2017年3月7日火曜日

「喜び組」の定年は25才 口にするのも…な酷い罰ゲームも―【私の論評】北朝鮮ではなく金正恩個人の統治の正当性をせめよ(゚д゚)!

「喜び組」の定年は25才 口にするのも…な酷い罰ゲームも

上海の北朝鮮料理店での喜び組「歌謡組」と
おぼしき女性 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 『喜び組』--その名前を耳にしたことのある人も多いだろう。1984年12月に、金日成国家主席に次ぐナンバー2だった金正日総書記(当時は書記)に「喜びを与え」「休息を確保する」目的で結成された組織。そもそもは、芸術好きの金正日の歓心を買うため、党幹部たちが北朝鮮では最高レベルとされた『万寿台芸術団』の踊り子などを接待係として、パーティーなどに動員したのが始まりだった。大阪生まれの在日朝鮮人で、踊り子からファーストレディーになった金正恩の母・高英姫もこれに所属していた。

『喜び組』は3つの部隊に分かれるとされる。

歌や踊りを習得し、パーティーを華やかに演出する「歌踊組」、マッサージで慰労する「幸福組」、そして性的サービスを担当する「満足組」だ。北朝鮮の内情に詳しいジャーナリストの惠谷治さんは語る。

「メンバーは18才から25才までの選りすぐりの美女。朝鮮労働党の組織指導部第5課という人事を担当する部署の職員が、全国の学校を回って、美人学生を物色するのです。

毎年、北朝鮮全土から選ばれる女子の数は約300人ともいわれます。それから厳格な健康診断を経て、最終的に50人ほどが選ばれます。『喜び組』に入る絶対条件は処女であること。そして金正日好みの細身ではあるけれど、丸顔でふっくらした顔立ちでなければいけません」(惠谷さん)

最終的に『喜び組』に選ばれると「護衛司令部」という、金総書記の警護部に配属され、少尉として遇されることになる。給与なども将校レベルが保障され、一般の労働者の2倍から3倍といわれるが、それだけではない。

「このほか特別配給があり、祝日などには食料や布施など、一般市民には手に入りにくい品が両親など家族に届けられます。ただし将校だから高待遇というよりは、口止め料と考えるのが正しいと思います。実際喜び組に選ばれた段階で、『活動内容を口外しない』という誓約書を書かされるといいます」(惠谷さん)

それも当然。活動実態は、口外がはばかれる内容だからだ。その実態について、1995年に北朝鮮から韓国に亡命した元喜び組の申英姫さんが、著書『私は金正日の「踊り子」だった』で詳しく暴露している。


申英姫さんは1961年生まれ。北朝鮮の平城芸術専門学校を卒業し、1981年、前述した『万寿台芸術団』へ入団。そしてまもなく金正日総書記も出席するパーティーへの出席を指示される。同書によれば、会場には当時の北朝鮮の最高幹部約20人が顔を揃えていた。1984年になって、喜び組が正式に組織化されると、申英姫さんはその一員に選ばれ、「曲芸組」と呼ばれたグループの踊りについてこう触れている。

 《舞台に上がった曲芸組の衣装は、ブラジャーで胸をすれすれに隠し、下半身は何もはかないで、赤のショールを巻いただけだった。そんな身なりで刺激的な動きをすると、一部の酔っ払った幹部らは舞台に上がり、曲芸組の赤いショールをこっそりめくってみたり、指で陰部を突ついてみたりした》
週に1、2回開かれる酒宴での接待。こんな罰ゲームを強制されることもあった。

 《金正日が酩酊してしまうまで、パーティーは終わらない。ゲームも行われる。たとえば、カード遊びをやって負けると、男女問わず一枚ずつ服を脱がされたりする》
酔いが回ると、罰ゲームはさらにエスカレートしていく。

《もし男が負ければバリカンでザクザクと髪の毛を刈り、女が負けたら陰毛を刈る、ということさえあった》

惠谷さんが言う。

「『喜び組』が参加するパーティーの実態を知る者は北朝鮮の高官だけ。北朝鮮の一般市民は、喜び組という存在さえ知らないはずです」

当然、喜び組に選ばれる若い女性たちも、申英姫さんが告白したような性の奴隷にされるとは夢にも思っていない。ひたすら国家のため、党のため、偉大な指導者のため、と純粋に信じた結果がこれなのだ。

「『喜び組』は25才が定年となります。高英姫は金正日の目にとまって、子供まで産みましたが、他の女性たちも卒業後は防衛司令部の将校など、身分の高い幹部と結婚することになります」(惠谷さん)

