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2012年9月21日金曜日

ちょっとイイ話! 愛から生まれた世界的ヒット商品の開発秘話−【私の論評】愛は社会を変革する!!

ちょっとイイ話! 愛から生まれた世界的ヒット商品の開発秘話:


世の中にはたったひとりの愛する女性のために作ったもの大ヒット商品となることがあります。

そこにはピュアな愛と思いやりで溢れ、商売根性な計算はありません。
そんな世界的ヒット商品のエピソードをまとめてみました。
■マスカラ
ある薬剤師トーマスが妹メイベルのためにワセリンと石炭粉をブレンドし、世界初のマスカラを開発。目が小さいことが悩みだった妹は、兄が考案したマスカラ... 続きを読む

■著者データ

マイスピ

ウェブサイト: http://www.myspiritual.jp/news/



【私の論評】愛は社会を変革する!!

メイベルへの愛がなければ、メイベリンは生まれなかった?!
上の記事、ちょっとイイ話としていますが、これは「かなり良い」話だと思います。「マスカラ、医療用ゴム手袋、原動機付自転車、バンドエイド」これらの製品が、すべて身の回りの本当に親しい人のために生まれたというのは、全く偶然でありません。これは、どれも起こるべくして起こった、イノベーションだと思います。(本日は、インパクトのあるマスカラ美人の写真とともに、掲載させて頂きます【笑い】!!)

さて、イノベーションとはなんでしょう。ドラッカーは以下のように言っています。
イノベーションは企業家の道具−イノベーションに成功するには3つの心得がある 
「企業家はイノベーションを行う。イノベーションは企業家に特有の道具である。イノベーションは、富を創造する能力を資源に与える。それどころか、イノベーションが資源を創造する」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』) 
 ドラッカーは、イノベーションに成功するには、3つの心得が必要だという。いずれも当たり前のことでありながら、しばしば無視される。 
 第一に、集中しなければならない。複数の異なる分野でイノベーションに成功することはほとんどない。あのトーマス・エジソンさえ、発明を発明したといわれるほど発明の方法論に通暁しながら、電気の分野でしかイノベーションを行なわなかった。 
 イノベーションには、勤勉、持続、献身を必要とする。集中することなくして、これらのものを手にすることはできない。知識は多分野のものを必要とするであろう。だが、目指すものについては、集中がなければならない。 
 第二に、強みを基盤としなければならない。あらゆる人、あらゆる組織に、得意と不得意がある。イノベーションに利用できるのは、得意とする能力である。あらゆる機会を検討し、自らの能力を最も生かしてくれる機会を探す。 
 相性も必要である。狙いとするものの価値を心底信じていなければならない。さもなければ、忍耐を必要とするイノベーションの仕事はできない。 
 ありがたいことに、多くの場合、強みと価値観は一致する。 
 第三に、世の中を大きく変えるものでなければならない。イノベーションとは、あくまでも市場志向たるべきものである。誰かが買って、使ってくれなければ、イノベーションとはならない。イノベーションとは、市場に発し、市場で花開き、市場で実を結ぶべきものである。 
 イノベーションのためのイノベーションは、珍奇なものは生んでも、イノベーションとはならない。 
「企業家として成功する者は、その目的が金であれ、力であれ、あるいは好奇心であれ名声であれ、価値を創造し社会に貢献しようとする。その目指すものは大きい。すでに存在するものの修正や改善では満足しない」(『イノベーションと企業家精神』)
クリックすると拡大します。拡大するとマスカラの凄さがわかります!!
さて、上の記事の、身近な愛する人への贈り物としてのイノベーションは、まさに、この三つを満たしています。第一の集中というこでは、これらを実施した人たちは、まずは、身近な人の嫌がること、大変なことに、集中しています。集中しなければ、これらのことはなし得なかったことでしょう。

第二の強みを基盤とすることでも、これらの偉業を成し遂げた人たちは、すべて自分の強みを基盤としてこれらをなしとげています。メーベリンは、薬剤師という能力を最大限に活かしています。その他の事例もまさにそうです。

第三の、世の中を大きく変えるものということでも、確かに、すべての事例が、大きく変えています。メーベリンも、世の中、社会をずいぶん変えたと思います。無論世の中を大きく変えようと思って、着手したわけではないのですが、どの試みも、自分の身近な愛しい人のために、努力したのですが、結局世の中には、自分の身近な人だけではなく、同じことで悩んでいる人がたくさんいたので、結局社会を大きく変えることにつながっていました。

「ドラッカーは、企業家として成功するものは、価値を創造し社会に貢献しようとする」としています。まさに、これこそが、企業家がイノベーティブになる最短の近道だと思います。ただし、社会とはいっても、広範囲ですから、まずは身近な人に着目するということが、大きな社会貢献につながる可能性が高いです。まずは、身近な人のことに、関心を持たない人は、多くの人たちで構成されている社会にだって関心を持てるはずがありません。

