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2018年8月23日木曜日

【主張】台湾に断交圧力 地域の安定損なう動きだ―【私の論評】これからは、国や企業や個人であろうと、中国を利することになると米政府が判断すれば、牽制・制裁の対象になる(゚д゚)!

【主張】台湾に断交圧力 地域の安定損なう動きだ

中米全図 地図はブログ管理人挿入 以下同じ

 中国が、中米エルサルバドルとの国交を樹立した。これに伴いエルサルバドルは、外交関係のあった台湾と断交した。

 台湾の孤立化を狙う中国が仕掛けた、露骨な圧力外交の結果だ。

 台湾を外交承認する国は17カ国と過去最少を更新した。蔡英文政権下での断交は5カ国にのぼる。今年はすでに3カ国という異常なペースだ。世界2位の経済力を外交カードに台湾の外交関係を奪う戦術といえる。

 蔡総統が談話で「両岸(中台)の平和への脅威だけでなく、世界的な不安定を生み出している」と反発したのは当然である。地域の安定を損ないかねない中国の行動を強く懸念する。

 日本と台湾に正式な外交関係はない。ただ、民主主義の価値観を共有する台湾への圧力に日本は無関心であってはならない。中国に自制的に振る舞うよう働きかけるべきである。

 エルサルバドルの場合、台湾はラ・ウニオン港の開発に多額の資金援助を要請されていた。だが台湾は同国の債務状況を勘案し、要請を断ったという。

 これに対して中国の王毅国務委員兼外相は、同国との国交樹立について「いかなる(経済的な)前提もない」と述べた。だが、果たしてそうなのか。

 習近平政権の広域経済圏「一帯一路」構想の対象国の中には、中国の援助でインフラ整備を進めた結果、過大な債務負担を強いられる例が後を絶たない。採算を度外視した援助をテコに勢力圏を拡大する。同様の手法で台湾との断交を促すのなら問題が大きい。

 とりわけ最近の中国の強引な外交は目に余る。

 台中で来年開催する予定だった東アジアユース競技大会が、北京での臨時理事会で取り消された背景にも中国の意向がちらつく。外国航空会社に台湾の名称表記変更を求めた問題もあった。

 今回の断交は、蔡総統が中南米歴訪から戻った直後に起きた。蔡氏のメンツを潰す狙いがあったのは明白ではないか。

 台湾に閉塞(へいそく)感を与えて政権与党の民主進歩党に打撃を与えるのが目的だ。11月に実施される台湾の統一地方選への揺さぶりもあろう。だが、露骨な圧力で、台湾の民心が中国になびくわけではあるまい。むしろ対中感情を悪化させる現実を認識すべきである。

【私の論評】これからは、国や企業や個人であろうと、中国を利することになると米政府が判断すれば、牽制・制裁の対象になる(゚д゚)!

トランプ政権は8日、自然災害の被災者を対象とする「一時保護資格(TPS)」制度に基づき少なくとも2001年以降米国に在留しているエルサルバドル人約20万人について、出国しなければ来年から強制送還の対象になり得ると発表しました。

ちなみに、現地時間2001年1月13日11時33分頃、中米のエルサルバドル共和国沖約50kmの太平洋を震源とする、マグニチュード7.6の地震が発生しました。死者944人、負傷者5,000人以上、液状化や土砂災害などで約108,000棟に達する家屋倒壊の被害が出ました。

2001年のエルサルバドル大地震 首都サンサルバドル西部で発生した大規模な地すべり

首都サンサルバドル西部で大規模な地すべりが発生し、ここだけで500人以上が死亡しました。また、中米を縦断する主要道路の一つであるパンアメリカンハイウェイも、斜面崩壊により寸断されました。

私は、この措置は、台湾と国交を絶ち中国との国交を樹立しようとするエルサルバドルに対する牽制であるとみています。

エルサルバドルは南米の中でも一番面積が小さく一番人口密度が多い国です。マヤの遺跡を始め見所はあり、観光客も多い中、エルサルバドルの治安はあまり良くありません。約12年間続いた内戦終結後、内戦中に流出した武器が国内に大量に存在、経済状況の停滞、犯罪集団マラスやバンダが多く大都市での犯罪が増えています。

政権当局者2人が匿名を条件に記者団に語ったところによると、01年にエルサルバドルで起きた大地震の後に米国に避難し生活と就労を認められているエルサルバドル人は19年9月9日までに出国しない場合、強制送還の対象になり得るといいます。

議会調査局によると、TPSで米国在留が認められている外国人は約32万人で、エルサルバドル人は大部分を占めています。

トランプ米大統領の決定は、一部の中米人に1990年代後半以降、TPSを適用・再認可してきた以前の米政府の立場とは距離を置くものです。1人の高官によると、トランプ政権は19年まで発効日を遅らせることにより、議会がTPS対象者への恒久的な法的解決策を策定する時間を確保するといいます。

エルサルバドルの人口は、2016年時点で、634.5万 と推計されています。TPSにもとづく在米エルサルバドル人は20万人に達するといわていますが、これは、現在の全人口の3%くらいをしめるほどの数です。

この人数が、短期間に大量にエルサルバドルに戻ってくればとんでもないことになりそうです。そもそも、地震の被害を回避するために米国に渡った人たちですから、経済的に恵まれた人々とはいえず、難民とはいいませんが、感覚としては大勢の難民が押し寄せてくるようなものかもしれません。これは、地震被害から回復しつつあるエルサルバドルにとっては大きな負担になるのは間違いありません。

米国トランプ政権としては、このような牽制をしておき、もしエルサルバドルが過度に中国に接近したり、中国に利するような行動をした場合、TPSで在留しているエルサルバドル人の本国への強制送還に踏み切る腹づもりであると考えられます。このような弱小国にまで、牽制の対象とするトランプ政権です。その決意の強さがうかがわれます。

米国にとって、イスラム国(IS)を壊滅した後、一番の敵は中国となったのです。一方、中国が『軍=外向型』に方針転換したのは、堂々と『帝国主義的、膨張主義的、軍国主義的な政策を取る』と宣言したに等しいです。

事実上崩壊したIS

米国は、中国を「脅威の本丸」とみなし、南シナ海での「航行の自由」作戦を継続しています。6月には台湾の大使館に相当する「米国在台湾協会」(AIT)の新事務所をオープンし、開所式典には国務省代表も列席しました。さらに、事務所警護のため、国務省は海兵隊に要員派遣を要請しました。

米国としては、中国の軍事力を押さえ込むため、軍事力の基礎となる経済力を叩くために対中国貿易戦争を仕掛けたのです。これは『中国包囲網』強化の一環で、当然のことながら、『航行の自由』作戦も『台湾重視』政策も、エルサルバドルへの牽制も絡んでいるのです。

