2015年10月4日日曜日

市場に流れる有力説…10・7「黒田バズーカ」第3弾が急浮上―【私の論評】最新iPhone6Sの日本国内での売れ行きからみる、追加金融緩和の重要性(゚д゚)!





金融マーケットの関心は一点に絞られている。日銀の黒田東彦総裁が、いつ追加金融緩和に踏み切るかだ。

1日発表された日銀短観は前回より3ポイント悪化し、9月30日公表の鉱工業生産指数も2カ月連続マイナスと、ここへきて経済指標の悪化が目立ってきた。

「追加金融緩和に向けた外堀が徐々に埋まってきた感じがします。近いうちに実施される可能性は高いでしょう」(第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏)

実は、安倍首相が新3本の矢を発表した先月24日、市場に衝撃が走った。

「具体性ゼロの中身もさることながら、金融政策への言及が全くなかったからです。市場は、政府は追加緩和を望んでいないと受け取った。ところが、市場の反応を否定するかのように、翌25日に安倍・黒田会談があった。やはりアベクロは金融緩和で動いているとの読みが主流となったのです」(市場関係者)


1日の日経平均が前日比300円以上も上昇し、1万7722円で引けたのも、“黒田バズーカ3”への期待が高まっているからだ。

■金融政策決定会合で決定か

市場は10月中にもバズーカ砲が放たれるとみている。最有力は10月30日の金融政策決定会合だが、ここ数日、前倒し予想が増えてきた。来週7日の同会合で決まる確率が高いというのだ。

「安倍首相は内閣改造を7日に行うとしています。主要閣僚は留任だし、株高をもたらすようなサプライズはないでしょう。市場は失望し、株価の下落傾向に拍車がかかります。それを食い止めるためのウルトラCが、黒田バズーカ3だと睨んでいます」(株式評論家の倉多慎之助氏)

郵政3社の株式上場も絡む。上場日は11月4日だが、公募価格が決まるのはゆうちょ銀とかんぽ生命が10月19日、日本郵政は26日だ。政府は、郵政上場を成功させるため、10月半ばには何としても市場を盛り上げておく必要がある。

「追加金融緩和が30日では公募価格の決定に間に合わない。となると7日しかない」(倉多慎之助氏)

追加緩和で日経平均は1万8000円を固め、1万9000円を目指すというのが市場のコンセンサスだ。7日説を信じるなら、来週前半は仕込み時だが……。


1日の日経平均が前日比300円以上も上昇し、1万7722円で引けたのも、“黒田バズーカ3”への期待が高まっているからだ。

■金融政策決定会合で決定か

市場は10月中にもバズーカ砲が放たれるとみている。最有力は10月30日の金融政策決定会合だが、ここ数日、前倒し予想が増えてきた。来週7日の同会合で決まる確率が高いというのだ。

「安倍首相は内閣改造を7日に行うとしています。主要閣僚は留任だし、株高をもたらすようなサプライズはないでしょう。市場は失望し、株価の下落傾向に拍車がかかります。それを食い止めるためのウルトラCが、黒田バズーカ3だと睨んでいます」(株式評論家の倉多慎之助氏)

郵政3社の株式上場も絡む。上場日は11月4日だが、公募価格が決まるのはゆうちょ銀とかんぽ生命が10月19日、日本郵政は26日だ。政府は、郵政上場を成功させるため、10月半ばには何としても市場を盛り上げておく必要がある。

「追加金融緩和が30日では公募価格の決定に間に合わない。となると7日しかない」(倉多慎之助氏)

追加緩和で日経平均は1万8000円を固め、1万9000円を目指すというのが市場のコンセンサスだ。7日説を信じるなら、来週前半は仕込み時だが……。

【私の論評】最新iPhone6Sの日本国内での売れ行きからみる、追加金融緩和の重要性(゚д゚)!

上の記事に掲載されてている、追加金融緩和が10月7日の金融政策決定会合で決定される可能性については、このブログでも最近掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
焦点:生産悪化で2期連続マイナス成長の公算、待ち受ける受注減―【私の論評】今月の動きで日本経済のここ10年の先行きが決まる(゚д゚)!

中国減速に端を発した世界経済の失速が、国内景気に
大きな逆風となって作用してきた。札幌市内で撮影

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では金融緩和をしてからそれが実体経済に反映されるまでには、少なくとも1〜2年かかることを掲載しました。しかし、株価は実体経済が良くなるよりもはるか前に高くなることが予想されます。実際、13年度4月からの金融緩和では、そのようになりました。といより、安倍総理が金融緩和すると発表してから間もなく市場はそれを好感して、株価が上がり始めました。

そのため、市場はこれを好感するのは当然で、もし追加金融緩和をされれば、確実に株価は上昇に転ずることでしょう。

しかし、金融緩和の効果はそれだけに及びません。それは、デフレからまだ完全に抜けきっていない日本をデフレから完全に脱却させ、さらに緩やかなインフレに転ずることを可能にさせることができます。

酷いデフレがいかに経済にマイナスなのかは、多くの識者やメデイアが語っており、多くの皆さんがご存知のこととなります。その弊害は、モノが売れない、賃金が上がらないどころか、低下する、雇用状況が悪くなるということです。

しかし、頭ではこのことは理解できても、なかなかその実体を身をもって体感するということは、デフレにかなり酷い目に直接あった人はともかくとして、それ以外の人はあまり実感できないことと思います。

なにせ、デフレはインフレがハイパー・インフレに代表されるように、上限などないほど急激に物価があがりとんでもないことになったりするのと比較すると、デフレは、年率でいえば、最大でも2%くらいにしかならず、長い時間をかけて徐々に実体経済を蝕んでいきますから、多くの人が長い間自覚できずいることもあり、場合によっては、影響を受けていることを自覚出来ない場合もあります。

本日は、それを実感できる事例を掲載したいと思います。それは、多くの人にとって、身近なスマホです。スマホといえば、iPhoneです。iPhoneといえば、最近発売されたiPhone6sです。このスマホが、デフレの酷さを体感できる事例です。

まずは、このスマホの最新型であるiPhone6sの売れ行きに関する記事のリンクを以下に掲載します。

【iRONNA発】新型iPhone なぜ、日本人だけが買いたがるのか

米アップルが発表した新型スマートフォン「iPhone 6s」(手前)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事がiPhoen6sがかなり売れているということと、この記事の著者が分析したその理由を以下に掲載します。
 米アップルの最新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)6s」が先月、発売された。今や年に1度の「お祭り」になった感がある新型iPhoneの発売だが、世界シェアでは日本を除き、いまだ韓国サムスン電子の後塵(こうじん)を拝している。なぜ、日本人だけがiPhoneを買いたがり、こんなにもありがたがるのか。