『喜び組』は金正恩政権でも健在だといわれている。妻の李雪主が所属していたと見られている『銀河水管弦楽団』は、2013年8月、韓国のメディアが、ポルノ映像制作などの性的スキャンダルが発覚し、メンバーはじめ十数人が処刑されたと報じた。ファーストレディーとなった李雪主の醜聞を抹消するための処刑という可能性も指摘された。



そんなふうに粛清とともにあった金王朝だが、身内に手をかけたのは今回が初めてだ。これについて『金正日秘録』の著書がある龍谷大学教授・李相哲さんはこう見ている。

「それだけ金正恩の立場が危ういということなんです。金正日は何があっても自分の地位を脅かす人なんていないという自信があったけれど、まだ若い指導者の金正恩にはそこまでの権力がない。金正日の息子だからその座にいるという現実が、彼を疑心暗鬼にさせているんだと思います。(マレーシアで殺害された長男の)金正男自身は政治に興味がなかったのですが、例えば金正男が生きている限り、金正恩に敵対する勢力が金正男をまつりあげる可能性はゼロではありませんから」

国際事情にくわしいジャーナリストのなかでは、金正日が最期まで重用した金正恩の異母姉にあたる金雪松が拘束され、まもなく暗殺されるのではないかと噂になっている。同様に、チェコ大使を務める金正日の異母弟・金平一の命も狙われているとの情報も飛び交っている。

※女性セブン2017年3月16日号

【私の論評】北朝鮮ではなく金正恩個人の統治の正当性をせめよ(゚д゚)!

妻の李雪主が所属していたと見られている『銀河水管弦楽団』に関するスキャンダルとは以下の様なものです。

これは、2013年10月07日 の東スポウェブからの引用です。
 北朝鮮の金正恩第1書記が、李雪主(リ・ソルジュ)夫人を主要行事に同伴させる回数をめっきり減らしている。これは李夫人が過去に起こした下半身スキャンダルに正恩氏が苦しんでいるからだという。
李雪主(リ・ソルジュ)夫人
 李夫人は、先月(ブログ管理人注:2013年9月)15日に平壌で行われた国際重量挙げ競技大会を観戦して以来、2週間以上も公の場に姿を現していない。正恩氏の平壌文殊文繡水泳場訪問(22日)に随行するとみられていたが結局、現れなかった。 
 朝鮮半島情勢に詳しい関係者によると、北朝鮮の公安当局はポルノビデオを観賞及び出演した罪で公開銃殺刑にされた正恩氏の元恋人で国民的歌手、玄松月(ヒョン・ソンウォル=本名ハン・ソンウォル)さんに関する調査を行った。その中で、李夫人の下半身に関する衝撃情報を正恩氏が知ることになり、公式行事に連れて行くことを避けるようにしたようだ。 
玄松月(ヒョン・ソンウォル=本名ハン・ソンウォル)
「玄さんと一緒に銀河水管弦楽団の団長が逮捕されましたが、同楽団には李夫人も所属していた。逮捕後の取り調べで、ある楽団員が『李雪主も私たちと同じように男と楽しく遊んでいた』と供述したんです」と日本の公安関係者は明かす。 
 李夫人は音楽的な才能が認められた子女が通う中学を卒業後、中国に留学し声楽を専攻。その後、銀河水管弦楽団で歌手として日本や韓国を訪問した経験がある。2005年、韓国・仁川広域市で開催されたアジア陸上競技選手権大会では北朝鮮選手を応援する“美女軍団”のメンバーとして注目を集めた。 
 朝鮮半島情勢に詳しい関係者は「北朝鮮女性の初体験は早い。昨年、北朝鮮の子女の間で最も人気を集めた商品はコンドームでした。また、地方都市の中学校6年生(16歳)全員を対象に、軍入隊身体検査を実施したら女子生徒の60%以上が非処女だった。処女が条件の『喜び組』に入れる生徒もいなかったとか。李夫人も、同じ年代でSEX経験者だった可能性があります」と指摘した。 
 故金正日総書記は、高英姫夫人の万寿台芸術団時代の過去を徹底的に消すことに成功した。 
 だが、正恩氏にとって李夫人の偶像化が困難になったことは確かなようだ。
そもそも、高英姫自身にも問題がありました。高英姫が大阪生まれの在日朝鮮人だったということです。