今後、貿易戦争が本格化し、米中対立が激化すれば、軍事衝突の可能性も否定できないです。

トランプ大統領の貿易アドバイザーであるピーター・ナバロ通商製造政策局長は著書『米中もし戦わば-戦争の地政学』(文芸春秋)の中で、以下のように記しています。
世界史を概観すると、一五〇〇年以降、中国のような新興勢力がアメリカのような既存の大国に対峙した一五例のうち一一例において(すなわち、七〇%以上の確率で)戦争が起きている。
中国が南シナ海で、米国の船を止めたり、航行の自由作戦を妨害、米航空機の飛行を邪魔するようなことがあれば、軍事衝突に発展する可能性は十分あります。習近平は米国が抵抗しなければ、南シナ海全体を領海化するつもりです。

前国務長官だったレックス・ティラーソン氏は、南シナ海で中国の人工島を海上封鎖することもあり得ると示唆していました。

この海上封鎖案は、ティラーソン氏が2017年1月11日に上院外交委員会で開かれた自身の指名承認に関する公聴会で言及したものです。トランプ氏の発言や米軍タカ派の意見よりもはるかに強硬なものでした。

ティラーソン氏はこの公聴会で、中国の人工島の建設・軍事化は「2014年のロシアのクリミア併合と似ている」と指摘し、米国の反応が鈍かったため「中国にごり押しさせてしまった」と、オバマ政権の対応を批判しました。

同氏はさらに、米国が対応を強めることを支持するかとの質問に対し、「我々はまず人工島建設を停止するよう求め、さらに中国の人工島へのアクセスを認めない措置をとるとの明確なシグナルを送らざるを得なくなろう」と述べました。

このティラーソン発言は、あまりに時期尚早だったのだと思います。しかし、長期的に見た場合、南シナ海で米中軍事衝突は避けられないかもしれません。ただし、現状のまま、米国が中国と軍事衝突をしてしまえば、米国も多大なコストと犠牲を強いられることになるのは明らかですから、やはり当初は中国の経済を弱体化させることを中心に当面対中国戦略を進めることになるでしょう。

中国を経済的にかなり弱体化できれば、そもそも中国自身が、海洋進出をあきらめるかもしれません。あきらめなかったとしても、経済がそれを許さなくなります。

経済が弱体化しても、中国が海洋進出を諦めない場合は、米軍による中国の人工島の海上封鎖ということは大いに有り得ることです。その時には、無論米軍と衝突することもできず、たとえ衝突してもすぐに打ち負かされて中国は自ら人工島を放棄せざるを得ない状況に追い込まれるでしょう。

米トランプ政権は、ここまで見据えた上で、現在中国に対して貿易戦争を挑んでいるのです。

中国を経済的に弱体化するためには何でもありのトランプ政権

このような状況のなか、これからの米国の行動は一見全く関係ないように見えても、エルサルバドルの事例のように、対中国戦略に何らかの関係があるとみるべきです。また、これから米国は、国際緊急経済権限法(IEEPA)の発動をはじめとして、中国や中国を利する国や企業個人に対する制裁をどんどん強めていくことになると考えられます。

これからは、国や企業や個人であろうと、中国を利することになると米政権に判断されれば、エルサルバドルのような弱小国ですら、牽制・制裁の対象になり得るということです。

そのことを意識しているマスコミや財界人はまだ少ないようで、未だ無意味な親中・媚中派から転身できていない人が多いようです。

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2017年3月7日火曜日

「喜び組」の定年は25才 口にするのも…な酷い罰ゲームも―【私の論評】北朝鮮ではなく金正恩個人の統治の正当性をせめよ(゚д゚)!

「喜び組」の定年は25才 口にするのも…な酷い罰ゲームも

上海の北朝鮮料理店での喜び組「歌謡組」と
おぼしき女性 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 『喜び組』--その名前を耳にしたことのある人も多いだろう。1984年12月に、金日成国家主席に次ぐナンバー2だった金正日総書記(当時は書記)に「喜びを与え」「休息を確保する」目的で結成された組織。そもそもは、芸術好きの金正日の歓心を買うため、党幹部たちが北朝鮮では最高レベルとされた『万寿台芸術団』の踊り子などを接待係として、パーティーなどに動員したのが始まりだった。大阪生まれの在日朝鮮人で、踊り子からファーストレディーになった金正恩の母・高英姫もこれに所属していた。

『喜び組』は3つの部隊に分かれるとされる。

歌や踊りを習得し、パーティーを華やかに演出する「歌踊組」、マッサージで慰労する「幸福組」、そして性的サービスを担当する「満足組」だ。北朝鮮の内情に詳しいジャーナリストの惠谷治さんは語る。

「メンバーは18才から25才までの選りすぐりの美女。朝鮮労働党の組織指導部第5課という人事を担当する部署の職員が、全国の学校を回って、美人学生を物色するのです。

毎年、北朝鮮全土から選ばれる女子の数は約300人ともいわれます。それから厳格な健康診断を経て、最終的に50人ほどが選ばれます。『喜び組』に入る絶対条件は処女であること。そして金正日好みの細身ではあるけれど、丸顔でふっくらした顔立ちでなければいけません」(惠谷さん)

最終的に『喜び組』に選ばれると「護衛司令部」という、金総書記の警護部に配属され、少尉として遇されることになる。給与なども将校レベルが保障され、一般の労働者の2倍から3倍といわれるが、それだけではない。

「このほか特別配給があり、祝日などには食料や布施など、一般市民には手に入りにくい品が両親など家族に届けられます。ただし将校だから高待遇というよりは、口止め料と考えるのが正しいと思います。実際喜び組に選ばれた段階で、『活動内容を口外しない』という誓約書を書かされるといいます」(惠谷さん)

それも当然。活動実態は、口外がはばかれる内容だからだ。その実態について、1995年に北朝鮮から韓国に亡命した元喜び組の申英姫さんが、著書『私は金正日の「踊り子」だった』で詳しく暴露している。


申英姫さんは1961年生まれ。北朝鮮の平城芸術専門学校を卒業し、1981年、前述した『万寿台芸術団』へ入団。そしてまもなく金正日総書記も出席するパーティーへの出席を指示される。同書によれば、会場には当時の北朝鮮の最高幹部約20人が顔を揃えていた。1984年になって、喜び組が正式に組織化されると、申英姫さんはその一員に選ばれ、「曲芸組」と呼ばれたグループの踊りについてこう触れている。

 《舞台に上がった曲芸組の衣装は、ブラジャーで胸をすれすれに隠し、下半身は何もはかないで、赤のショールを巻いただけだった。そんな身なりで刺激的な動きをすると、一部の酔っ払った幹部らは舞台に上がり、曲芸組の赤いショールをこっそりめくってみたり、指で陰部を突ついてみたりした》
週に1、2回開かれる酒宴での接待。こんな罰ゲームを強制されることもあった。

 《金正日が酩酊してしまうまで、パーティーは終わらない。ゲームも行われる。たとえば、カード遊びをやって負けると、男女問わず一枚ずつ服を脱がされたりする》
酔いが回ると、罰ゲームはさらにエスカレートしていく。

《もし男が負ければバリカンでザクザクと髪の毛を刈り、女が負けたら陰毛を刈る、ということさえあった》

惠谷さんが言う。

「『喜び組』が参加するパーティーの実態を知る者は北朝鮮の高官だけ。北朝鮮の一般市民は、喜び組という存在さえ知らないはずです」

当然、喜び組に選ばれる若い女性たちも、申英姫さんが告白したような性の奴隷にされるとは夢にも思っていない。ひたすら国家のため、党のため、偉大な指導者のため、と純粋に信じた結果がこれなのだ。

