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2016年8月20日土曜日

【お金は知っている】日本人の規律を逆用する財務官僚と"御用メディア"―【私の論評】愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ!我が国の経済史を真摯に学べ(゚д゚)!

【お金は知っている】日本人の規律を逆用する財務官僚と“御用メディア”

山の日の人で賑わう富士山頂上

8月11日の「山の日」に富士登山を敢行した。登山者のラッシュの中、ゴミらしきものはほとんど見当たらず、全員が整然と歩み、休む。10人中3、4人は外国人だ。金剛づえに日の丸をくくり付け、誇らしげに登るのは台湾を含む東南アジア、米欧、中東、中南米の人たちだ。

 国際的にも称揚される日本人の規律。その国民性を逆手にとって自己利益を追求するのは、経済の緊縮を是とする財務官僚とそれに追従する御用メディアだ。

 朝日、毎日、日経新聞はこれでもか、これでもかと緊縮財政を求める。突出しているのは日経で、財務省が10日に「国の借金」が6月末で1053兆4676億円になったと発表するや、国民一人当たりで約830万円の借金を抱えていることになると騒いだ。経済に多少でも精通していれば、すぐわかる詭弁(きべん)である。

 国債の9割以上は金融機関経由で国内の預金者が保有しているのだから、国民一人当たり約800万円の資産なのである。借金の当事者は財務官僚なのだから、それほど問題だと言うなら官僚は給料を返上すべきなのだ。

 日経はこの大本営発表のタイミングに合わせて朝刊1面で「日本国債」と題した記事を5回にわたり連載した。米欧系投資ファンドが投機の口実に使う日本国債の暴落不安要因を並べ立て、消費税増税と緊縮財政強化をせきたてる。最終回は15日の終戦記念日付で、敗戦時には国債が悪性インフレのために紙くずと化したと断じた。このときばかりは国債を「国民の借金」ではなく「資産」とみなすご都合主義だ。

 8日には、天皇陛下が「生前退位」のご意向を示されたお言葉の中で、「健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶ」と懸念されたくだりには、とりわけ胸を打たれた。

 日本経済は元号が改まるたびに、大不況に襲われる。大正天皇崩御の4カ月後、1927年3月の「昭和金融恐慌」、昭和天皇崩御(1989年1月)後の「平成恐慌」である。いずれも政官の指導者による緊縮政策が引き起こしたが、その政策転換までには多くの年月がかかっている。

 昭和恐慌の場合は1932年12月の高橋是清蔵相まで待たなければならなかった。バブル崩壊を伴った平成恐慌は慢性デフレへと停滞局面が続き、2012年12月の第2次安倍晋三政権が打ち出したアベノミクスでようやく政策転換がなされた、と思ったら、財務官僚が敷いた罠(わな)にはまった。14年4月からの消費税増税と財政支出削減であり、浮上しかけた景気はゼロ成長とデフレ局面に陥った。

 安倍首相はようやくこの失策に気付き、消費税率の10%引き上げを2度にわたって延期したうえに、総事業費28兆円超の大型経済対策に踏み切ることにしたが、要は秋だ。安倍政権は執拗(しつよう)きわまる財務官僚や御用メディアによる緊縮包囲網を突破するしかない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

【私の論評】愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ!我が国の経済史を真摯に学べ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事にあるような、"「国の借金」が6月末で1053兆4676億円になったと発表するや、国民一人当たりで約830万円の借金を抱えている"などという見方は、全く一方的なものであり、間違いであることはこのブログでは何度か掲載してきたことです。その典型的なものの、リンクを以下に掲載します。
「国の借金」巡るホラー話 財務分析すれば怖くない―【私の論評】鳥越より悪質な都市伝説が現実になる新手の辛坊らの発言には気をつけろ(゚д゚)!
国の借金1000兆円は、真夏のホラー映画のような作り話にすぎない!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、いわゆる国の借金などと言われている、正しくは政府の借金は、結論からいうと、百数十兆円に過ぎないことを、資料のでどころと、計算過程も含めて掲載しました。以下に、一部を引用します。
私の計算では、平成27年3月31日の日銀が含まれていないバランスシートに、平成27年3月31日の日銀の営業毎旬報告から推測したバランスシートを加えた(注:連列したという意味)もので、その結果は173兆円です。

これだと、日本のGDPを500兆円ということで計算すれば、政府の借金はGDP比では34%に過ぎません。これと同じような計算方式では、米国は80%、英国は60%であったと記憶しています。

ブログ冒頭の、高橋洋一氏の計算では、150兆円ということですが、大体似たようなものです。高橋洋一氏は別の方式でもっと正確に計算しているのかもしれません。しかし、考え方としては同じです。

いずれにせよ、政府の借金が1000兆円などということは、全くありえないことです。もしそうなら、国債金利がマイナスということなるはずもありえません。この程度の負債なら、10%増税はおろか、8%増税も全く必要なかったことになります。まさに、"国の借金」巡るホラー話"です。
そうして、ブログ冒頭の記事のように、マスコミが、これでもかと緊縮財政を求めるその理由については、現場主義とのいいながの不勉強であると結論づけました。以下にその部分を引用します。

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元毎日新聞記者でもある佐々木俊尚氏は25日の以下のようにツイートしています。
このような勉強をしない記者はやがて役所の忠犬「ポチ」になって、結局役所の伝令係として働くようになったのでしょう。鳥越氏をみると、このようなマスコミの体質をよく体現していると思います。

鳥越氏の女子大生への強姦未遂は、なぜか週刊誌では「淫行」としていますが、この未遂事件は、実は東京の私大関係者の中では、都市伝説として伝わっていて、私大関係者なら知らない者はないくらいだったそうです。