金日成氏から三代続く世襲政治は、もはや社会主義体制というより封建体制、王朝体制であり、日成氏を始祖とする「白頭の血統」が今の金正恩体制の拠り所となっています。金正恩体制が目指す先にあるのは「李氏朝鮮」ならぬ「金氏朝鮮」なのかもしれません。

しかし「白頭の血統」を強調すればするほど、そこに隠された最大のアキレス健も浮かび上がってきます。

なぜなら、正恩氏は、元在日朝鮮人帰国者の高ヨンヒ(高英姫)が実母だからです。

高ヨンヒが大阪鶴橋生まれの在日朝鮮人であることは既に知られています。一時期、高ヨンヒの出自に関しては「プロレスラー高太文の娘」という説が流れていたましたが、この説は完全な誤りです。彼女は高京澤(コ・ギョンテク)の娘であったことが明らかになっています。

高ヨンヒの日本での朝鮮名は「高姫勲」で日本名は「高田姫」だったのですが、北朝鮮へ帰国後「高ヨンジャ」と名前を変え、最終的に「高ヨンヒ」の名前を使用することになっったのです。1973年には万寿台芸術団の舞踊家として来日しています。


上の写真は本紙が公演スケジュールを全て終え、新潟から北朝鮮へ帰る時に撮影された貴重なスナップ写真です。

高ヨンヒに関しては2012年に労働党幹部向けに配布された「記録映画」が北朝鮮当局によって回収する騒ぎがありました。金正恩の母親の偶像化を目的とした記録映画だったのですが、一般住民にまで出回り「不都合な真実」が広まることを北朝鮮当局が恐れて回収に乗り出しまし。

「不都合な真実」とはまさに「白頭の血統の頂点に君臨する金正恩同志には在日朝鮮人帰国者の血が流れている」ことでした。

それだけではない。高ヨンヒの父親・高京澤は、戦時中日本陸軍管轄の工場で働きました。これは北朝鮮の尺度からすれば「親日派」になります。戦後は日韓を往来する密航船で大もうけし何人もの愛人を囲ったのですが、北朝鮮からすればこの経歴も許しがたいものでしよう。

2012年の記録映画回収騒ぎ以後、高ヨンヒに関する話は一切出て来ません。彼女の存在を際立たせれば際立たせるほど、白頭の血統の正当性が揺らぐからでしょう。

しかし北朝鮮体制の行方を左右する正恩氏と与正氏兄妹が、在日朝鮮人である高ヨンヒから生まれたことは逃れられない「事実」です。

※高ヨンヒは一般的に「高英姫」と漢字表記されるが、これは誤りです。韓国語表記の「ヨン」は二種類あって高ヨンヒの場合は「英姫」にならない。当時の北朝鮮では既に漢字を使っていなかったために漢字名は不明ですが、彼女が舞踊家だったことを考えると「踊姫(ヨンヒ)」も考えられます。

李雪主夫人に関しては、北朝鮮内でも人民にはあまり人気は高くはないようです。以下にそれを示す、Dairy NKのリンクを掲載します。
「芸人が国母とは」…李雪主非難世論拡散
金正恩の夫人、李雪主に対する北朝鮮住民の否定的な世論が急速に拡散しているという。2012年7月に北朝鮮メディアに公式に登場した彼女が、人民に親しい社会主義の気風に相応しくない華麗で豪華な装いをし、出身成分を重要視する北朝鮮において銀河水管弦楽団出身者が最高指導者の夫人になるとはとの世論が若い層を中心に広まっていると消息筋が伝えてきた。 
特に家父長的な北朝鮮社会で、高齢の高位幹部らが20代中盤の李雪主に90度のお辞儀をすることに対し、住民は強い拒否感を見せている。また国の運営において金正恩をまともに補佐することができるのかと批判世論も拡散している。 
25日、平壌をはじめ咸鏡北道や両江道の消息筋によれば、北朝鮮住民の間で李雪主に対し ▲「歌、踊りをしていた芸人が国母とは…」 ▲「化粧、おしゃればかりで共和国に関心はあるのか」 ▲「祖父のような幹部が青二才の娘に90度で挨拶するのは見苦しい」 ▲「国の政治に理解などあるわけがない」などの非難が相次いでいるという。
平壌の消息筋は同日、デイリーNKに「北朝鮮住民の間では将軍様の夫人の李雪主同志に対する非難が若い層を中心に拡散しており、北朝鮮当局がこれを防ぐために苦労している。李雪主同志に対し、旅芸人、芸人、贅沢者などと否定的な発言が出ている。数十年間共和国を率いてきた老幹部が若い娘の李雪主に90度に腰を曲げて挨拶するのを見た住民は、最初は顔をしかめる程度だったが、最近では見苦しいと口に出して話している。共和国が食糧事情が悪く配給もない状態なのに、あのようにおしゃればかりに気を使う人間(李雪主)を我が共和国の国母と言うのは無理があるとも話している」と伝えてきた。
以上から、母親から、夫人にいたるまで、スキャンダルに悩まされる金正恩の苦悩が浮かび上がったものと思います。以下に、金正恩一族のに家系図を掲載しておきます。