「『喜び組』は25才が定年となります。高英姫は金正日の目にとまって、子供まで産みましたが、他の女性たちも卒業後は防衛司令部の将校など、身分の高い幹部と結婚することになります」(惠谷さん)

『喜び組』は金正恩政権でも健在だといわれている。妻の李雪主が所属していたと見られている『銀河水管弦楽団』は、2013年8月、韓国のメディアが、ポルノ映像制作などの性的スキャンダルが発覚し、メンバーはじめ十数人が処刑されたと報じた。ファーストレディーとなった李雪主の醜聞を抹消するための処刑という可能性も指摘された。



そんなふうに粛清とともにあった金王朝だが、身内に手をかけたのは今回が初めてだ。これについて『金正日秘録』の著書がある龍谷大学教授・李相哲さんはこう見ている。

「それだけ金正恩の立場が危ういということなんです。金正日は何があっても自分の地位を脅かす人なんていないという自信があったけれど、まだ若い指導者の金正恩にはそこまでの権力がない。金正日の息子だからその座にいるという現実が、彼を疑心暗鬼にさせているんだと思います。(マレーシアで殺害された長男の)金正男自身は政治に興味がなかったのですが、例えば金正男が生きている限り、金正恩に敵対する勢力が金正男をまつりあげる可能性はゼロではありませんから」

国際事情にくわしいジャーナリストのなかでは、金正日が最期まで重用した金正恩の異母姉にあたる金雪松が拘束され、まもなく暗殺されるのではないかと噂になっている。同様に、チェコ大使を務める金正日の異母弟・金平一の命も狙われているとの情報も飛び交っている。

※女性セブン2017年3月16日号

【私の論評】北朝鮮ではなく金正恩個人の統治の正当性をせめよ(゚д゚)!

妻の李雪主が所属していたと見られている『銀河水管弦楽団』に関するスキャンダルとは以下の様なものです。

これは、2013年10月07日 の東スポウェブからの引用です。
 北朝鮮の金正恩第1書記が、李雪主(リ・ソルジュ)夫人を主要行事に同伴させる回数をめっきり減らしている。これは李夫人が過去に起こした下半身スキャンダルに正恩氏が苦しんでいるからだという。
李雪主(リ・ソルジュ)夫人
 李夫人は、先月(ブログ管理人注:2013年9月)15日に平壌で行われた国際重量挙げ競技大会を観戦して以来、2週間以上も公の場に姿を現していない。正恩氏の平壌文殊文繡水泳場訪問(22日)に随行するとみられていたが結局、現れなかった。 
 朝鮮半島情勢に詳しい関係者によると、北朝鮮の公安当局はポルノビデオを観賞及び出演した罪で公開銃殺刑にされた正恩氏の元恋人で国民的歌手、玄松月(ヒョン・ソンウォル=本名ハン・ソンウォル)さんに関する調査を行った。その中で、李夫人の下半身に関する衝撃情報を正恩氏が知ることになり、公式行事に連れて行くことを避けるようにしたようだ。 
玄松月(ヒョン・ソンウォル=本名ハン・ソンウォル)
「玄さんと一緒に銀河水管弦楽団の団長が逮捕されましたが、同楽団には李夫人も所属していた。逮捕後の取り調べで、ある楽団員が『李雪主も私たちと同じように男と楽しく遊んでいた』と供述したんです」と日本の公安関係者は明かす。 
 李夫人は音楽的な才能が認められた子女が通う中学を卒業後、中国に留学し声楽を専攻。その後、銀河水管弦楽団で歌手として日本や韓国を訪問した経験がある。2005年、韓国・仁川広域市で開催されたアジア陸上競技選手権大会では北朝鮮選手を応援する“美女軍団”のメンバーとして注目を集めた。 
 朝鮮半島情勢に詳しい関係者は「北朝鮮女性の初体験は早い。昨年、北朝鮮の子女の間で最も人気を集めた商品はコンドームでした。また、地方都市の中学校6年生(16歳)全員を対象に、軍入隊身体検査を実施したら女子生徒の60%以上が非処女だった。処女が条件の『喜び組』に入れる生徒もいなかったとか。李夫人も、同じ年代でSEX経験者だった可能性があります」と指摘した。 
 故金正日総書記は、高英姫夫人の万寿台芸術団時代の過去を徹底的に消すことに成功した。 
 だが、正恩氏にとって李夫人の偶像化が困難になったことは確かなようだ。
そもそも、高英姫自身にも問題がありました。高英姫が大阪生まれの在日朝鮮人だったということです。

金日成氏から三代続く世襲政治は、もはや社会主義体制というより封建体制、王朝体制であり、日成氏を始祖とする「白頭の血統」が今の金正恩体制の拠り所となっています。金正恩体制が目指す先にあるのは「李氏朝鮮」ならぬ「金氏朝鮮」なのかもしれません。

しかし「白頭の血統」を強調すればするほど、そこに隠された最大のアキレス健も浮かび上がってきます。

なぜなら、正恩氏は、元在日朝鮮人帰国者の高ヨンヒ(高英姫)が実母だからです。

高ヨンヒが大阪鶴橋生まれの在日朝鮮人であることは既に知られています。一時期、高ヨンヒの出自に関しては「プロレスラー高太文の娘」という説が流れていたましたが、この説は完全な誤りです。彼女は高京澤(コ・ギョンテク)の娘であったことが明らかになっています。

高ヨンヒの日本での朝鮮名は「高姫勲」で日本名は「高田姫」だったのですが、北朝鮮へ帰国後「高ヨンジャ」と名前を変え、最終的に「高ヨンヒ」の名前を使用することになっったのです。1973年には万寿台芸術団の舞踊家として来日しています。


上の写真は本紙が公演スケジュールを全て終え、新潟から北朝鮮へ帰る時に撮影された貴重なスナップ写真です。

高ヨンヒに関しては2012年に労働党幹部向けに配布された「記録映画」が北朝鮮当局によって回収する騒ぎがありました。金正恩の母親の偶像化を目的とした記録映画だったのですが、一般住民にまで出回り「不都合な真実」が広まることを北朝鮮当局が恐れて回収に乗り出しまし。

「不都合な真実」とはまさに「白頭の血統の頂点に君臨する金正恩同志には在日朝鮮人帰国者の血が流れている」ことでした。

それだけではない。高ヨンヒの父親・高京澤は、戦時中日本陸軍管轄の工場で働きました。これは北朝鮮の尺度からすれば「親日派」になります。戦後は日韓を往来する密航船で大もうけし何人もの愛人を囲ったのですが、北朝鮮からすればこの経歴も許しがたいものでしよう。

