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2016年10月28日金曜日

蓮舫氏を東京地検に告発 二重国籍問題で市民団体代表ら―【私の論評】危機管理能力のない個人も政党も存在価値なし!政界から消えたほうが国民のため(゚д゚)!


蓮舫氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 民進党の蓮舫代表の日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」問題で、市民団体「愛国女性のつどい花時計」の岡真樹子代表らが28日、国籍を選択する義務を怠り、参院選で虚偽の事実を公表したとして、国籍法違反と公職選挙法違反の罪で蓮舫氏に対する告発状を東京地検に提出した。

 民進党役員室は「事実関係がわからないのでコメントは控えたい」とした。

 告発状によると、蓮舫氏は17歳だった昭和60年1月に日本国籍を取得。国籍法に基づき、22歳になった平成元年11月28日までに日本国籍か台湾籍のいずれかを選択する義務があったにもかかわらず、今月7日に選択の宣言をするまで義務を怠った。また、16年7月の参院選(東京選挙区)に立候補する際、国籍選択の義務を果たしていないにもかかわらず、選挙公報に「1985年、台湾籍から帰化」と記載して虚偽の事実を公表したとしている。

市民団体「愛国女性のつどい花時計」の岡真樹子代表
 岡氏らは告発状で「本来であればこの事実(蓮舫氏の二重国籍)を知った有権者の投票による当選はなかった可能性が十分あり、当時の選挙管理委員会と有権者を欺いた」と主張している。

【私の論評】危機管理能力のない個人も政党も存在価値なし!政界から消えたほうが国民のため(゚д゚)!

まず今回の二重国籍問題の経緯を以下にまとめます。今まで、様々なことが断片的に言われてきました。そのため、全体像がはっきりしない人も多いと思います。私もその一人です。これを解消するため、以下に経緯をまとめます。
蓮舫氏は台湾人の父と日本人の母から生まれ、当時は旧国籍法だったため父の国籍が優先され、台湾人として生まれた。 
国籍法が改正され母の国籍である日本国籍を取得できるようになったため、18歳の時に日本国籍の取得を行った。 
それと同時に台湾国籍の離脱も行った。しかし父に手続きしてもらったため、本当に国籍離脱できているかはわからない。
このような経緯から蓮舫氏は二重国籍ではないかという疑惑が出てきたわけです。そうして、以下にも掲載するように、上記の発言は虚偽であったことが後にわかります。

国籍法の問題
さてまずこの問題を法的見地から考えます。関連する法律は国籍法14条及び16条です。

第十四条 
外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによってします。

第十六条
選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。
今月15日、日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」問題について蓮舫氏は、都内の区役所に提出した台湾籍の離脱証明書が受理されなかったことを明らかにし、戸籍法に基づき「(日本国籍の)選択宣言をした」と都内で記者団の取材に答えています。

蓮舫氏は記者団に「(台湾籍の離脱証明書が)不受理なのでどうすればいいかと相談したら、強く(日本国籍の選択の宣言をするよう行政指導されたので選択宣言をした」と述べました。

蓮舫氏は9月23日に台湾当局から台湾籍の離脱証明書を受け取り、区役所に提出。後に、蓮舫氏は日本国籍の選択宣言を行ったのは10月7日と語っていました。ということは、つい最近まで日本国籍の選択宣言を行っていなかったということです。さらに、日本国籍を選択した時点で外国籍の離脱に努める義務があるのですが、それもつい最近のことです。

結局、台湾籍の離脱したにしても、それを都内の区役所に提出したのは、今年の9月23日であり、しかも台湾籍の離脱証明書は受理されなかったということです。これでは、どう考えても第十四条、第十六条違反です。

第十六条は罰則がない努力規定ですから一般人であれば特に問題とされることもないのでしょうが、国会議員という身分でありながら国籍法に違反している疑いがあるということは、問題です。