日本は他の国々と違って、AndroidよりもiPhoneの人気が高い。このことから、よく日本人は「iPhone好き」と言われる。その理由はいろいろあると思う。
・・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・
 ただ、こうしてiPhoneが普及してきたことによって、多くの人々がアップルの「質の良さ」がどういうものかを感覚として身につけ、評価するようになった面もある。 
 これに対し、日本の家電製品はというと、かつてはアップルにも影響を与えたソニーの製品が優れたデザインで世界を魅了していた。しかし、お膝元の日本では1990年代以降、こうした製品の売られる場所が大量の商品在庫と安値販売を目玉にした家電量販店に変わり、外観よりも製品に貼られた商品説明に書き込まれるスペックの(質ではなく)量で競うようになってから、良いものづくりができなくなってしまった。 
 アップルのものづくりにはこうした日本的なコンテクストは関係なく、商品の人気を武器に「販売したいならば」と売り場での展示方法までアップル流に変えてくる。こうした企業としての姿勢や展示の美しさもアップル人気の一因となっているはずだ。
・・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・
 このようにアップル人気の理由はさまざまな要因が複雑に絡み合っていて、どれか1つに集約するのは難しいが、あえて1つにまとめるとしたら、「真摯(しんし)に良いものをつくり、売るときにもベストを尽くす」。この製造業の基本中の基本をごまかさずに正面から貫いていることではないか。 
 そして、そんなアップルがこの日本でなぜ人気なのかといえば、他の日本のメーカーが90年代の変な合理化のせいで、まっとうなものづくりができなくなってしまっているからではないだろうか。iPhoneを好む一方で、日本メーカーの復権を心待ちにしている人も決して少なくないと思う。
上の記事で、最後に「他の日本のメーカーが90年代の変な合理化のせいまっとうなものづくりができなくなってしまっている」と述べていますが、なぜ日本のメーカーが変な合理化をしたかといえば、やはり、それはデフレになったからです。日本がデフレになったのは、1997年からでした。

変な合理化とは、日本国内でモノが売れないので、これに対処するための合理化ということだと思います。

デフレ対応のため、変な合理化をしたからといって、すぐに日本のものづくりが大影響を受けて、日本の製品がつまらないものになったというわけではありません。

実際に、初代のiPhoneが発売されてから、しばらくは日本ではほとんど売れませんでした。私自身は、はじめてのIPhoneはIPhone3GS(iPhone4の一つ前のモデル)でした。その頃は、まだまだ携帯電話の中でもiPhoneは日本では少数派でした。IPhone が日本国内で爆発的に売れ始めたのは、iPhone4の2010年からです。

そのあたりの状況については、このブログでも過去に掲載しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
iPhone4の予約いったん停止へ…予想超える予約―日本でも受け入れられたタッチ型スマートフォン、iPhone


この記事は、2010年6月のものです。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事から当時の売れ行きを示す部分を以下に掲載します。
ソフトバンクモバイルは、6月24日の発売に先立ち、6月15日から開始したアップル製のスマートフォン「iPhone 4」の予約注文の受け付けを、6月18日の閉店時間をもっていったん停止すると発表した。
理由は、これまでに予測をはるかに超える、同社としては過去最大の予約が入ったため。今後については、できる限り早く再開できるよう努力する、とコメントしている。
この記事では、iPhone4より前までは、日本ではIPhoneが売れていなかったことも掲載しました。その部分を以下に引用します。

"

昨年は、本当にiPhoneがあまり売れなく、海外でのヒットと比べると人気は今ひとつでした。その折に、『どうして、日本人はiPhoneが嫌いなのか?』という海外コラムが掲載されたのですが、「あまり売れないので0円にしたけれどやっぱり売れていない」「日本人がiPhoneをどう見ているか」「日本人の携帯電話のあり方」といった内容です。
Why the Japanese Hate the iPhone | Gadget Lab from Wired.com(管理人注:現在は、残念ながらリンク切れになっています)


海外サイトではこの記事を受けて、不思議な日本市場の話題で大いに盛り上がっていました。このサイトに限らず、当時海外ではiPhoneを使わない不思議な日本人に対して、様々に揶揄する内容のブログやサイトで溢れていました。


日本では、ガラパゴス携帯といわれていたように、日本の携帯電話のほとんどは、他国では使うことができなかったりしたため、日本独自の発展を遂げていました。そもそも、スマートフォンが出てくるまえは、日本の携帯電話が、インターネットを見ることができましたが、海外のものは、見れなかったりしたものです。どちらかといえば、日本の携帯電話の邦画、技術的に優れていたのではないかと思います。

iPhoneの一番最初の型が日本国内で発売される直前(2008年6月)にあるサイトに以下のような記事が掲載されていました。これは、その当時の人からみれば当然のことだったと思います。

iPhoneには日本で流行している「着うた」「ワンセグ」「お財布ケータイ」などの機能がありません。 機能・価格・操作、その全ての面でiPhoneは日本に向いてないのです。ネット上での話題性は凄いでしょうが、現実にはソフトバンクのユーザ数がちょこっと増えるぐらいでしょう。 
数値にしてもおそらく携帯ユーザ全体の1%も移動はおきません。若者はどうか?「iPhoneいいですよ、iPodの機能もついてますし、どこでもネットが見られます。カメラも撮れますよ」。これで魅力を感じて貰えるかと言うと、ノーです。まずiPodはもうみんな持ってます。わざわざ携帯電話を買い換えてまで1つにまとめようという人はいません。そしてネットやカメラは今の携帯電話でも可能です。iPhoneにはウリと言える部分の魅力が弱いのです。
とは、いいながら、やはり、iPhoneに限らず多くのスマートフォンがでてきてから、状況は変わりました。私自身は、昨年11月あたりにiPhoneG3を購入しました。その時でも、やはり、iPhoneは少数派だったように思います。購入の際に、iPhoneでは、いわゆる携帯向けのインターネットサイトを見られないということが言われました、私自身は携帯電話のサイトどほとんど見たことがなかったので、何のためらいもありませんでした。また、「着うた」「ワンセグ」「お財布ケータイ」などの機能など、何も使っていませんでしたし、たいした興味もありませんでした。
"

さて、このような状況から、IPhone4以降にiPhoneが爆発的に売れるようになったのは、やはり、上の記事にもあるように、「日本の家電製品はというと、かつてはアップルにも影響を与えたソニーの製品が優れたデザインで世界を魅了していた。しかし、お膝元の日本では1990年代以降、こうした製品の売られる場所が大量の商品在庫と安値販売を目玉にした家電量販店に変わり、外観よりも製品に貼られた商品説明に書き込まれるスペックの(質ではなく)量で競うようになってから、良いものづくりができなくなってしまった」からでしょう。

そうして、量販店が台頭したのも、メーカーが変な合理化をしたのも、その背景にはデフレがあります。

デフレが長い間続いたので、メーカーは合理化し、消費者もデフレの影響を受け、「真摯(しんし)に良いものをつくり、売るときにもベストを尽くす」という企業の姿勢よりも、「低価格ながら、外観よりも製品に貼られた商品説明に書き込まれるスペックの(質ではなく)量」を重視するようになったのです。