2012年の記録映画回収騒ぎ以後、高ヨンヒに関する話は一切出て来ません。彼女の存在を際立たせれば際立たせるほど、白頭の血統の正当性が揺らぐからでしょう。

しかし北朝鮮体制の行方を左右する正恩氏と与正氏兄妹が、在日朝鮮人である高ヨンヒから生まれたことは逃れられない「事実」です。

※高ヨンヒは一般的に「高英姫」と漢字表記されるが、これは誤りです。韓国語表記の「ヨン」は二種類あって高ヨンヒの場合は「英姫」にならない。当時の北朝鮮では既に漢字を使っていなかったために漢字名は不明ですが、彼女が舞踊家だったことを考えると「踊姫(ヨンヒ)」も考えられます。

李雪主夫人に関しては、北朝鮮内でも人民にはあまり人気は高くはないようです。以下にそれを示す、Dairy NKのリンクを掲載します。
「芸人が国母とは」…李雪主非難世論拡散
金正恩の夫人、李雪主に対する北朝鮮住民の否定的な世論が急速に拡散しているという。2012年7月に北朝鮮メディアに公式に登場した彼女が、人民に親しい社会主義の気風に相応しくない華麗で豪華な装いをし、出身成分を重要視する北朝鮮において銀河水管弦楽団出身者が最高指導者の夫人になるとはとの世論が若い層を中心に広まっていると消息筋が伝えてきた。 
特に家父長的な北朝鮮社会で、高齢の高位幹部らが20代中盤の李雪主に90度のお辞儀をすることに対し、住民は強い拒否感を見せている。また国の運営において金正恩をまともに補佐することができるのかと批判世論も拡散している。 
25日、平壌をはじめ咸鏡北道や両江道の消息筋によれば、北朝鮮住民の間で李雪主に対し ▲「歌、踊りをしていた芸人が国母とは…」 ▲「化粧、おしゃればかりで共和国に関心はあるのか」 ▲「祖父のような幹部が青二才の娘に90度で挨拶するのは見苦しい」 ▲「国の政治に理解などあるわけがない」などの非難が相次いでいるという。
平壌の消息筋は同日、デイリーNKに「北朝鮮住民の間では将軍様の夫人の李雪主同志に対する非難が若い層を中心に拡散しており、北朝鮮当局がこれを防ぐために苦労している。李雪主同志に対し、旅芸人、芸人、贅沢者などと否定的な発言が出ている。数十年間共和国を率いてきた老幹部が若い娘の李雪主に90度に腰を曲げて挨拶するのを見た住民は、最初は顔をしかめる程度だったが、最近では見苦しいと口に出して話している。共和国が食糧事情が悪く配給もない状態なのに、あのようにおしゃればかりに気を使う人間(李雪主)を我が共和国の国母と言うのは無理があるとも話している」と伝えてきた。
以上から、母親から、夫人にいたるまで、スキャンダルに悩まされる金正恩の苦悩が浮かび上がったものと思います。以下に、金正恩一族のに家系図を掲載しておきます。



さて、ブログ冒頭の記事では、『喜び組』のなかでも、「歌踊組」であったと思しき申英姫さんの証言がでています。

喜び組(本来の日本語訳は、喜ばせ組)の中でも満足組はさまざななテクニックを持っているようで、事実様々な訓練が行われていたことが明るみに出ています。

現在は配信が中止になっている「週刊現代Online」の過去に金正日の満足組だった脱北者からの証言に関する過去の記事(魚拓に残っていたもの)をそのまま一部を抜粋して掲載します。この記事は、満足組であった脱北者が受けた性的訓練の内容です。
【レッスン1 お酒を注ぐ】「男性がその気になるような恰好をしてお酒を注ぐ練習をしました。いちばん恥ずかしかったのは、ショートパンツくらいの丈しかないミニスカートで、ストッキングは穿はかずに下はパンティだけ。その上はブラジャーを着けずキャミソールのような衣装でした。そうしたコスチュームを着て、伝統舞踊をアップテンポで踊りながら、お酒を注ぐ訓練もするのです」 
 当然、肌を密着させ、胸や腰を男の目に晒さらすように踊ることは言うまでもない。北朝鮮でも韓国でも変わらないが、儒教国家であるため、父親と夫以外に酌をすることは、それを生業なりわいとするホステスを別にすれば、厳しく戒められる。彼女の恥じらいは、われわれの想像を絶するものがある。 
【レッスン2 服を脱がせる】「いま思えば、5課での訓練は、『本当に教育だったのか』と憤りさえ覚える恥辱的な内容のものばかりでした。西洋のポルノビデオを観ながら、セックスのテクニックを学ぶ講義があったことは、前回お話ししました。実はビデオの女優と同じことができるようになるための訓練もさせられていました」 
 喜び組の同期生は彼女を含め14~15人いた。男性を喜ばせる“実技”の実習は、女性同士二人一組になって行われたのだという。 
「まず、上手に男性の服を脱がせなくてはいけません。相手の体を愛撫し、さらに自分の服も、お酒を注ぐときと同様、伝統舞踊を舞いながら脱ぎます。男性がその気になるように、自分の体をアピールしながら脱いでいくのです。日本では『ストリップ』というのですか。 
 教室は四方が鏡張りになっていて、教官から名指しされたら、同期の見ている前で服を脱がなくてはなりませんでした。教官は口頭でしか説明してくれず、後は自分で考えてやるしかありません。腕が伸びきっていなかったり、少しでも動きにためらいがあると叱責されて、教官のOKが出るまで何度でもやり直しをさせられました」 
【レッスン3 体を洗う】「男性の体の洗い方も女性同士で、練習しました。まず髪を洗い、次はスポンジにボディソープをつけて泡を立て、体を洗うのです。もちろん、ただゴシゴシと洗うわけではありません。スポンジを持っていない手で相手の体を優しく撫でながら洗うのです」 
【レッスン4 キスをする】「キスの実技もありました。すぐに唇を重ねてはいけないのです。最初は相手の上唇を舐めて、次に下唇を舐めてあげてから唇を重ねます。そして唇と歯の間に舌を入れ、歯一本一本の歯茎をゆっくりと舐めてあげると、男性が気持ち良くなると教わりました」 
【レッスン5 フェラチオ】「いちばん難しかったのは、男性のあそこ……シンボルへの愛撫でした」 
 取材するにあたり、本誌の女性記者が「フェラチオ」「性感帯」などの単語を用いて質問しても、金さんはそうした言葉をまったく知らなかった。彼女は、女性教官から教えられた行為のひとつひとつを憶えているだけで、セックスにまつわる行為に興味を抱いているわけではなかった。 
「教官は『女性が口を使って男性器を愛撫すれば、男性は必ずといっていいほど悦ぶ』と教えてくれました。すべて口頭で教わったのですが、ただ口に入れればいいというわけではありませんでした。 
 まず、男性器全体を口の中に入れます。頬をすぼませて息を吸いながらゆっくりと吸い上げて、先端のほうに着いたら、またゆっくりと口の中に入れていく。それを繰り返しながら、手は睾丸や脚の付け根、腰の周りなど感じやすいところを撫で回すのです」 
【レッスン6 いつでも金総書記を悦ばせる気持ちで】 喜び組の訓練では、悦ばせる対象となる男性として、常に金総書記を想定することを厳しく言い渡されていた。だから、こんな想定問答までさせられたという。 
「もしも総書記がセックスの最中にオナラをしたとしたら、どう反応すればよいと思いますか? 聞こえなかったふりをするという答えは、不正解です。そのような時は『総書記のオナラは、最高級の香水よりも素晴らしい香りがいたします』と誉め称えなければなりません」
以上満足組の訓練まで、掲載してきましたが、結局このようなスキャンダルが次々と出て来るということは、 金正恩の統治の正当性が低いということが原因です。