公職選挙法の問題
日本国の国会議員になる以上は国籍に関しては、出馬前にあらかじめ確認しておくべきであり、確認の上日本国籍の選択を宣言し、台湾籍を離脱してから、出馬すべきでした。もし、出馬までにこれができないというのなら、出馬すべきではなかったのです。

それをせずつい最近まで、放置してきたというのは蓮舫氏の怠慢です。蓮舫氏は民進党の代表有力候補と言われており、政権を取ることを目標にしているわけですから蓮舫氏が総理大臣になる可能性もあるわけです。

仮に日本と台湾の二重国籍の問題がある人間が総理大臣になった場合、日本と台湾の外交問題が生じた時日本と台湾の間には利益相反であることがもあります。二重国籍の問題のある総理大臣が日本の国益に沿った外交はしない可能性があります。

今のところ、蓮舫氏の二重国籍問題に関する経緯は以上のような内容です。しかし、これも発言が一転、二転しているため、おそらくこれが正しいであろうという類推に過ぎません。

国籍法の問題に関しては、罰則規定などがないので、特に裁判になっても、国籍法に基づき蓮舫氏が罰せられるということはないでしょう。

しかし、国会議員、そうして野党第一党の代表としては、道義的責任は免れないはずです。さらに、野党第一党の代表として、たとえいかなる理由があるとしても、自身の国籍に関して明白な虚偽である内容を述べ、国民を惑わした責任はまぬがれるものではありません。

このあたりについて、マスコミははっきりと報道しません。さらに、自民党側も徹底追求という構えは示していません。このことに、憤りを覚える人もいるかもしれません。

国会の場を「お白洲」として、この問題を公開の場で追求しはっきりさせるべきであると考える人も多いでしょう。

確かに、「お白洲」方式は効果があります。しかし、昨日もこのブログに掲載したように、「お白洲」方式には、それを効果的にするためには、それなりの原則と順番というものです。以下に、昨日の記事のリンクを掲載します。
豊洲問題の議論過程を公開 小池都知事の姿勢は正解―【私の論評】お白洲方式を成功させるためには、原則と順番がある(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、豊洲問題の議論過程を公開(お白洲方式)にしたことで、現状の豊洲市場には構造上の問題はないということで、解決しそうであること掲載しました。そうして、このお白洲方式を成功させるためには、原則と順番があることを掲載しました。

以下に、結論部分のみ引用します。
「お白洲」方式を成功させるためには、まずは「何が正しいか、何が間違いか」を議論すること、そうして議論する人の人選を間違えないこと。これが絶対原則です。

この原則を忘れて、都議会が、小池知事が、都の役人が、挙げ句の果てに元石原都知事が正しいとか、間違いかという議論をしていても議論が不毛になるだけです。そんなことよりも、まずは何が正しくて、何が間違いかを議論し、それがはっきりした次の段階で、必要があれば、誰に責任があるかを明確にするべきです。順番を間違えた論議は、不毛です。

今後「お白洲」方式を他の場面でも多く採用していただきたいのは、やまやまですが、この原則を忘れたものは無意味です。
今回の、蓮舫氏の二重国籍問題に関しては、国会や、国会の委員会でガチンコ対決をやらせるという「お白洲方式」も考えられます。

しかし、国会での追求となれば、互いに利害が複雑に絡みあった同士が、ガチンコ対決をするということになり、人選はかなり難しいです。さらに、「何が正しいか、何が間違いか」を議論することも難しいです。なぜなら、特に民進党や自民党も党利党略がどうしても絡んでしまうからです。

このよう状況では、なかなか結論が出ないでしょう、それに結論が出たとしても、結論がどのようなものになっても、なかなか納得しない人も大勢でることでしょう。

であれば、裁判にしたほうが良いです。裁判を「お白洲」にすれば良いのです。法律に照らして、二重国籍問題を明らかにし、蓮舫氏の二重国籍問題の何が間違いかを明らかにすることができます。

