転覆を避けることはできません。急激な構造変化の時代を生き残るのは、チェンジ・リーダーとなる者だけなのです。
そして、そのチェンジ・リーダーになるための方法が、変化を脅威でなく、チャンスとしてとらえることだといいます。進んで変化を探し、本物の変化を見分け、それら本物の変化を利用することです。
おそらくはこれこそが、ポストモダンにおける生き方、考え方、事業の仕方の王道、常識となるべきものです。
この方法が成功を保証してくれるわけではないのです。しかし、この方法なくして成功することはありません。
みずから未来をつくることにはリスクがともなう。しかし、みずから未来をつくろうとしないことのほうがリスクは大きい。(『ドラッカー 365の金言』
だかこそ、私達はAIによる変化の先頭に立たなければならないのです。AIによる、未来はどのようなものになるのでしょうか。
ドラッカー氏は「すでに起こった未来」について以下のように語っています。
社会的、経済的、文化的な出来事と、そのもたらす変化との間にはタイムラグがある。(『創造する経営者』)
あらゆる変化が、他の領域に変化をもたします。そして機会をもたらすのです。AIによる変化も例外ではありません。
人口、社会、政治、経済、産業、経営、文化、知識、意識が変化します。特にAIにもたらす変化は、知識の変化であると考えられます。その変化が次の変化をもたらすのです。ただちにではありません。そこには、タイムラグがあります。そこでドラッカーは、それらの変化を“すでに起こった未来”と呼ぶのです。
すでに起こった未来に資源を投じることにも、不確実性とリスクが伴います。しかし、そのリスクは限られています。
例えば、人口構造の変化は、労働力、市場、社会的圧力、経済的機会に基本的な変化をもたらします。人口の変化は逆転しにくいです。その変化は早く影響を現します。小学校の施設に対する圧力となって現れるのは、わずか5~6年後です。
20年後、25年後には労働力人口に重大な影響をもたらします。市場を変え、経済と社会を変えます。AIによる変化ももうすでに起こってしまったのです。
組織の内部にもすでに起こった未来を見つけることができます。新しい活動が組織内に変化を引き起こし、すでに受け入れられているものと対立します。知らずして急所に触るのです。
すでに起こった未来は、体系的に見つけることができる。(『創造する経営者』)
さて、人にはできて、AIにはできないことがあります。それは、大雑把にいうと以下に3つです。

1. クリエイティブ

0から1を作り出す事。これは機械には出来ません。AIは過去のデータを元に未来を予測する事は出来ますが、全く新しいものを作り出すのは人間にしか出来ません。デザイナーやエンジニア等のクリエイティブな仕事はこれからもどんどん必要とされていく一方になることでしょう。

2. リーダーシップ

優れたビジョンを掲げ、卓越したコミニュケーション能力で人々を導いて行く存在。人間との心の通じたやりとりができるそのスキルは自動化が進む現代こそ一層求められています。人間がロボットのリーダーに従って心が一つになる時代は恐らくしばらくは来ないでしょう。いや、永遠に来ないかもしれません。

3. 起業家

機械は基本的には起業しない。むしろ絶対にしないでしょう。交渉力、ビジネスセンス、問題解決能力が求められるのが起業的スキルです。その点においてはテクノロジーがどんなに進化しても、新しいプロダクトやビジネスを通じ社会を変えて行く起業家は世の中にとって今後もより一層必要とされるでしょう。
この3つを支えるのはやはり「言語能力」だと思います。上の3つをうまくするためには、飛び抜けた言語能力が必要です。

言語を理解することはとても難しいことです。それに関していえば、実は単純な翻訳技術の精度は相当上がっています。例えばGoogle翻訳ですが、米Googleは一昨年11月15日、ニューラルネットワーク技術を活用した新しい機械翻訳システム(Neural Machine Translation)を、日本語など8言語に適用したと発表した。従来より自然な翻訳が可能になり、「飛躍的な前進」としていました。

実はこれがかなりできるようになりました。精度が相当上がっているはずなので、ドイツ語やフランス語の文章などを日本語に翻訳するというのは、割とできるようになってきています。


私自身、Google翻訳がではじめた頃、実際に使ってみて、使用に耐えないと判断して、それからずっと使っていませんでした。ところが、一昨年SNSでかなり良くなったということを言う人がいたので実際使ってみたところ、かなり能力が上がっていることに驚きました。

このように大まかな外国語の理解は簡単なのですが、それを超えた言語の理解をするためには、人間の言語の理解に背景知識を相当必要とします。言葉の単語の意味だけ分かっていても、その背景の歴史的な経緯や、(例えば会話する)二人の人間性、あるいは社会のコミュニティーの雰囲気などを反映します。