それが、長い間デフレであった日本の実情でした。しかし、実際これが普通になり、しばらく時が経過し結果どういうことになったかといえば、真摯に良いものつくり、売るときにもベストをつくすような製品は日本の市場から消えてしまいました。

そこにiPhone4が登場したため、ひさしくそのような製品にお目にかかっていなかった、日本の消費者が反応して、爆発的に売れるようになったのだと思います。

そうして、2013年からは、まだまだ日本は過去のデフレの悪影響は色濃く残っているものの、日本は厳密な言葉の意味ではデフレから脱却しました。とはいいながら、2014年には8%増税が実行され、景気は減速しました。このような状況では、まだ日本の企業は、合理化の手綱を緩めるわけにはいきません。そうなると、消費者のニーズやウォンツを満たす製品は、日本のメーカーや、サムソンでもつくれないので、結局またまた、iPhone6sが爆発的に売れるという状況が生まれてしまったのです。

この私の分析に関して、ソニーやパナソニックだって、海外に販売しているのだから、国内市場の不調が、日本のメーカーのイノベーションを阻害しているとはいえないと思うかたもいらっしゃるかもしれません。

確かにそういう側面もありますが、日本のメーカーの開発者は日本語を母国語としているわけで、自分の足元の多くのユーザーが革新的なものを求めているなら、それにあわせて開発することもできますが、日本語が母国語ではない外国のユーザーのニーズは把握するのが難しいです。

やはり、日本語を母国語とする日本のユーザーが、革新的であれば、そのユーザーのニーズやウォンツを満たすため、革新的な製品を創造することができます。それは、アメリカの企業であるアップルも同じことです。アメリカは、デフレではなかったため、ユーザーの革新性は温存されたため、iPhoneなどの革新的製品を開発できたのです。

やはり、開発拠点の近くに、開発者がコミュニケーションをとりやすく革新的なユーザーが大勢いることが、開発の必要十分条件であると思います。

しかし、長い間デフレ・円高の環境に浸った日本のユーザーは、革新性よりも価格とコストパフオーマンスを重視してしまいました。それでは、日本のメーカーも革新的な製品は開発できないのです。
日本のユーザーが革新的であり続ければメーカーも革新的になる

そうして、最近は、デフレも収束しつつあるのですが、まだまだ日本のメーカは、合理化の手綱を緩めるわけにはいかないので、人材を募集するにしても、イノベーティプな人間を優先するのではなく、あたりさわりのないコミュニケーション能力を重視しているのです。

こうした、状況をはやく払拭するためには、日銀がさらに追加金融緩和を実行し、それが暫くの間間違いなく続き、日本は確実にデフレから脱却して、緩やかなインフレ傾向になり、革新的なモノを創造すれば、それが売れるようになると、日本のメーカーが本気で信じこむことができるようにならなければ、無理です。

以上述べたように、iPhone6sの売れ行きからみても、日本のユーザーは変わってきています。この状況がそのまま変わらず、これからも続けば、やがて日本のメーカーも変わります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月3日土曜日

焦点:生産悪化で2期連続マイナス成長の公算、待ち受ける受注減―【私の論評】今月の動きで日本経済のここ10年の先行きが決まる(゚д゚)!

焦点:生産悪化で2期連続マイナス成長の公算、待ち受ける受注減
中国減速に端を発した世界経済の失速が、国内景気に
大きな逆風となって作用してきた。札幌市内で撮影

中国減速に端を発した世界経済の失速が、国内景気に大きな逆風となって作用してきた。8月生産は予想を大きく下回り、外需の悪化が設備投資にまで波及している姿が浮き彫りとなった。

7─9月期国内総生産(GDP)は4─6月期並みのマイナス1%台に転落する可能性が高まっており、この先に企業の新規受注の急減が表面化すれば、景気への悪影響は一段と強まる展開も予想される。

<8月生産と計画のかい離、東日本大震災以来の大きさ>

「生産面からみれば7─9月GDPは、4─6月期並みのマイナス成長になってもおかしくない」と、ニッセイ基礎研究所・経済調査室長の斉藤太郎氏は分析する。

8月生産に9月生産予測値を加えた7─9月期の生産は、前期比マイナス1.1%。ただ、このところ1次速報値は予測値から下方修正され続けており、一部のエコノミストは同マイナス1.4%程度に落ち着くと見込んでいる。

「生産はGDPをほぼ規定する重要要素。明確なマイナスとなるのに、GDPがプラスになるというシナリオは考えにくい」と斎藤氏はみている。

7─9月期のGDPに関し、民間エコノミストの見通しは8月時点で2.5%程度だった(フォーキャスト調査)。それが9月に1.7%に大幅下方修正され、30日発表の8月生産統計を織り込み後、ゼロ%近傍に一段と大幅修正する動きが相次いでる。

実際、8月生産は月初の生産計画から4.2%も下振れ、東日本大震災直後以来の大幅な見込み違いが発生するほど需要が減少した。中国減速や天津爆発事故の直接的な影響だけでなく、輸出全般の停滞が響いている。

加えて2次的な影響として、設備投資関連の需要悪化も目立ち始めた。資本財の生産は前月比4%近い落ち込みだ。一般機械では受注のキャンセルや納期延期が相次いだ。

GDPを左右する消費をめぐっては、10月2日発表の8月家計調査に注目が集まっている。今のところ実質消費支出は4─6月期平均と比べて横ばい程度で推移。7─9月を通してみれば、落ち込みの大きかった前期からは回復するとみられているが、けん引役になるほどの力強さは、どの統計からもうかがえない。

<景気後退論も浮上、政策対応への期待高まる>

政府関係者の中には、こうした事態を民間調査機関以上に深刻にとらえる声もある。ある政府関係者は「実需の落ち込みという面からみれば、リーマンショック以上かもしれない」との懸念を示す。

当時は金融機関の経営悪化から、企業の資金繰りや投資資金の回収といった金融面の引き締まりが発端だった。これに対し今回は、中国発の実需の縮小が直接影響している。

今のところ輸出や生産が急減というほどの悪化を見せていないのは、これまでの受注残を抱えているためだ。

しかし、9月の製造業PMIの新規輸出受注は1年3カ月ぶりに50を割り込み、急速な悪化となっている。9月ロイター企業調査でも、製造業の7割が今後の収益への懸念を示し、本格的な落ち込みはむしろ下期に出てくる見通しだ。

政府・日銀の中には、生産の停滞は「一時的」と楽観的に捉える声もある。だが、SMBCフレンド証券・チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏は「生産統計で前向きな循環メカニズムはまだ崩れていないものの、かなり弱くなっている現実が示された。景気後退説も流れるだろう」と指摘。

そのうえで「今後は企業収益の下方修正が、どの程度になるかを見極めるステージに入りそうだ」と話す。

岩下氏は、7─9月期GDPがゼロ%近傍ないしマイナスとなる公算が高まる可能性があり、そのシナリオが実現した場合「日銀は景気判断が外れてしまい、昨年秋の追加緩和も効果があったとは言いづらい状況になる」とみている。

バークレイズ証券は「7─9月期の実質GDPが前期比マイナスとなる可能性が示されれば、物価の基調に下振れリスクが出てきたということで、金融政策、財政政策ともに動かざるを得ないであろう」と予想する。

そのケースでは「日銀の景気判断は誤っていたということになる」と指摘。さらに「11月から12月初頭に3─5兆円規模の経済対策の作成、来年1月に2015年度補正予算成立という流れが想定される」との見通しを示している。

【私の論評】今月の動きで日本経済のここ10年の先行きが決まる(゚д゚)!

