2015年10月3日土曜日

焦点:生産悪化で2期連続マイナス成長の公算、待ち受ける受注減―【私の論評】今月の動きで日本経済のここ10年の先行きが決まる(゚д゚)!

焦点:生産悪化で2期連続マイナス成長の公算、待ち受ける受注減
中国減速に端を発した世界経済の失速が、国内景気に
大きな逆風となって作用してきた。札幌市内で撮影

中国減速に端を発した世界経済の失速が、国内景気に大きな逆風となって作用してきた。8月生産は予想を大きく下回り、外需の悪化が設備投資にまで波及している姿が浮き彫りとなった。

7─9月期国内総生産(GDP)は4─6月期並みのマイナス1%台に転落する可能性が高まっており、この先に企業の新規受注の急減が表面化すれば、景気への悪影響は一段と強まる展開も予想される。

<8月生産と計画のかい離、東日本大震災以来の大きさ>

「生産面からみれば7─9月GDPは、4─6月期並みのマイナス成長になってもおかしくない」と、ニッセイ基礎研究所・経済調査室長の斉藤太郎氏は分析する。

8月生産に9月生産予測値を加えた7─9月期の生産は、前期比マイナス1.1%。ただ、このところ1次速報値は予測値から下方修正され続けており、一部のエコノミストは同マイナス1.4%程度に落ち着くと見込んでいる。

「生産はGDPをほぼ規定する重要要素。明確なマイナスとなるのに、GDPがプラスになるというシナリオは考えにくい」と斎藤氏はみている。

7─9月期のGDPに関し、民間エコノミストの見通しは8月時点で2.5%程度だった(フォーキャスト調査)。それが9月に1.7%に大幅下方修正され、30日発表の8月生産統計を織り込み後、ゼロ%近傍に一段と大幅修正する動きが相次いでる。

実際、8月生産は月初の生産計画から4.2%も下振れ、東日本大震災直後以来の大幅な見込み違いが発生するほど需要が減少した。中国減速や天津爆発事故の直接的な影響だけでなく、輸出全般の停滞が響いている。

加えて2次的な影響として、設備投資関連の需要悪化も目立ち始めた。資本財の生産は前月比4%近い落ち込みだ。一般機械では受注のキャンセルや納期延期が相次いだ。

GDPを左右する消費をめぐっては、10月2日発表の8月家計調査に注目が集まっている。今のところ実質消費支出は4─6月期平均と比べて横ばい程度で推移。7─9月を通してみれば、落ち込みの大きかった前期からは回復するとみられているが、けん引役になるほどの力強さは、どの統計からもうかがえない。

<景気後退論も浮上、政策対応への期待高まる>

政府関係者の中には、こうした事態を民間調査機関以上に深刻にとらえる声もある。ある政府関係者は「実需の落ち込みという面からみれば、リーマンショック以上かもしれない」との懸念を示す。

当時は金融機関の経営悪化から、企業の資金繰りや投資資金の回収といった金融面の引き締まりが発端だった。これに対し今回は、中国発の実需の縮小が直接影響している。

今のところ輸出や生産が急減というほどの悪化を見せていないのは、これまでの受注残を抱えているためだ。

しかし、9月の製造業PMIの新規輸出受注は1年3カ月ぶりに50を割り込み、急速な悪化となっている。9月ロイター企業調査でも、製造業の7割が今後の収益への懸念を示し、本格的な落ち込みはむしろ下期に出てくる見通しだ。

政府・日銀の中には、生産の停滞は「一時的」と楽観的に捉える声もある。だが、SMBCフレンド証券・チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏は「生産統計で前向きな循環メカニズムはまだ崩れていないものの、かなり弱くなっている現実が示された。景気後退説も流れるだろう」と指摘。

そのうえで「今後は企業収益の下方修正が、どの程度になるかを見極めるステージに入りそうだ」と話す。

岩下氏は、7─9月期GDPがゼロ%近傍ないしマイナスとなる公算が高まる可能性があり、そのシナリオが実現した場合「日銀は景気判断が外れてしまい、昨年秋の追加緩和も効果があったとは言いづらい状況になる」とみている。

バークレイズ証券は「7─9月期の実質GDPが前期比マイナスとなる可能性が示されれば、物価の基調に下振れリスクが出てきたということで、金融政策、財政政策ともに動かざるを得ないであろう」と予想する。

そのケースでは「日銀の景気判断は誤っていたということになる」と指摘。さらに「11月から12月初頭に3─5兆円規模の経済対策の作成、来年1月に2015年度補正予算成立という流れが想定される」との見通しを示している。

【私の論評】今月の動きで日本経済のここ10年の先行きが決まる(゚д゚)!