金日成氏から三代続く世襲政治は、もはや社会主義体制というより封建体制、王朝体制です。金日成が日本と戦って、北朝鮮の独立を勝ち得たというわけでもなく、結局当時のソ連の影響下で独立したといことで、そもそもこの時点から金日成の統治の正当性そのものに、あまり根拠がありません。

さらに、昨日このブログに掲載したように、金日成そのものが、そもそも英雄であった金日成ではなく、替え玉であったこと、それを隠蔽するためにも白頭血統が捏造されたのです。

正恩氏が、正男氏殺害を決断したとされる背景には、亡命政権構想の関係者と正男氏が接触していたことが指摘されています。亡命政権の誕生は、正恩氏の政治的生命を脅かし、場合によっては死にも直結します

だからこそ、正恩氏は殺害を急いだとみられています。


そうして、過去にも、正恩氏が過敏に反応したケースがあります。それは、いずれも、北朝鮮で「最高尊厳」とあがめられる正恩氏の権威を著しく傷つけるものでした。

一つは、国連決議をめぐって、正恩氏を国際刑事裁判所に訴追しようとする動きがあったときです。北朝鮮は外相を15年ぶりに訪米させ、欧州には朝鮮労働党で国際問題を担当している書記が送り込まれました。

もう一つ、韓国から北朝鮮に向けて飛ばされている風船ビラに、正恩氏の妻、上にも掲載した李雪主(リ・ソルジュ)氏のセックススキャンダルが記されていたときです。正恩氏は「絶対やめさせろ」と指示したとの情報があります。

一連の事例から分かるのは、正恩氏は北朝鮮に対する批判にはそれほど反応しないのですが、正恩氏個人の尊厳に危害が及ぼうとすると、敏感に反撃に出るということです。

正男氏殺害事件を受け、正恩氏を動かそうとする試みも始まっています。北朝鮮向け短波ラジオ放送「しおかぜ」は2月25日から、番組で殺害事件や北朝鮮ではタブーとされる正恩氏の母、高英姫(コ・ヨンヒ)氏の「在日朝鮮人」という出自にも触れています。



しおかぜを運営する「特定失踪者問題調査会」の村尾建兒(たつる)専務理事は「金正恩氏を煽(あお)る情報を送れば、何か変化が起きるかもしれない。正恩氏を刺激することで、拉致の交渉に乗ってこないともかぎらない」と話しています。

これまでの北朝鮮の反応を見れば、北朝鮮への情報注入が事態を動かす1つの契機となる可能性は十分あります。

このような情報を流すということは、間接的にではありますが、金正恩氏の統治の正当性を脅かす方向に動くのは間違いないです。

そもそも、このブログで以前から掲載しているように、元々統治の正当性の低い金正恩氏は、それを補うために、核ミサイルを打ったり、一連の粛清を行ったり、金正恩氏の暗殺に手を染めているのです。

もし、金正恩氏の統治の正当性が高いものであれば、わざわざこれらのようなことを連発する必要性などありません。

北朝鮮の統治の正当性を脅かすようなことには、金正恩氏は国全体で対処することができますが、個人の統治の正当性に対する脅威に関しては、個人で対応するしかありません。

個人の判断には、ミスが大きくつきまといます。北朝鮮ではなく、金正恩氏個人の統治の正当性への攻撃のほうがこのミスを招かせる確率がはるかに高いです。金正恩氏か大きなミスをした場合、確かに日本が拉致被害者問題におおきくつけいる隙を与える可能性は大きいです。

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2016年10月28日金曜日

蓮舫氏を東京地検に告発 二重国籍問題で市民団体代表ら―【私の論評】危機管理能力のない個人も政党も存在価値なし!政界から消えたほうが国民のため(゚д゚)!


蓮舫氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 民進党の蓮舫代表の日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」問題で、市民団体「愛国女性のつどい花時計」の岡真樹子代表らが28日、国籍を選択する義務を怠り、参院選で虚偽の事実を公表したとして、国籍法違反と公職選挙法違反の罪で蓮舫氏に対する告発状を東京地検に提出した。

 民進党役員室は「事実関係がわからないのでコメントは控えたい」とした。

 告発状によると、蓮舫氏は17歳だった昭和60年1月に日本国籍を取得。国籍法に基づき、22歳になった平成元年11月28日までに日本国籍か台湾籍のいずれかを選択する義務があったにもかかわらず、今月7日に選択の宣言をするまで義務を怠った。また、16年7月の参院選(東京選挙区)に立候補する際、国籍選択の義務を果たしていないにもかかわらず、選挙公報に「1985年、台湾籍から帰化」と記載して虚偽の事実を公表したとしている。

市民団体「愛国女性のつどい花時計」の岡真樹子代表
 岡氏らは告発状で「本来であればこの事実(蓮舫氏の二重国籍)を知った有権者の投票による当選はなかった可能性が十分あり、当時の選挙管理委員会と有権者を欺いた」と主張している。

【私の論評】危機管理能力のない個人も政党も存在価値なし!政界から消えたほうが国民のため(゚д゚)!

まず今回の二重国籍問題の経緯を以下にまとめます。今まで、様々なことが断片的に言われてきました。そのため、全体像がはっきりしない人も多いと思います。私もその一人です。これを解消するため、以下に経緯をまとめます。
蓮舫氏は台湾人の父と日本人の母から生まれ、当時は旧国籍法だったため父の国籍が優先され、台湾人として生まれた。 
国籍法が改正され母の国籍である日本国籍を取得できるようになったため、18歳の時に日本国籍の取得を行った。 
それと同時に台湾国籍の離脱も行った。しかし父に手続きしてもらったため、本当に国籍離脱できているかはわからない。
このような経緯から蓮舫氏は二重国籍ではないかという疑惑が出てきたわけです。そうして、以下にも掲載するように、上記の発言は虚偽であったことが後にわかります。

国籍法の問題
さてまずこの問題を法的見地から考えます。関連する法律は国籍法14条及び16条です。

第十四条 
外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによってします。

第十六条
選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。
今月15日、日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」問題について蓮舫氏は、都内の区役所に提出した台湾籍の離脱証明書が受理されなかったことを明らかにし、戸籍法に基づき「(日本国籍の)選択宣言をした」と都内で記者団の取材に答えています。

蓮舫氏は記者団に「(台湾籍の離脱証明書が)不受理なのでどうすればいいかと相談したら、強く(日本国籍の選択の宣言をするよう行政指導されたので選択宣言をした」と述べました。

蓮舫氏は9月23日に台湾当局から台湾籍の離脱証明書を受け取り、区役所に提出。後に、蓮舫氏は日本国籍の選択宣言を行ったのは10月7日と語っていました。ということは、つい最近まで日本国籍の選択宣言を行っていなかったということです。さらに、日本国籍を選択した時点で外国籍の離脱に努める義務があるのですが、それもつい最近のことです。

