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2016年9月14日水曜日

【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も―【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!

【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も

蓮舫氏

民進党の蓮舫代表代行がこれまで「二重国籍」問題で取ってきた一連の言動から浮かび上がるのは、政権交代を掲げる野党第一党のトップを目指す立場にありながら、事実確認を怠ったまま反射的に回答するというリスク管理の危うさだ。自らの疑惑に発言を迷走させた対応には、党内からも批判や懸念が上がっている。(清宮真一)

「父の台湾、母の日本、2つのルーツを持っているという程度の認識だった。本当に浅はかだった」

蓮舫氏は13日の記者会見で、参院議員に転身する前に答えた雑誌のインタビューなどで台湾籍を持っていると答えた過去をこう反省してみせた。

党代表選の最中でも発言は変化した。3日の読売テレビ番組では「生まれたときから日本人。(台湾)籍は抜いている。18歳で日本人を選んだ」と断言したが、6日の高松市の記者会見では、「18歳」を17歳に訂正した。

読売テレビでの「生まれたときから日本人」の発言も撤回された。蓮舫氏の出生当時の日本の国籍法とつじつまが合わないからだ。7日の産経新聞などのインタビューで「法律的には昭和60年から日本人だ」と修正した。

蓮舫氏は13日、台湾籍が除籍されていなかったことを表明した後にも、平成22年に行政刷新担当相として入閣したことや、今回の代表選出馬には問題はないとの認識を示した。希薄な「国籍」意識に加えて「問題点を検証しないまま言動する軽さ」(民進党ベテラン)は、一国を預かる首相を目指す資質としても疑問符がつく。


ただ、台湾籍の継続が明らかになった13日も、代表選での蓮舫氏の優勢は変わらなかった。くしくもこの日は、地方議員や党員・サポーターの郵便投票の締め切り日でもあった。

「記憶の不確かな部分でご迷惑をおかけしたことは申し訳ない。(15日の)代表選のスピーチで、みなさんに届くような言葉でしっかり説明したい」

会見でこう訴えた蓮舫氏だが、党内では危機感が募る。松木謙公衆院議員ら党内有志は13日、枝野幸男幹事長に対し、今回の国籍問題について党の見解を示すよう文書で要請した。

蓮舫氏は除籍手続きが終わっておらず、このまま代表選で勝利すれば、台湾籍を持った党代表が誕生する可能性もある。ある党中堅は「事態は相当深刻。蓮舫代表の就任直後に衆院解散を打たれたらアウトだ」と表情を曇らせた。




【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!


私は、今回の蓮舫氏の「二重国籍問題」に関しては、上の記事にあるように、蓮舫氏の危機管理能力は無論のこと、民進党という組織の危機管理能力、政府の危機管理能力も低かったことも原因になっていると思います。

危機管理といえば、このブロクでは以前「STAP細胞」に関して、小保方氏の倫理観の問題にすり替えられ、重要な組織の危機管理能力およびガバナンスが疎かにされすぎていると批判したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
小保方さんの恩師もついに口を開いた!米高級誌が報じたSTAP騒動の「真実」―【私の論評】小保方さんの倫理問題にすり替えるな!理研と文科省のガバナンスの問題こそ本質(゚д゚)!
小保方晴子さん
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
ブログ冒頭の記事の最後のほうに、「小保方は『私はスケープゴートにされた』と書いてきた。『日本のメディアはすべて、若山先生が犠牲者で、私がまったくのろくでなしと断定した』とも」と掲載されています。 
仮に、小保方さんが「まったくのろくでなし」であったとしたら、そこでさらに疑問がわきます。では、なぜ「まったくのろくでなし」をSTAP細胞研究のユニットリーダーに抜擢したのかが疑問です。 
理研は小保方さんが、「まったくのろくでなし」あることを見抜く能力がないのか、ないとしたら何に問題があるのか、それを解決する方法や、それを防ぐための「危機管理マニュアル」など存在しないのでしょうか。 
理研は、存在しないというのなら、これから作るつもりなのか、それで本当にリスク回避ができるのかを開示すべきです。 
また、理研も組織であるので、監査や内部統制はどうなっているのか、今回の出来事で監査が有効に実施されていなかったのは、はっきりしています。どのような監査が行われていたのか、不十分だったのか、不十分であれば、どのように改善するのかをはっきりさせるべきです。
日本版SOX法における内部統制フレームワーク
さらに、内部統制は組織的に実施されていたかの問題もあります。内部統制(ないぶとうせい 英:internal control)とは組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステムを指します。組織がその目的を有効・効率的かつ適正に達成するために、その組織の内部において適用されるルールや業務プロセスを整備し運用すること、ないしその結果確立されたシステムをいいます。 
これは、ガバナンスの要とも言えるもので、近年民間企業においてはその構築と運用が重要視されています。内部監査と密接な関わりがあるので、内部監督と訳されることもありますが、内部統制が一般的な呼び名となっています。 
民間企業でわかりやすい事例としては、たとえば、財務部門と経理部門を一つの組織として、1人上長が管理するようなことはすべきではないというものがあります。 
財務と経理の仕事は、中小企業などでは特に区分していない企業も多いですが、上場企業においては明確に区分されています。 
経理部門が「日々の経費の精算や帳簿の記帳などをする」「事業活動を数字に表していく処理をする」仕事がメインですが、財務部は「経理部門が作成した財務情報を基礎として企業の今後の経営戦略を財務の視点から考える」部署となります。経理部より財務部の方がより専門性が高い業務といえるでしょう。
また、財務部門は、回収と支払いのサイト管理や資金繰りの管理を通して、企業運営を円滑に進められるように、資金が足りないときは外部から調達してくる役割を担っています。 
このような区分を考えると、経理部門と財務部門の管理者が同一であるというのは内部統制上良くないことははっきりわかります。内部統制として望ましいのは、これらの部署が互いに他の部門を牽制するような仕組みをつくることこそ、正しい方向性です。 
理研も、民間営利企業ではないものの、理研としてこのような内部統制や、監査の仕組みさらに、危機管理体制がマニュアル化などしてあれば、そもそも、今回のような騒動は起こらなかったかもしれませんし、起こったにしも、あのような無様な形で、主に小保方さんの倫理的な問題にして、ようやく決着をつけるということにはならなかったと思います。 
理研の実験室など、あのうろたえぶりからすると、このような観点からすれば、たとえば、レイアウトや、入室、退室のさいの手続きとか、実験の各段階における手続きとか、明確になっていたとはとても思えません。 
こういうと、私は小保方さんを援護しているように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。そもそも、部外者である私は、小保方さんの倫理面や人格等を忖度するような立場にもありません。どんな人なのかもわかりません。だから、小保方さんを援護したり、非難したりする気も全くありません。

そんなことよりも、たとえ小保方さんが「まったくのろくでなし」であろうが、なかろうが、あるいは悪人であろうが、なかろうが、私はそんなことよりも、たとえ狡猾でかなり頭の良い極悪人が運悪く研究所内に潜り込んだとしても、何か普段では考えられないような危機が発生したとしても、余程のことがない限り、間違いが起こらないようなシステムを構築すべきということを言いたいのです。そうして、仮に間違いが起こっても、早期に収拾できるリスク管理体制を構築すべきであることを言っているのです。
倫理観に基づく、良き意図は大事です。しかし、良き意図だけでは何もできません。何も守れません。何も変えられません。そもそも、理研など国の最先端の研究機関であれば、このあたり、二重三重に備えをしておかなければ、妨害されたり、邪魔をされたり、成果を盗まれたり、あらぬ方向に操作されたりするので、そのようなことが絶対にないように、その備えを固めよと言いたいのです。

そうして、そのような備えを固めることによって、まともなガバナンス(統治)を実行するための基礎ともなると言いたいのです。このようなことを疎かにするような、理研や文科省であれば、統治の正当性が疑われるということを言いたいのです。
この記事を書いたときに、私はいずれ忘れたころに第二、第三の「STAP細胞事件」が起こる可能性があるものと予感しました。