このような都市伝説なら楽しいが、鳥越氏や財務省起源の都市伝説は全くいただけない
都市伝説というと、私は「国の借金1000兆円」とするのは、完璧に都市伝説のようなものであると思います。いわゆる識者と目されているような人々でも、この都市伝説なみのホラー話を真に受けている人も大勢いますし、都市伝説と知りながら、財務省のキャンペーンに積極的に強力に後押しをする人間もいます。
"

朝日、毎日、日経新聞などのメディアがこれでもか、これでもかと緊縮財政をすべきと、訴えるのは、結局のところ不勉強のなせる業です。私が、この記事で実際にやってみせたような計算や、同じような計算過程で算出された他国との比較などをすれば、すぐにわかることなのに、これらメディアの記者など、このような簡単な計算をすることもせずに、財務省のいうことをそのまま報道するか、それに輪をかけたような報道をしているだけです。

さて、メディアに関しては、これである程度彼らがなぜ、緊縮財政にこだわるのかある程度理解できます。

しかし、財務省やいわゆる日本の主流の経済学者までなぜ、あのように緊縮財政にこだわり続けるのか、合点がいきません。

しかし、少し参考になるようなことが、日経新聞に掲載されていましたので、その記事を以下に引用します。
かき消される進言 経済学界、安倍政権と溝  増税延期2度のトラウマ

 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部引用します。
 アベノミクスを掲げる安倍晋三内閣と、日本の経済学界との間にすきま風が吹いている。学界の一部には安倍内閣との距離を縮めようとする動きがあるが、溝は埋まりそうもない。

 政府の規制改革会議は7月末で設置期限を迎え、鶴光太郎・慶応大学教授は雇用ワーキング・グループ座長を退任した。政府の成長戦略の本丸ともいえる労働市場改革に積極的に関与しようとしたが、徒労感が漂う。グループ内で議論を重ね、正社員改革の柱として労働時間規制の見直しなどを提案しても安倍官邸には聞き入れられず、「悔しい思いをする場面が何度もあった」。
結局のところ、政府の会に参加するいわゆる日本の主流の経済学者たちは、マクロ経済における景気循環的視点からではなく、ミクロ的な側面からばかり日本経済をみて提言をしているようです。

その背景として、この記事からザクっとまとめると以下のようなことがあります。
  • 現在はミクロ経済学を中心とする理論分析が研究の主流で、米国などの著名な学術雑誌への論文の掲載件数で学界での評価が決まる。 
  • 日本の経済学会は、ミクロ理論が研究の主流であり、経済学者が「エビデンスに基づく政策立案」という場合はマクロよりミクロ実証が念頭のことが多い。
このような視点から、平成14年4月からの8%増税は、日本経済に与える影響は軽微というのが、経済学者の大勢を占めた意見でした。

しかし、実際に14年4月からの消費税増税と財政支出削減をして蓋を開けてみると、浮上しかけた景気はゼロ成長とデフレ局面に陥ったのです。

これでは、安倍総理が、経済学者らの提言に疑念を持つのは当たり前のことです。

マクロ的な経済対策をしないうちに、ミクロ的な経済対策を打ったとしても、ほとんど効果は期待できません。そんなことは、当たり前ですね。金融引き締めと、緊縮財政で経済がヘタっているときに、ミクロ的な経済対策を打ったにしても、ほとんど効果は期待できません。実際、民主党政権のときはそうでした。

現状のデフレ局面に陥った状態をそのままにしておき、労働時間規制の見直しをしたら、長時間労働が常態であるような、ブラック的な企業が跋扈するだけの話しです。このような提言に安倍政権が耳を貸さないのは、当然のことです。

それにしても、どうして、日本の主流の経済学者や、財務省などが、このように緊縮財政にこだわり続けるのか、本当に理解に苦しみます。

これは、なぜなのか、その背景には何があるのか、それを考える上で参考になる記事があります。その記事のリンクを以下に掲載します。
REAL-JAPAN » 亡国経済学の系譜
詳細は、この記事をご覧いただくものとて、以下に一部を抜粋します。

田中秀臣氏
「亡国」とは文字通りでいえば、日本という国が消滅することである。それを目的にした経済学はあるのだろうか? 答えはイエスである。その歴史はかなり古く、ルーツは戦前にまで遡る。また「亡国」の定義を、日本国民の生活水準をあえて意図的に低下させること、という意味に解すれば、その種の亡国経済学の論者は昔もいまも枚挙に暇がないほどだ。 
 亡国経済学の基本的な特徴は、日本が深刻な長期停滞に陥っていて、すでに通常の景気対策などでは根本的に立ち直ることができない、そのため日本の構造的な問題を一挙に解決するしか道はないと唱えるものである。 
日本は公式統計をみても、国内総生産(GDP)の物価であるGDPデフレーターでみると94年からすでに20年近くデフレが継続している。このときのデフレは経済規模の縮小が伴っているので、私たちの生活か苦しくなっていることに等しい。そのような国民を厳しい環境に置く状態がずっと継続している。 
 このような長期のデフレはなぜ起きたのか? その答えはふつうの経済学では明白だ。物価とは、モノと貨幣との相対価値を示すものである。デフレは、モノに対して貨幣の価値が上昇しているからだ。なぜ貨幣の価値が上昇するのか。それは貨幣の希少価値が高いからだ。つまりいまの日本は20年近く貨幣が不足する状態にある。そして日本でお金を供給することができるのは、日本銀行だけである。 
速水優総裁の時期(1998年から2003年)の日本銀行のデフレ政策を、米国の著名経済学者アダム・ポーゼンは、中央銀行の使命である不況時の金融緩和を忘却し、「創造的破壊」にまい進していると批判した。 
 最近の白川方明日本銀行総裁についても同様の指摘がされている。オレゴン大学準教授のテイム・デューイや『フィナンシャルタイムズ』の記者ロビン・ハーディングらは、今年の3月24日に米国で行った白川総裁の講演を「清算主義」だと批判した。  
 白川総裁はその講演で、金融緩和を継続することが、収益性のない投資案件やムダな企業を延命させ、財政危機を継続させていると発言したのである。デューイらは正しくも、そのような清算主義的な発言は、実は日本銀行の政策の失敗から注意をそらすためのカモフラージュである、とも指摘している。 
しかし本当に「政策の失敗」なのだろうか。白川氏の本音が、清算主義的なものにあるのだとすれば、デフレを意図的に継続させて、日本を亡国とすることこそ本旨ではないのか? いまや日本銀行の総裁はじめ幹部たち、そしてその支持者を含めて、改めて彼らが何者であるのかが、問われようとしている。 
(『正論』2012年6月号所収)
投稿者:田中 秀臣
この記事は、2012年のものです。まだ安倍政権が成立することも、予見できず、デフレが深刻化して日本経済はデフレスパイラルの底に沈んでいました。