結局、台湾籍の離脱したにしても、それを都内の区役所に提出したのは、今年の9月23日であり、しかも台湾籍の離脱証明書は受理されなかったということです。これでは、どう考えても第十四条、第十六条違反です。

第十六条は罰則がない努力規定ですから一般人であれば特に問題とされることもないのでしょうが、国会議員という身分でありながら国籍法に違反している疑いがあるということは、問題です。

公職選挙法の問題
日本国の国会議員になる以上は国籍に関しては、出馬前にあらかじめ確認しておくべきであり、確認の上日本国籍の選択を宣言し、台湾籍を離脱してから、出馬すべきでした。もし、出馬までにこれができないというのなら、出馬すべきではなかったのです。

それをせずつい最近まで、放置してきたというのは蓮舫氏の怠慢です。蓮舫氏は民進党の代表有力候補と言われており、政権を取ることを目標にしているわけですから蓮舫氏が総理大臣になる可能性もあるわけです。

仮に日本と台湾の二重国籍の問題がある人間が総理大臣になった場合、日本と台湾の外交問題が生じた時日本と台湾の間には利益相反であることがもあります。二重国籍の問題のある総理大臣が日本の国益に沿った外交はしない可能性があります。

今のところ、蓮舫氏の二重国籍問題に関する経緯は以上のような内容です。しかし、これも発言が一転、二転しているため、おそらくこれが正しいであろうという類推に過ぎません。

国籍法の問題に関しては、罰則規定などがないので、特に裁判になっても、国籍法に基づき蓮舫氏が罰せられるということはないでしょう。

しかし、国会議員、そうして野党第一党の代表としては、道義的責任は免れないはずです。さらに、野党第一党の代表として、たとえいかなる理由があるとしても、自身の国籍に関して明白な虚偽である内容を述べ、国民を惑わした責任はまぬがれるものではありません。

このあたりについて、マスコミははっきりと報道しません。さらに、自民党側も徹底追求という構えは示していません。このことに、憤りを覚える人もいるかもしれません。

国会の場を「お白洲」として、この問題を公開の場で追求しはっきりさせるべきであると考える人も多いでしょう。

確かに、「お白洲」方式は効果があります。しかし、昨日もこのブログに掲載したように、「お白洲」方式には、それを効果的にするためには、それなりの原則と順番というものです。以下に、昨日の記事のリンクを掲載します。
豊洲問題の議論過程を公開 小池都知事の姿勢は正解―【私の論評】お白洲方式を成功させるためには、原則と順番がある(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、豊洲問題の議論過程を公開(お白洲方式)にしたことで、現状の豊洲市場には構造上の問題はないということで、解決しそうであること掲載しました。そうして、このお白洲方式を成功させるためには、原則と順番があることを掲載しました。

以下に、結論部分のみ引用します。
「お白洲」方式を成功させるためには、まずは「何が正しいか、何が間違いか」を議論すること、そうして議論する人の人選を間違えないこと。これが絶対原則です。

この原則を忘れて、都議会が、小池知事が、都の役人が、挙げ句の果てに元石原都知事が正しいとか、間違いかという議論をしていても議論が不毛になるだけです。そんなことよりも、まずは何が正しくて、何が間違いかを議論し、それがはっきりした次の段階で、必要があれば、誰に責任があるかを明確にするべきです。順番を間違えた論議は、不毛です。

今後「お白洲」方式を他の場面でも多く採用していただきたいのは、やまやまですが、この原則を忘れたものは無意味です。
今回の、蓮舫氏の二重国籍問題に関しては、国会や、国会の委員会でガチンコ対決をやらせるという「お白洲方式」も考えられます。

しかし、国会での追求となれば、互いに利害が複雑に絡みあった同士が、ガチンコ対決をするということになり、人選はかなり難しいです。さらに、「何が正しいか、何が間違いか」を議論することも難しいです。なぜなら、特に民進党や自民党も党利党略がどうしても絡んでしまうからです。

このよう状況では、なかなか結論が出ないでしょう、それに結論が出たとしても、結論がどのようなものになっても、なかなか納得しない人も大勢でることでしょう。

であれば、裁判にしたほうが良いです。裁判を「お白洲」にすれば良いのです。法律に照らして、二重国籍問題を明らかにし、蓮舫氏の二重国籍問題の何が間違いかを明らかにすることができます。

たとえ、結論がでなくても、十分な議論をつくすことにより、蓮舫氏の道義的責任ならびに、法律に照らした上での間違いも明らかになることでしょう。これが明らかになれば、政治的決着もつけやすいです。その意味では、今回の告発は有意義なものと思います。

テレビなど、あまり報道しないので、二重国籍問題に関してあまり深刻に考えない人も多いようですが、結論からいうともう、民進党は蓮舫氏の二重国籍で泥船状態です。いつ沈むかわかりません。にもかかわらず、蓮舫氏は、24日にとんでもない発言をしています。
蓮舫代表、小池知事の政治塾「我々の仲間も参加したい」 
 民進党の蓮舫代表は、TBS番組「時事放談」の収録で、東京都の小池知事が 近く立ち上げる政治塾について、「我々の仲間も機会があれば参加したい」と述べました。  
「豊洲の問題をはじめ、これは東京都政なんだという認識を前面に出した小池知事は すばらしい。政治は国政だけじゃない、都政のための都民ファーストの政治塾という考え方は 極めて合理的だし、我々の仲間も勉強させていただける機会があれば参加したいと思う」
(民進党 蓮舫代表)  
 一方、自民党の石破前地方創生担当大臣も小池都知事の動きについて、「新しい政治の流れが 出てきたことは間違いない事実」と評価しました。(24日10:50)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2876110.html
この記事、すでに削除されています。民進党をサポートするTBSとしても、この発言さすがにまずいと判断したのでしょう。 蓮舫氏が語るように小池知事の政治塾に「我々の仲間も参加したい」ということになれば、泥船「民進党」を見限って、他党に鞍替えしたいと考える民進党議員にお墨付きを与えることになります。

そうなれば、小池氏の政治塾に多数民進党議員が参加し、将来の新党に鞍替えするようなことが生じる可能性が大です。

それにしても、蓮舫氏は自分の頭のハエも追えないような状況の中で、この発言とおなじように国会でもあいかわず、舌鋒は鋭いものの空虚は発言を繰り返しています。このような発言をするのですから、余程危機管理能力がないというか、危機管理に関しての関心が希薄なのでしょう。

結局、この危機管理に関する関心の希薄さが、今回の二重国籍問題を招いたのだと思います。

危機管理関する関心が希薄な人間は、本来政治家になるべきではないです。民進党は本来は、蓮舫氏の二重国籍問題が明るみに出た時に、最低限、民進党代表選に出馬させないとか、少なくとも民主党の党籍を剥奪するとか、場合によっては蓮舫氏の議員資格に対して疑義をはさむというようなことをすべきでした。まるで何事もなかったかのように、罰することも何もしなかったのは明らかな間違いです。

今のままだと、次の選挙ではかつてないほどの大敗を喫することでしょう。その後は、かつての社会党のように消え去る運命です。それも、組織としての危機管理能力がないということで致し方ないのかもしれません。

危機管理能力のない個人も政党も、そもそも存在価値はありません。消えたほうが国民のためです。

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2012年9月3日月曜日

幸せを呼び込むためには「王様マインド」を身につけよう―【私の論評】幸せのお裾わけができれば、人はもっと幸せになれる!!