今日、全く予期せぬ形で、それが現実のものとなりました。そうです。今回の「二重国籍
問題」は、一見事象は全く異なるものの、マスコミの論調をみても、他の識者の意見でも、結局のところ、蓮舫氏の倫理問題として、その背後にある民主党や日本政府の管理の問題や、組織のガバナンスの問題を蔑ろにしています。

無論、ブログ冒頭の記事にあるように、蓮舫氏の個人のリスク管理の問題もあります。なぜなら、蓮舫氏は小保方氏とは異なり、選挙によって国民の付託を受けた国会議員であり、さらに野党第一党の、幹部であり、さらに今回民進党の代表になったとすれば、日本の総理大臣になる可能性もあるからです。

先日もこのブログに掲載したように、国会議員さらに野党第一党の幹部となれば、本人はどう思っているか、周りの人はどう思っているかは別にして、本来「自分の命よりもその責任」が重いエリートであることには間違いありません。日本では、エリートの定義があいまいですが、本来のエリートの定義は世界共通でこのようなものです。

エリートというものは、「本人の命よりも責任が重い」という事です。だから昔のエリートである武士は毎日切腹の訓練をしていたのです。

だからこそ、蓮舫氏には自らによる危機管理能力の欠如を追求されてもいたし方ないです。

しかし、小保方さんは理研の研究員のユニットリーダーであり、無論個人の危機管理能力も問われはしますが、そうは言っても、蓮舫氏程にその責任を問われることはありません。彼女は管理職ですらないのです。本来の研究員は危機管理やガバナンスなどについて、熱心に取り組むべき存在ではありません。第一そんなことに一生懸命になっていれば、研究がおろそかになるだけです。彼女はあくまで研究に没頭すべき存在です。

小保方氏と、蓮舫氏にはこのような根本的な違いがあるのは事実です。とは、いいながら、共通点もあります。それは、マスコミや識者の論調が、両者とも両者の倫理的な側面を追求しているということです。

何か問題が起こったときに、個人の倫理に委ねることは本当に簡単です。簡単に言ってしまえば「あいつが悪い」ということです。これだと、本当にどんな問題でも頭を使わずに、簡単です。結局「STAP騒動」においては、亡くなられた若山氏が唯一の犠牲者で、悪いのは小保方氏ということで決着がついています。しかし、あれだけの事件、当然のことながら、背景には多くの事象があり、そうして、理研や文部省にも、危機管理やガバナンスに問題があるのは歴然であると思います。

このことに関しては、蓮舫氏は以下のようにツイートしています。
蓮舫氏は、これだけにとどまらず、参院内閣委員会で理研野依理事を追求しています。

2014年5月13日(火)参議院内閣委員会で理研理事を追求する蓮舫氏
私は、民主党の第1次与党期の冒頭、政府外議員だった蓮舫さんが事業仕分けをしたところ、野依理事長が自民党本部にかけこみ、部会で、「歴史という法廷に立つ覚悟があるのか」と語ったのが印象に残っています。

さて、この野依氏に対して、蓮舫氏は、小保方晴子・理化学研究所研究員が発見した「STAP細胞」に関して論文に不正があったと断定して、理研が処分した問題を取り上げました。

蓮舫さんが理事長の責任を問うと、野依氏は「研究所全体の倫理の問題として、(小保方さんを代表者とする)共同研究の事業は、若者らの意識の変化もあり、経営者(理事長)として非常に重く受け止めています。経営者の責任として、若手の研究者の自立の支援と、外部有識者による委員会の調査結果を待ちたい」と語り、辞任を拒みました。

野依氏は、2015年に理研理事長退任しました。ただし、野衣氏は、当時会見で退任はSTAP細胞問題の引責辞任ではないと強調しました。また、STAP細胞論文に疑念が生じた後の理研の対応について、「社会が求めるスピード感とは乖離があった」と認めたものの、対応は十分だったと総括しました。

私自身は、野依氏に関しては、引責辞任するしないは別にして、あのようなことがお凝らないように、あるいは起こってしまっても傷口を広げないように、危機管理システムを充実してから辞任すべきであったと考えています。

当時の理研監督省庁であった文部省の大臣だった下村博文氏
さて、当時の理研監督省庁であった文部省の当時の下村文部大臣はというと、「STAP細胞」の再現実験には小保方さんも加わるべきだという発言などはしていますが、理研の危機管理システムやガバナンス上の問題に関する発言や、ましてや文部省のそれに関する発言などは全くなかったと思います。

小保方氏は、当理研OBの石川智久・元上級研究員ES細胞窃盗の容疑で告発されましたが、結局警察の取り調べは受けたものの、立件には至っていません。

結局は、この事件若山氏一人が犠牲者で、小保方氏が「ろくでなし」ということで幕引きです。その後、マスコミも専門家も、危機管理の問題や、ガバナンスの問題など有耶無耶にされて、今日に至っています。多くの人は、「小保は悪いやつ」で止まってしまい、そこからさらに背景を追求しようなどとはしません。まるで思考停止してしまっているようです。

そうして、今回の蓮舫氏の「二重国籍問題」です。この出来事に関しては、さすがに、蓮舫氏の倫理問題として片付けるだけではないようではあります。

日本維新の会の馬場伸幸幹事長
日本維新の会の馬場伸幸幹事長は8日、国会議員や国家公務員らが日本以外の国籍を持つ「二重国籍」を禁じる法案を国会に提出する考えを示しています。早ければ今月末に召集される臨時国会への提出を検討しています。

馬場氏は都内で記者団に「国政に携わる者が二重に国籍を持つことはあってはならない」と述べ、国籍法や公職選挙法などの改正で対応する考えを示しました。

菅義偉官房長官も7日の記者会見で「ご自身が説明すべき問題だ」といい、「一般論として申し上げれば、外国の国籍と日本の国籍を有する人は、22歳に達するまでにどちらかの国籍を選択する必要があり、選択しない場合は日本の国籍を失うことがあることは承知している」と語りました。

自民党では、衆参の予算委員会や法務委員会で、法務省の見解などをただすことも検討しているといいます。中国、台湾の法律も絡むため、外務委員会でも質問が出る可能性もあります。

法務行政に精通する自民党のベテラン議員は「もし、蓮舫氏が『二重国籍』のまま、民主党政権の閣僚をやっていたことが確認されれば、その時点で議員辞職だろう。民主党は2009年の政策集に『重国籍容認に向け国籍選択制度を見直します』と掲げていた。当然、民進党の姿勢も問われる」と語っています。

さて、国会での追求ですが、これも「STAP細胞」騒動の反省にたち、蓮舫氏の危機管理能力の欠如や倫理観のみに焦点をあてるだけではなく、民進党の組織としての責任を危機管理やガバナンスの観点から追求して、追求するだけはなく法律は無論のこと、システムも変更していただきたものです。

そうして、忘れてならないのは、政府の責任の追求です。何やら、この問題、蓮舫氏や民主党にのみ責任があるような受け取り方をする人も多いようですが、政府にも明らかに責任があります。

このブログでも以前掲載しましたが、二重国籍者は推定で日本国内に40、50万人存在するとされています。日本の国籍法は二重国籍を認めていません。二重国籍になった場合は、一定期間内にどちらかの国籍を選択しなければなりません。また、自ら志望して外国籍を取得した場合は、日本国籍を喪失しなければなりません。

そうして、期限までに国籍を選択しない場合は、法相が書面による催告をしてから1カ月以内に日本国籍を選択しなければ「日本国籍を剥奪できる」と規定しています。にもかかわらず、二重国籍の人々は年々増加の一途をたどっています。

どうしてこういうことになるかといえば、この規定が守られていないからです。つまり、いつまでも国籍を選択しない者が多いにもかかわらず、法相による催告・国籍剥奪は、一度たりとも行使されたことがないのです。

これは、どう考えても異常です。全員に対してそういうことができないというのなら、国会議員や国家公務員に対してはこれを実行すべきでしょう。そうして、少なくとも反社会勢力に対しては、これを実行すべきでしょう。

いずにしても、「STAP細胞」騒動の時のように、曖昧にして小保方氏一人の倫理問題で片付けるようことがあってはならないです。そうしなければ、いつまでたっても、このような問題は何度でも繰り返し発生することになると思います。

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2016年3月31日木曜日

小保方さんの恩師もついに口を開いた!米高級誌が報じたSTAP騒動の「真実」―【私の論評】小保方さんの倫理問題にすり替えるな!理研と文科省のガバナンスの問題こそ本質(゚д゚)!