上記では、白川体制であった、日銀のみを精算主義として批判していますが、それは、財務省も同じことです。財務省も、日銀が、金融引き締めを繰り返していたころ、緊縮財政を繰り返し、日本をデフレスパイラルのどん底に落とし込みました。

現在の日銀は黒田体制になって、2013年4月から異次元の包括的金融緩和を実施し、2014年の3月まで、日本の経済は回復基調にありました。しかし、2014年の4月からの8%増税により、この金融緩和も腰をおられた形となりました。とはいいながら、雇用情勢はその後も改善を続けました。

しかし、最近では、日銀はマッカラムルールなどからみても、明らかに追加金融緩和が必要であるにもかかわらず、実行せず 、株安・円高の状況にとなっています。




財務省や、日銀、日本の主流の経済学者の中には、このような「亡国経済学」あるい清算主義的な考えの人が多いのだと思います。

特に、日本の主流の経済学者の中には、日本の産業は生産性が低いので、これを伸ばさない限り、日本経済は何をやっても良くならないと考えている人が多いです。

確かに、そういう側面もあるかもしれません。しかし、過去20年間の日本は景気循環的な側面を無視して、長期間にわたって金融緩和も、積極財政も実施せず、政治家やマスコミや、経済学者などが、いろいろなことを行ったり、実行したにもかかわらず、景気は全く回復することなく経過していたものが、2013年から金融緩和に踏切ったところ、経済指標がどんどん上向きました。

しかし、2014年4月から、緊縮財政の一環である、8%増税を実行した途端に、経済は落ち込み、雇用は改善を続けるという状態がつづきました。

これは、明らかに景気循環的側面を無視できないことの証左であり、追加金融緩和、積極財政の必要性があることがはっきりしたはずです。

しかし、多くの経済学者は、ミクロ経済政策の提言を行うのみです。これでは、彼らは亡国経済学者の謗りを受けてもいたし方ないと思います。

亡国経済学というと、私は、数十年前に出版された、ある外国の書籍を思い出します。書籍の名前も、著者の名前もすっかり忘れてしまったのですが、あらすじだけは覚えています。著者は確か、外国の人だったと思います。

それは、ある小国が、米国に戦争を仕掛けるというものです。そうして、戦争を仕掛ける理由が、「日本のように戦争に負けてその後に、脅威の経済成長をするため」というものでした。

私は、実は、「亡国」経済学者や、「亡国経済学」を信奉する官僚などには、無意識のこの小説の前提を是認しているのではないかと思います。

そうです。日本は、米国と戦争をして、負けたので不合理な制度やシステムが改善され、さらに米国の援助も受けたから、経済成長したという思い込みです。

しかし、これは本当でしょうか。私は、そうではないと思っています。経営学のドラッカー氏は、第二次世界大戦で疲弊したヨーロツパも、後世の歴史家が統計数値だけをみたとしたら、第二次世界大戦があったことなど認識できないかもしれないと語っています。

確かにヨーロッバは戦災でとんでもないことになりましたが、それでも、国全体としては、国富はかなり大都市などを除いて、地方などにはかなり残っていて、それらが戦争中はもとより、戦後はかなり生産を拡大したので、数字だけみているとまるで大戦などなかったかのように見えるというのです。

そうして、それは日本も例外ではありません。それに関しては、このブログでも掲載したことがあります。

そもそも、「亡国経済学」を信奉する方々は、戦争に負けたことによって、日本の国富はほとんど亡くなったか、あったにしてもせいぜい数十パーセントに過ぎなかったとの思い込みがあるのではないでしょうか。

それは、全く違います。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
やさしいデータと数字で語る「フクシマ」の虚と実 雇用は激増 離婚は減少 出生率もV字で回復―【私の論評】行動するなら感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行え(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に該当部分のみ掲載させていただきます。

"
さらに、日本を例をとり、後世の歴史家が経済指標だけ見ていたら、大東亜戦争があったことなど気づかないかもしれないことを実証してみせようと思います。

以下は、最近読んだ古谷経衡氏の『戦後イデオロギーは日本人を幸せにしたか』という書籍に掲載されていた、統計資料です。

クリックすると拡大します
この統計資料に関して、古谷氏は、以下のような説明をしています。
 これを見ると、日本は先の大戦で、すべての国富のうち、その4分の1を失ったことになるが、逆説的に言えば、4分の3は残存していると見なすことができ、その水準はおおむね1935年のそれであった。