たとえ、結論がでなくても、十分な議論をつくすことにより、蓮舫氏の道義的責任ならびに、法律に照らした上での間違いも明らかになることでしょう。これが明らかになれば、政治的決着もつけやすいです。その意味では、今回の告発は有意義なものと思います。

テレビなど、あまり報道しないので、二重国籍問題に関してあまり深刻に考えない人も多いようですが、結論からいうともう、民進党は蓮舫氏の二重国籍で泥船状態です。いつ沈むかわかりません。にもかかわらず、蓮舫氏は、24日にとんでもない発言をしています。
蓮舫代表、小池知事の政治塾「我々の仲間も参加したい」 
 民進党の蓮舫代表は、TBS番組「時事放談」の収録で、東京都の小池知事が 近く立ち上げる政治塾について、「我々の仲間も機会があれば参加したい」と述べました。  
「豊洲の問題をはじめ、これは東京都政なんだという認識を前面に出した小池知事は すばらしい。政治は国政だけじゃない、都政のための都民ファーストの政治塾という考え方は 極めて合理的だし、我々の仲間も勉強させていただける機会があれば参加したいと思う」
(民進党 蓮舫代表)  
 一方、自民党の石破前地方創生担当大臣も小池都知事の動きについて、「新しい政治の流れが 出てきたことは間違いない事実」と評価しました。(24日10:50)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2876110.html
この記事、すでに削除されています。民進党をサポートするTBSとしても、この発言さすがにまずいと判断したのでしょう。 蓮舫氏が語るように小池知事の政治塾に「我々の仲間も参加したい」ということになれば、泥船「民進党」を見限って、他党に鞍替えしたいと考える民進党議員にお墨付きを与えることになります。

そうなれば、小池氏の政治塾に多数民進党議員が参加し、将来の新党に鞍替えするようなことが生じる可能性が大です。

それにしても、蓮舫氏は自分の頭のハエも追えないような状況の中で、この発言とおなじように国会でもあいかわず、舌鋒は鋭いものの空虚は発言を繰り返しています。このような発言をするのですから、余程危機管理能力がないというか、危機管理に関しての関心が希薄なのでしょう。

結局、この危機管理に関する関心の希薄さが、今回の二重国籍問題を招いたのだと思います。

危機管理関する関心が希薄な人間は、本来政治家になるべきではないです。民進党は本来は、蓮舫氏の二重国籍問題が明るみに出た時に、最低限、民進党代表選に出馬させないとか、少なくとも民主党の党籍を剥奪するとか、場合によっては蓮舫氏の議員資格に対して疑義をはさむというようなことをすべきでした。まるで何事もなかったかのように、罰することも何もしなかったのは明らかな間違いです。

今のままだと、次の選挙ではかつてないほどの大敗を喫することでしょう。その後は、かつての社会党のように消え去る運命です。それも、組織としての危機管理能力がないということで致し方ないのかもしれません。

危機管理能力のない個人も政党も、そもそも存在価値はありません。消えたほうが国民のためです。

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2016年9月14日水曜日

【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も―【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!

【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も

蓮舫氏

民進党の蓮舫代表代行がこれまで「二重国籍」問題で取ってきた一連の言動から浮かび上がるのは、政権交代を掲げる野党第一党のトップを目指す立場にありながら、事実確認を怠ったまま反射的に回答するというリスク管理の危うさだ。自らの疑惑に発言を迷走させた対応には、党内からも批判や懸念が上がっている。(清宮真一)

「父の台湾、母の日本、2つのルーツを持っているという程度の認識だった。本当に浅はかだった」

蓮舫氏は13日の記者会見で、参院議員に転身する前に答えた雑誌のインタビューなどで台湾籍を持っていると答えた過去をこう反省してみせた。

党代表選の最中でも発言は変化した。3日の読売テレビ番組では「生まれたときから日本人。(台湾)籍は抜いている。18歳で日本人を選んだ」と断言したが、6日の高松市の記者会見では、「18歳」を17歳に訂正した。