小保方さんの恩師もついに口を開いた!米高級誌が報じたSTAP騒動の「真実」

小保方晴子さん

小保方さんは間違っていたのか、それとも正しかったのか—アメリカの権威誌に掲載された記事には、日本で報道されていない新たな証言が書かれていた。世界中が彼女に注目し始めている。

すさまじい駆け引き

「私は、STAP細胞は正しい、確かに存在すると100%信じたまま墓場にいくつもりだ」
こう語るのは、小保方晴子さん(32歳)の恩師、アメリカ・ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授だ。バカンティ氏は、小保方さんが発表し、後に撤回された「STAP細胞論文」の共著者でもある。

小保方さんが、自らの言葉で綴った手記『あの日』が、海の向こうでも話題になっている。アメリカで有数の権威を持つ週刊誌『NEW YORKER』(ニューヨーカー)の電子版に、一連のSTAP騒動を検証する記事が掲載されたのだ。筆者は、アメリカ人のデイナ・グッドイヤー女史(39歳)。'07年まで『ニューヨーカー』の編集者として勤務し、その後、ノンフィクション作家として独立した人物である。

冒頭のバカンティ氏の言葉は、グッドイヤー女史のインタビューによって騒動以降、初めて明らかになったものだ。

在米の出版社社員が現地の様子について語る。

「バカンティ教授が取材を受けたのも『ニューヨーカー』だからこそです。それくらいこの雑誌で記事が組まれることはステータスでもあるんです。この記事を掲載するに当たって編集部は約半年にもわたり、準備をしたそうです。かなり気合が入った記事であることは間違いない。小保方さんが手記を出したことで、世界が再び彼女に注目しています」
『ニューヨーカー』はアメリカ雑誌界の最高峰に君臨。読者層は知的好奇心が高く、「高級で権威がある雑誌」と認識されている。紙の雑誌の発行部数は100万部以上。

電子版も好調で、こちらも100万人以上の会員数を誇る。一本一本の記事が丁寧に書かれている総合誌で、非常に読み応えがあるのが特徴だ。

小保方さんに関する記事のタイトルは「THE STRESS TEST」。幹細胞研究の世界はまさに陰謀、欺し合いが錯綜している。そこに細胞に対して行う「ストレス・テスト」を引っかけ、ストレスに弱い者は、科学界で生き残れないことをこの記事は示している。

グッドイヤー女史は日本中を巻き込んだ「STAP」騒動をどう分析しているのか。

まず小保方さんの登場について記事ではこう書かれている。

「この仕事(STAP)の背後にいた『革命児』が小保方晴子であった。彼女は男性中心の日本の科学界に女性として一石を投じた。彼女は他の女性に比べて、男たちとの駆け引きの中で生きることに長けていた。そして独創的な考えの持ち主であると賞賛されていた」(『ニューヨーカー』より・以下カッコ内は同)
その小保方さんを引き上げた人物こそ、バカンティ教授だった。

「小保方がバカンティ教授の研究室にやってきた時、バカンティはすぐに『彼女にはopen‐minded(心の広さ、進取の気性に富む)と、明敏さがある』ことに気づいた。ただしバカンティは当面、細胞にストレスを与えると幹細胞を作り出す可能性があるという仮説を伏せておいた。

彼がもっとも避けたかったのは、留学生が自国に戻って、他の誰かの研究室で彼女のアイディアを展開することにあった。バカンティは私にこう言った。『私の主な懸念は、我々はハルコを信用できるのかだ』と」

「彼女には才能がある」

だが、バカンティ氏の懸念は杞憂に終わる。小保方さんは彼の研究室で信頼を高めていった。

「小保方の下でリサーチ・アシスタントとして働いたジェイソン・ロスはこう言った。『彼女がいかに才能があるかは、誰もが分かった。ハルコのような才能のある人はそう多くはいない』。

それに対して小保方はこう返した。『日本では女性研究者は二流です。たとえ年下の大学生でも、男性が必要としたら、女性は顕微鏡を使うのを諦めないといけません』」

やがてバカンティ教授の元での短期留学を終えた小保方さんは、日本に帰国し、'11年に理化学研究所(CDB)の研究員に。そこで「STAP騒動」のキーパーソンである若山照彦教授のチームに所属する。そして本格的にSTAP細胞の研究に取り組んでいく。

「生物学者の山中伸弥がノーベル賞を受賞したとき、CDBの研究者たちの野心は奮い立った。CDBのチームは、自分たちの発見が山中の発見と張り合う、いや山中の研究をobsolete(時代遅れ、廃れた)にしてしまうとまで考えた」
その一方で、当時の小保方さんについては、

「小保方はCDBでの昇進は早かったが、うまく適応できてなかった。アメリカ的になっていたので、元同僚たちによると小保方は、日本の研究所の厳格なヒエラルキーにイライラしているように見えた」
と記している。
'12年、STAP細胞発見への意欲を見せる小保方さんのもとにもう一人の協力者が現れる。それが騒動中に自殺した笹井芳樹・元CDB副センター長だった。笹井氏のもとで、小保方さんは論文を再構築する。

そして'14年、ついに世界的権威を持つ科学雑誌『ネイチャー』にSTAP論文が掲載される。日本のメディアは割烹着姿で顕微鏡をのぞき込む小保方さんを「リケジョの星」、「ノーベル賞級の発見」と煽り持ち上げた。

だが、風向きが急速に変わり始める—。

「ブランドン・ステルという名の神経科学者が'12年に創設した『PubPeer』というオンライン・フォーラムがあり、そこでは誰もが科学論文を分析して議論することができる。STAP論文は彼らにとってまさに、好奇心をそそる材料であった。2週間も経たないうちに、匿名のユーザーが論文に掲載された画像の2つがほとんど同一のものであることに気づいた」

STAP論文の発表は世界に衝撃を与えると同時に、世界中の研究者からの検証にさらされることにもなった。これこそが「ストレス・テスト」なのだ。このテストにバカンティ氏と小保方さんは耐え抜くことができなかった。

「ハーバード大学の科学者でボストン小児病院の幹細胞移植のディレクターであるジョージ・ダレイは私にこう言った。『当時、世界中の私の同僚たちは、お互いにメールをしあって、おーい、何が起きているんだ。うまくできたか? 誰も成功してないのか、と言い合っていた』」

今も信じている

グッドイヤー女史によると、ダレイは「STAPは幻想である」ことを立証するための論文を『ネイチャー』に発表する準備を始めたという。さらにダレイは2回にわたって、バカンティ氏に間違いを諭そうとしたが、無駄に終わったという。

「ダレイは私に『バカンティは自分が正しいと思い込んでいる』と言った。

そして、昨年の9月、『ネイチャー』はダレイのSTAPに関する論文を掲載した。そこには小保方の主張を正当化すべく7つの研究室が再現をしようとしたが、すべて失敗したと書かれていた。
この論文の共著者であるルドルフ・イェーニッシュは、遠慮することなく私にこう言った。『小保方が若山にいろいろ混ざった細胞を渡したことは明らかだ。若山は彼女のことを信じてそれを注入した。そして美しいキメラができた』」
バカンティ氏は一度、小保方さんに「データの捏造はしてないのか」と尋ねたが、小保方さんの答えは、「それならこんなに時間をかけて実験はしない」だったという。

さらに記事の中には、バカンティ氏は論文撤回後もSTAP細胞作製に向け、いまも研究を続けていると書かれている。

断っておくが、『ニューヨーカー』に掲載されたこの記事は、誰が正しいと断定はしていない。あくまでそれぞれの当事者に取材し、主張を丁寧に拾ったものである。騒動以降、口を閉ざしたままだったバカンティ氏が、今も小保方さんを信じ続けていることは、この記事を読めば十分に伝わってくる。

筆者のグッドイヤー女史は今回、記事を書くにあたって小保方さんとメールでコンタクトを取ったことを明かしている。

「小保方は『私はスケープゴートにされた』と書いてきた。『日本のメディアはすべて、若山先生が犠牲者で、私がまったくのろくでなしと断定した』とも」
小保方さんは今、どんな思いで、何を考え、日々を過ごしているのだろうか。

「週刊現代」2016年3月26日・4月2日合併号より


【私の論評】小保方さんの倫理問題にすり替えるな!理研と文科省のガバナンスの問題こそ本質(゚д゚)!