さて、上の記事では、補正予算が組まれる可能性を示唆していました。今まさに、株価も上昇に転じています。これは、政府の補正予算を期待しての動きであることは否めないと思います。

そうした、市場の動きを察してか、政府筋は補正予算に関して前倒しで、判断するとの見通しを発表してます。それに関する記事が本日報道されていましたので、その記事のリンクを以下に掲載します。
景気対策、必要かどうか10月中に前倒しして判断=政府筋

政府は、経済対策が必要になるかどうか10月中に判断する方向となった。政府筋が2日、明らかにした。日本を取り巻く経済情勢が急速に厳しさを増し、11月16日発表の7─9月期国内総生産(GDP)を見てから判断するという従来の予定を大幅に前倒しする。 
場合によっては秋の臨時国会で補正予算を審議する可能性にも言及した。 
政府筋は、経済対策取りまとめの判断時期について「11月まで待っていると遅いかもしれない」と語り、経済指標の大枠が出そろう10月中に「準備にかかる可能性がある」との見解を示した。 
また、経済情勢次第では「緊急経済対策に伴う補正予算は、例年なら来年1月の通常国会となるが、前倒しした方がよいとの判断になる可能性もある」とした。 
そのうえで、経済対策について「あまりゆっくりもしていられない。状況は厳しい」と語った。 
足元の景気情勢に関して、政府筋は中国経済の減速や資源価格の下落、北欧数カ国で利下げに踏み切ったが金利情勢に変化が認められない状況などを挙げ、「世界的に相当デフレ圧力が強まっている」とも指摘。「国内の基盤は良いが、海外要因で国内(経済)が悪くなっている。海外のデフレは必ず連動してくる」と警戒感を示した。 
一方、日銀の追加緩和の是非については「日銀が判断すること」と述べるにとどめた。追加緩和による円安加速リスクに関しても「コメントできない」としたが、1ドル120円前後で推移する現状の為替相場については「コンファタブル(居心地が良い)」と答えた
規模に関しては、まだはっきりはしませんが、政府が補正予算を組むのは間違いないようです。それに関しては、以下の動画をご覧いただくと良くおわかりになると思います。



この動画によれば、官僚が大忙しで動き回っているそうで、補正予算を組むのはほぼ間違いないようです。

この動画でも解説してますが、鉱工業指数は97で前月比−0.5%、一昨日でた日銀短観では、製造業IDが、15から12に低下、非製造業IDは、23から25増となっています。

ただし、非製造業が増えたのは、日本の消費者の消費が増えたというよりは、中国の爆買いによるものと、上念氏は解説しています。ということは、これがいつまで続くのか保証の限りではないということです。

そうして、昨日でた家計調査による、消費支出は、実質2.9%増ということで、ようやっと8%増税の悪影響が薄れてきたようです。

いずれにしても、統計数値からみてこのままでは、日本経済がさらに落ち込むことが十分予想されます。

当然のことながら、経済が落ち込んだ原因は、まずは8%増税です。そうして、中国の経済の落ち込みもプラスアルファで悪影響を与えています。

安倍政権としては、来年の7月に参院選挙を控えていますから、その前までに確実に経済を良くしておかなければならないのはいうまでもありません。

だから、補正予算を組むのはほぼ間違いないと思います。

さらに、今月は、様々な重要日程が組まれています。10/6、7日銀政策決定会合があります。10/7内閣改造があります。

補正予算が、少なくとも10兆円を超えるものであれば、来年の参院選の頃には、ある程度間違いなく経済は回復していることが見込まれます。

金融政策決定会合において、追加金融緩和措置が決定したとしても、金融緩和の効果がはっきりあらわれてくるのは、1 年〜2年かかります。だから、すぐに追加緩和したとしても、来年の選挙の頃までにはあまり効果ははっきりしたものにはならないでしょう。

だからこそ、補正予算の規模が重要になってきます。

それにしても、安倍政権がデフレから完全に脱却して、長期安定政権になるためには、大規模補正予算も追加金融緩和も必要です。それに、以前もこのブログに掲載していたように、日本経済をどん底に沈める、10%増税を阻止するために、安倍総理が来年の参院選挙で「10%増税の延期」を公約としてかかげ、参院だけではなく、衆院も解散して、衆参w選挙として勝利するためにも、これらは絶対に必要です。

これらを確実にするために、安倍総理は今月中に、大規模な補正予算を方針を決めること、追加金融緩和を決めさせること、衆参w選挙をすることを決定するという意思決定をすることが必要不可欠です。

これらが、成就出来ない場合、ここ10年日本は長期の経済低迷の時代に再度見舞われることになります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月2日金曜日

民主・小西洋之氏「自衛隊員は他国の子供を殺傷する使徒」→ツイッター削除し「自衛隊員を救わなければ」に変更―【私の論評】日本国内の歴史修正をやめさせなければ、中韓の歴史修正も終わらないのでは(゚д゚)!


9月19日未明の参院本会議で安全保障関連法案の投票の際、
反対の青票を掲げながら発言する民主党の小西洋之氏=国会

民主党の小西洋之参院議員は9月30日、自身のツイッターに「自衛隊員の母親の望みも虚しく、自衛隊員は他国の子供を殺傷する恐怖の使徒になるのである」と記した。安全保障関連法反対の立場からの投稿とみられるが、2日現在この記述は削除されている。

小西氏の最初の投稿では、安倍晋三首相が9月末に行った国連総会の一般討論演説で、日本がシリア難民に支援した母子手帳に言及したことを紹介。首相が「わが子の成長に目を細める母のうち一体誰が、その同じ子が、成長したのち、恐怖の使徒となるのを望むでしょう」と述べた部分を逆手にとったようだ。

小西氏は1日のツイッターで、首相発言の紹介をそのまま残した上で、「安倍総理の安保法制により、自衛隊の集団的自衛権行使を受ける国の子供達は自衛隊員を『恐怖の使徒』と思うだろう。違憲立法から自衛隊員を救わなければならない」との投稿に差し替えた。

【私の論評】日本国内の歴史修正をやめさせなければ、中韓の歴史修正も終わらないのでは(゚д゚)!