簡単に言えば、日本は1935年から1944年までの拡大分が戦争最後の1年、つまり戦争末期の大空襲であらかた吹き飛び、日本の敗戦時の国富は終戦時点の10年前である1935年の水準に逆戻りしたと考えればわかりやすい。 
 よって、「日本は敗戦でゼロからのスタート」を余儀なくされたのではなく、「敗戦により、おおむね1935年の国富水準からスタート」と言い換えることができるのだ。
1935年のレベルといえば、言うまでもなくアジアの中ではトップクラスです。戦後の日本の復興は、「ゼロからのスタート」とするのは程遠い実態です。

終戦直後にこの状況であり、温存された国富の源となった、爆撃されなかった町や村などは生産活動を継続し、さらに戦争遂行のための様々な経済活動なども加えれば、日本も経済指標だけみていれば、戦争のあったことなど後世の歴史家は気づかないかもしれません。
"

確かに、大東亜戦争で負けたことは、日本に深刻なダメージをもたらしました。しかし、そうは言っても、明らかに日本は全くのゼロから戦後をスタートしたのではなく、戦前7割からスタートしたのです。そうして、これは当時アジアではトッフクラスでした。

仮に、日本がうまく戦争を回避していたとしたら、少なくとも戦前の最盛期の時期から経済成長することになります。

これだと、さらにはやく、高度成長を迎えたかもしれません。そんなことをいうと、日本は軍部が腐敗した上に専横していたので、戦前から不合理な構造をしていたので、やはり戦争に負けてゼロにならないと、戦後の急速な経済成長はありえなかったと主張するかもしれません。

しかし、これは甚だ疑わしいです。戦後と、戦前で大きく異るのは、いわゆる軍が消滅したことです。軍が消滅したので、軍の不合理は消えたといえるでしょうか。現在の日本の状況、時折腐敗が表に出てきて、それと昔の腐敗を比較すると本当に良く似た構造であることがわかります。

こんなことからも、ある程度は改善はされたものの日本は腐敗などの不合理な構造残したままで、高度成長時代を迎えたのです。

軍の専横で、戦前、戦中の日本は民主主義から程遠い、暗黒社会だったと主張する人もいるかもしれません。しかし、戦前に東条英機が、軍に予算をつけてもらうために、しょっちゅう大蔵官僚を揉み手で接待していたという話が残っています。

東條内閣の閣僚(1941年10月)
軍が専横していたとしたら、東条英機がこのようなことをする必要など全くなかったはずです。

また、ブログ冒頭の記事では、"昭和恐慌の場合は1932年12月の高橋是清蔵相まで待たなければならなかった"とありますが、昭和恐慌とは世界恐慌の日本における名称であり、その原因は1990年代の研究で「デフレ」であったことがわかっています。

高橋是清は、今でいう「リフレ政策」すなわち、金融緩和と積極財政で、昭和恐慌から日本をいち早く脱出させました。世界恐慌から抜け出たのは、当時日本がもつとも早かったのです。アメリカが、本格的に世界恐慌から立ち直ったのは、第二次世界大戦の半ば頃です。

高橋是清
このようなことから、日本はたとえ、戦争に負けなかったとしても、いわゆる戦後と同時期か、それより早く高度成長を迎えていた可能性が高いです。

元々日本は、高度成長をする可能性があり、国富7割からスタートできたので、他のどの国も及ばない、高度成長ができたのだと思います。そうして、日本は高度成長により、いわゆる発展途上国から先進国に仲間入りしました。

これとは対照的に中国は、このブログでも、取り上げたように中進国(中所得国)の罠にはまっているので、先進国の仲間入りをすることもなく、中進国のままで終わることでしょう。

やはり、日本は戦争に負けようが、負けまいが、戦前から発展する可能性があったということです。

以上のように、いわゆる「亡国経済」には全く根拠がありません。これを信奉する官僚や、経済学者らには、経済史的な見方ができないのか、あるいはそもそも経済史、それも特に我が国の経済史など眼中にないのかもしれません。自らの、経験にのみ頼っているのではないでしょうか。

昔から、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」といいます。マスコミは先にあげたように、単なる勉強不足なのでしょうが、官僚や日本の主流の経済学者たちは、経験にばかり学び、しかもマクロ経済は無視して、ミクロ経済にばかり執着するので、愚かな提言しかできないのだと思います。

彼らにも、ぜひとも過去の歴史を真摯に学んで欲しいです。しかし、当面そのようなことは考えられないので、ブログ冒頭の記事の結論にあるように、「安倍政権は執拗(しつよう)きわまる財務官僚や御用メディアによる緊縮包囲網を突破するしかない」のだと思います。

しかし、国民の大多数がこれを理解すれば、安倍政権は、緊縮包囲網を突破しやすくなるものと、思います。

多くの国民が、日本の経済の歴史を学び、安倍政権を後押ししていただきたいものです。歴史を学ぶとは言っても、そんなに大層なことではないと思います。経済も歴史も専門ではない、私が上で掲載したことなど知っていれば十分だと思います。ただし、単に受け売りではなく、自分で納得しした上で知ることが肝要だと思います。

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2014年8月31日日曜日

若い頃は経験すべき?それとも貯金すべき?-【私の論評】ちょっと待ってくれ、貯金と経験がトレード・オフの関係になってしまったのはデフレのせいではないかい?若者はデフレ脳から脱却しもっと政治・経済に関心をもて、選挙に行け(゚д゚)!

若い頃は経験すべき?それとも貯金すべき?

いつも奇抜なファッションでファンを魅了するレディー・ガガ。すごくない?
普通ならとてもできないが、若ければできる。それが若さの特権だったはず。


「若い頃はお金を使ってでも経験しろ」なんてよく聞きますよね。でも正直お金がないのも若い頃。お金を使ってでも経験、それともコツコツ貯金貯金、どちらを優先すべきでしょうか?