まずは、身近な人に焦点をあてて、その人が困っていること、あるいはもっと便利にしてあれげることなどを考え、さらに、それが、本当に社会に貢献するかまで見通すことによって、はじめて、イノベーションが可能になります。



ドラかーは、さらに同じ『イノベーションと起業家精神で』イノベーションでやってはいいなことを述べています。
イノベーションの三つのタブー 
「企業家たる者は、体系的にイノベーションを行わなければならない」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』) 
 イノベーションは思いつきではない。地道な作業である。 
 しかもドラッカーは、イノベーションに成功するには避けるべきタブーが3つあるという。それはちょうど、イノベーションに成功するための心得を反対側から見た注意事項でもある。 
 第一に、凝り過ぎてはならない。凝り過ぎは失敗の元であり、生産者側の自己満足にすぎない。懲り過ぎた財・サービスに大事な時間とおカネを使う者はいない。博物館で見せてもらえばよい。 
 大きな事業にしたいのであれば、時間もおカネもさほど余裕のない人たちが、気軽に買って気軽に使えるものでなければならない。ドラッカーは、組み立て方や使い方の凝ったイノベーションは、ほとんど例外なく失敗してきたという。 
 第二に、多角化してはならない。これは、イノベーションに成功するには集中しなければならないとの心得と同義である。核のないイノベーションは、雲散してアイディアにとどまり、イノベーションには至らない。 
 イノベーションの成功には大勢の人たちの参画が必要である。共通の核がなければ、参画に必要な理解も不可能となる。 
 第三に、明日のためにイノベーションを行なってはならない。イノベーションはすべて、今日のために行なわなければならない。 
 イノベーションが完成するには日にちを要するかもしれない。しかし、「20年後には大勢の高齢者がこれを必要とする」といえるだけでは十分ではない。「これを必要とする高齢者はすでに大勢いる。20年後にはもっと大勢いる」といえなければならない。
医薬品の開発では、10年を要することが珍しくない。しかし今日、医療上のニーズがない開発に取りかかる製薬会社はない。 
「成功したイノベーションのほとんどが平凡である。単に変化を利用したものにすぎない。したがって、イノベーションの体系とは、具体的、処方的な体系である。すなわちそれは、変化に関わる方法論、企業家的な機会を提供してくれる典型的な変化を体系的に調べるための方法論である」(『イノベーションと企業家精神』)

身近な人たちに対する愛によって、イノベーションを行った人たちも、見事にこのタブーは破っていません。第一の凝り過ぎてということは、ありませんでした。一番最初のメーベリンだって、今のマスカラと基本的には変わりません。もし、凝ってつくっていたら、一部のお金持ちしか使わず、結局珍奇な発明として、博物館入りしていたかもしれません。そうして、他の人が開発した現在あるようなマスカラが、主流になっていたことは間違いありません。

第二の多角化もしていません。すべて自分達の持てる力を最大限に活かして、新しいことに挑戦しています。またったく新しい技術や、考え方を投入して行っていることは一つもありません。

中国の女の子のメイク前と、メイク後、落差が激しいですな!!これも偉大な社会変革?

第三の明日のためのイノベーションも誰も行っていません。メーベリンは、妹の現在のニーズにあっていたものでしたが、将来数多く女性たちが使うことは十分予想することができました。他のイノベーションも同じことがいえました。だからこそ、大成功したのです。

それにしても、身近な愛しい人に着目した人たちがイノベーションに大成功しているということです。以上で、私が最初に掲載した、これらのイノベーションは起こるべくして起こったという意味がお分かりいただけたち思います。このような事上記の記事に経済されているのは、ほんのわずかであり、探せばまだまだあります。

では、私たちは、このような事実からどのような教訓を読み取るべきでしょうか?

私は、企業家のやることは、確かに、社会に貢献することなのですが、結果としてそうなることは良くわかります。しかし、社会というとあまりに広く茫漠としています。社会に対して、感受性が高い人などは、最初から社会に着目して、社会貢献できるのでしょうが、普通の人は、なかなかそういうわけにはいきません。


であれば、まずは、自分の本当大切な人から、その人たちのニーズや困っていること、シーズなどを注目するということからはじめては、いかがでしょうか。そうしつつ、広げていくのです。会社の同僚とか、町内会の人などから始めるのです。であれば、やりやすいし、かなり具体的にイメージできます。こうしたことを日常的に行えるようになれば、いずれ、新聞や、テレビでみたような社会の大きな動きも、さらに、具体的に見えるようになるはずです。

そうして、その根底にあるのは、「愛」です。「愛」という言葉が、重すぎるとか、気恥ずかしいと思う方などは、無理に「愛」という言葉を遣わなくても良いと思います。「思いやり」、「良い意味での関心を持つ」とか、そんな言い方でもかまわないと思います。

そうして、それが、本当に当人たちにとってイノベーションになるようなことが発見できたとすれば、それが、本当に社会に大きく影響を与えて、社会貢献になるかどうかを考えて、市場に投入することを決めればよいのです。

私は、そう思います。皆さんは、どうお考えになりますか?

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