読売テレビでの「生まれたときから日本人」の発言も撤回された。蓮舫氏の出生当時の日本の国籍法とつじつまが合わないからだ。7日の産経新聞などのインタビューで「法律的には昭和60年から日本人だ」と修正した。

蓮舫氏は13日、台湾籍が除籍されていなかったことを表明した後にも、平成22年に行政刷新担当相として入閣したことや、今回の代表選出馬には問題はないとの認識を示した。希薄な「国籍」意識に加えて「問題点を検証しないまま言動する軽さ」(民進党ベテラン)は、一国を預かる首相を目指す資質としても疑問符がつく。


ただ、台湾籍の継続が明らかになった13日も、代表選での蓮舫氏の優勢は変わらなかった。くしくもこの日は、地方議員や党員・サポーターの郵便投票の締め切り日でもあった。

「記憶の不確かな部分でご迷惑をおかけしたことは申し訳ない。(15日の)代表選のスピーチで、みなさんに届くような言葉でしっかり説明したい」

会見でこう訴えた蓮舫氏だが、党内では危機感が募る。松木謙公衆院議員ら党内有志は13日、枝野幸男幹事長に対し、今回の国籍問題について党の見解を示すよう文書で要請した。

蓮舫氏は除籍手続きが終わっておらず、このまま代表選で勝利すれば、台湾籍を持った党代表が誕生する可能性もある。ある党中堅は「事態は相当深刻。蓮舫代表の就任直後に衆院解散を打たれたらアウトだ」と表情を曇らせた。




【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!


私は、今回の蓮舫氏の「二重国籍問題」に関しては、上の記事にあるように、蓮舫氏の危機管理能力は無論のこと、民進党という組織の危機管理能力、政府の危機管理能力も低かったことも原因になっていると思います。

危機管理といえば、このブロクでは以前「STAP細胞」に関して、小保方氏の倫理観の問題にすり替えられ、重要な組織の危機管理能力およびガバナンスが疎かにされすぎていると批判したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
小保方さんの恩師もついに口を開いた!米高級誌が報じたSTAP騒動の「真実」―【私の論評】小保方さんの倫理問題にすり替えるな!理研と文科省のガバナンスの問題こそ本質(゚д゚)!
小保方晴子さん
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
ブログ冒頭の記事の最後のほうに、「小保方は『私はスケープゴートにされた』と書いてきた。『日本のメディアはすべて、若山先生が犠牲者で、私がまったくのろくでなしと断定した』とも」と掲載されています。 
仮に、小保方さんが「まったくのろくでなし」であったとしたら、そこでさらに疑問がわきます。では、なぜ「まったくのろくでなし」をSTAP細胞研究のユニットリーダーに抜擢したのかが疑問です。 
理研は小保方さんが、「まったくのろくでなし」あることを見抜く能力がないのか、ないとしたら何に問題があるのか、それを解決する方法や、それを防ぐための「危機管理マニュアル」など存在しないのでしょうか。 
理研は、存在しないというのなら、これから作るつもりなのか、それで本当にリスク回避ができるのかを開示すべきです。 
また、理研も組織であるので、監査や内部統制はどうなっているのか、今回の出来事で監査が有効に実施されていなかったのは、はっきりしています。どのような監査が行われていたのか、不十分だったのか、不十分であれば、どのように改善するのかをはっきりさせるべきです。
日本版SOX法における内部統制フレームワーク
さらに、内部統制は組織的に実施されていたかの問題もあります。内部統制(ないぶとうせい 英:internal control)とは組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステムを指します。組織がその目的を有効・効率的かつ適正に達成するために、その組織の内部において適用されるルールや業務プロセスを整備し運用すること、ないしその結果確立されたシステムをいいます。 
これは、ガバナンスの要とも言えるもので、近年民間企業においてはその構築と運用が重要視されています。内部監査と密接な関わりがあるので、内部監督と訳されることもありますが、内部統制が一般的な呼び名となっています。 
民間企業でわかりやすい事例としては、たとえば、財務部門と経理部門を一つの組織として、1人上長が管理するようなことはすべきではないというものがあります。 
財務と経理の仕事は、中小企業などでは特に区分していない企業も多いですが、上場企業においては明確に区分されています。 
経理部門が「日々の経費の精算や帳簿の記帳などをする」「事業活動を数字に表していく処理をする」仕事がメインですが、財務部は「経理部門が作成した財務情報を基礎として企業の今後の経営戦略を財務の視点から考える」部署となります。経理部より財務部の方がより専門性が高い業務といえるでしょう。
また、財務部門は、回収と支払いのサイト管理や資金繰りの管理を通して、企業運営を円滑に進められるように、資金が足りないときは外部から調達してくる役割を担っています。 
このような区分を考えると、経理部門と財務部門の管理者が同一であるというのは内部統制上良くないことははっきりわかります。内部統制として望ましいのは、これらの部署が互いに他の部門を牽制するような仕組みをつくることこそ、正しい方向性です。 
理研も、民間営利企業ではないものの、理研としてこのような内部統制や、監査の仕組みさらに、危機管理体制がマニュアル化などしてあれば、そもそも、今回のような騒動は起こらなかったかもしれませんし、起こったにしも、あのような無様な形で、主に小保方さんの倫理的な問題にして、ようやく決着をつけるということにはならなかったと思います。 
理研の実験室など、あのうろたえぶりからすると、このような観点からすれば、たとえば、レイアウトや、入室、退室のさいの手続きとか、実験の各段階における手続きとか、明確になっていたとはとても思えません。 
こういうと、私は小保方さんを援護しているように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。そもそも、部外者である私は、小保方さんの倫理面や人格等を忖度するような立場にもありません。どんな人なのかもわかりません。だから、小保方さんを援護したり、非難したりする気も全くありません。