さて、ブログ冒頭の記事では、『喜び組』のなかでも、「歌踊組」であったと思しき申英姫さんの証言がでています。

喜び組(本来の日本語訳は、喜ばせ組)の中でも満足組はさまざななテクニックを持っているようで、事実様々な訓練が行われていたことが明るみに出ています。

現在は配信が中止になっている「週刊現代Online」の過去に金正日の満足組だった脱北者からの証言に関する過去の記事(魚拓に残っていたもの)をそのまま一部を抜粋して掲載します。この記事は、満足組であった脱北者が受けた性的訓練の内容です。
【レッスン1 お酒を注ぐ】「男性がその気になるような恰好をしてお酒を注ぐ練習をしました。いちばん恥ずかしかったのは、ショートパンツくらいの丈しかないミニスカートで、ストッキングは穿はかずに下はパンティだけ。その上はブラジャーを着けずキャミソールのような衣装でした。そうしたコスチュームを着て、伝統舞踊をアップテンポで踊りながら、お酒を注ぐ訓練もするのです」 
 当然、肌を密着させ、胸や腰を男の目に晒さらすように踊ることは言うまでもない。北朝鮮でも韓国でも変わらないが、儒教国家であるため、父親と夫以外に酌をすることは、それを生業なりわいとするホステスを別にすれば、厳しく戒められる。彼女の恥じらいは、われわれの想像を絶するものがある。 
【レッスン2 服を脱がせる】「いま思えば、5課での訓練は、『本当に教育だったのか』と憤りさえ覚える恥辱的な内容のものばかりでした。西洋のポルノビデオを観ながら、セックスのテクニックを学ぶ講義があったことは、前回お話ししました。実はビデオの女優と同じことができるようになるための訓練もさせられていました」 
 喜び組の同期生は彼女を含め14~15人いた。男性を喜ばせる“実技”の実習は、女性同士二人一組になって行われたのだという。 
「まず、上手に男性の服を脱がせなくてはいけません。相手の体を愛撫し、さらに自分の服も、お酒を注ぐときと同様、伝統舞踊を舞いながら脱ぎます。男性がその気になるように、自分の体をアピールしながら脱いでいくのです。日本では『ストリップ』というのですか。 
 教室は四方が鏡張りになっていて、教官から名指しされたら、同期の見ている前で服を脱がなくてはなりませんでした。教官は口頭でしか説明してくれず、後は自分で考えてやるしかありません。腕が伸びきっていなかったり、少しでも動きにためらいがあると叱責されて、教官のOKが出るまで何度でもやり直しをさせられました」 
【レッスン3 体を洗う】「男性の体の洗い方も女性同士で、練習しました。まず髪を洗い、次はスポンジにボディソープをつけて泡を立て、体を洗うのです。もちろん、ただゴシゴシと洗うわけではありません。スポンジを持っていない手で相手の体を優しく撫でながら洗うのです」 
【レッスン4 キスをする】「キスの実技もありました。すぐに唇を重ねてはいけないのです。最初は相手の上唇を舐めて、次に下唇を舐めてあげてから唇を重ねます。そして唇と歯の間に舌を入れ、歯一本一本の歯茎をゆっくりと舐めてあげると、男性が気持ち良くなると教わりました」 
【レッスン5 フェラチオ】「いちばん難しかったのは、男性のあそこ……シンボルへの愛撫でした」 
 取材するにあたり、本誌の女性記者が「フェラチオ」「性感帯」などの単語を用いて質問しても、金さんはそうした言葉をまったく知らなかった。彼女は、女性教官から教えられた行為のひとつひとつを憶えているだけで、セックスにまつわる行為に興味を抱いているわけではなかった。 
「教官は『女性が口を使って男性器を愛撫すれば、男性は必ずといっていいほど悦ぶ』と教えてくれました。すべて口頭で教わったのですが、ただ口に入れればいいというわけではありませんでした。 
 まず、男性器全体を口の中に入れます。頬をすぼませて息を吸いながらゆっくりと吸い上げて、先端のほうに着いたら、またゆっくりと口の中に入れていく。それを繰り返しながら、手は睾丸や脚の付け根、腰の周りなど感じやすいところを撫で回すのです」 
【レッスン6 いつでも金総書記を悦ばせる気持ちで】 喜び組の訓練では、悦ばせる対象となる男性として、常に金総書記を想定することを厳しく言い渡されていた。だから、こんな想定問答までさせられたという。 
「もしも総書記がセックスの最中にオナラをしたとしたら、どう反応すればよいと思いますか? 聞こえなかったふりをするという答えは、不正解です。そのような時は『総書記のオナラは、最高級の香水よりも素晴らしい香りがいたします』と誉め称えなければなりません」
以上満足組の訓練まで、掲載してきましたが、結局このようなスキャンダルが次々と出て来るということは、 金正恩の統治の正当性が低いということが原因です。