この記事の小西議員の行状、論評にも値しないとは思いますが、敢えてしてみます。まずは、Tweetそのものを以下に掲載します。


さて、変更後のTweetを以下に掲載します。

自衛隊員が、「恐怖の使徒」になるとは、何やら常軌を完璧に逸しているようです。

小西議員は、同日に以下のようなTweetもしています。
このTweetには明らかに齟齬(齟齬:明らかな間違い)があります。まず、第一に日本国内に米軍の基地が存在するということは、もうそれだけで、日本は集団的自衛権を発動していることになります。

これは、なぜか、日本国内では、そのように受け取られていませんが、他国はそうは見ません。世界の常識では、もう日本は集団的自衛権を随分前から行使しているとみなされています。

次にね「昭和47年政府見解に、集団的自衛権行使の論理が存在していた」とは、いきなり天動説を唱え始めたがごとき空前絶後の暴論」としています。

これは、完璧に間違いです。これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
大新聞 安保法制反対デモは報じるが世界の賛成の声は報じず―【私の論評】中国のため日本国内で報道統制をする習近平応援メデイアには、もううんざり(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で、雌雄団的自衛権に関しては、決して、安倍総理が突然いいだしたものではなく、歴史的にいえば、もともと集団的自衛権の行使が日本では容認されていたものが、佐藤内閣から変わったことを掲載しました。

その部分のみ以下にコピペさせていただきます。
憲法解釈による集団的自衛権の行使に関する誤解 
さて、次には、メディアでは、「戦後一貫した憲法解釈を守ってきた内閣法制局」と「それを変えようとしている安倍内閣」との構図で報道されています。しかし、これはそもそも大嘘です。 
それどころか、岸信介・池田勇人内閣では核武装まで容認し、集団的自衛権の行使など自明でした。そもそも、日米安保条約など、集団的自衛権を行使するための条約であるという理解が当たり前でした。 
そうして、現実には、日本はアメリカの基地を日本に置くということで、集団的自衛権を行使しています。アメリカ軍の基地を日本国内に設置することそのものが、すでに集団的自衛権の行使であることを日本のマスコミはほんど報道しません。 
日本に米軍基地が存在すことそのものが、集団的自衛権の行使である
朝鮮戦争勃発から池田内閣までの解釈をすべてひっくり返したのは佐藤栄作内閣の高辻正己法制局長官です。法制局がのたまう「戦後一貫した憲法解釈」など、せいぜい佐藤内閣・高辻長官以来の話にほかなりません。 
佐藤栄作政権期に境に集団的自衛権の解釈は明らかに変わっています。佐藤内閣以前の「(集団的自衛権を)持っているから行使できる(あるいはその都度考慮する)」から、「持っているが行使はできない」への変化が始まりました。 
この時代には、ベトナム戦争がありました。日本に集団的自衛権はあるが、米国のために他国に自衛隊を派兵することはできないということで、社会党との国会運営をめぐる調整で、佐藤政権が妥協したためこのような妥協が行われました。 
集団的自衛権の行使ができないなどという見解は、単なる妥協の産物に過ぎないのですが、今のマスコミはまるで日本が終戦直後から集団的自衛権に関しては、「日本は行使できない」という考え方を貫き通してきたような報道ぶりで、これを正しく伝えません。 
そのため、日本では多くの人々が、憲法解釈による集団的自衛権の行使に関して正しい認識を持っていません。
これは、歴史的事実です。少し資料を調べれば、誰にもわかることですし、そもそも年配の方であれば、この事実を記憶している人も多いと思います。集団的自衛権ならびに、個別自衛権の両方、すなわち「自衛権」は、そもそも国連憲章でも認められた独立国の権利です。それも、人権と同じように、自然権とされています。自然権とは、人が生まれながにして持っている当然の権利のことです。国、それも独立国も、自衛権は自然権として持っているというのが世界の常識です。

このようなことから、小西議員のこのTweetは全くの誤りです。そのような誤りを平気でTweetする国会議員が存在すること自体に本当に忸怩たる思いがします。それに、「恐怖の使徒」発言も、全くいただけません。完璧に常軌を逸した発言です。

そうして、これは完璧な現代史の歴史修正にほかなりません。世界では、中国や韓国などが、日本の歴史修正を公然と行い、そのせいで、慰安婦問題や、強制労働の嘘がまかり通っています。

しかし、国会議員みずからが、このような歴史修正をするのですから、まずは国内で歴史修正をやめさせなければ、中韓の歴史修正もなかなかおさまらないわけです、

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

集団的自衛権に関しては、政治家はもとより、憲法学者、マスコミもまともに、勉強していないようです。だから、安保法制の議論が一見理解しにくいようにみえますが、そんなことはありません。以下の三冊で基本的知識を身につけていただければ、疑問は綺麗さっぱり払拭されます。小西議員や、民主党の幹部もこれくらいの知識は、身につけてから議論していただきたかったものです。

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2015年10月1日木曜日

GDP600兆円実現に必要な消費再増税の見送りと日銀法改正 ―【私の論評】10%増税で、GDP600兆円どころか、安倍政権崩壊は免れない(゚д゚)!


記者会見で新しい「三本の矢」を表明する
安倍晋三首相=24日、東京・永田町の自民党本部

自民党総裁に再選された安倍晋三首相が記者会見で、経済に注力するとして、「新3本の矢」が披露された。(1)希望を生み出す強い経済(2)夢を紡ぐ子育て支援(3)安心につながる社会保障-という3項目だ。

政治家の話は、3つの柱にすることが多い。これは話をわかりやすくするためで、まず「3つあります」と切り出して、1番目の話をしているうちに2番目と3番目を考えているが、2番目まではなんとかなっても、3番目は出てこなかったという笑い話もあるくらいだ。

安倍首相はさすがにはじめから3つの柱にしておいたのだが、ロジカルな関係をいえば、1番目の「強い経済」がすべてだ。これがうまくできれば、2番目の「子育て支援」と3番目の「社会保障」もうまく進むはずだ。

もし政治家の話でなければ、目標には達成手段と達成時期が伴う。ただし、政治家の話ではそうした野暮なことはいわない。1番目の強い経済でも、2014年度に490兆円だった名目国内総生産(GDP)を600兆円に増やすという方向があるが、いつまでとは言っていない。甘利明経済再生相も達成時期は今後の問題としているが、20年の東京五輪後に達成可能という見解を示している。

こうした中期の経済成長の場合、達成手段は金融政策と財政政策になる。新聞では「旧3本の矢」とかいわれているが、今も有効なはずだ。甘利氏は、2%の物価目標は変わっていないとしている。

甘利氏が言う「東京五輪後に達成可能」というのは、これから名目3%成長が続けば、21年度には名目GDPが600兆円に達するという意味である。名目3%は今の政府が掲げている中期目標である。

本コラムの読者であれば、政府が掲げる名目3%目標の内訳は、実質2%、インフレ率1%になっていて、インフレ目標2%と矛盾していることをご存じだろう。しかも、17年4月から消費増税しても成長率への影響は軽微だというのが前提になっている。この前提は既に誤りであることがわかっているのに、政府の中期財政試算でも修正されていない。このため、甘利氏がいう東京五輪後に達成可能というのも実は怪しい。

インフレ目標2%なら名目4%になるはずで、そうであれば東京五輪前年の19年度でほぼ600兆円になる。17年4月からの10%への消費再増税をやらなければ、これはかなり可能性の大きい数字である。

いまだにデフレ脱却がおぼつかないので、この際、日銀法改正をしたうえでインフレ目標を3%に引き上げるのもアリだ。そうなれば、18年度にほぼ600兆円が実現可能だ。安倍総裁の任期は18年9月までであり、常識的には自分の任期内での目標のはずだ。それを達成するためには、17年の消費再増税の見送りと日銀法改正によるインフレ目標3%が必要となる。

安倍政権が「強い経済」を掲げるのは正しい。あとはその達成のために必要な政策の肉付けである。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】10%増税で、GDP600兆円どころか、財務省はほくそ笑み安倍政権崩壊は免れない(゚д゚)!