「大人の方へ!!」

回答は「どちらも正解」、「出世したいなら経験、堅実に生きるなら貯金」、「やっぱり経験」という声が多め。その中でも、自分はどうすべきか考える時のポイントを3つご紹介します。

■どちらを選んでも「後悔」する

まず心得たいのは、「どちらを選んでも必ず後悔する」こと。

「どのみち後悔しますよ・笑。お金を使ったなら、ああー、あのお金をもっと有効なことに使うか貯金していたら今頃はーって思うし、お金をやたらじっとり貯めこんでいたら、ああーこんなつまらない人生なら何かぱあっと使えば良かったーと思うし」(erer4649さん)

後悔しないなんてあり得ないことを、わきまえておきましょう。

■どちらを選んでも失敗するケースも

一方でdemergerさんは、どちらを選んでも失敗するケースを紹介。

「『自分に投資』をやみくもに、目的も無く散漫に進学し資格収集し『学んでいるつもり』ならば、単なる自己満足。それは『死に金』(中略…)(コツコツ貯金も)『真面目』=『自分の頭で何も考えず、他人が言うがままに働く』などとはきちがえていると、それは『死に時間』」

「死に金」「死に時間」ゾッとする言葉ですが、つまり自分の意志が大切。

「『どのような自分になりたいか』が明確でないと、どちらであっても『死に金』『死に時間』だけが積み重なるだけです」

自分と向き合い、自分の興味や意志の対象を明確にしていくことも大切ですね。

■取り返しのきかない「若さ」

大事なのは、「若さ」という意見も。

「気にすべきとこはお金の使い道でなく、その若さ。若くしても老いてもお金は貯金できる。老いてから若かった自分に対して投資はできない。使いなさい。生き金死に金気にしちゃいけない。貯めなきゃならなくなってから貯めなさい」(sundaraさん)

「若いうちの失敗はいくらでもやり直しが効きますからね」(noname#197439さん)

「経験=挑戦・失敗・やり直し」。それ相応の、体力・知力・時間も必要です。年を重ねるほど老化するだけでなく、結婚・子育て・介護…と自分の時間も減るもの。「若気の至り」という言葉もある通り、失敗できるのも若いうちですよね。若さの意義も、しっかり考えておきましょう。

最後にta72さんが紹介した言葉も、参考になります。

「貯めれば金が残る。使えば経験が残る。貯めれば貯め方が分かる。使えば使い方が分かる。使い過ぎたら借金が残るが貯め過ぎても残るのは数字(中略)…貯めたければ、まず入れ物(器)を広げる事。貯めるのは大きく使う為、使うのは器を広げる為。どちらにしろ、金は使う物」

宮野茉莉子(Miyano Mariko)

【私の論評】ちょっと待ってくれ、貯金と経験がトレード・オフの関係になってしまったのはデフレのせいではないかい?若者はデフレ脳から脱却しもっと政治・経済に関心をもて、選挙に行け(゚д゚)!

上の記事では、大人たちが最もらしいことを書いていますが、この人達もデフレ脳に侵されているのではないかと思ってしまいます。

デフレ脳とは、デフレが所与の条件(変えることのできないもともと与えられている条件)となってしまっていて、それを前提に物事を考える思考のことをいいます。

エコノミストの村神尚己氏が良く遣う言葉です。デフレ脳になっているという査証として、貯金と経験がトレードオフの関係になってしまっているという事実があります。

最近の若者は堅実に貯金する人が増えているというが・・・・・・・・


今は、特に若者の貯金と、経験がトレードオフの関係になってしまっているようです。

トレードオフの関係にある事柄は、全体をみることと、長期・短期ともにみることが重要です。

全体では、良いことなのか、悪いことなのか、長期・短期的にみて良いことなのか、悪いことなのかをバランス良く考えて意思決定をする必要があります。このバランスが重要です。

トレードオフとは、経済学でも良く使われる言葉です。

トレードオフ(英: Trade-off)とは、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという状態・関係のことです。トレードオフのある状況では具体的な選択肢の長所と短所をすべて考慮したうえで決定を行うことが求められます。また、トレードオフ選択しなかったことによる損失を「機会費用」と呼びます。

これって、この定義だけでは良く理解できないと思いますので、経営学の大家ドラッカー氏があげた三つの例を以下に掲載します。



まずは、会社を経営していく上で、短期と長期のトレードオフをバランス良く考えていく必要があります。

目の前の短期のことだけ考えていれば、長期的には会社の将来は危うくなります。とはいいながら、会社の10年後、20年後のことばかり考えていれば、短期的なことが疎かになり、すぐにても会社は危うくなります。

これをバランス良く考えていく必要があります。場合によっては、短期的にみれば多少効率を落としてでも、長期に備え場合だってあり得ます。

第二に全体と個のトレードオフです。全体とは、たとえば会社全体と、その一部の課との関係などもトレードオフの関係にあります。ある課にとって非常に良いことが、実は会社全体にとっては良くないことなどはいくらでもあります。それとは、逆に会社全体にとっては非常に良いことが、いくつか課にとっては悪いことで、全体を良くしようと考えるあまり、複数の課を駄目にしてしまうこともあります。これもバランスをとって考えなければなりません。

第三に、特に民間営利企業では、利潤に関するトレードオフがあります。たとえば、販売促進費を際限なく、かけれは、確かに売上はあがります。しかし、利益はでません。適当なところでバランスをとらなければなりません。

