2015年10月28日水曜日

南シナ海へ米艦派遣、オバマ大統領の狙い 佐藤守氏「本気で習体制揺さぶる気だ」―【私の論評】中国は惨敗!米TVドラマで理解できるイージス艦の卓越した能力と、対中国でアメリカが持つ奥の手(゚д゚)!


当初の中国の南シナ海での行動はこのようなものだった。この程度の土地を
起点にして最近では大きな滑走路まで備えた軍事施設を建設するようになった

習近平国家主席率いる中国が猛反発している。米海軍のイージス駆逐艦ラッセンが27日、中国が「領海」と主張する南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島での監視・哨戒活動を開始したのだ。中国共産党の重要会議である第18期中央委員会第5回総会(5中総会)が26日、北京で始まったという絶妙のタイミング。オバマ米大統領の狙いとは何か。

「『航行の自由』の名目で、他国の主権と安全を侵害することに断固反対する」「(人工島の建設は)今後も続けていく」

中国外務省の華春瑩副報道局長は、このようなコメントを発表した。大国のメンツを潰された怒りがにじむが、オバマ氏がゴーサインを出した時期も衝撃だったようだ。

中国はこうした岩礁に無理やり人を「居住」させて領有権を主張した
 航空自衛隊南西航空混成団司令を務めた佐藤守・元空将(軍事評論家)は「私は『オバマ氏は5中総会を避けるのではないか』と思っていた。この時期に作戦行動に着手した意味は大きい。オバマ氏は本気で中国国内を混乱させ、習体制を揺さぶる気だ」といい、続けた。

「米軍は今春には、艦艇派遣の行動計画を完成させていた。オバマ氏は9月の米中首脳会談を受けて、最終決断したようだ。『これ以上、国際法を無視し続ける中国を放置すれば、世界中で米国や米軍に対する信頼が失墜する。中東はさらに混乱する』と腹をくくったのだろう。まずはイージス駆逐艦で様子を見て、空母ロナルド・レーガンなどを派遣するのは次の段階だ」

【私の論評】中国は惨敗!米TVドラマで理解できるイージス艦の卓越した能力と、対中国でアメリカが持つ奥の手(゚д゚)!

上記のような岩礁を元に、埋め立て工事を実施し、現在のような軍事基地化をした中国、盗人たけだけしいとはこのことです。

日米も、近隣諸国も上記の写真のようなことを中国が始めたときに、はっきりと手を打っておくべきでした。軍事衝突も厭わない姿勢で、これにしっかりと対峙しておけば、このようなこともなかったことでしょう。

こうした、過去のある中国ですから、尖閣も今のまま放置しておけば、やがて尖閣を奪い、その後は沖縄をとりにくることは必定です。

寸土の土地も、奴らに渡してはなりません。尖閣に上陸するようなことでもあれば、日本は奴らを殲滅できるように体制を整えておくべきです。尖閣は、日本固有の領土ですから、警察権の行使に過ぎず、たとえ上陸舞台を殲滅したとしても、世界中の国々がこれを批判するということもあり得ません。



さて、南シナ海に米国は、イージス艦「ラッセン」を派遣しましたが、このイージス艦どのような船であるのか、また実戦になれば、どのような戦い方をするのか、これは知らない人も大勢いると思います。

私自身も、軍事雑誌で読んだり、ミサイルが発射されるのを動画などで見たことがあるのみで、詳しくは知りません。

しかし、それを知る機会が最近ありました。それは、"The Last Ship"というアメリカのドラマです。Huluで第一話が、最近配信されたばかりです。これは、第一話を本日観たばかりなのですが、イージス艦が舞台のドラマです。下に、その予告編を掲載しておきます。


実際にイージス艦が登場に、第一話ではロシアのヘリコプター群との戦闘が描かれていました。迫力満点でした。

以下にこのドラマについて、簡単に紹介しておきます。

全世界絶滅の危機! 未来は、最後の戦艦に託された―。「任務を遂行し、絶対に生きて還る。」手に汗握る不屈の救出劇―。

『トランスフォーマー』や『アルマゲドン』のマイケル・ベイ監督が初めてTVドラマ界に進出し、初めて製作総指揮を務めた海洋アクションドラマ『ザ・ラストシップ』が日本初上陸! 原作はウィリアム・ブリンクリーのベストセラー小説「The Last Ship」。

全人類が絶滅するほどの猛威をふるう伝染病が全世界に広まったところからドラマは始まる。米国では、新作ドラマ視聴率No.1を獲得! 平均視聴者数は750万人を記録。主人公の合衆国海軍駆逐艦ネイサン・ジェームズの艦長、トム・チャンドラー役【声:神尾佑】を演じるのはエリック・デイン (代表作:グレイズ・アナトミー)。