小保方さんに関しては、本日は以下のようなニュースも掲載されていました。
小保方氏がHP開設、STAP作製“手順”公開…「他の研究者がSTAP細胞の実現を希望」
 STAP細胞論文の著者だった理化学研究所の元研究員、小保方晴子氏(32)が、STAP細胞の作製手順や理研による検証実験の内容を公開するホームページを開設したことが31日、分かった。 
 全文が英語。トップページには3月25日付で小保方氏の名前とともに「他の研究者がSTAP細胞を実現してくれることを希望し、作製手順を公開する」との説明がある。 
 また、「STAP細胞の研究が科学の最前線に戻ることを願う」として、今後も内容の更新を続けると表明。理研が平成26年に実施した検証実験に対しては「厳しい監視の下で行われ、同じ作業を毎日繰り返すことしかできなかった」と批判している。 
 小保方氏は1月には自らの主張をまとめた手記を出版している。
小保方さんのサイトのリンクを以下に掲載しておきます。
STAP HOPE PAGE
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に、小保方さんが公表したHPのトップページを以下に掲載します。


このサイトが公開され、万が一にも小保方さんとほぼ同じブロトコル(方法)で、STAP現象が確認されたり、あるいは少し改変した形で、STAP細胞ができたとしたら、一体どうなるのでしょうか。

仮定の話をしても仕方ありませんが、それにしても、あのSTAP騒動は今に至るまでも、本当に後味の悪いものでした。

そのことについては、このブログでも何度か掲載したことがあります。その代表的な記事のリンクを以下に掲載します。
米国でも「STAP細胞はあります!」 共著者バカンティ氏、研究続ける 「正しいと確信したまま墓場に」―【私の論評】この事件誰が正しいか間違いかではなく、何が正しいか間違いかを検討しなれば、また同じ轍を踏むことになる(゚д゚)!
小保方さん(前列左)とチャールズ・バカンティ氏(前列右)
小島氏(後列左)、大和氏(後列右)
 詳細は、この記事をごらんいただくものとして、以下にこの記事結論部分のみ以下に掲載します。
理研のこの事件に関する、調査は本当にしっくりきません。何やら、責任はすべて小保方さんの倫理観にあるかのような調査結果の内容です。

要するに、理研も「誰が正しいか、誰が間違いか」という観点で調査を行うという過ちを犯しているのだと思います。

このような調査ですませていては、今回自殺者まで出してしまった、事件に関して、一時しのぎはできるかもしれませんが、小保方さんがES細胞を混入させたさせないという観点ではなく、どうしてES細胞が混入するような事態が生じてしまったかという観点で調査すべきです。

小保方さんや、若山さん、あるいは他の人が混入させたにしても、そもそも、なぜ混入などという不祥事が生じてしまったのか、その背景と、それを阻止するための方策にまで言及すべきです。

人間は不完全ですから、誰でも間違いや失敗をすることはあります。しかし、その後でそれを単に個人の倫理観に委ねていては、何も解決しません。単に「あいつが悪い」で終わってしまいます。

そうして、それを起こしてしまった、システムや背景など何も改善されません。マスコミはまるで、倫理判定装置のような見方で報道するのではなく、こうした観点から、報道すべきですし、理研の幹部や、文部省は、このような観点から調査をするのはもとより、その結果から、理研のシステムを変更するとか、危機管理システムを創設するか、内容を変更するなどの具体的な行動をして、このような事件を再発しないように、あるいは似たような事態が生じた場合には、早めにリスク管理行動を起こして、傷口が今回のように大きく広がることを阻止すべきです。
 ブログ冒頭の記事の最後のほうに、「小保方は『私はスケープゴートにされた』と書いてきた。『日本のメディアはすべて、若山先生が犠牲者で、私がまったくのろくでなしと断定した』とも」と掲載されています。

仮に、小保方さんが「まったくのろくでなし」であったとしたら、そこでさらに疑問がわきます。では、なぜ「まったくのろくでなし」をSTAP細胞研究のユニットリーダーに抜擢したのかが疑問です。

理研は小保方さんが、「まったくのろくでなし」あることを見抜く能力がないのか、ないとしたら何に問題があるのか、それを解決する方法や、それを防ぐための「危機管理マニュアル」など存在しないのでしょうか。

理研は、存在しないというのなら、これから作るつもりなのか、それで本当にリスク回避ができるのかを開示すべきです。

また、理研も組織であるので、監査や内部統制はどうなっているのか、今回の出来事で監査が有効に実施されていなかったのは、はっきりしています。どのような監査が行われていたのか、不十分だったのか、不十分であれば、どのように改善するのかをはっきりさせるべきです。

日本版SOX法における内部統制フレームワーク

さらに、内部統制は組織的に実施されていたかの問題もあります。内部統制(ないぶとうせい 英:internal control)とは組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステムを指します。組織がその目的を有効・効率的かつ適正に達成するために、その組織の内部において適用されるルールや業務プロセスを整備し運用すること、ないしその結果確立されたシステムをいいます。

これは、ガバナンスの要とも言えるもので、近年民間企業においてはその構築と運用が重要視されています。内部監査と密接な関わりがあるので、内部監督と訳されることもありますが、内部統制が一般的な呼び名となっています。

民間企業でわかりやすい事例としては、たとえば、財務部門と経理部門を一つの組織として、1人上長が管理するようなことはすべきではないというものがあります。

財務と経理の仕事は、中小企業などでは特に区分していない企業も多いですが、上場企業においては明確に区分されています。

経理部門が「日々の経費の精算や帳簿の記帳などをする」「事業活動を数字に表していく処理をする」仕事がメインですが、財務部は「経理部門が作成した財務情報を基礎として企業の今後の経営戦略を財務の視点から考える」部署となります。経理部より財務部の方がより専門性が高い業務といえるでしょう。

また、財務部門は、回収と支払いのサイト管理や資金繰りの管理を通して、企業運営を円滑に進められるように、資金が足りないときは外部から調達してくる役割を担っています。

このような区分を考えると、経理部門と財務部門の管理者が同一であるというのは内部統制上良くないことははっきりわかります。内部統制として望ましいのは、これらの部署が互いに他の部門を牽制するような仕組みをつくることこそ、正しい方向性です。

理研も、民間営利企業ではないものの、理研としてこのような内部統制や、監査の仕組みさらに、危機管理体制がマニュアル化などしてあれば、そもそも、今回のような騒動は起こらなかったかもしれませんし、起こったにしも、あのような無様な形で、主に小保方さんの倫理的な問題にして、ようやく決着をつけるということにはならなかったと思います。

理研の実験室など、あのうろたえぶりからすると、このような観点からすれば、たとえば、レイアウトや、入室、退室のさいの手続きとか、実験の各段階における手続きとか、明確になっていたとはとても思えません。

こういうと、私は小保方さんを援護しているように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。そもそも、部外者である私は、小保方さんの倫理面や人格等を忖度するような立場にもありません。どんな人なのかもわかりません。だから、小保方さんを援護したり、非難したりする気も全くありません。

そんなことよりも、たとえ小保方さんが「まったくのろくでなし」であろうが、なかろうが、あるいは悪人であろうが、なかろうが、私はそんなことよりも、たとえ狡猾でかなり頭の良い極悪人が運悪く研究所内に潜り込んだとしても、何か普段では考えられないような危機が発生したとしても、余程のことがない限り、間違いが起こらないようなシステムを構築すべきということを言いたいのです。そうして、仮に間違いが起こっても、早期に収拾できるリスク管理体制を構築すべきであることを言っているのです。