そうしてこの長期デフレのせいで、企業でも個人でもトレード・オフになる事柄が非常に増えてきました。デフレでなければ、特に若い時の貯金と経験がトレードオフになるということはあまりありません。

今でもバイト学生は多いが、稼げる金額は・・・・・・・・


自分の経験でも、バブルではないものの少なくともデフレではなかった自分の学生時代には、随分と金を稼いだものです。毎月最高で、30万くらいは稼いでいました。家庭教師、その他もろもろ合わせるとそのくらい稼いでいる連中は他にも結構いました。何も珍しい存在ではありませんでした。今なら極めて珍しい部類にはいるのでしょうね。

私は、金を稼ぐなどということは、あまり上手ではなかったのですが、この時期にいろいな友人が稼ぎがたをいろいろと教えてくれました。楽なものから、厳しいものまで、いくつもありましたが、やはり厳しいほうが稼ぎが良かったのて、厳しいほうを選びました。とは、いっても主に頭を使うものだったので、時間をかなりかけるとか、体自体は酷使するものではありませんでした。

別の角度からみれば、楽といえば、楽でした。今でいえば、エクセルのまともな表を作れれば、それで結構金になる時代でした。ただし、まともという意味は、ただ表がつくれるということではなく、現場できちんと役に立つ表という意味です。

これに関しては、大学の先生をかなり活用させていただきました。現場で必要になる知識を統計学の先生やら、コンピュータ・サイエンスの先生に良く質問に行きました。どの先生も前もって予約しておけば、快く応じていただけました。これは、学校の勉強と、現場での仕事(平たくいうとお金)が結びついた素晴らしい好循環でした。

なにせ、金になるということで、勉強にも、先生への質問もかなり熱心になります。それが、相手に伝わって様々な知識というか、そこまではいかないようなノウハウなどもたくさん提供していただいて、大助かりでした。教授の側も、自分たちの学問が現場でどのように活用されるのか、興味津々だったようです。

こんな時に、貯金と経験をはかりにかける人など誰もいませんでした。親からの仕送りがないとか、少ない人でも、バイトをすれば、何とか学費くらい稼げたし、返却しなくても良い奨学金をもらってい人もいました。院生で本当に優秀な人は毎月7~8万程度もらっていて、それは返却しなくても良いそうで、その他バイトをあわせると楽々と学業に勤しむことができました。

最近は若者の海外旅行離れも進んでいるという

ただし、私は貯金はあまりできませんでしたが、いろいろと経験はそれなりにつめたと思います。それが良いことだったどうかは、いまもってわかりませんが、その頃の経験も含めて、今の私がかたぢづくられているのは、間違いありません。

思い返してみれば、帝国ホテルであの、美味しい、ロースト・ビーフのワゴンサービスなど食したのもあの頃でした。これって、世界のどこよりも美味しいと思います。最近は、ほとんど行っていないなぁー。

国内旅行や海外旅行なんてもの結構やっていました。1年休学して、一年間海外旅行と金稼ぎなどという馬鹿真似もしでかしました。それは、それで良いことだったと思います。後で親にバレてこっぴどく叱られましたが・・・・・。

帝国ホテルのロースト・ビーフのワゴンサービス
目の前できりわけてくれる

それにしても、こんなことをしてるのは、自分だけかと思っていたら、海外に出かけると、そういう変な奴が一杯いました。

しかし、こんなことをしていても、就職の時期になれば、家に帰ると、その頃は印刷媒体が中心だったので、リクルートなどから山ほどいろいろな資料が山積みになっていて、就職も適当にやっていれば、何とかなるという雰囲気でした。

確かに、私自身も、周りをみていても、そうでした。第一志望が駄目でも、似たような業界の第二、第三志望くらいはどうにでもなるという感じでした。院生ならば、ほとんど何も就職活動をせず、教授の紹介で、自分が院生のときに実験していた事柄と同じような基礎研究ができる企業に就職している人もいました。

とにかく、よほどの事がない限り、就職に完璧に失敗するなどということはありませんでした。一部、変わり者が、大学や大学院を卒業しても、職に就かないというものもいましたが、そういう人も、それなりに自分の夢を叶えたり、中途入社して何とかなっていたというのが普通でした。

大学時代や、就職しても若いうちはなかなか貯金がたまらないというのは、普通のことでした。しかし、そうであっても、いずれ結婚し、結婚するとそれなりに貯金もするようになり、まあ何とかという状況でした。

そうです。当時は、中年以上ともなれば、失敗すれば、取り返しがつかないと思われていましたが、若ければ、特に長期完全失業とか、派遣などということは考えられませんでした。それが若さの特権と信じて疑いませんでした。

これは、おそらく現在の45歳以上の人の若いころはそうだったと思います。特に五十歳以上で、70歳以下であれば、完璧にこの範疇にはいると思います。これは、バブルの時代まっただ中での青春でなくてもそうでした。

しかしいつのまにやら、世の中はデフレに見舞われ、私の身の回りでも、新卒が明らかに変わってきたことがわかります。たとえば、札幌の大学に四年間いたというのに、薄野(すすきの)にほとんど行ったことがないとか、飲むとすれば、家飲みがほんどだったりとか、それに最近では、大学や大学院を卒業しても、奨学金数百万の借金があるということが珍しくはないようです。

であれば、最近の若者は、経験を後回しにして、貯金に励むのは当然のことと思います。貯金と、経験がトレードオフの関係になるのは当然のことと思います。

私の若い頃とは全く違うということです。それにしても、全くつまらない世の中になったと思います。

昔の若者だと、大学や大学院など卒業した新人など、たたくの何やらの埃がてできました。たとえば、学生時代にこんな変わったバイトをやっていましたとか、海外でこんな馬鹿真似をしていましたとか、いろいろでした。それなりに、面白い経験をしていきている人が多かったものです。