そんなことよりも、たとえ小保方さんが「まったくのろくでなし」であろうが、なかろうが、あるいは悪人であろうが、なかろうが、私はそんなことよりも、たとえ狡猾でかなり頭の良い極悪人が運悪く研究所内に潜り込んだとしても、何か普段では考えられないような危機が発生したとしても、余程のことがない限り、間違いが起こらないようなシステムを構築すべきということを言いたいのです。そうして、仮に間違いが起こっても、早期に収拾できるリスク管理体制を構築すべきであることを言っているのです。
倫理観に基づく、良き意図は大事です。しかし、良き意図だけでは何もできません。何も守れません。何も変えられません。そもそも、理研など国の最先端の研究機関であれば、このあたり、二重三重に備えをしておかなければ、妨害されたり、邪魔をされたり、成果を盗まれたり、あらぬ方向に操作されたりするので、そのようなことが絶対にないように、その備えを固めよと言いたいのです。

そうして、そのような備えを固めることによって、まともなガバナンス(統治)を実行するための基礎ともなると言いたいのです。このようなことを疎かにするような、理研や文科省であれば、統治の正当性が疑われるということを言いたいのです。
この記事を書いたときに、私はいずれ忘れたころに第二、第三の「STAP細胞事件」が起こる可能性があるものと予感しました。

今日、全く予期せぬ形で、それが現実のものとなりました。そうです。今回の「二重国籍
問題」は、一見事象は全く異なるものの、マスコミの論調をみても、他の識者の意見でも、結局のところ、蓮舫氏の倫理問題として、その背後にある民主党や日本政府の管理の問題や、組織のガバナンスの問題を蔑ろにしています。

無論、ブログ冒頭の記事にあるように、蓮舫氏の個人のリスク管理の問題もあります。なぜなら、蓮舫氏は小保方氏とは異なり、選挙によって国民の付託を受けた国会議員であり、さらに野党第一党の、幹部であり、さらに今回民進党の代表になったとすれば、日本の総理大臣になる可能性もあるからです。