倫理観に基づく、良き意図は大事です。しかし、良き意図だけでは何もできません。何も守れません。何も変えられません。そもそも、理研など国の最先端の研究機関であれば、このあたり、二重三重に備えをしておかなければ、妨害されたり、邪魔をされたり、成果を盗まれたり、あらぬ方向に操作されたりするので、そのようなことが絶対にないように、その備えを固めよと言いたいのです。

そうして、そのような備えを固めることによって、まともなガバナンス(統治)を実行するための基礎ともなると言いたいのです。このようなことを疎かにするような、理研や文科省であれば、統治の正当性が疑われるということを言いたいのです。

もし、理研や文部省がまともなガバナンスができないというのであれば、ガバナンスがまともにできる民間研究所に委託するか、全く新たな組織を作ったほうが良いということを言いたいのです。

ブログ冒頭の記事では、NEW YORKERに小保方さんに関する記事が掲載されたとしていますが、理研や文科省のガバナンスに関する観点については掲載されていませんでした。関係者へのインタビューなどは掲載されているようですが、これではあまり意味がないと思います。ただし、NEW YORKERのもとの記事には触れられているのかもしれません。機会があったら、当該記事を読んで見たいものです。

いずれにしても、理研に限らず、最先端の研究をしている民間の研究所や、大学の研究室など、今回のような出来事は明日は我が身ということにもなりかねません。まずはできることからで良いので、リスク管理、内部統制、監査、ガバナンスに関してもう一度見直し、脆弱なところがあれば、補強しておくべきものと思います。

それから、マスコミにも注文をつけたいです。STAP騒動におけるマスコミの報道ぶりは最悪でした。まるで、マスコミは倫理審判団のように、小保方さんを糾弾し、STAP現象を完璧にまがい物扱いしました。STAP現象は、いまのところは作業仮説ですが、まがい物ではありません。

あのような報道では、全く無意味です。倫理問題など従の扱いで、もっと本質的なガバナンスや危機管理の点からの報道をもっとすべきでした。

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「小保方さんがかけたきた涙の電話  若山照彦」というタイトルの記事が掲載されています。

2014年8月6日水曜日

堀江貴文さん、笹井氏の自殺に一言 「あの袋叩き状態は経験してみないとわからない」―【私の論評】皆さん、マスコミの無軌道な報道にはほとほと嫌気がさすと思いませんか?スタンスを変えられないというのなら、この世から消えてくだされと願うのみ(゚д゚)!

堀江貴文さん、笹井氏の自殺に一言 「あの袋叩き状態は経験してみないとわからない」

出所直後の堀江貴文氏

   かつて刑務所生活を送った経験もある実業家・堀江貴文さん(41)が2014年8月5日、理化学研究所(理研)の「発生・再生科学総合研究センター」副センター長・笹井芳樹氏の自殺についてツイッターで触れた。

   堀江さんは笹井氏の自殺について「単に世間から袋叩きにあってる状態から逃げたいだけ」と見解を示し、「普通の人なら(自殺)してもおかしくない状態におかれたことあるのでよくわかる」と過去の経験を振り返った。

   その上で「あの袋叩き状態は経験してみないとわからない」「自分は悪くない、あるいは意図して悪い事をしようと思ったわけではない、潔白なら後ろ指さされるような事してないなら自殺なんかしないって思ってる人は甘い」と述べた。

【私の論評】皆さん、マスコミの無軌道な報道にはほとほと嫌気がさすと思いませんか?スタンスを変えられないというのなら、この世から消えてくだされと願うのみ(゚д゚)!

まずは、何をさておき、お亡くなりになった笹井芳樹氏のごご冥福をお祈りさせていただきます。

ご本人の名誉のため、このブロクでは、マスコミがこれからも連日のように繰り返すであろう、今回の件の詮索については、一切行いません。ただし、マスコミの報道の仕方についての問題点について追求していきたいと思います。

上の堀江さんの実際のツイートを以下に掲載します。
これに関するツイートといえば、あの中国問題の専門家でもある石平氏も以下のようなツイートをしています。
日本には、昔から死者を鞭打たないどころか、亡くなった方々はどんな人でも仏様という考えがあります。この精神性の高さについて、石平氏は武士の情けとい言葉で表現されているのだと思います。

そうして、堀江氏は、徹底的に追い詰められたとき、このような日本人の精神性が自分で死を選んでしまうことの誘引にもなりえることを、自らの体験から述べられているのだと思います。

本当に残念なことです。

それにしても、マスコミの報道の仕方にも問題があります。これについては、以前からこのブログでも指摘してきたところです。
【ネットろんだん】割烹着とベートーベン 問われた「物語」重視報道の是非―【私の論評】物語と歴史の区別がつかないマスコミは、中韓と同レベル。このマスコミの病気につける薬はない(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、STAP細胞をめぐる小保方さんに関するマスコミの報道には、最初から問題がありました。そもそも、最初の報道では、事実を報道するというよりは、小保方さん個人をめぐる「物語」報道が顕著でした。

「STAP細胞」について発表する小保方晴子さん=1月28日、神戸市中央区

それに関しては、この記事では以下のように批判しました。
ニュースなどを報道する姿勢としては、歴史上完璧に評価が定まった人以外は、事実や業績を中心に報道すべきと思います。歴史上完璧に評価が定まった人に関しては、多少は物語性を加味しても問題はないとは思いますが、それにしても、ニュースとして報道するのであれば、それも加味程度とすべきと思います。物語は、あくまでも、書籍や映画などとして世の中に出すべきものと思います。 
最近のマスコミは、物語と歴史の区別がついていないようです。その査証として、韓国の慰安婦問題などの歴史的に根拠が乏しい物語を、さも歴史的事実のように報道したり、日本が中国に対して侵略戦争をしかけたかのような、これも歴史的根拠が全く乏しい物語を史実のように繰り返し刷り込むように報道しています。 
これら歴史問題に関しては、マスコミは確たるエビデンスを元に、物語ではなく正しい報道をすべきであって、中韓の報道を鵜呑みしてそれに手を貸すような報道をするようでは、もうその役割を終えたと言われても仕方ないと思います。
物語性に関しては、小保方報道以外にも、当時の佐村河内守報道にもかなり問題がありました。これも、全聾の天才作曲家という物語が報道の大部分を占めました。

そうして、佐村河内報道に関しては、ゴーストライターや、本人の告白によって、一応の幕引きが行なわれました。しかし、これでこの問題の全容が明るみに出たわけでもなく、その後マスコミは一切報道しません。

小保方報道に関しては、「物語性」以外でも非常に問題がありました。それについても、このブログに掲載した事がありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
 STAP細胞報道、ブロガーに完敗したメディアは「取材を尽くした」と言えるのか―【私の論評】全聾の作曲家佐村河内守報道から結局何も変わらなかった、マスコミの報道姿勢を糾弾する(゚д゚)!

これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、メディアが専門性のある分野に関してはほとんど対応できていないことを掲載しました。以下の、その内容の一部を掲載させていただきます。

佐村河内報道でも、マスコミは音楽の専門知識に欠けていた
STAP細胞論文の問題点を指摘したブロガーとして最も有名なのは「11jigen」だ。専門的な知識を駆使して論文に不自然さや矛盾点がないか細かくチェックし、小保方氏が早稲田大学に2011年に提出した博士論文と比べて画像が酷似していることなどを暴いた。これを既存メディアが追いかけた。調査報道の役割をボランティアの専門家が担った格好になった。 
なぜ11jigenと同じことを従来のメディアができなかったのか。記者クラブ経由の「発表報道」に安住し、本来の調査報道を手掛けるような専門性の高い科学記者を育ててこなかったことが一因かもしれない。福島原発事故をめぐる報道が「発表報道のオンパレード」という批判を受けたのも、発表報道以上の報道を展開できるだけの専門性が記者側に欠けていたためだ。 
大手新聞社は優秀な記者については部長職など幹部へ昇進させ、ジャーナリストから経営者へ転身させてしまう。新卒一括採用を基本としているため、すでに実績を出している科学者を中途採用して記者として活用するといった柔軟性もない。社内の記者を留学させ、科学分野の博士号を取得させるなどの仕組みもない。これでは高度な専門性を備えた記者は現れない。 
・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・ 
11jigenは空いた時間を使ってボランティアで検証していたようだが、新聞記者であれば給与をもらいながら日中から堂々と論文チェックができる。「教訓として受け止める」「結果を重く受け止める」のであれば、これからは11jigenのような人材をスカウトし、ネットに負けないような調査報道を実行するとの決意を表明してほしいものだ。 
楢原氏は「取材し尽くしたつもり」と語っている。だが、調査報道の観点から言えば「取材は全然足りていなかった」というのが実態ではないか。
結局、マスコミ結局専門知識にあまりにも欠けているので、佐村河内のような詐欺師を天才作曲家としてもちあげてしまいました。