上の高橋氏の記事、当たり前のど真ん中です。増税などの緊縮財政をしているようでは名目3%も行くことはないでしょう。実質2%なら名目は1%です。物価は貨幣数量だけでは決まらないことを証明したこの2年間でした。大胆な金融緩和をしても、一方で増税などの緊縮財政をしていては物価は上りません。

これは、8% 増税であまりにもはっきりしすぎるほど明らかになりました。増税の悪影響により、政府の景気回復シナリオに暗雲が垂れ込めています。

4~6月期の実質GDP伸び率は前期比年率1.2%減でした。輸出、設備投資が悪化し、個人消費も悪化しました。7~9月期の鉱工業生産指数は2期連続のマイナスとなるのが確実な情勢で、同期間の国内総生産(GDP)伸び率もマイナスになるることは確実な情勢です。

2期連続のマイナス成長となれば、景気は足踏み状態にあり、7~9月に成長軌道に戻るという政府のシナリオは崩れ、景気後退局面入りの可能性が増してきました。

現在物価の動きは、あいかわらず、横ばいとみて良いと思います。これは、量的金融緩和でインフレ率は上向きなのですが、8%消費増税によるGDPギャップ(需要と供給の差)がいまだに解消されていないことと、原油価格の下落が短期的にはインフレ率の押し下げに効いているためです。

原油価格の下落については、長い目で見ればインフレ率の押し上げ要因になるのでさほど心配する必要はないと思います。しかし、GDPギャップを放置しておくと、なかなかインフレ率は上向きにはなりにくいです。

今のところ、これまでの金融緩和の累積的な効果があるため、雇用環境は好転していますが、これとてもGDPギャップが縮小していかないと、外的要因いかんによっては雇用環境の悪化もあり得ます。

GDPギャップを埋めて、今後の成長を確実にするマクロ経済政策(具体的には補正予算、追加緩和)が求められます。デフレ脱却や景気回復は、そうしたマクロ経済政策を実施するかどうか次第です。

「新3本の矢」のうち、まずは、希望を生み出す強い経済を実現するためには、まともなマクロ経済政策を実行することが重要です。これが実行されれば、他の「二本の矢」は自動的に実行できます。

この逆、すなわち、(1)希望を生み出す強い経済なしに、(2)夢を紡ぐ子育て支援(3)安心につながる社会保障など実現することは不可能です。

新三本の矢を説明する安倍総理

そのためには、増税ではなく、積極財政、具体的には減税、給付金政策が必要です。なぜなら、現状では、公共工事の供給制約があるからです。給付金政策にからめて、再配分的な政策もとればさらに即効的な効果があります。

それとともに、追加金融緩和も当然必要になります。

これを実行せず、平成17年4月に増税することになれば、平成18年あたりには経済はかなり悪化します。

そうなれば、財務省は増税を実行できたということで、ほくそ笑み、時の政権が安倍政権であろうが、その他の政権であったとしても、必ず崩壊します。

その後は、また数年前のように、短期政権が続くことになります。そうして、また酷い円高・デフレに逆戻りして、何をしようにも、八方塞がりとなり、下手をすると、自民党は再度下野するかもしれません。これは、ここではっきり予言しておきます。


この記事では、長谷川 幸洋氏による、安倍総理は「10%増税先送り」を公約にかかげて、来年7月に衆参ダブル選挙に持ち込むであろうとの予測を取り上げました。長谷川氏の結論の部分のみ以下に掲載します。
10%引き上げを先送りするなら、安倍政権は来年7月のタイミングで衆参ダブル選に持ち込むのではないか。安倍政権の内閣支持率は終戦70年談話の発表後、持ち直しているが(たとえば産経・FNN合同世論調査で3.8%増の43.1%)、政権選択選挙でない参院選は、強すぎる与党を嫌う国民のバランス感覚が働きやすい。 
増税先送りは与党に追い風をもたらす。それならダブル選で政権選択選挙に持ち込み、勢いに乗って参院選も有利に戦う。そんな政治判断は合理的である。
私は2016年ダブル選予想を7月12日放送のテレビ番組『そこまで言って委員会NP』で初めて話した。コラムは同17日発売『週刊ポスト』の「長谷川幸洋の反主流派宣言」(http://www.news-postseven.com/archives/20150717_336635.html)が初出である。そちらもご参考に。いずれマスコミも安保関連法案の熱狂が覚めれば、報じ始めるだろう。
残念ながら、10%増税をくい止める方法は、今のところこれしかありません。もし、これが実現しなければ、上に述べた私の最悪のシナリオが成り立つことになるでしょう。そうして、またまた、日本は失われた20年にまっしぐらに突進することになります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

安倍政権「消費増税再見送り」で来年7月衆参ダブル選へ!―【私の論評】来年の衆参同時解散総選挙というシナリオの確率はかなり高い!これに気づかない政治家・マスコミは、完璧に蚊帳の外(゚д゚)!



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2015年9月30日水曜日

【写真あり】中国南西部 13か所で連続爆発 6人死亡―【私の論評】 これは、中国の新たなテロの時代の幕開けか?

【写真あり】中国南西部 13か所で連続爆発 6人死亡


中国南西部の広西チワン族自治区で30日午後、13か所で相次いで爆発があり、中国のメディアは、これまでに6人が死亡、数十人がけがをしたと伝えていて、警察は連続爆破事件とみて調べています。

中国のメディアによりますと、南西部の広西チワン族自治区柳州で、現地時間の30日午後4時ごろ(日本時間の午後5時ごろ)、相次いで爆発があり、これまでに6人が死亡したということです。このほかに、地元のメディアは、数十人がけがをして病院に運ばれ手当てを受けていると伝えています。

中国版ツイッター「ウェイボー」に投稿された、現場だという写真には、4~5階建てとみられる建物の一部が大きく崩れている様子が写っています。


中国メディアは、現地の公安当局の話として、ショッピングセンターや地元政府、それに病院など13か所で小包が連続して爆発したと伝えていて、警察は市民に対して、送られてくる小包を開けないよう呼びかけるとともに、連続爆破事件とみて調べています。

【私の論評】 これは、中国の新たなテロの時代の幕開けか?