先日もこのブログに掲載したように、国会議員さらに野党第一党の幹部となれば、本人はどう思っているか、周りの人はどう思っているかは別にして、本来「自分の命よりもその責任」が重いエリートであることには間違いありません。日本では、エリートの定義があいまいですが、本来のエリートの定義は世界共通でこのようなものです。

エリートというものは、「本人の命よりも責任が重い」という事です。だから昔のエリートである武士は毎日切腹の訓練をしていたのです。

だからこそ、蓮舫氏には自らによる危機管理能力の欠如を追求されてもいたし方ないです。

しかし、小保方さんは理研の研究員のユニットリーダーであり、無論個人の危機管理能力も問われはしますが、そうは言っても、蓮舫氏程にその責任を問われることはありません。彼女は管理職ですらないのです。本来の研究員は危機管理やガバナンスなどについて、熱心に取り組むべき存在ではありません。第一そんなことに一生懸命になっていれば、研究がおろそかになるだけです。彼女はあくまで研究に没頭すべき存在です。

小保方氏と、蓮舫氏にはこのような根本的な違いがあるのは事実です。とは、いいながら、共通点もあります。それは、マスコミや識者の論調が、両者とも両者の倫理的な側面を追求しているということです。

何か問題が起こったときに、個人の倫理に委ねることは本当に簡単です。簡単に言ってしまえば「あいつが悪い」ということです。これだと、本当にどんな問題でも頭を使わずに、簡単です。結局「STAP騒動」においては、亡くなられた若山氏が唯一の犠牲者で、悪いのは小保方氏ということで決着がついています。しかし、あれだけの事件、当然のことながら、背景には多くの事象があり、そうして、理研や文部省にも、危機管理やガバナンスに問題があるのは歴然であると思います。

このことに関しては、蓮舫氏は以下のようにツイートしています。
蓮舫氏は、これだけにとどまらず、参院内閣委員会で理研野依理事を追求しています。

2014年5月13日(火)参議院内閣委員会で理研理事を追求する蓮舫氏
私は、民主党の第1次与党期の冒頭、政府外議員だった蓮舫さんが事業仕分けをしたところ、野依理事長が自民党本部にかけこみ、部会で、「歴史という法廷に立つ覚悟があるのか」と語ったのが印象に残っています。

さて、この野依氏に対して、蓮舫氏は、小保方晴子・理化学研究所研究員が発見した「STAP細胞」に関して論文に不正があったと断定して、理研が処分した問題を取り上げました。

蓮舫さんが理事長の責任を問うと、野依氏は「研究所全体の倫理の問題として、(小保方さんを代表者とする)共同研究の事業は、若者らの意識の変化もあり、経営者(理事長)として非常に重く受け止めています。経営者の責任として、若手の研究者の自立の支援と、外部有識者による委員会の調査結果を待ちたい」と語り、辞任を拒みました。

野依氏は、2015年に理研理事長退任しました。ただし、野衣氏は、当時会見で退任はSTAP細胞問題の引責辞任ではないと強調しました。また、STAP細胞論文に疑念が生じた後の理研の対応について、「社会が求めるスピード感とは乖離があった」と認めたものの、対応は十分だったと総括しました。

私自身は、野依氏に関しては、引責辞任するしないは別にして、あのようなことがお凝らないように、あるいは起こってしまっても傷口を広げないように、危機管理システムを充実してから辞任すべきであったと考えています。

当時の理研監督省庁であった文部省の大臣だった下村博文氏
さて、当時の理研監督省庁であった文部省の当時の下村文部大臣はというと、「STAP細胞」の再現実験には小保方さんも加わるべきだという発言などはしていますが、理研の危機管理システムやガバナンス上の問題に関する発言や、ましてや文部省のそれに関する発言などは全くなかったと思います。