小保方報道についても、専門知識にあまりにも欠けているため、結局は取材報道がほとんどとなり、専門家を取材して、それを記事にして、記者の憶測を付加しているだけの代物がほとんです。

テレビ番組に至っては、専門家を何人か登場させ発言させ、それに対してコメンテーターが無意味なコメントを付け加え、なんとかまとめているという程度で、どれもが単なる興味本位の内容に終始していて決定打に欠ける報道ばかりでした。

このようなやり方が、佐村河内のような詐欺師を増長させたり、杜撰な小保方報道につながっています。

そうして、自分たちは全く意識していなくても、小保方さんをはじめとする、関係者を著しく傷つけています。

そもそも、STAP細胞のような専門的な情報は一般の人には、ほとんど必要ありません。知ったからといって、それでどうなるというわけでもありません。ただし、STAP細胞などで、産業をおこそうと真剣に考えているいる人には必要な情報だと思います。

しかし、そういう人は、かなり情報を得ているので、一般報道など必要ありません。マスコミは、一体誰のための報道しているのでしょうか。

本当に疑問です。特に小保方報道に関しては、最初は「物語」満載で、徹底的に木の上まで登らせておきながら、いきなり梯子を外して、徹底した袋叩きです。

そもそも、STAP細胞などの報道に関しては、もともと慎重にすべきでした。この基礎研究が実を結んだとしても、その結果大きな産業になるには、20年近くもの年月を必要とします。そうして、通常はその頃にノーベル医学賞の対象になるかどうかということになります。

数年前にノーベル化学賞をとった、鈴木名誉教授と根岸氏しもそうでした。受賞理由は、パラジウムを触媒とする「クロスカップリング」と呼ばれる有機合成法の開発です。鈴木氏らが見いだした合成反応は、有機合成化学に飛躍的な進展をもたらしました。

これについても、このブログに掲載したことがありますので、以下にその記事のURLを掲載します。
ノーベル化学賞に鈴木名誉教授と根岸氏―【私の論評】二人とも言葉は違うが、学生は努力せよと述べている!!私もそう思う!!!

2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木氏(右)と根岸氏(左)
彼らの研究は間違いなく社会を大変革した。

この「クロスカップリグ」の手法そのものは、1979年に開発されたものです。これがもとになって、今日の多様なプラスチック製品の産業が成り立っているのです。この開発がなければ、今日のようなテレビや、パソコンもなかったかもしれません。

しかし、これを開発した、鈴木氏、根岸氏は、発見した当初小保方さんのように「物語」をも含んだ、報道で脚光を浴びたかというとそうではありません。

それは、化学会という狭い分野の中では、脚光を浴びたかもしれませんが、一般人から脚光を派手に浴びるなどということはありませんでした。

なぜなら、こういう素晴らしい発見があったらといって、すぐそれが産業に結びついて、社会を革新してしまうかどうかということは、その当時はその可能性が高いというだけであり、それがどうなるかなどということ誰も予想がつかないのが普通です。

その時点では、それが海のものとも山のものとも判断がつきません。あるいは、研究がもっと進んでもっと画期的な研究成果がもたらされるかもしれません。だから、数十年も経て、間違いなく、社会を変革したことがあきらかになってから、ノーベル賞が付与されるのです。

だから、ノーベル賞を受賞するためには、長寿でないと受賞できないといわれています。どんなに凄い発見をしても、早死してしまえば、受賞できないからです。ちなみに、ノーベル賞は、死者に対して授与することはありません。あくまで、生きている人に授与されます。

厳しいようですが、どんなに画期的な研究であっても、それが、実際に社会を変革しなければ、その研究の存在価値はありません。

世の中には、一見画期的だとみえても、結局は消え去っている研究などいくらでもあります。極端な人は、それを陰謀などとする人もいますが、結局社会に受け入れられないければ、そのような研究はなかったのと同じことになってしまうのです。

しかし、最近のSTAP細胞に関する、報道は、このような実体を無視して、最初から「夢物語」をふんだんに用いて、多くの人々大きな期待と希望を抱かせてしまいました。

これは、STAP細胞が本当に存在していようが、いまいがそんなことは、別次元として、報道の仕方としては、間違いです。研究そのものの内容と、その可能性などについて短く報道すればそれで良かったはすです。専門性がどうのという考えもありますが、まずはこのようなスタンスを持つべきでした。

しかし、最初に「夢物語」を報道してしまったので、現在のようにその実験再現性が問題になったとき、袋叩きの度合いがかなり高まってしまったのです。

マスコミは、このような報道の仕方は控えるべきです。しかし、マスコミはそんなことせずに、これからも、間違い報道をし続けることでしょう。

なぜなから、昨日もこのブログに掲載したように、朝日新聞をはじめとするマスコミは、長い間の根がティブ・シンギングで頭と精神が相当傷めつけられているからです。これに関しては、以前もこのブログで掲載しましたので、その記事のURLを以下に掲載します。
【朝日新聞】「済州島で連行」証言 裏付け得られず虚偽と判断―【私の論評】朝日新聞・テレ朝は、「虚偽新聞」になれば良い! それで、大躍進できるぞ~~ぃ(゚д゚)!
 
自分の頭で判断して、事実確認などあまりせずに、虚偽と捏造を本物のように偽って日々記事などを書いたり、それを方針として、10年以上の長きわたって実行していたとすると、それが頭脳に与える悪影響は計り知れません。 
だから、山村明義氏が指摘しているように、「一連の「慰安婦問題報道」について、朝日側は朝鮮人慰安婦の「挺身隊との混同」と「済州島での連行」の記事については取材や報道の誤りを認め、「強制連行」と「日本軍関与」の記事、さらに「キーセン」として売られていた朝鮮人女性への植村隆元記者の「慰安婦 初の証言」のインタビュー記事については、基本的にそれぞれ誤りを認めない」という、なにやら、妄想老人のような反応をするのだと思います。 
いずれ、精神がおかしくなり、虚偽や捏造が本当と信じこむようになってもおかしくありません。この状況はとても正常とはいえません。朝日新聞の記者や、幹部の方々は、精神鑑定をしていただてはいかがでしょうか。
相当頭脳が、おかしくなっている大手マスコミの記者や幹部など、認知症の老人のようなもので、理屈を説いてもそのその行動を変えることはできないでしょう。

佐村河内報道、小保方報道、特定秘密保護法報道、集団的自衛権報道のようなからさわぎをしつつ、反省も何もなく、いずれ人間の寿命がつきるように、この世から消えてなくなると思います。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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日本人は凄いという内容の本やテレビ番組をみて喜んでいるとアホになる―【私の論評】日本と日本人は駄目、という内容の本やテレビ番組をみて喜んでいるとアホになるし、そういうコンテンツばかり作成している日本のマスコミ関係者は若年性認知症になる(゚д゚)! 

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2014年3月16日日曜日

「小保方さん、頑張ってください!日本の男の醜いジェラシーに負けないで!」デヴィ夫人が『Twitter』でエール―【私の論文】滅菌消毒の必要性を発見した、医師は理解されずに憤死した!今の小保方報道をそのまま受け入れてしまえば、私たち自身が、この医師を憤死に追いやった人々と同次元になるかもしれない(゚д゚)!