同じ言葉を話していても、意味合いが違っているということがあるため、実はそういう背景知識や個性がすごく強いのです。そのため、AIに全てを理解させることは難しいのです。
サッカーのワールドカップの監督に外国人が来ます。日本チームの監督はずっと外国人で、それぞれに通訳が付きます。あの通訳の人たちは、実は全然正しく翻訳をしていません。

ワールドカップ日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督
NHKの番組で、過去の通訳の経験者3人ほどで鼎談(ていだん)をしている番組がありました。これが大変面白く、言語を翻訳するとはいったいどういうことかについての本質が見えてくるような番組でした。

そこで言われていたことは、「正しく伝える」「文字通りに翻訳する」ことが、監督の言葉を正しく伝えることではないということです。文字通り正しく伝えてしまうと、間違った意図として受け取ってしまうことがたくさんあるため、わざと違った言葉に置き換えるのです。

「ライオンが何とかをした」という比喩があるらしいのですが、その比喩をそのまま伝えると、日本人には全く伝わらないです。場合によると、ものすごく勇敢にやるという意味に取られてしまいます。

でも本当は、そんな意味では全然ないのです。そのことわざは、その言葉の歴史的な背景の下で出てきているからです。そこで通訳は、言葉を完全に言い換えてしまうのです。話を聞いていると、それは翻訳ではないだろうといったことを話しています。でもそれが必要なのです。そういうことは、AIにはできません。

ここに、人間の強みがあります。コミュニケーション能力の大事なポイントがあります。人間同士のコミュニケーションは、AIには完璧にできないのです。個別化が非常に強いからです。こうやってお話をして、微妙なニュアンスを伝えるのは、AIには無理で、人間だけがやれることなのです。

ドラッカー氏

コミュニケーションについてドラッカー氏は以下のように語っています。

上司の言動、些細な言葉じり、癖や習慣までが、計算され意図されたものと受け取られる。(『エッセンシャル・マネジメント』)
階層ごとに、ものの見方があって当然です。さもなければ仕事は行なわれません。しかし、階層ごとにものの見方があまりに違うため、同じことを話していても気づかないことや、逆に反対のことを話していながら、同じことを話していると錯覚することがあまりに多いのです。

コミュニケーションを成立させるのは受け手です。コミュニケーションの内容を発する者ではありません。彼は発するだけである。聞く者がいなければコミュニケーションは成立しないのです。

ドラッカーは「大工と話すときは、大工の言葉を使え」とのソクラテスの言葉を引用しています。コミュニケーションは受け手の言葉を使わなければ成立しないのです。受け手の経験に基づいた言葉を使わなければならないのです。

コミュニケーションを成立させるには受け手が何を見ているかを知らなければなりません。その原因を知らなければならないのです。

人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗します。
受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。期待を知って初めてその期待を利用できる。あるいはまた、受け手の期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを認めさせるためのショックの必要を知る。(『エッセンシャル・マネジメント』)
受け手の期待していることを理解しなければ、報告をしようが受けようが、連絡しようが受けようが、相談しようがされようが、何をしても結局何も伝わりません。

では、相手の期待を知るためにはどうすれば良いのでしょう。それには、ドラッカー氏も言っているようにまずは、「コミュニケーションとは、私からあなたへ、あなたから私へと一方的に伝わるのではない」ということを理解しなければならないです。

コミュニケーションとは、「私達の中の一人から私達の中のもう一人」に伝わるものなのです。ですから、普段から「私達」という関係を築いておかなければ、コミュニケーションは成り立たないのです。

そうして、普段から「私達」といえる関係を構築して、コミュニケーションが成り立っていれば、たとえ何かの理由でかなり叱責したとしても、それが正当なものであれば、全く関係がこじれるなどということはありません。

このことを忘れている人が多いです。そうして、「私達」という関係を築くためには、ドラッカー氏は「目標管理」を第一にあげています。しかし、私はそれも重要だと思いますが、これはドラッカー氏も否定はしていませんが、「経験の共有」が一番だと思います。

親しい人などとは、コミニケーションが通じやすいことが多いものですが、これは知らず知らずのうちに、その親しい人と過去において「経験の共有」を積み重ねてきたからに他なりません。

このようなことはAIには不可能です。そうして、私自身はAIが知識労働者の仕事全部を奪ってしまうことはないと思います。比較的簡単で複雑でない知識労働はひよっとして、全部奪われるかもしれませんが、特に高いコミュニケーション能力を必要とする知識労働に関しては、完璧にAIに奪われることはないと思います。