小保方氏は、当理研OBの石川智久・元上級研究員ES細胞窃盗の容疑で告発されましたが、結局警察の取り調べは受けたものの、立件には至っていません。

結局は、この事件若山氏一人が犠牲者で、小保方氏が「ろくでなし」ということで幕引きです。その後、マスコミも専門家も、危機管理の問題や、ガバナンスの問題など有耶無耶にされて、今日に至っています。多くの人は、「小保は悪いやつ」で止まってしまい、そこからさらに背景を追求しようなどとはしません。まるで思考停止してしまっているようです。

そうして、今回の蓮舫氏の「二重国籍問題」です。この出来事に関しては、さすがに、蓮舫氏の倫理問題として片付けるだけではないようではあります。

日本維新の会の馬場伸幸幹事長
日本維新の会の馬場伸幸幹事長は8日、国会議員や国家公務員らが日本以外の国籍を持つ「二重国籍」を禁じる法案を国会に提出する考えを示しています。早ければ今月末に召集される臨時国会への提出を検討しています。

馬場氏は都内で記者団に「国政に携わる者が二重に国籍を持つことはあってはならない」と述べ、国籍法や公職選挙法などの改正で対応する考えを示しました。

菅義偉官房長官も7日の記者会見で「ご自身が説明すべき問題だ」といい、「一般論として申し上げれば、外国の国籍と日本の国籍を有する人は、22歳に達するまでにどちらかの国籍を選択する必要があり、選択しない場合は日本の国籍を失うことがあることは承知している」と語りました。

自民党では、衆参の予算委員会や法務委員会で、法務省の見解などをただすことも検討しているといいます。中国、台湾の法律も絡むため、外務委員会でも質問が出る可能性もあります。

法務行政に精通する自民党のベテラン議員は「もし、蓮舫氏が『二重国籍』のまま、民主党政権の閣僚をやっていたことが確認されれば、その時点で議員辞職だろう。民主党は2009年の政策集に『重国籍容認に向け国籍選択制度を見直します』と掲げていた。当然、民進党の姿勢も問われる」と語っています。

さて、国会での追求ですが、これも「STAP細胞」騒動の反省にたち、蓮舫氏の危機管理能力の欠如や倫理観のみに焦点をあてるだけではなく、民進党の組織としての責任を危機管理やガバナンスの観点から追求して、追求するだけはなく法律は無論のこと、システムも変更していただきたものです。

そうして、忘れてならないのは、政府の責任の追求です。何やら、この問題、蓮舫氏や民主党にのみ責任があるような受け取り方をする人も多いようですが、政府にも明らかに責任があります。

このブログでも以前掲載しましたが、二重国籍者は推定で日本国内に40、50万人存在するとされています。日本の国籍法は二重国籍を認めていません。二重国籍になった場合は、一定期間内にどちらかの国籍を選択しなければなりません。また、自ら志望して外国籍を取得した場合は、日本国籍を喪失しなければなりません。

そうして、期限までに国籍を選択しない場合は、法相が書面による催告をしてから1カ月以内に日本国籍を選択しなければ「日本国籍を剥奪できる」と規定しています。にもかかわらず、二重国籍の人々は年々増加の一途をたどっています。

どうしてこういうことになるかといえば、この規定が守られていないからです。つまり、いつまでも国籍を選択しない者が多いにもかかわらず、法相による催告・国籍剥奪は、一度たりとも行使されたことがないのです。

これは、どう考えても異常です。全員に対してそういうことができないというのなら、国会議員や国家公務員に対してはこれを実行すべきでしょう。そうして、少なくとも反社会勢力に対しては、これを実行すべきでしょう。

いずにしても、「STAP細胞」騒動の時のように、曖昧にして小保方氏一人の倫理問題で片付けるようことがあってはならないです。そうしなければ、いつまでたっても、このような問題は何度でも繰り返し発生することになると思います。

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