シーズンごとに変りゆく、トレンド。トレンドの変化で影響を受けるのは、ヘアスタイルにメイク、ファッション、小物など、実に多方面にわたります。
そんなトレンドは、単にコレクションブランドが作り上げているのではなく、“その時代に理想とされる女性像”や“求められているライフスタイル”がファッションなどに落とし込まれて完成していると言っても過言ではありません。
なかでも、沢山のアイテムに反映されるのが“色”! デザインよりも色の方が、ヘアやメイクにも影響を与えますよね。特に、今年の春夏は、色が大きな存在感を発揮する予感……。
では、そんな今年の春夏に注目される流行色は、一体どんな特徴を持ってあるのでしょうか?
■1:ちょっぴり大人なキュートさ! “クール系パステルカラー”
ルイ・ヴィトンにプラダなど、多くの注目ブランドがパステルカラーを用いたラインを展開。しかし、甘いムードだけを漂わせるパステルではなく、その色合いも特徴的です。(上の写真は、ルイ・ヴィトンの2012年春夏フアッション)パステルカラーといえば通常、ベビーピンクやライトイエローなどを想像しますが、今年の春夏に特に注目すべきは、グリーンやブルー、パープルなどのクール系のパステル!
多くのメディアで、2012年春夏のトレンドキーワードのひとつに挙げられているのが、可愛らしさに気品高さが加わった、ちょっぴり大人系のロマンティックスタイルです。ちょっぴり大人のクールさが交じったパステルカラーは、幅広いブランドでこの春夏展開されそうな予感。
■2:ガーリーなのにちゃんと上品! “白”は今年も大本命!
春夏の定番カラーといえば、“白”ですが、今年もやっぱり多くの人に愛されそうです。ニナリッチはレースを用いた、全身白一色のコーディネートを展開しており、他のブランドでも白をメインにしたコーディネートが目立っています。清潔感がありながら、可愛らしい! そんな白はファッションだけではなく小物などにも多く用いられそうです。
女性らしさが溢れるスタイルが注目されているため、いかにも甘い! スタイルにならないためにもヘアスタイルはラフなアレンジなどが、引き続き人気を集めそう。
パステルカラーに白など、まさに春夏の気分を一層アゲてくれそうなカラーを前に、寒さが早く過ぎ去り、ポカポカ暖かい春が待ち遠しいですね。
【私の論評】今年のカラーは、何を意味するか?!
昨年の今頃、流行る色と言われていたのが、赤、ビンクでした。しかし、震災が発生してから、実際に売れたのは、ベージュとか、淡い青色などでした。また、バレーシューズが例年よりもかなり売れました。やはり、消費者にも震災の影響があったものと思われます。これについては、昨年のこのブログにも掲載しました。今年は、どうなるのでしょうか?