むしろAIは人間の頭を使う部分のうち、計算とか、条件に基づく判断とか、膨大な知識を保存しておき、必要なときに必要な知識を取り出すことなどに使われ、コミュニケーションの部分はやはり人間が行うことになるのではないかと思います。

クリエイティブであったとしても、それを伝える能力がなけば、ないのと同じです。リーダーシップもコミュニケーション能力と不可分です。起業家にも、コミュニケーション能力は不可欠です。

そうして、なぜコミュニケーションが重要かといえば、結局AIは何のために存在するかといえば、人間のために存在しているということです。人間のために存在しない、AIなど全く意味を持たないからです。

AIは人間のために、人間がコミュニケーション能力を十分に発揮できるように補佐するとき最も威力を発揮できることになると思います。これが、AIの強みを発揮するということだと思います。

やはり、コミュニケーション能力こそ、AIでは不十分な人間にとって最後の砦なのかもしれません。

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2013年9月9日月曜日

夜勤バイトのほうが高給!? 土地家屋調査士の苦悶―【私の論評】ちょっと待ってくれ、過去20年間デフレだったことを忘れていないかい!デフレは、士業の大敵であることを!

夜勤バイトのほうが高給!? 土地家屋調査士の苦悶

お客様の声を聴く土地家屋調査士(左)

難関試験を突破するために、多くの時間とお金を費やした「士業」の先生方は、今、悪夢の真っ只中。報酬単価は下がる一方、新規の顧客もなかなか取れない。資格さえ取れば一丁上がりも、今は昔。彼らの窮状を覗いてみた。

【土地家屋調査士年収360万円(バイト代込み)】

◆本業よりもバイトで稼ぐ本末転倒な収入構造に、頭の痛い日々が続く

「お恥ずかしい話なんですが、周りに内緒で週4回、仕分けのバイトを夜勤でしてますんや。月の収入は本業とバイト合わせて30万円あるかないかっちゅうとこですわ」

 自嘲気味に頭をかきながら、今の生活を語ってくれたのは、高木正道氏(仮名・53歳)だ。高木氏はつい5年ほど前まで、関西地方の中規模都市にある土地家屋調査士の事務所で社員として働いていた。当時の年収は500万円を超えていたのだが、なぜ、安定を捨ててまで独立して辛酸をなめることになったのだろうか。

「見通しが甘かったとしか言えへんですわ。この職業は不動産屋との結びつきが濃いんです。でも、業者への営業がホンマに苦手で何回か接待したんですが、それまで勤め人時代に付き合いがあった不動産屋もガラッと態度が変わりよって、上から目線。周りの調査士は何度も頭を下げて仕事をもらっているみたいですが、僕にはどうにも不向きやったんです」

 土地家屋調査士は土地や家屋の登記をする仕事だ。月に4、5戸の登記をすれば30万円ぐらいの収入になるのだが、現在は土地家屋調査士の数が増加して飽和状態に。さらに価格破壊が起きて、10年前の半額で請け負うケースもあるという。なかにはリベートを営業マンに支払う者までおり、弱肉強食の混沌とした業界になっているのだとか。

「デベロッパーと付き合って新築マンションの登記を請け負えば、ン百万円と入りますが、僕にはそんな案件回ってけぇへんですしね(苦笑)。土地の測量と登記をやろうとしたんやけど、測量は自分一人ではできへん。だから社員を1人雇ったのが負の始まりやった」

この記事の詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】ちょっと待ってくれ、過去20年間デフレだったことを忘れていないかい!デフレは、士業の大敵であることを!

土地家屋調査士の徽章


土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)とは、測量及び不動産の表示に関する登記の専門家のことであり、他人の依頼を受けて、土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査して、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行います。土地家屋調査士の徽章は、五三の桐の中央に「測」の文字です。

アベノミクスの、異次元の金融緩和が実施されてから、株価や土地などの資産価格は上昇ぎみといわれていますが、上の記事のような事実をからみると、まだまだ、土地など価格があがっているにしても、比較の上で、あがっているというだけで、それが、人々のマインドを刺激し、土地の売買が頻繁になるという状況ではないようです。資産価格などについては、土地家屋調査士の仕事が増えるようでないと、まだまだということだと思います。



土地家屋調査士に限らず、いわる士業といわれる方々の事業が不振です。公認会計士も大変だという話をうかがったことがあります。それでも、公認会計士の場合は、税理士もできますから、まだ良いほうです。とにかく、公認会計士も上場企業のような大きな会社の仕事は激減しています。まあ、士業であまり変わりないといえば、お医者さんくらいなものでしょうか?