まずは、この爆発で亡くなられた方々のご冥福をお祈りさせていただきます。また、被害にあわれた方々は、お気の毒としかいいようがありません。

これは、天津の大爆発とはことなり、完璧なテロ攻撃です。上の記事では、6人死亡としてますが、これから死傷者の数が増えていくことが予想されます。

とうとう中国で、本格的なテロ攻撃が始まったようです。これは前々から予想していたことなのですが、場所は中国南西部の広西チワン族自治区ということで、意外でした。

以下に、微博からの映像などさらに、掲載しておきます。





このブログでは、中国でテロ攻撃が始まる可能性について掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

【佐藤優】中国はこれから深刻な国家的危機に陥る!!!―【私の論評】日本の安全保障は、第二イスラム国の脅威が中国西端に迫っていることも考慮に入れよ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事に掲載した佐藤氏の動画と、中国の国家的危機関する部分のみ以下に、掲載させていただきます。

"


上の動画で佐藤優氏は、中国の海洋膨張は終わるとしています。なぜかといえば、それどころではない状況が、中国に起こっているからです。それは、東トルキスタンと言われる、現在は中国領である新疆ウィグル自治区、その他キルギスさらに、カザフスタンの東部を含む地域には、すでにイスラム国の影響が及んでいるからです。

佐藤氏にいわせると、中央アジアに第二イスラム国ができるあがるのは、時間の問題であるとしています。現状は、イスラム国から随分とテロリスト・グループが入っており、キルギスあたりでは統治不能の状態になっているそうです。そうして、新疆ウィグル地区にも相当過激派が入っている状態になっているそうです。

これに関しては、以前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「イスラム国」“報復テロ”におびえる中国 弾圧で国外逃亡のウイグル族が合流―【私の論評】少数民族抑圧政策により、ここ数年毎年暴動が年平均10万件以上発生する中国で、イスラーム過激派のテロは苛烈さを極めることになる(゚д゚)!
新疆ウィグル自治区の暴動における犠牲者 写真はブログ管理人挿入以下同じ
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より一部以下にコピペさせていただきます。
 「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件を受け、中国政府は国内にテロが“飛び火”することへの警戒を強めている。中国では、ウイグル族に対する弾圧政策の結果、イスラム教徒らの国外逃亡が相次いでおり、出国後に「イスラム国」に合流するケースも少なくないとされる。中東でテロのノウハウを学んだ者が帰国し、中国当局への「報復テロ」に打って出る可能性が現実味を帯びているのだ。 
 「習近平国家主席体制になって、ウイグル族への弾圧は激しさを増している。新疆ウイグル自治区にはイスラム教徒が多く、耐えかねて、逃げ出した人々の中には、『イスラム国』に加わる者もいるようだ。こうした人々が報復してくることは十分に予想される」 
 中国事情に詳しい評論家の石平氏はこう指摘する。 
 石平氏は「中国にとってイスラム国によるテロは人ごとではなく、当局も警戒し始めている」と語る。 
 当局が危ぶんでいるのは国内でのテロだけではない。中国はイラクなどに巨大な石油利権を持っており、中国が開発する油田などがテロの標的になる可能性も否定できないからだ。

この連続爆破が、イスラム国と関係があるかどうかは今のところわかりませんが、何か新しい、情報が入りましたら、このブログにも掲載させていたたきます。

いずれにせよ、これはひよっとすると中国の新たなテロの時代の幕開けかもしれません。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年9月29日火曜日

朝日新聞も伝えた半島出身炭鉱労働者への厚遇 「ものすごい稼ぎ高」「特別の優遇設備はまるで旅館」―【私の論評】歴史的事実が証す、強制連行の虚偽(゚д゚)!


福岡県北部の朝鮮人鉱夫が、高額を稼いで、仕送りしている
と報じた大阪朝日新聞(南鮮版、昭和15年5月28日付)

朝鮮半島から日本内地に渡った炭鉱労働者が厚遇されていた実態は、当時の新聞報道からも、うかがえる。

大阪朝日新聞は、昭和15年4月21日付の中鮮版(朝鮮半島中部)で「朝鮮人鉱夫に特別の優遇設備 まるで旅館住ひ(ずまい)同様」を見出しに、福岡県水巻町の炭鉱の鉱業所が、朝鮮人労働者向けに新築の社宅とアパートを建設したと報じた。記事には、浴槽につかる朝鮮人労働者の満足げな写真も掲載しており、韓国政府が主張する「強制労働と人権蹂躙の現場」とは、ほど遠い印象を与える。

15年5月28日付の南鮮版(朝鮮半島南部)も、「朝鮮人鉱夫の物(もの)凄(すご)い稼高」の見出しを取って、同県北部の炭鉱で働く半島出身者の高賃金を記事にした。

朝鮮人労働者400人は同年3~4月の2カ月で総額1万7千円、1人あたり1カ月21円を故郷に送金した。契約期間後に支払われる、義務貯金と郵便貯金は計1万7、8千円稼いだという。記事は「その勤勉力行ぶりは全く内地人鉱夫たちの範とするに足る」と持ち上げた。

【私の論評】ドキュメントが証す、強制連行の虚偽(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事は、新聞という物的証拠があります。このような歴史的な事実は、さすがの韓国政府も否定することはできないでしょう。このような証拠、必ず保存すべきです。

日本の場合は、様々な歴史的資料を保存する習慣が昔からあるので、このあたりの資料はあちらこちらに、日本でも残っていることと思います。一方、朝鮮では古文書など、歴史を保存する習慣がないので、過去を忘却して、平気で歴史の修正を行うようです。

韓国の歴史は、古代はもとより、近代あたりもかなり怪しくどう考えても、修正されたとしか思えないような内容のものが多くあります。

しかし、このような資料を再度発掘して、白日の元にさらせば、慰安婦問題はもとより、歴史問題も、存在しなかったことが明らかになると思います。

人の記憶とはあいまいなものですし、それに簡単に捏造されます。実際、韓国人もとんでもない過去の虚偽の歴史を証言している例があまたあります。それよりも、当時の文書とか、写真とか、実際に使われていた遺品であるとか、そちらのほうがはるかに歴史の証言として役立ちます。

朝鮮人、強制労働の虚妄は以下の新聞記事でも、明らかだと思います。

大半、自由意思で居住。外務省、在日朝鮮人で
戦時徴用は245人(1959年7月13日 朝日新聞)
クリックすると拡大します
終戦直後、在日朝鮮人の北朝鮮帰還をめぐって韓国側などで「在日朝鮮人の大半は戦時中に日本政府が強制労働をさせるためにつれてきたもので、いまでは不要になったため送還するのだ」との趣旨の中傷を行っていたのに対し、当時外務省は、「在日朝鮮人の引揚に関するいきさつ」について発表しています。