しかし、最近ではそのようなあまりなく、あったとしても、ありふれたバイトで、後は学生生活だけで、まるで無色透明のような学生生活を送ってきた人が多いようです。

そうして若者がそうなったことの原因としては、やはり、あまりにも長い間デフレが続いて、将来に希望が持てなくなっているということがあると思います。

だから、若いうちから、貯金と経験がトレードオフになってしまっているのです。

いつまでもデフレであり続けることはキモい 過度のデフレ脳もキモい


多くの人は、先にも述べたようにデフレ脳になってしまっているため、これが普通のように思っているようですが、それは完璧に間違いです。

デフレは、経済の癌ともいわれるように、異常状態です。これは、普通経済循環である、不景気、景気を繰り返すパターンから完璧に逸脱した、人でいえば癌ともいえる、異常な状況です。

しかし、日本では、デフレのことを不景気くらいに思っている人が多いてす。これは、完璧にデフレ脳です。

デフレ脳になってしまえば、このブログの冒頭の記事のように、若者の経験と貯金がトレードオフになるのが異常と思わず、あたり前に思ってしまうのです。

若者の経験と、貯金がトレードオフとなる世の中は、異常です。若ければ、貯金がなくても、後から頑張れば、何とでもなるのが普通です。就職して頑張れば、貯金もできて、様々な経験もできるのが若者の特権であったはずです。

この特権がなくなった社会は異常です。

これがない世の中は、進歩しません。若いうちは、なかなかオリジナルなことは考えられませんが、いわゆるリミックスということを実践していけば、いずれオリジナルなものもたくさん生まれてきます。れそがない世の中は、進歩がありません。

リミックスについては、このブログでも以前紹介したことがあるので、その記事のURLを以下掲載します。
『海賊のジレンマ』が教えてくれる「未来のアイデアを育てる」方法−【私の論評】単なる天才のひらめきで、イノベーションはできない体系的なRemixのみが社会を変える!!
レディガガのアルバム、The Remix

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、リミックスについて説明した部分のみを以下に掲載させていただきます。
新しいものが、全くの無から生まれてくることはありません。バッハも、同時代の先輩格のビバルディやコレルリの曲を何曲も編曲して新しい楽曲を生み出しています。特に、バロック時代にはそのようなことは、日常茶飯事に行われていました。今のように著作権法などはありませんでした。このようなことを行っていくうちに、バッハも自分独自の素晴らしい楽曲を作成するに至りました。アインシュタインだってそうです。彼自身が、自分がやったことは、過去の人がやったことに1%を付け加えたに過ぎないと言っています。その1%が素晴らしいことだったのです。彼でさえ、99%は、リミックスだったのです。
特に、社会変革に関する企画に関してはそういうことがいえます。今まで社会でどの時代のものであれ、うまくいったことは、すべて手本にすべきです。近江商人など昔の商人のやったことだって、多いに役立ちます。だから、過去に行われたこと、現在多くの人が行っていることは、徹底的に調べて、まずは、著作権法、商標法などに違反しないかたちで、複写・変形・結合することによって、新しいものを生み出すべきです。
複写・変形は、すぐに著作権侵害をしてしまう恐れがあります。ただし、誰が最初にやったのかわからない形で、世の中に広まってものは、そのようなことはありません。複数のものを結合して新しいものをつくってしまえば、それは最早、複写・変形の域を超えています。だからこそ、結合が重要なのです。そうして、努力を重ねて、さらに運がよければ、アインシュタインのように、1%の全く新しいものを付け加えられるかもしれないです。そのとき私たちは天才と呼ばれるのかもしれません。しかし、天才と呼ばれることがなくても、商売や事業は十分やっていけます。だから、凡人は、まずは、リミックスすべきなのです。
リミックスは、若かった頃の、スティーブ・ジョブズも、ビル・ゲイツだってやっています。今のアップルだって、マイクロソフトだって行っています。アートの世界もそうです。

特に、若者は、若い内に徹底的に先人の業績を研究し、真似して、リミックスを実践すべぎです。

そんな時に貯金だけしていては、将来の芽をつんでしまいます。ただし、残念ながら、今は貯金と経験がトレードオフの関係にあることも事実です。

であれば、今の若者には、倹約して貯金もしつつ、経験もたくさん踏んでいただきたいものです。お金をかけなくても、経験をつむことはいくらでもできます。たとえば、恋愛とか。これも、最近の若者はあまり経験していないようです。

それとか、最近では、電子書籍などでも無料のものが結構提供されています。確か福沢諭吉の『学問の進め』など、AmazonのKindleで無料で提供されていました。その他、多少お金はかかるものの、安いKindle本や、文庫本などもたくさんあります。

それに、大学生や院生であれば、自分の担当教官だけでなく、大学中の先生から知識やノウハウをいただくこともできます。

それに今の時代、インターネット、スマホ、タブレットなどありますし、若者はこれを多様しているはずですから、LINEなどの内輪の話だけではなく、いろいろ自分なりに勉強した上で、世界中の人からいろいろなことを聴いて回ることもできますから、これを利用しない手はないと思います。

とは、いいながら、これだけだと実体験はなかなか積めないですから、やはり、これから世の中を変えてまともにしていかなければなりません。

デフレ脳に陥っている人はマインド・コントロールされているようなもの


十五年以上も、デフレが続いている国など世界広しといえども、日本しかありません。この状況は打破しなければなりません。

であれば、若者も政治・経済に興味と関心を持ち、選挙にも行って、デフレ脳で完璧に腐った頭の政治家に票は入れずまともな政治家に投票すべきです。そのためにも、ある程度勉強しなければならないと思います。

そうして、様々な経験が積めるような世の中にして、楽しいことも、大変なことも経験すべきです。それか、次世代を進歩させます。貯金と経験がトレードオフになる世の中は、進歩しません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか?