これは、本当にはっきりしています。とにかく、いわゆる士業といわれる人々、一部の例外を除いては、本当に仕事がなくて大変です。独立の夢を見て、それなりに難しい試験にチャレンジして、士業の資格をとても、仕事がないということではどうにもなりません。それに、一回あたりの仕事の単価も下がっています。

華麗なる女子アナの転身(゚д゚)!

どうして、こんなことになってしまうのでしよょう。でも、これは、はっきりしています。その理由は、20年にもわたって、続いたデフレです。特に、15年間はデフレ気味ということてばなく、完璧にデフレになってしまいました。

デフレになれば、モノの値段がさがり、お金の価値があがります。そうして、多くの人の賃金も下降気味、もしくは下降してしまいます。そうなると、土地や家屋の価格も下がります。そうなると、あわてて買わなくても、ゆっくり買えば、同じお金であれば、安く買えるか、もっと広い土地や家屋が変えます。必然的に、土地・家屋の売買は減りますから、土地家屋調査士の仕事は減ります。

何も、難しいことはありません。単純な事実であり、これ以外に理由はありません。それに、考えてみると、土地家屋調査士の仕事は、他の仕事と比較すると、確かに頭は使うのですが、その頭のつかいかたが、定型化していて、どの調査士もいわゆる差別化をつけるのがかなり困難です。

これが、医師や弁護士などであれば、同じ外科医や内科医といっても、かなり差別化をつけることができます。特に、これらの職業の場合、不景気だからといって、病気が減るとか、犯罪や揉め事が減るということはありません。だから、直接不景気によって、仕事の多い少ないが決まるわけではありません。まあ、無論これらの仕事だって、あまりデフレが続けば、多くの人が、金がかかるので、ちょっとやそっとの病気や、揉め事などでは、医師や弁護士に頼ることをしなくなり、多少は減るとうこともあるかもしれません。

建築士なども、デフレになれば、仕事は当然減ります。ただし、建築士などは、同じ建築士とはいっても、たとえば、アート的感覚が優れた人なら、かなり差別化をつけられます。あるいは、人間工学的に優れた家屋や、オフィスをつくることができま、これもかなり差別化をつけやすいです。

しかし、土地家屋調査士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、司法書士、社会保険労務士などの士業の場合は、仕事が定型化しているので、かなり景気には左右されます。特に、同じ士業でも、医師や、弁護士などとは異なり、法律で、資格のある人だけ、仕事ができるような分野とは異なる資格による、士業ということになれば、デフレになれば、仕事がなくなり、ほとんど資格の意味すらなくなります。こういう資格としては、たとえば、調理師などです。

中小企業診断士女子

調理師免許がないと、飲食店で調理をしてはいけないなどということはありません。資格があろうが、なかろうが、料理の腕前が良くて、それを認めてくれるところが、あれば、資格があってもなくとも勤められます。

いずれにせよ、デフレが士業ビジネスを脅かす存在てあることは、はっきりしています。そうして、士業といわれる方々の仕事がなくなれば、この方々も消費を減らさざるをえなくなり、そうなるとますます、不景気は続くということになります。

女性医師
これは、士業をたまたま例にあげたのですが、これと同じことは会社のサラリーマンだってあてはまります。様々仕事に適応できるような職種についていると良いですが、一つの仕事に特化して、定型化している仕事についている人は、デフレなどで不況になれば、すぐに影響を受けてしまいます。


デフレに影響を受けたくなければ、士業であれば、医師、弁護士など、仕事の幅、奥行きが広い専門職につくか、資格などとは関係なしに、知識社会に対応して、新たなビジネうを生み出す仕事とか、さまさまま仕事を素早く学び取る力を持っていて、すぐに適応できるなどのことが肝要になると思います。

女性弁護士

それにしても、とにかく、デフレを解消しなければ、士業をはじめとして、多くの人が似たような悲惨な目にあうわけですから、まずは、デフレを解消することが何にも増して、緊急の課題です。

それにしても、いろいろなアンケートなどをみると、来年4月からの増税に対して、「やむなし」とする人々の数が未だに結構存在するという事実に驚きます。

来年4月時点では、デフレが解消されている見込みはほとんどありません。その時点で、増税すれば、デフレがさらに継続することになります。そうなると、税収は減り、財政再建もままならなくなります。これは、過去の二度の増税でもそうでしたし、直近では、EU諸国のイギリス、スペイン、ポルトガル、イタリアなどの国々がまさにそうでした。

こうしたことからも、来年4月の時点での増税は絶対にすべきではありません。士業の方々も、大反対すべきです。とにかく、デフレが15年も続いているなんて異常です。士業方々が、普通に仕事ができるのが、まともな状態です。今は、まともではありません。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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