幸せを呼び込むためには「王様マインド」を身につけよう:



突然ですが、質問です。 以下の質問に、自分が当てはまると思ったらチェックをしてください。深く考えず、直感的に答えてください。

【A】

□早くリタイアして、悠々自適で優雅な生活を送りたい

□頑張って努力してお金持ちになりたい □人から評価されたい □バーゲンが好きで、安いとつい買ってしまう

□同じ給料ならば、できるだけ楽な仕事の方がよい


【B】

□自分のことが好き □新しいことに挑戦するのが好き

□人生は楽しい

□自分は愛されていると思う

□他人の成功は素直に嬉しい

どちらの方が多く当てはまったでしょうか? Bの項目が多ければ、あなたは王様マインドを持てているといえます。 Photo by ashwin kumar.

この記事の詳細はこちらから!!


【私の論評】幸せのお裾わけができれば、人はもっと幸せになれる!!

上の記事を読んで設問にこたえていただくと、自分が王様マインドなのか、奴隷マインドなのか判定できます。そうして、私の判定結果は、王様マインドでした。

 王様マインドと奴隷マインドの基本的な違いは次の3点です。 
王様マインド
自分の人生には目的がある
自分には価値がある 
自分は愛されている


奴隷マインド
自分の人生には目的がない 
自分には価値がない、自分で価値をつける 
自分は愛されていない
私は、この設問に答えて、集計したところ、幸いなことに「王様マインド」でした。しかし、これだけて、本当に幸せになれるのか、少し違和感を感じました。

ローマ時代の奴隷のコスプレをする女の子たち
上記のうち、どちらが、良いのかといえば、無論王様マインドのほうが、幸せを呼ぶということです。「王様ってなんのこと?」と思ったあなたも、「Aの方が多かったわたしは?」と思ったあなたも、これを読めば明日からの生活をハッピーに過ごせる考え方を身につけられるかもしれません。そんな本が「王様マインドと奴隷マインド」です。



さて、私自身はこの書籍まだ読ではいませんが、結局は、ヨーロッパなどに昔から伝わるいわゆる、「帝王学」をもとにしたものだと思います。そうして、王様マインドは、こういったものを集大成して、簡潔に3つにまとめたものだと思います。世界には、どの国でも、いわゆる帝王学というものが存在していて、いろいろな教えがあると思いますが、集約するとこの3つになるのだと思います。確かに、王様マインドを持つことができれば、奴隷マインドの人よりも、幸せになることができると思います。

しかし、私は、自分だけが、王様マインドを持つということだけでも幸せになれるとは、思いますが、それだけではなく、自分の周りの人も、「王様マインド」持てるように努力し、実際多くの人が「王様マインド」を持てるようにできた人は、さらに幸せになれると思います。


こういった観点から、マネジメントではどういうことがいえるのかというところで、ある書籍のことを思い出しました。この書籍は、よくこのブログで登場する、ドラカーのものではありません。それは、トラッカー財団という、ドラッカー氏が亡くなった後ても、ドラッカー氏の考えを広めようという目的で設立され財団であり、これらに属して日々ドラッカー氏の考えを広めようと努力している、ドラッカーのお弟子さんとも言われる人々の中の一人によって書かれたものです。

最高の力を発揮してもらい最大の貢献をしてもらうための手立てを講じているか

「組織の優劣は、平凡な人間をして非凡なことをなさしめるか否かにある」(エリザベス・H・イーダスハイム著『P・F・ドラッカー―理想企業を求めて』)

この書籍は、ドラッカー本人の求めによって、エリザベス・H・イーダスハイムさんが、ドラッカー氏の最晩年の1年半を独占インタビューし、さらに、世界各地にいる彼の教え子たちに取材した内容をまとめたものです。ある意味で、ドラッカー氏の遺言のようなものです。それも、ただの遺言ではなく、多くの人にドラッカーの考えを遺し、実務的に役立てていただくという目的を持ったものです。そうして、この書籍の中の結論は、ドラッカー氏とそのクライアントたちが求めたものは、つまるところ、人が主役の理想企業だったというのです。


彼女が、ドラッカーの教え子の一人だったアルミ最大手アルコアの元CEO、ポール・オニールに見せてもらった黄色に変色した紙には、3つの問いが書いてありました。それは50年近く前に、オニール氏がドラッカーから教わって書き写したものでした。

企業がどれほどのものかは、それら3つの問いに社員のどれだけが、なんのためらいもなく、即座にイエスと答えられるかによって知ることができるというものでした。

その3つを以下に掲載します。

「あなたは敬意をもって遇されているか」

「あなたは貢献するうえで必要な教育訓練と支援を受けているか」

「あなたが貢献していることを会社は知っているか」

ドラッカー氏は、企業とは人であるとくどいほど説き続けました。ビジネスモデルにしても、組織構造にしても、人のエネルギーがあってこそのものです。しかし、そのためには最高の力を発揮してもらい、最大の貢献をしてもらうための手立てを講じなければならないのです。

ドラッカー氏は、この書籍のまえがきで、以下のような言葉を残しています。

「組織の目的は、均衡と調和ではなく、人のエネルギーの解放と動員にある」(『P・F・ドラッカー』)


さて、この書籍と、先ほどの「王様マインド」とを比較してみましょう。


「自分の人生には目的がある」
自分の人生に、目的がある人、誇り高い目的を持つことができるように支援され、実際に人生の中で、かなり長い間過ごす組織において、目的を持ち、はつらつと生きている人は、「敬意を持って遇されていると」感じることができるでしょう。



「自分には価値がある」 
自分には、価値があると思うことができる人は、会社に貢献するうえで必要な教育訓練と支援を受けていることでしょう。しかも、実効的な支援を受けていて、自ら組織に貢献している、多くの人に自分の価値を認められていて、実際それによって貢献しているとの自負を持っているに違いありません。

「自分は愛されている」

自分が、愛されているという自覚を持っている人は、自分が会社に貢献していることを会社の人は、知っているという実感を持っていることでしょう。そうして、会社とは、会社の経営陣はもとより、会社の多くの同僚、部下、上司ということです。


さて、「王様マインド」の3つの特徴を見たときに、私は、すぐに、組織の優劣に関する、上記の3つの言葉を思い浮かべてしまいました。

この「王様マインド」や、上記の言葉、表現は異なりますが、結局は同じことを言っているのだと思います。王様だって、王国という組織の人間です。組織の人間にとって、本当に重要なことには、大昔から伝承されてきたものでも、ドラッカー氏のように、比較的新しい時代の人が語ることでも、人生で、本当に重要なことは、互いに似通ってくるという事だと思います。