これによれば在日朝鮮人の総数は約61万人ですが、このうち戦時中に徴用労務者として日本に来た者は245人にすぎないとされています。 

主な内容は次の通りです。 

一、戦前(昭和14年に日本内地に住んでいた朝鮮人は約100万人で、終戦直前(昭和20年)には約200万人となった。 
増加した100万人のうち、70万人は自分から進んで内地に職を求めてきた個別渡航者と、その間の出生によるものである。 
残りの30万人は大部分、工鉱業、土木事業の募集に応じてきたもので、戦時中の国民徴用令による徴用労務者はごく少数である。 
また、国民徴用令は日本内地では昭和14年7月に実施されたが、朝鮮への適用はさしひかえ、昭和19年9月に実施されており、朝鮮人徴用労務者が導入されたのは、翌年3月の下関-釜山間の運航が止るまでのわずか7ヶ月間だった。 
一、終戦後、昭和20年8月から翌年3月まで、希望者が政府の配給、個別引揚げで合計140万人が帰還したほか、北朝鮮へは昭和21年3月、連合国の指令に基づく北朝鮮引揚計画で350人が帰還するなど、終戦時までに在日していたもののうち75%が帰還している。 
戦時中に来日した労務者、復員軍人、軍属などは日本内地になじみが薄いため終戦後、残留した者はごく少数である。 
現在、登録されている在日朝鮮人は総計約61万人で、関係各省で来日の事情を調査した結果、 戦時中に徴用労務者としてきた者は245人にすぎず、現在、日本に居住している者は犯罪者を除き、自由意思によって在留したものである。
(1959年7月13日 朝日新聞)
戦時徴用に関しては、以前のこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【西村幸祐氏ツイート】まるで戦時中の徴用に強制的という言葉をつけるのが正しいように報道する劣悪なNHK長野の報道―【私の論評】歴史的事実常識を知らなさすぎのマスコミ、このような報道ばかりするというのなら存在価値はない(゚д゚)!
アメリカの戦時徴用のポスター、日本でいえば女子挺身隊のポスター
詳細は、この記事をご覧いただくものとしして、この記事から戦時徴用に関連する部分を以下にコピペさせていただきます。

"
徴用(ちょうよう)とは、戦争中などに、政府が国民や占領地住民を強制的に動員して、兵役を含まない一般業務につかせることです。

これも、当時のアメリカの女性徴用に関するポスター

日本では、1939年(昭和14年)に国民徴用令が制定され、第二次世界大戦の終結まで行われました。また物品や施設、船舶等を徴発することも徴用と呼びます。占領地住民に対する徴用・徴発についてはハーグ陸戦条約に規定があり、正当な対価のない徴用・徴発は禁じられています。

戦時中の日本では、1944年8月8日、国民徴用令の適用を免除されていた朝鮮人にも適用するとした閣議決定がなされました。その後、1944年9月より朝鮮人にも適用され、1945年8月の終戦までの11ヶ月間実施されました。

日本本土への朝鮮人徴用労務者の派遣は1945年3月までの7ヵ月間でした。戦後、賃金の一部が未払いであったことが問題とされましたが、1965年に締結された財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定によって未払い賃金を含めた経済支援が韓国に行われ、完全かつ最終的に解決されました。

当時徴用された朝鮮人の名簿「半島労務者」、「給与係」と書かれ
ている所に注目 これは今でいえば、賃金台帳のようなものです。
強制労働とは、賃金も対価も何もない労働のことで、この典型例は、終戦後も長きにわたって当時のソビエトのシベリアで、旧日本兵が食料も満足に与えられず、極寒の地で強制労働させられ、大量に死亡したという事実があります。

徴用とは、戦時中にアメリカなど含むどこの国でも実施されたことであり、従事する人には給料が支払われました。日本をはじめとする、アメリカを含む文明国の徴用を強制労働と称するのはは完全な間違いです。

戦時徴用され航空機づくりの作業に従事しているアメリカ人女性

強制労働というに相応しいのは、旧ソビエトの日本兵に対する強制労働です。これは、当時も現在に至るも給料など一銭も支払われておらず、完璧なハーグ陸戦条約違反でした。日本の徴用を強制労働とするのは完璧な間違いであり、認識不足です。

なお、当時のソビエトに抑留されて、強制労働によって亡くなった旧日本軍将兵の慰霊塔が日本各地に建立されています。その一つの写真を碑文を以下に掲載します。

忠霊園 高知県高岡郡東津野村 「シベリア虜囚の叫び」
碑文 

ソ連スターリンは全面的降伏をした我が日本軍を、戦争中の捕虜として流刑の地シベリアに強制連行して酷使し飢えと寒さに耐えられず八万人の将兵が惨めたらしく死んでいきました。  
これは国際法・人道上赦されぬ行為であります。  
この像は疲労困憊した兵が虱の猛威にたまりかね、伐採山で裸になり痩せ衰えた我が身体を見て落胆しながらも「俺は生きて帰り、この凍土の下に無念に眠る数多くの同胞の霊を浮かばせてやらねばならない」と故国の空に叫ぶ姿を描いた銅像です。  
世界のそれぞれの国がその人権を守り、永久の平和と戦友の冥福を祈るため、慰霊の像を建立するものです。 

平成十一年十月二十日之建  高知県シベリア強制抑留者慰霊銅像建立委員会 
 これが、強制労働というものです。これでも、徴用と強制労働は同じといえるのでしょうか。NHK長野の報道には、こうした常識に欠けています。

この記事の冒頭のほうで、「戦争中といえば、朝鮮人は日本国民でした、それを強制的に労働させれば、法律違反です」と掲載しました。

戦時や戦争直前というと、日本は軍国主義一色であり、行政も、国会も、司法も何もかも軍の言いなりだったなどということが盲信されていますが、それは全くの間違いです。
"
上の記事で、「金屋淵行 半島労務員 給与係」という文書の写真が掲載されています。これは、給与を支払っていたことの証として、このブログに掲載しました。

以下の写真です。



しかし、この写真をとんでもないことの査証として用いているサイトがあります。そのブログのリンクを以下に掲載します。


なんと、この写真、このサイトでは朝鮮人の強制労働の証拠として用いられています。しかし、これは大きな矛盾です。そもそも、強制労働ならば給与など支払うわけもなく、給与係など必要もなく、存在している事自体がおかしなことです。

この方は、この記事を書く上で、何かを参照し、写真も転載したと思われますが、その元もこの写真を強制労働の証拠としているのだと思います。

そのような視点でみると、このサイトに書かれていることは、何一つ出展が明らかにされていません。

韓国などの歴史資料は、このように出展が明らかにされていないものが多いです。これでは、正しい過去の歴史を表しているとはいえないと思います。

まともなドキュメントによって書かれていない、歴史は鵜呑みにしてはいけないです。自分で、ある程度ドキュメントを調べてから、判断すべきものと思います。

そうでないと、他者に偽りの歴史を刷り込まれたり、挙げ句の果てには操作されてしまいかねません。

そんなことでは、私達自分自身の主人公になることもできず、いつも他者に支配されることになってしまいます。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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