生粋の海軍軍人で決断力に優れると共に、公平で勇敢な男を熱演。そして、意志が強く知性にあふれるヒロインのレイチェル・スコット役【声・藤本喜久子】にローナ・ミトラ (代表作:ボストン・リーガル)。世界中に広がる伝染病を解明するためにネイサン・ジェームズに乗船した細菌学者を演じる。

この動画をご覧いただければ、イージス艦の強力な武装と、先端性や、実際の戦闘ぶりなどが良く理解できます。

さて、上の記事ではオバマ大統領が『これ以上、国際法を無視し続ける中国を放置すれば、世界中で米国や米軍に対する信頼が失墜する。中東はさらに混乱する』と腹をくくったとされていますが、実際そうでしょうが、それ以前にアメリカ議会の圧力がかなり強くなって、さすがの及び腰オバマもこうする以外ないように追い込まれたのだと思います。

それに、ついては、昨日のこのブログにも掲載したばかりなので、詳しくはそちらを御覧ください。ここでは、説明しません。

さて今回このような行動に出た米国ですが、皆さんは、この動きを無謀だとお考えでしょうか? 私は、決して無謀だとは思っていません。

まずは、これは昨日のこのブログに掲載したことですが、米中の軍事力には学力にたとえると、大学院生と幼稚園児の差があります。駆逐艦一つとっても、米国のイージス艦と、中国の駆逐艦は、形こそイージス艦を真似ていて似ていますが、その戦闘能力は雲泥の差です。

蘭州級駆逐艦「海口」形こそ米国のイージス艦に似ているが似て非なるもので、武装は格段に劣る
さてこんな状況ですから、中国は米国と戦えば、何もできないうちにあっという間に、殲滅されてしまいます。

上の蘭州級駆逐艦「海口」は2003年10月に進水、2005年末に就役した2番艦です。全長は154mで中国海軍の軍艦の中では比較的新しい防空システムが導入されており、中国国産多機能アクティブフェーズドアレイレーダーも搭載されていますが、これもイージス艦のものと比較すると随分遅れたもので、問題外の代物です。

昨年、環太平洋合同演習に参加した中国の駆逐艦が公開されましたが、見学した日本の軍事雑誌記者によると中国版イージス艦といわれるわりに内部は酷い状態だったと評価しています。

中国紙・銭江晩報は昨年8月8日、「日本メディアが中国軍艦のダメージコントロールを『酷評』、専門家は『差があるのは確か』」と題した記事を掲載しています。その記事を以下に引用します。
2014年の環太平洋合同演習で公開された中国の駆逐艦「海口」号を見学した日本の軍事雑誌記者が海口号のダメージコントロールの欠如ぶりを酷評した。たとえば、海口号の消火設備は通路に消火器が置かれているだけ。救命胴衣も壁に固定されないまま置かれている。食堂のテーブルや椅子も床に固定されていないため、嵐に見舞われれば簡単に動いてしまう。
Xinhua
ダメージコントロールとは敵に攻撃されたり、または座礁など船に深刻な被害が生じた場合、被害を最小限に抑えるよう船員が行う緊急処置のことです。

しかし、記者によると蘭州級駆逐艦「海口」はダメージコントロール以前に消火設備は通路に消火器が置かれているだけ。また、固定されていない木製テーブルが使われており船体が傾くような損傷を負った場合、船員の活動が困難になるようなそのような内部構造になっていたそうです。

それと、アメリカにはもう一つ大きな奥の手があります。それは軍事力ではありません。金融です。

米国が中国に対して中国の金融資産凍結などの、金融制裁を行った場合、中国はとんでもないことになります。それこそ、中国人民元は大暴落します。

なぜなら、中国の外貨資産の大半はドルであり、残りはドルと交換できる国際通貨のユーロや円などです。つまり元は事実上、ドルの裏付けがあるという意味での信用を獲得し、増発が可能になっていたのです。

アメリカが本格的に金融制裁に踏み切れば、中国経済は完璧に崩壊します。経済が崩壊した状態では、とてもじゃないですが、アメリカと事を構えることなどできません。

いずれにせよ、最初から勝負ありきということで、軍事的にも経済的にも、中国は徹底的に追い詰められることになります。国際法的見地からしても、中国の身勝手な言い分は通りません。

いずれにせよ、習近平はどうあがいても、南シナ海の領有権争いでは全く勝ち目はありません。

アメリカが本気で習体制を揺さぶれば、習には勝ち目は全くありません。さて、習はこの危機をなんとか打開できるのか、あるいは崩壊するのか、今後の推移を見守っていく必要があります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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