さて、クール系のパステルカラーとは、色としては、どのような意味を持つのでしょうか?パステルカラーとは彩度が低く、明度が高い色のことです。
近頃気づくのは、好きな色を訊ねると 「パステルカラー」と答える若者が多いこと。色彩心理の見地から、いわゆる「パステルカラー」に見られる深層心理とはどんなものなのか、のぞいてみましょう。
先ず、パステルカラーといっても、本来は単に薄い淡い色、というのではありません。実は、くすみのある彩度の低い、かつ明度の高い色を指す言葉なのですが一般に「春になるときれいで軽やかなパステルカラーがあふれる…」 というように、ただ明るくて薄めの淡いトーンの色を考えてしまうことでしょう。
本当は、白い絵の具を混ぜてできあがる白みがかった(白濁した)薄い色なのです。でも、そんな細かいことはここでは置いておいて、いわゆるベビー服などにふさわしい、明るくて薄くて軽い優しい色の種類、ということにしましょう。
さて、パステルカラーに見られる共通の性格は『曖昧』ということでしょうか。どんな色でも、白い絵の具を混ぜてしまうと、色味が少なくなって薄くやわらかい印象に変わるでしょう。つまり、本来の赤や青や緑が、どんどん薄くなってしまいにはちょっと見ただけでは、区別ができないほど白っぽい色になってしまうのです。
パステルカラーとは、もともとが赤でも青でも緑でも、薄く淡く変わることによって、違いが小さくなっていった色なのです。だから、パステルカラーはあいまい。どっちつかず、極端を嫌う、モラトリアム的性格の現われなのです。
自分を追い込みたくない、人からも干渉されたくない、もうちょっと もうちょっと、や、ちょっと待って、の逃げ腰です。他人に対して自己主張できない気の弱さや、優しさ、人の良さ。 ダイレクトなショックには耐えられない、そんな危険に遭遇しないで済むようにいつも注意深く生きているのです。
もうひとつ、パステルカラー気質には自己防衛本能なるものが とても働いている、自己に対するアンテナの鋭さがあります。傷つきやすく、それでいて何か救いを求めようと手を伸ばしている そんな繊細で、かつ頼りなげな姿が典型的なパステルカラー気質といえるでしょう。
以下にルイ・ヴィトンの2012年春夏物フアッションの画像を掲載します。
次に白は、どういう意味を持つのでしょうか?
白は空間を広く感じさせてくれます。汚れていないイメージや汚してはいけないというイメージが働くので白は神聖なものに多く使われる色です。白はリセットして新しいスタートを決意させる色です。
邪気を払ってくれる白は人間関係を円滑にしてくれます。白は他の色の個性を引き出すので他を交わり相手の個性を引き出します。汚れが目立ちやすいという難点がある。
白が好きな人、あるいは、白が気になるときの心理状態としては、正義感や高い理想を求める完璧主義です。この色を好む人の性格は真面目、機能的・実用的なものを好みます。
さて、最近は、世界同時不況にみまわれそうです。これらの、色は、やはり、こうした時代背景を読んでのことだと思います。
それでは、プラダはどうなのでしょう。以下に、プラダの2012年春夏の水着の写真を掲載します。
なにか、とても明るくて浮き浮きしてきますね。水着は、ドレスとはもともと、用途が違いますから、色づかいも変わるのが当然だと思いますし、それに、プラダはもともと、ハイクラスの人々のファションですから、世の中の景気などとは関係ないのかもしれません。確かに、普通のものに比較すれば、桁が違います。一般の人は購入するものではありません。だから、景気には、左右されないのかもしれません。
冒頭でも掲載させていただたように、昨年は、赤、ピンクが流行るといわれていたのに、震災後は、ベージュとか、淡い青でした。これは、震災が影響していたと思います。今年は、震災のショックから立ち直ったのですが、震災を契機に日本の消費に潮目がきています。
これについては、以前のブログでも掲載しましたが、いわゆるスペンド・シフトという傾向がかなり顕著になってきています。スペンド・シフトに関しては、当該記事を読んでいただくものとして、その要点を以下に記載しておきます。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
さて、このように消費傾向がかわりつつある、日本国内です。昨年のように、大手アパレル主導のカラーが、根付かなかったように、今年も、消費者主導のカラーになるのでしょうか?それとも、いつもの年のように大手アパレルに大きく影響されたカラーになるのでしょうか?興味のつきないところです。
さて、私自身は、今年は、他国はそんなことはないでしょうが、年内の景気は緩やかに回復していくものと思います。最大の懸念は、増税です。しかし、本年度は、増税されることはありません。本年、来年と、消費が拡大し、税収も増え、平成14年度あたりには、景気を良くすれば、増税する必要がないという認識が、酷いマクロ経済音痴の政治家にも広まれば良いと思っています。そうして、同じ消費をするにしても、上記のスペンド・シフトのような希望の消費がますます、広まれば良いと期待しています。気持的には、プラダの水着のカラーようにいきたいものです。
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