「小保方さん、頑張ってください!日本の男の醜いジェラシーに負けないで!」デヴィ夫人が『Twitter』でエール
世紀の大発見とうたわれたSTAP細胞の発表から一転、疑惑の目を向けられることになった理化学研究所の小保方晴子さん。3月14日の会見後TVの報道なども厳しいものとなっているのだが、そんな中タレントのデヴィ夫人が小保方さんに『Twitter』で熱いエールを送っている。

認証済みのアカウントではないものの、デヴィ夫人のホームページ(http://dewisukarno.co.jp/)にアカウントについての記述(https://twitter.com/dewisukarno)があるので成りすましではなく本人であろう。

14日の夜、デヴィ夫人は

小保方さん、頑張ってください!日本の男の醜いジェラシーに負けないで!どの分野でもそうですが、成功者へのジェラシーはつきものです。ましてや貴女は若くて美しい。調査の中間報告も、貴女が正しいと言っているようなものです。日本のマスコミは騒ぎすぎです。日本の恥です。

とツイート。「日本のマスコミは騒ぎすぎ」というのには同意する方も多いかもしれないが、個人的には中間報告で小保方さんが正しいと言ってるようには思えなかったのであるがどうなのだろう。

このツイートに対して、

「デヴィさん 支持します」
「御意おしゃるとおりです 日本の宝小保方氏を守ろう!」

と支持する返信もあれば

「若いとか美しいとか、そうやって研究者にとっての本質とは関係ないところに注目すること自体が、マスコミが「リケジョ」呼ばわりしてるのと同じで差別的なんですよ。」

といった意見も寄せられているようである。

【私の論文】滅菌消毒の必要性を発見した、医師は理解されずに憤死した!今の小保方報道をそのまま受け入れてしまえば、私たち自身が、この医師を憤死に追いやった人々と同次元になるかもしれない(゚д゚)!

上記のようなデヴィ婦人のほかに、あの武田邦彦氏が、小保方さんを応援する発言をしています。これに関する記事のURLを以下にあげます。
小保方論文騒動に武田邦彦が仰天見解 「写真違っていたなら『眠たかったから』と言えばいい」
武田邦彦

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、武田邦彦氏の見解を以下に簡単にまとめておきます。これは、CBC(中部日本放送)の情報番組「ゴゴスマ-GO GO!Smile!-」で、小保方氏の論文騒動を解説したものです。以下に番組の動画と、一部解説を掲載しておきます。





   武田氏によると、昔の研究者は裕福な家庭環境で育った人が多く、時間的、金銭的にも余裕があったが、今の研究者、特に女性は家事や子育てなどで余裕のない生活を送っている。そのため、「どうしても昔みたいにちゃんと(論文を)書けないんですよ」というのだ。石井亮次アナウンサーに「忙しいということ?」と聞かれると、「忙しいし、色々ある。審査官があれこれ言ってくる。『ここ変えて、次写真ここ入れ替えろ』って一生懸命やっているうちに、だいたい間違えるんです」と語った。 
   これに納得しない石井アナが「いやいや、論文に載せる写真ってめちゃくちゃ大事でしょう!」と反論すると、「目が霞んでいたんですよ」と驚きの回答。出演者陣はどっと笑ったが、あながち冗談ではないようで「目が霞んでいていいんです。そんなところを厳密にしたら日本の若い人が論文を出せなくなる。国際的にものすごく遅れる」と訴えた。そんなところを厳密にしたら日本の若い人が論文を出せなくなる。国際的にものすごく遅れる」と訴えた。欧米では新発見や学問的な進歩があれば論文が不十分でも評価される傾向にあるといい、そういった観点から武田氏は今回の画像転用をさほど問題視していないようだ。 
   さらに武田氏は、小保方氏が早稲田大学に提出した博士論文で20ページにわたる「コピペ」が指摘されている件についても「全然いいんですよ。第一そんなやつ持ち出すなと。人間は過去までほじくり返したら、色んなことがある」と全く意に介さない。「コピペ」とみられているのは、幹細胞の基礎知識を説明する部分であり、武田氏は「これ著作権がないんですよ。(科学の)事実は誰が書いても同じなんです。だから、彼女の20ページは世界中のだれが書いても同じ文章になる」とする。 
   科学者の目的は金や利権ではなく「自然現象を明らかにすること」である以上、こうした文章は「人類共通の財産」であるため、引用を示す必要もないというのが、その理由だ。むしろ「アメリカ人が書いたやつを持ってきたほうが、日本人が下手な訳で書くよりいいんです」と、コピペを歓迎する発言まであった。 
   再現実験については「長い目で見るべき」と話し、論文撤回についても「著者本人が判断すべきで、(周囲が)圧力をかけてはいけない」と主張する。
この武田氏の見解、一般の人にはなかなか理解しにくいところがあると思いますが、実際に実験などをしたことのある方には、納得できるところが多々あると思います。やはり、デヴィ婦人が言っているようにマスコミに問題がありそうです。

小保方さんに関する報道の仕方の異常性については、以前このブログでも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【ネットろんだん】割烹着とベートーベン 問われた「物語」重視報道の是非―【私の論評】物語と歴史の区別がつかないマスコミは、中韓と同レベル。このマスコミの病気につける薬はない(゚д゚)!
小保方報道はこれで良いのか?

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、佐村河内守・小保方報道には、物語性が報道され、ことさら人々の人気を煽るようなものでした。以下にその一部のみコピペさせていただきます。
ニュースなどを報道する姿勢としては、歴史上完璧に評価が定まった人以外は、事実や業績を中心に報道すべきと思います。歴史上完璧に評価が定まった人に関しては、多少は物語性を加味しても問題はないとは思いますが、それにしても、ニュースとして報道するのであれば、それも加味程度とすべきと思います。物語は、あくまでも、書籍や映画などとして世の中に出すべきものと思います。 
最近のマスコミは、物語と歴史の区別がついていないようです。その査証として、韓国の慰安婦問題などの歴史的に根拠が乏しい物語を、さも歴史的事実のように報道したり、日本が中国に対して侵略戦争をしかけたかのような、これも歴史的根拠が全く乏しい物語を史実のように繰り返し刷り込むように報道しています。 
これら歴史問題に関しては、マスコミは確たるエビデンスを元に、物語ではなく正しい報道をすべきであって、中韓の報道を鵜呑みしてそれに手を貸すような報道をするようでは、もうその役割を終えたと言われても仕方ないと思います。
もともと、iPS細胞や、STAP細胞などが将来どのようになるかなんて、今のところ誰もはっきりとはわかっていません。iPS細胞だって科学的に再現性がはっきり確かめられはいますが、だからといって、このiPS細胞だって現在いわれているように夢のようなことが実現できるかどいうかといえば、その可能性がかなり高いというだけであって、現在のところ確証などありません。

もしかすると、本当にSTAP細胞そのもののほうが優れていてこれが主流になるかもしれません。あるいは、iPS細胞やSTAP細胞をはるかにしのぐものが出てくるかもしれません。

基礎研究とはそんなものです。あの北大名誉教授の鈴木先生などが発見した科学のカップリング反応が、実際にテレビなどの液晶に用いられるまでどのくらいかかったことか、これを思い返してみればこのことは理解できます。

しかし、マスコミはそのようなことを無視して、勝手に「夢物語」を描いてみせます。

このような基礎研究については、マスコミは「物語報道」などするべきではありませんでした。実際にこのような基礎研究は、もっと地味で地道なものであるはずです。たとえば、今でも日々様々な化学物質が研究者によってつくられています。その中には、将来的には社会を大変革してしまうような大発見もあるかもしれません。しかし、化学実験の成果については「物語」を報道されることはまず、滅多にありません。事実を淡々と報道するのがほとんどで、一般の人はほとんど見のがすし、その意味もわからないのが普通です。

それにその意味がわかったとしても、一般の人では現状ではどうしようもないのが普通です、知るべきは同じような研究をしている科学者や、将来を摸索している投資家・企業などです。ですから、一般大衆紙やテレビなどでは、あまり大きく報道しないのが当たり前のことと思います。