ただし、この「王様マインド」気にかかることがあります。下に今一度、三項目を掲載してみます。
自分の人生には目的がある
自分には価値がある 
自分は愛されている
主語が全部自分です。これでは何かジコチューそのもののような気がします。ジコチューの人が、これを座右の銘にしたら大変なことになりそうです。他者とは、全く関係のない人生の目的を持ち、他者がどう思うのかは全くおかまいなしに、自分に価値があると思い、自分は愛されていると思鋳込んだとしたら、大変なことになると思います。無論、私はこの書籍を読んでいなので、書籍の中では、このようなことを説明しているのかもしれません。しかし、基本中の基本であるマインドの定義の三つのすべての主語が「自分」というのでは、やはり、ジコチュー的であると思ってしまいます。

これも、戦後の誤った個人主義教育の産物なのでしょうか?この著者もこれにどっぷりと漬かって、ジコチュー的な考え方に何の違和感も持たなくなっているのかもしれません。あるいは、こうしたジコチュー的な表現のほうが、現在の世相にあっているのかもしれません。

このマインドの定義は、本当は以下のようにすべぎではないでしょうか?
私たちの人生には目的がある
私たちには価値がある
私たちは愛し愛されている
故三島由紀夫氏は、「人間は、自分のためだけに生きていけるほど強くはない。人のために生きるということが、大儀であります」と語っていました。三島由紀夫氏の言う大儀を現代風に言い直せば、上の三つの文章になるのかもしれません。実は、目的、価値、愛よりも、本当は、この「私たち」のほうが、重要なことだと思います。何でも自己で完結しようとする人には、本当の幸せは訪れないのだと思います。


私も、「王様マインド」自分だけが、持つよう努力するというは当然のこととして、それを自分の周りの人々も、持つことができるよう、日々努力していきたいものです。きっと、そちらのほうが、かなり幸福度合いが大きいと思います。自分だけが幸せになるのではなく、他の人も幸せになれるように努力する人のほうが、より大きな幸せを得られるはずです。



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2012年8月28日火曜日

仕事での失敗、年代別の受け止め方−【私の論評】失敗に関する見方で組織でも個人でも淘汰されるされないが決まる!!

仕事での失敗、年代別の受け止め方:


 人生に失敗はつきものです。どんなに能力が高い人でも失敗することはありますし、挫折することもあります。

 問題はその失敗を、自分の糧にできるかどうか。人の成長や進歩はその一点にかかっているといっても過言ではないはずです。

 『失敗バンザイ!やずやの西野さんに学ぶ「逆転成功」 の法則』(橋本陽輔/著、マガジンハウス/ 刊)は「にんにく卵黄」や「香醋」でおなじみの通販大手「やずや」で長... 続きを読む


さて、これに関しては、上記の元記事を読んでいただくものとして、Amazonの商品説明から以下にこの書籍の商品説明を掲載しておきます。
現・やずやグループ・(株)未来館の代表取締役である西野博道(にしの・ひろみち)氏のこれまでの仕事を分析することで、生き残る会社&生き残るビジネスパーソンはどこが違うのかを検証する自己啓発書の決定版。
1億円もの借金を背負って前の会社を潰した西野さんは、どうやってその借金を返し、「やずや」の急成長を支えたのか。
「一人でも多くの顧客を満足させる」「売上はお客様を喜ばせたご褒美である」という持論を実践した彼のビジネス哲学は、「失敗を原動力として成功する方法」に導かれる。
つまり本書は「失敗バンザイ! 失敗を原動力として活用する本」なのである!

■著者データ
新刊JP
ウェブサイト: http://www.sinkan.jp/



【私の論評】失敗に関する見方で組織でも個人でも淘汰されるされないが決まる!!

科学実験につきものの失敗
上の記事の内容は、失敗に関しての個々人の考え方、対応法を掲載しています。そうして、失敗を原動力として、活用する方法が掲載されているようです。確かに、それは、それで重要であり、意義深いものなのですが、そもそも、失敗に関する個々人などを超えた考え方、さらに、組織論的な考え方も必要不可欠であると思いますので、本日はそれに関することを掲載します。


ドラッカーは、著書「マネジメント」で以下のように述べています。

「決して間違いや、へまや、失敗をしない人だけは信用できない。そのような人は、食わせ物か、それとも無難なこと、絶対確実なこと、とるにたらないことしか手をつけない人である」
まさに、この通りだと思います。上の記事では、失敗への対処の仕方など掲載していますが、根本的にこの精神がなければ、組織は腐ってしまいます。実際、電力会社などには、このような精神がなく、組織論的に腐っているところがあります。

これに関して昔あった本当の話を思い出してしまいます。北海道電力会に勤めていた30歳台の人が、会社からアメリカに留学を命じられ、アメリカで最新鋭の知識を身につけて、もどってきてから、それをいかして改革をしようと意気込んでいたら、「そんなことは、しなくても良い、君はエリートなんだから、大過なく過ごせば、必ずときがくれば、偉くなれるから、余計なことはしなくても良い」といわれて、失望して会社を辞めてしまったということがありました。その当時には、北海道庁でも似たような事例があり、結構話題になりました。

北海道電力に限らず、電力会社は、一般に「役所よりも役所らしい組織」といわれるほど、保守的です。きっと、上の例でも、上司は、「部下が余計なことをして、失敗されては困る。今のままの状態を続けていれば、失敗することもなく、大過なくすごせて安泰だ」とでも考えていたのだと思います。まさに、失敗に対する考え方により、その企業の本質が見えるという格好の事例だと思います。こういう組織風土のあるような企業は、いまの世の中では、そのままでは長続きしないことでしょう。


また、「イノベーションと起業家精神」という著書では以下のように述べています。
「経営陣は、判断力に対して報酬を支払われているのであって、無過誤に対してではない。逆に、自らの過誤を認識しうる能力に対して、報酬を支払われているとさえいえるのである」
これも、まさしくその通りであり、会社全体が、新しいことに向かってチャレンジしていれば、経営者も全く失敗しないということはないはずで、経営者が全くの無過誤であったり、そうあらねばならないと思っているとしたら、非常に危険だということです。

そういわれてみれば、あの先進的なIT企業である、Googleも失敗していることはいくらでもあります。この失敗を駄目だと見る人はGoogleが常に新しいことに挑戦し続けていることを忘れているのかもしれません。

ドラッカーといえば、氏が提唱していた「組織の精神」も忘れるわけにはいきません。これについて、ドラッカーは以下のように述べています。
「組織の目的=凡人をして非凡なことをさせるこ=天才をあてにしない」
組織の役割は、凡人から強みを引き出し、凡人の弱みを消すことにあります。それは、結果として成果を中心に据えることになります。

「成果を中心に考える」
組織は常に事なかれ主義からの誘惑にさらされています。だから、高い基準を保ち続けることが必須なのです。成果をあげることは、百発百中はありません。あくまで打率で考えるべきなのです。なぜなら、優れているものほど、間違いを犯すが、新しいことを試みるからです。失敗しないこと組織の中心に据えれば、とんでもないことになってしまうことは皆さん容易に理解できると思います。

長々と書いてきましたが、結論は、個人でも、組織でも、「失敗しないことだけに血道をあげれば、いずれ淘汰される」ということです。

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