金日成氏から三代続く世襲政治は、もはや社会主義体制というより封建体制、王朝体制です。金日成が日本と戦って、北朝鮮の独立を勝ち得たというわけでもなく、結局当時のソ連の影響下で独立したといことで、そもそもこの時点から金日成の統治の正当性そのものに、あまり根拠がありません。

さらに、昨日このブログに掲載したように、金日成そのものが、そもそも英雄であった金日成ではなく、替え玉であったこと、それを隠蔽するためにも白頭血統が捏造されたのです。

正恩氏が、正男氏殺害を決断したとされる背景には、亡命政権構想の関係者と正男氏が接触していたことが指摘されています。亡命政権の誕生は、正恩氏の政治的生命を脅かし、場合によっては死にも直結します

だからこそ、正恩氏は殺害を急いだとみられています。


そうして、過去にも、正恩氏が過敏に反応したケースがあります。それは、いずれも、北朝鮮で「最高尊厳」とあがめられる正恩氏の権威を著しく傷つけるものでした。

一つは、国連決議をめぐって、正恩氏を国際刑事裁判所に訴追しようとする動きがあったときです。北朝鮮は外相を15年ぶりに訪米させ、欧州には朝鮮労働党で国際問題を担当している書記が送り込まれました。

もう一つ、韓国から北朝鮮に向けて飛ばされている風船ビラに、正恩氏の妻、上にも掲載した李雪主(リ・ソルジュ)氏のセックススキャンダルが記されていたときです。正恩氏は「絶対やめさせろ」と指示したとの情報があります。

一連の事例から分かるのは、正恩氏は北朝鮮に対する批判にはそれほど反応しないのですが、正恩氏個人の尊厳に危害が及ぼうとすると、敏感に反撃に出るということです。

正男氏殺害事件を受け、正恩氏を動かそうとする試みも始まっています。北朝鮮向け短波ラジオ放送「しおかぜ」は2月25日から、番組で殺害事件や北朝鮮ではタブーとされる正恩氏の母、高英姫(コ・ヨンヒ)氏の「在日朝鮮人」という出自にも触れています。



しおかぜを運営する「特定失踪者問題調査会」の村尾建兒(たつる)専務理事は「金正恩氏を煽(あお)る情報を送れば、何か変化が起きるかもしれない。正恩氏を刺激することで、拉致の交渉に乗ってこないともかぎらない」と話しています。

これまでの北朝鮮の反応を見れば、北朝鮮への情報注入が事態を動かす1つの契機となる可能性は十分あります。

このような情報を流すということは、間接的にではありますが、金正恩氏の統治の正当性を脅かす方向に動くのは間違いないです。

そもそも、このブログで以前から掲載しているように、元々統治の正当性の低い金正恩氏は、それを補うために、核ミサイルを打ったり、一連の粛清を行ったり、金正恩氏の暗殺に手を染めているのです。

もし、金正恩氏の統治の正当性が高いものであれば、わざわざこれらのようなことを連発する必要性などありません。

北朝鮮の統治の正当性を脅かすようなことには、金正恩氏は国全体で対処することができますが、個人の統治の正当性に対する脅威に関しては、個人で対応するしかありません。

個人の判断には、ミスが大きくつきまといます。北朝鮮ではなく、金正恩氏個人の統治の正当性への攻撃のほうがこのミスを招かせる確率がはるかに高いです。金正恩氏か大きなミスをした場合、確かに日本が拉致被害者問題におおきくつけいる隙を与える可能性は大きいです。

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