ある病院の今年の子供の日の病院食、献立は、散らし寿司、筍の煮付、せりの和え物、柏餅。
最近、久しぶりにごく最近病院を退院した人と出会う機会がありました。その人はしばらく、市立函館病院の内科に入院していました。その人と話しているうちに、病院食のことが話題になりました。実は、私も同じ、市立函館病院の整形外科に3ヶ月の長期にわたって入院していました。そのとき、私も感じたのですが、その人が言うには、病院食が非常に不味いということでした。私も、すっかり忘れていたのですが、その人と話していて随分前のことだったのですが、思い出してしまいました。その人は、不味いだけではなく、私の見た限りでは、食材も同じようなものが、3~4日くらいで同じようなものが出てくると、語っていました。函館市立病院の関係者の方は不愉快かもしれませんが、美味しくなかったではなく、不味かったというのが私の率直な感想です。
病院食とは、ウィキペディアによると、
「特に定義はないが、一般的に
病院内で供される
食事のことを言う。似たような言葉に病人食があるが、病院食とは病院に入院している病人(患者)に供する食事を意味する。
一般の食事と異なり、個々の入院患者の病状や体質など状況に応じて、
カロリーや栄養分(
高タンパク、低タンパクなど)が処方されており、全体的には味付けの薄いものが多い。
個々の入院患者への対応から、かつては病院内で調理される場合が多かったが、調理法の改善やコストの点から、外部の
セントラルキッチンへの移行が進んでいる」。
だそうです。
市立函館病院の率直な私の感想は、不味くて、退院間近の1週間は、食べたくなくて、もっぱら外や、病院内のレストランで食べていたことを思い出します。私の感想では、見た目は不味そうではないのですが、食べると、はっきりいって、誰も味見などしていないのではないかと思われるくらい不味かったです。
私の父は、医者でしたが、国の病院(逓信病院)で院長もした経験がありますが、その頃は、会食で病院の大勢の職員の方と月に一度は、病院食を食べていたと思います。私も、子供頃、その病院に短期間入院した覚えがありますが、病院食が不味かったという記憶も、特に美味しかったという記憶もありません。最低限まずくはなかったのだと思います。
病院食も、さまざまで、国立函館病院に糖尿病で入院されたかたは、糖尿病で入院したのにある日、トンカツがでてきたので、間違いだと思い看護婦さんに申し出たところ、「いえ、間違いありません。糖尿食です。脂肪分の少ない肉や、油も工夫してあるので、カロリー的にも問題ありませんので、召し上がってください」といわれて、感激したそうです。その方は、何回か糖尿病で入院したのですが、トンカツが出てきたのは初めてだと語っていました。これは、この病院が独立採算制になる直前のことです。病院の中では、職員全員が独立採算制に向かって勉強会をしていたそうです。糖尿食もその勉強会の成果かもしれません。
長いこと病院に、入院した方はお分かりでしょうが、入院生活も長くなると日々単調で、食事の時間は、楽しみでもあります。これが、美味しいとまではいかなくても、不味くない程度でなければ、生活にはりもでません。これは、病院ではありませんが、老人の福祉施設で、食事を改善する前は、多くの老人が、食事を半分しか食べないとか、1/3しか食べなかったものが、食事を改善したとたん、全部食べるようになり、劇的な効果があったといいます。この改善は、シダックスによるものでした。シダックスでは、配膳用の台車を改善し、保温性のあるものにして、まず暖かい食事とし、その他メニューを大幅改善し、さらには、コストも削減することに成功したそうです。
確かに、病院食は治療の一環だという主張もあるかもしれません。でも、だからといって、病院食を内製にするべきであるとは一概に言えないと思います。たとえば、シダックスのような会社では、栄養士さんも数多く就労していて日々業務にあたっているため、たとえばアレルギーの特殊な事例にいきあたっても、社内ネットワークから正しい情報が入りやすく、対処しやすいとのことです。さらには、シダックスにまかせっきりする必要もありません。シダックスでもアンケートをとっているそうですし、病院から要望を出すとそれに沿って努力してくれるそうです。それに、もしシダックスが気に食わなければ、他者に頼んでもいいのです。当たり前ですが、シダックスは一民間企業です。マネジメントの大家である、ドラッカーは、事業上(福祉事業も含めて)、事業の核とならない業務は外注化したほうが、社会的効率が良くなると語っていました。
その例として、病院の掃除婦の女性の話を例として出していました。ある病院の掃除婦の方が、メンテナンス会社に入り、その会社の副社長になったという話しです。病院の掃除は重要で必要不可欠なことではありますが、病院の中では中核的ではありません。病院の中核的な業務とは、医療であり看護です。こうした、中核的な業務以外は、外注化したほうが社会的にも効率があがるとドラッカーは語っています。
私もそうだと思います。この話の中に出てくる女性は病院の掃除婦をしていたら、永遠にそのままです。昇進することはありません。院長や婦長にも永遠になれません。でもメンテ会社に移ったからこそ、比較的大きな会社の副社長にまでなれたのです。動機付けの観点から言っても間違いないことと思います。この話の女性は、メンテ会社に入ると俄然やる気をだして、さまざまな工夫をしだしたそうです。今普通に見られる、切れ目が、縦の真ん中に入っていて、すばやく取り替えられる毛布のカバーもその人の発明だそうです。
さて、ここまで述べると私のいいたいことは、わかると思います。市立函館病院のように病院食が遅れているとこは、一定の条件(これについては、長くなるので後日記載します)はつけるべきでしょうが、すべからく外注にしたほうが良いということです。さて、皆さんはどう思われますか。