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2012年6月17日日曜日

消費税増税が抱える“10の問題”とは−【私の論評】日本は、財政破綻するというのは、日本の総理大臣と、財務大臣とその取り巻き等だけ、世界はそうみていない!!

消費税増税が抱える“10の問題”とは

高橋洋一氏の著書
13日、「衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会」の公聴会で、公述人として意見を言う機会を得た。せっかくの機会なので、消費税増税の問題を10ほど上げて、網羅的に説明した。できるだけ問題点が多いことを公式記録として残したかった。

まず、経済対策として、(1)デフレの解消が先(2)財政再建の必要性が乏しい(3)欧州危機時にやることでないこと、第二に税理論として、(4)不公平の是正が先(5)歳入庁の創設が先(6)消費税の社会保障目的税化の誤り(7)消費税は地方税とすべきこと、第三に政治姿勢として、(8)無駄の削減・行革が先(9)資産売却・埋蔵金が先(10)マニフェスト違反がある-とした。

(中略)

しかし、増税議論は民自公の3党協議によって特別委員会外で着々と進んでいる。公聴会後はいつでも採決できるわけで、はっきり言えば公聴会は敗戦処理・消化試合のようなものだ。とても残念だがそれが真実だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

この記事の詳細は、こちらから、ZAKZAK

【私の論評】日本は、財政破綻するというのは、日本の総理大臣と、財務大臣とその取り巻き等だけ、世界はそうみていない!!



最近のこのブログで「消費税に関して書いても書いても書き足りない」と掲載したばかりですので、本日も消費税関連ネタを掲載させていただきます。上の動画をみていただければ、公聴会における、高橋洋一氏の発言、全部を御覧いただくことができます。

上の記事で、高橋氏は、国会の公聴会で議員からいくつから質問を受けた旨掲載しており、その三番目は、野田首相や政府がしばしば言及する、「日本の財政状況は危機的」という話についてだったそうです。公述人として参加していた人の中にも、とりたててデータなしでそう言及する人もいたそうです。

これに対し、高橋氏は「背理法」によって説明しました。背理法とは、ある仮定をすると矛盾が出てくることを使って、その仮定が誤りであることを示すという論法です。

 もし3年以内に財政破綻すると仮定します。そうすると、今のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は1%なので、日本の債務残高1000兆円で破綻保険料は年間10兆円。3年払っても30兆円。これで本当に3年以内に破綻するなら、今30兆円払えば債務残高がなくなり財政再建が完了することになります。こんな都合のいい話はあるはずないのでおかしい。ということは3年以内破綻するということが誤りだであるとしています。私も、全くそのとおりだと思います。



このCDSに関しては、このブログでも以前掲載したことがあります。その中の核心部分だけ、以下に掲載します。
一国の財政が破綻の危機に瀕しているのかどうかは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のレート(保証料)を見ればわかります。破綻する可能性が高ければ、レートは上昇します。 
しかし、G7の中で日本(1.1%)はアメリカ(0.5%)、英国(0.9%)、ドイツ(1%)に次いで4番目に低く、フランス(1.7%)より上位にあります。この基準で言えばギリシャはCDSは、約50%で、それだけのレートがついてしまう破産状態の国です。日本は全く異なります。
あれからほんのわずかの間に、現在では、ギリシャのCDSスワップのレートが100%にもなっており、事実上ほとんど破綻です。日本は、上で高橋氏が語っていたよように、この頃から変わっておらず、1%前後で、これでは、どう考えても、破綻しそうにもありません。

この事実は、世界中の金融機関などに知れわたっており、数年まえから、日本が財政破綻するなどといったり、日本の国債が大暴落するなどとする外国の金融機関は存在しません。ただし、今でも、ときおり、海外のファンドなどの主催者がこれを言っているのを報道機関が報道したりしますが、これは、例外中の例外といっても、良いものを、政府の増税の後押しをする報道機関が、恣意的に取り上げているだけです。

それから、CDS自体については、このブログでは詳しく説明をしたことがないので、以下に簡単に掲載しておきます。まずは、下に画像を掲載しておきます。CDSは、債務保証ともにていますが、決定的に違うところがあります。それを以下で説明します。