さて、上の記事では、補正予算が組まれる可能性を示唆していました。今まさに、株価も上昇に転じています。これは、政府の補正予算を期待しての動きであることは否めないと思います。

そうした、市場の動きを察してか、政府筋は補正予算に関して前倒しで、判断するとの見通しを発表してます。それに関する記事が本日報道されていましたので、その記事のリンクを以下に掲載します。
景気対策、必要かどうか10月中に前倒しして判断=政府筋

政府は、経済対策が必要になるかどうか10月中に判断する方向となった。政府筋が2日、明らかにした。日本を取り巻く経済情勢が急速に厳しさを増し、11月16日発表の7─9月期国内総生産(GDP)を見てから判断するという従来の予定を大幅に前倒しする。 
場合によっては秋の臨時国会で補正予算を審議する可能性にも言及した。 
政府筋は、経済対策取りまとめの判断時期について「11月まで待っていると遅いかもしれない」と語り、経済指標の大枠が出そろう10月中に「準備にかかる可能性がある」との見解を示した。 
また、経済情勢次第では「緊急経済対策に伴う補正予算は、例年なら来年1月の通常国会となるが、前倒しした方がよいとの判断になる可能性もある」とした。 
そのうえで、経済対策について「あまりゆっくりもしていられない。状況は厳しい」と語った。 
足元の景気情勢に関して、政府筋は中国経済の減速や資源価格の下落、北欧数カ国で利下げに踏み切ったが金利情勢に変化が認められない状況などを挙げ、「世界的に相当デフレ圧力が強まっている」とも指摘。「国内の基盤は良いが、海外要因で国内(経済)が悪くなっている。海外のデフレは必ず連動してくる」と警戒感を示した。 
一方、日銀の追加緩和の是非については「日銀が判断すること」と述べるにとどめた。追加緩和による円安加速リスクに関しても「コメントできない」としたが、1ドル120円前後で推移する現状の為替相場については「コンファタブル(居心地が良い)」と答えた
規模に関しては、まだはっきりはしませんが、政府が補正予算を組むのは間違いないようです。それに関しては、以下の動画をご覧いただくと良くおわかりになると思います。



この動画によれば、官僚が大忙しで動き回っているそうで、補正予算を組むのはほぼ間違いないようです。

この動画でも解説してますが、鉱工業指数は97で前月比−0.5%、一昨日でた日銀短観では、製造業IDが、15から12に低下、非製造業IDは、23から25増となっています。

ただし、非製造業が増えたのは、日本の消費者の消費が増えたというよりは、中国の爆買いによるものと、上念氏は解説しています。ということは、これがいつまで続くのか保証の限りではないということです。

そうして、昨日でた家計調査による、消費支出は、実質2.9%増ということで、ようやっと8%増税の悪影響が薄れてきたようです。

いずれにしても、統計数値からみてこのままでは、日本経済がさらに落ち込むことが十分予想されます。

当然のことながら、経済が落ち込んだ原因は、まずは8%増税です。そうして、中国の経済の落ち込みもプラスアルファで悪影響を与えています。

安倍政権としては、来年の7月に参院選挙を控えていますから、その前までに確実に経済を良くしておかなければならないのはいうまでもありません。

だから、補正予算を組むのはほぼ間違いないと思います。

さらに、今月は、様々な重要日程が組まれています。10/6、7日銀政策決定会合があります。10/7内閣改造があります。

補正予算が、少なくとも10兆円を超えるものであれば、来年の参院選の頃には、ある程度間違いなく経済は回復していることが見込まれます。

金融政策決定会合において、追加金融緩和措置が決定したとしても、金融緩和の効果がはっきりあらわれてくるのは、1 年〜2年かかります。だから、すぐに追加緩和したとしても、来年の選挙の頃までにはあまり効果ははっきりしたものにはならないでしょう。

だからこそ、補正予算の規模が重要になってきます。

それにしても、安倍政権がデフレから完全に脱却して、長期安定政権になるためには、大規模補正予算も追加金融緩和も必要です。それに、以前もこのブログに掲載していたように、日本経済をどん底に沈める、10%増税を阻止するために、安倍総理が来年の参院選挙で「10%増税の延期」を公約としてかかげ、参院だけではなく、衆院も解散して、衆参w選挙として勝利するためにも、これらは絶対に必要です。

これらを確実にするために、安倍総理は今月中に、大規模な補正予算を方針を決めること、追加金融緩和を決めさせること、衆参w選挙をすることを決定するという意思決定をすることが必要不可欠です。

これらが、成就出来ない場合、ここ10年日本は長期の経済低迷の時代に再度見舞われることになります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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