それに、こういう基礎研究の実体は、たとえどんなに優れた人のもので、ノーベル賞をとったような人の研究であったにしても、その本人が新たに発見して付け加えているのは、ほんの1%、いや1%なら良いほうで、現実には0.数パーセントにすぎません。

世間一般の人は、新発見というとほとんどがその発見をした人が創作したものと考えてしまいますが、そんなことはありません。科学的発見は、誰がそれで有名になろうと、ノーベル賞を獲得したにしても、その人だけの成果ではなく、先人たちが積み上げてきたものの集大成の上にたったものであり、そのような蓄積がなければ発展しません。小保方さんの論文は、こうした蓄積の一端を担っていることには間違いはないと思います。

アインシュタイン
あのアインシュタインだって、一般相対性理論について、自分が付け加えものは1%くらいのものであり、あとは先人たちの努力によるものだとしています。この最後に付け加えた1%が素晴らしく独創的だったので、ノーベル物理学賞を受賞することができたのです。

私自身も、論文を書いたことがありますが、その論文にしたって、新たなに付け加えことなどほとんどありません。ただ、実際に実験したことをもとに、淡々と事実を書いているだけだし、先人の引用もかなりしていますし、お前の発見は何だといわれたら、ほとんどないと言わざるをえません。

それは、学問の世界でなくても、同じことです。あのスティーブ・ジョブズさえ、実際に彼自身あるいは、アップル社が手がけているものてさえ、ほとんどが模倣です。ただし、市場に出すタイミングとか、デザイン性、システムの使い勝手などか他よりも優れていたただけです。わずかにつけ加えたものが、他社より抜きん出ていたということです。ジョブズや、アップルだって先人達の発見に多くを頼っているというのが事実です。



それに、従来の常識を覆すような発見に関しては、それが発見された当初は、賞賛されるどころか、誹謗中傷されるのが普通です。常識的なものであれば、そのようなことはほとんどありません。

たとえば、現在医学の世界で、当たり前とされる、お産や手術のときの滅菌など、最初に提唱した医師など、誹謗中傷されて、最後には精神に異常きたして死亡しています。

その医師は、センメルヴェイス・イグナーツ・フュレプ という、ハンガリー人の医師です。1818年7月1日 、ハンガリー王国ブダ市タバーン町に生まれ、1865年8月13日、オーストリア帝国ヴィーン市デープリング町にて死去。オーストリアのウィーン総合病院産科に勤務。産褥熱、今日で言う接触感染の可能性に気づき、その予防法として医師のカルキを使用した手洗いを提唱しました。しかし存命中はその方法論が理解されず大きな排斥を受け不遇な人生のまま生涯を終えました。現在では当然の如くに採用されている消毒法及び院内感染予防の先駆者とされ、「院内感染予防の父」、「母親たちの救い主」と呼ばれています。現在その肖像画が切手としても使われています(写真下)。



センメルヴェイスの説が受け入れられなかった最大の理由は、「患者を殺していたのは医師の手である」という医師にとって受け入れがたい結論にありました。当時、センメルヴェイスの論文を読んだ医師が自殺するという事件まで起き、説を認めることは医師が大量殺人を行ってきたことを認めることになるからでした。また、彼自身が論文を書くのを苦手としたために、研究成果を論文として発表することが大きく遅れた点も不幸でした。それでも、スイスの雑誌に発表した論文がイギリスの外科医ジョゼフ・リスターに読まれ、手を消毒することで細菌感染を予防するという消毒法がもたらされました。それによって、お産や手術による死亡者が激減したことはいうまでもありません。

こんなことははいて捨てるほど、世の中にはあります。アメリカの事例では、あの現在の日本のTQCの基礎ともなった、フレデリック・テイラーの「科学的管理法」が発表された当時は、アメリカ中から非難されたものです。やれ、共産主義だとか、右翼だとか、インチキだとか、それも長い間にわたって非難されました。しかし、T型フォードの生産に適用されたり、他にも利用されてその有用性が実証され、さらに第二次世界大戦における戦略兵器製造にも適用され有用性が明らかになっていらい、これを中傷誹謗する人はいなくなりました。

フレデリック・テイラー

また、残念ながら、科学者と称するもののなかにも、平然とインチキをするものもいて、これもしばしば明らかにされていることです。

だからこそ、この種の報道には気をつけすぎるほど、気をつけるべきです。論文がでて、何人かの研究者が絶賛した程度のことであれば、本来は「物語」報道など全くせずに、事実をたけを淡々と述べ、詳細を知りたい人のために、論評者の発言内容のリンク先や、論文などのリンク先などを掲載するだけで良いと思います。顔写真やら、物語など報道すべきではありません。

大きく報道するのは、たとえばSTAMP細胞に関しても、追試などが十分なされ、応用研究の目処がたったときで十分だったはずです。iPS細胞はまさにそのようなタイミングで大きく報道されたと思います。マスコミによる心ない、報道がひよっとしたら新しい可能性の芽を摘み取るかもしれません。
あんな物語報道をして、煽った挙句が、また今回の一連の小保方さん攻撃報道です。確かに、厳密には小保方さんの論文などの不備があるのかもしれませんが、それはそれで直せば良いことです。追試でなかなかSTAMP細胞ができないという報告もあるそうですが、それも、何か追試をした本人も気づいていない付帯条件があるのかもしれません。

付帯条件といえば、ペニシリンを発見したアレクサンダー・フレミングのような場合だってあります。フレミングは、1928年、フレミングがブドウ球菌の培養実験中にコンタミネーションにより生じたアオカビ(Penicillium notatum、現在はP. chrysogenum)のコロニーの周囲に阻止円(ブドウ球菌の生育が阻止される領域)が生じる現象を発見したことに端を発する。フレミングはアオカビが産生する物質が細菌を溶かしたものと考え(実際には、この現象は溶菌ではなく細菌の発育阻止によるものであった)、アオカビを液体培養した後の濾液にも同じ活性があることを突き止め、彼自身は単離しなかったその物質を、アオカビの学名にちなんでペニシリンと名付けました。

シャーレを見つめるフレミング

フレミング以外の研究者は、フレミングと同じようには、ブドウ球菌などをシャーレで寒天培地の上で培養していたのでしょうが、青カビが生えてしまった寒天培地は、単なる失敗だとして、よく見もしないで、捨てていました。フレミングだけが、青カビの周囲のブドウ球菌の生育が阻止されていることを発見しました。同じ現象が起こっていても、このように見逃す人も大勢います。小保方さんの実験と全く同じようにしているつもりでも、何かが違っているかもしれないし、小保方さん自身発見していない何かの付帯条件があるかもしれません。

今の段階では、本当にそうした可能性もあるかもしれず、まだまだ実体はわかりません。にもかかわらず、現在のような報道をしてしまえば、折角芽生えた芽を摘んでしまうことにもなりかねません。そんなことにならないように、マスコミも報道の仕方を変えるべきですし、一般の人も、このような報道に一喜一憂せず、冷静に事実を把握すべきと思います。

マスコミは、もっとまともな報道をすべきです。今マスコミは、反日です。ひよっとしたら、小保方報道は最初からこのような日本人による発見があれば、これを徹底的に攻撃して駄目にしようと最初から目論んでいたのかもしれません。予定帳場のマッチポンプ報道をしているのかもしれません。だとすれば、末恐ろしいことです。しかし、マスコミは性懲りもなく愚かな報道を繰り広げているようです。それに関しては、以下のURLを御覧ください。
佐村河内問題で再び注目集める「奇跡の詩人」 NHKの「障害者感動物語」手法に疑問の声
これに関しては、ここではあまり詳細は説明しませんので、是非この記事そのものをご覧になってください。

いずれにせよ、今のマスコミには、佐村河内氏のような芸術家を生み出してしまったり、小保方さんのような研究者の将来の芽を摘み取ってしまうような危険性のある体質であることを知った上で、つきあっていくべきものと思います。そうでなければ、私たち自身が、滅菌消毒の必要性を発見した医師に対する酷い仕打ちをしたその当時の人々と同次元の人間になり、きちんと滅菌していれば死ななくても良かったはずの母子などを多数死に追いやってしまったような愚を繰り返すかもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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