●CDSは債務保証の仕組みに似ている……まずは債務保証について
仕組み的には債務保証のそれに似ている。まずは「債務保証」そのものについて説明することにしよう。民法や商法など関連法をかじったことのある人、あるいは専門家ならすでにお分かりだろうが、「債務保証人」(C)は債務者(お金を借りた人、A)が万一破綻した場合に、債権者(お金を貸した人、B)の貸し倒れを肩代わりする約束をする。その代わりに、破綻しない場合には(まとめて、あるいは定期的に)保証料金を支払う。
債務者Aが破綻しなければ保証人Cは一定額をBから利益として得ることになるし、債権者Bは「債務者Aが破綻した場合にとりっぱぐれになる」というリスクを軽減することができる。いわば「保険」のようなものだ。 
もちろん実際に債務者Aが破綻すれば、保証人Cは保証を履行し、債権者Bは債務を受け取ることができる。そして債権者Bが債務者Aに対して持っていた債権を保証人Cが取得(法定代位)。保証人Cは債務者Aに対し「債権者Bから借りていたお金の債権はうちに移りました。うちに返して下さいね」と請求することができるようになる(求償権の獲得)。
債務保証模式図
債務保証が経済・金融の仕組みとして存在する理由はいくつかある。債権者Bの経済規模が小さく、債務者Aへの貸付が焦げ付くと経営が不安定になるような状況の場合。銀行や保証協会などに保証してもらい、リスクを軽減するというものである。 
逆に債務者Aの立場があまり高くなく債権者Bからまともに借財が出来ない場合、債務者A側に保証人Cがついてもらう場合もある。この時には保証人Cは債権者Bに対し「万一の時にはうち(C)が全額支払うから条件甘くしても大丈夫ですよ」とリスクの軽減を保証し、代わりに債務者Aから一定額の保証金を受け取るというもの(むしろ一般的にはこちらのパターンの方が多いかもしれない)。 
保証人は各種条件を精査し、「この条件ならこれだけの保証料を受け取ればリスクはカバーできる」と計算した上で保証を行う。保険の仕組みと同じで、すべての案件を合算すれば必ず利益が出る(破綻した場合の保証支払金<<各保証先からもらえる保証料の合計)仕組みになっている。よほどイレギュラーなことが起きない限り、低リスクでお金が回るというわけだ。
CDSの場合……債務保証に似ているけど、違う部分も多い
CDSの場合も、基本的には「債務保証」と仕組みは同じ。ただ大きく異なるのは、CDSの売り手も買い手も、債務者Aや債権者Bとは何ら関係がないのが前提ということ。要はCDSの売り手Dも買い手Eも、債務者Aと債権者Bとの間に生じる債務不履行のリスク(Credit Risk、CR)に対する備え(Protection、P)を傍観者の立場から売買するのであり、債務者A・債権者Bとの間柄は「無関係」に他ならない。 
CDSの売り手Dは債務者Aの焦げ付きリスクや借入額などに従い契約料を設定し、買い手Eに売却する。買い手Eは一定額をまとめて、あるいは一定期間毎に売り手Dに支払う。債務者Aが無事に債務を履行すれば、CDSの売り手Dは契約料を受け取る一方のみ。 
もし仮に債務者Aが破綻した場合。CDS売り手Dは契約に基づき、多額の支払いを買い手Eに支払うことになる。ただし「債務保証」の場合と異なり、債務者Aに対する法定代位や求償権の獲得は無い。もともと債務者Aや債権者Bとの間に何の関係もないのだから当然である。
CDSの仕組み模式図
CDSの買い手が債務者Aへ別系統で貸付をしていたり、債務者Aの関連企業、あるいは類似企業を含む関連業界への貸付をしていれば、CDSの購入は間接的な貸し倒れリスクの軽減になる。 
ただしそのような状況はあまり多くなく、むしろデリバティブ取引にありがちな、「ブックメーカー的な賭け的要素の強い金融商品」の性質が濃い。債務者Aにしてみれば、自分の債務でCDSのやり取りをしているなど、はた迷惑な話かもしれない
 さて、この説明をごらんいただければ、高橋氏の語る意味もよく理解できると思います。それにしても、CDSのレートを理解している、海外の金融機関などは、もはや誰も日本の財政破綻など信用していません。ゴールドマンサックスなどの投資銀行などは、昔とは、いっても、わずか数年前、さかんに吹聴していた時期があります。


その頃は、たしか、今はなき、Google Buzzのサービスがはじまったばかりで、アメリカのあるご婦人が、ゴールドマン・サックのデタラメ情報をそのままBuzzで引用していたので、頭にきた私は、CDSレートの話や、日本の国債がほとんど国内で賄われている話、さらには、日本はアメリカからアメリカ国債を大量購入してアメリカ経済を支えていること。さらには、日本の対外資産は、世界一であり、過去十数年間(当時)、世界第一位であることなどを論拠に、反論しました。


その後、ゴールドマンサックスは、ギリシアの財政破綻に犯罪的に関与していたという報道がなされたり、さらに、追い打ちをかけるように、ギリシャに非常に不利になるような融資話を表向きはあたかもそうではないように、もちかけたのですが、さすがに、ギリシャ政府も最早その手にはのらなかったことなど、報道されるに及び、さしもの、ゴールドマンサックスも、日本の破綻話など、言わなくなりました。そうして、さらに、今日の円高ならびに、日本国債の長期金利の低さです。

もう、他の金融機関も、そのような話をしなくなりました。おそらく、そのような話をしても、もう誰も乗ってこなくなったのだと思います。にもかかわらず、なぜか、日本の総理大臣や、財務大臣や、自民党総裁、それに少なからず多くの政治家などがそのような話などは、未だに日本が財政破綻するとか、日本国債が暴落するなどとの与太話を平気でします。本当に困ったものです。



日本の証券会社なども、ごく最近まで、そのような話をしているところもありました。しかし、日本の証券会社や、ゴールドマンサックスなど、所詮民間企業でありハゲタカであり、金融馬鹿、賭博師ですから、財政破綻の与太話でも、多くの人が信じれば、金儲けにつながるかもしれません。とにかく、実体経済が良かろうと、悪かろうと、あるいは、悪くしようが、良くしょうが、どうなろうと、彼らにとっては、金融・経済のの急激な変動は、大儲けの一大チャンスなのです。しかし、総理大臣、財務大臣、あるいは、政治家がそのような話をして、何の益があるのでしょうか?

禿鷹
無論、増税のための後押しとして、そのような話をしているのでしょうが、それにしても、デフレの時期の増税は、意味がなく、ますます、税収が減ることになるだけです。そんなことをして、いったい、総理や、財務大臣に何の得があるのでしょうか?そうして、特に野田総理は、増税に政治生命をかけるといいます。グローバルな観点からみれば、本当に、古今東西でも見たことのない、首をひねりたくなる珍現象だと思います。それに、直近ではすっかり忘れ去られているようですが、予算関連法案がまだ通っていません。これが決まらなければ、40兆円もの予算の使い道が定まらず、国政が麻痺することは目に見えているのですが、そんなことは、後回しにして、増税ですか? 本当に不思議な政局です。困ったものです。



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