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2014年8月6日水曜日

堀江貴文さん、笹井氏の自殺に一言 「あの袋叩き状態は経験してみないとわからない」―【私の論評】皆さん、マスコミの無軌道な報道にはほとほと嫌気がさすと思いませんか?スタンスを変えられないというのなら、この世から消えてくだされと願うのみ(゚д゚)!

堀江貴文さん、笹井氏の自殺に一言 「あの袋叩き状態は経験してみないとわからない」

出所直後の堀江貴文氏

   かつて刑務所生活を送った経験もある実業家・堀江貴文さん(41)が2014年8月5日、理化学研究所(理研)の「発生・再生科学総合研究センター」副センター長・笹井芳樹氏の自殺についてツイッターで触れた。

   堀江さんは笹井氏の自殺について「単に世間から袋叩きにあってる状態から逃げたいだけ」と見解を示し、「普通の人なら(自殺)してもおかしくない状態におかれたことあるのでよくわかる」と過去の経験を振り返った。

   その上で「あの袋叩き状態は経験してみないとわからない」「自分は悪くない、あるいは意図して悪い事をしようと思ったわけではない、潔白なら後ろ指さされるような事してないなら自殺なんかしないって思ってる人は甘い」と述べた。

【私の論評】皆さん、マスコミの無軌道な報道にはほとほと嫌気がさすと思いませんか?スタンスを変えられないというのなら、この世から消えてくだされと願うのみ(゚д゚)!

まずは、何をさておき、お亡くなりになった笹井芳樹氏のごご冥福をお祈りさせていただきます。

ご本人の名誉のため、このブロクでは、マスコミがこれからも連日のように繰り返すであろう、今回の件の詮索については、一切行いません。ただし、マスコミの報道の仕方についての問題点について追求していきたいと思います。

上の堀江さんの実際のツイートを以下に掲載します。
これに関するツイートといえば、あの中国問題の専門家でもある石平氏も以下のようなツイートをしています。
日本には、昔から死者を鞭打たないどころか、亡くなった方々はどんな人でも仏様という考えがあります。この精神性の高さについて、石平氏は武士の情けとい言葉で表現されているのだと思います。

そうして、堀江氏は、徹底的に追い詰められたとき、このような日本人の精神性が自分で死を選んでしまうことの誘引にもなりえることを、自らの体験から述べられているのだと思います。

本当に残念なことです。

それにしても、マスコミの報道の仕方にも問題があります。これについては、以前からこのブログでも指摘してきたところです。
【ネットろんだん】割烹着とベートーベン 問われた「物語」重視報道の是非―【私の論評】物語と歴史の区別がつかないマスコミは、中韓と同レベル。このマスコミの病気につける薬はない(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、STAP細胞をめぐる小保方さんに関するマスコミの報道には、最初から問題がありました。そもそも、最初の報道では、事実を報道するというよりは、小保方さん個人をめぐる「物語」報道が顕著でした。

「STAP細胞」について発表する小保方晴子さん=1月28日、神戸市中央区

それに関しては、この記事では以下のように批判しました。
ニュースなどを報道する姿勢としては、歴史上完璧に評価が定まった人以外は、事実や業績を中心に報道すべきと思います。歴史上完璧に評価が定まった人に関しては、多少は物語性を加味しても問題はないとは思いますが、それにしても、ニュースとして報道するのであれば、それも加味程度とすべきと思います。物語は、あくまでも、書籍や映画などとして世の中に出すべきものと思います。 
最近のマスコミは、物語と歴史の区別がついていないようです。その査証として、韓国の慰安婦問題などの歴史的に根拠が乏しい物語を、さも歴史的事実のように報道したり、日本が中国に対して侵略戦争をしかけたかのような、これも歴史的根拠が全く乏しい物語を史実のように繰り返し刷り込むように報道しています。 
これら歴史問題に関しては、マスコミは確たるエビデンスを元に、物語ではなく正しい報道をすべきであって、中韓の報道を鵜呑みしてそれに手を貸すような報道をするようでは、もうその役割を終えたと言われても仕方ないと思います。
物語性に関しては、小保方報道以外にも、当時の佐村河内守報道にもかなり問題がありました。これも、全聾の天才作曲家という物語が報道の大部分を占めました。

そうして、佐村河内報道に関しては、ゴーストライターや、本人の告白によって、一応の幕引きが行なわれました。しかし、これでこの問題の全容が明るみに出たわけでもなく、その後マスコミは一切報道しません。

小保方報道に関しては、「物語性」以外でも非常に問題がありました。それについても、このブログに掲載した事がありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
 STAP細胞報道、ブロガーに完敗したメディアは「取材を尽くした」と言えるのか―【私の論評】全聾の作曲家佐村河内守報道から結局何も変わらなかった、マスコミの報道姿勢を糾弾する(゚д゚)!

これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、メディアが専門性のある分野に関してはほとんど対応できていないことを掲載しました。以下の、その内容の一部を掲載させていただきます。

佐村河内報道でも、マスコミは音楽の専門知識に欠けていた
STAP細胞論文の問題点を指摘したブロガーとして最も有名なのは「11jigen」だ。専門的な知識を駆使して論文に不自然さや矛盾点がないか細かくチェックし、小保方氏が早稲田大学に2011年に提出した博士論文と比べて画像が酷似していることなどを暴いた。これを既存メディアが追いかけた。調査報道の役割をボランティアの専門家が担った格好になった。 
なぜ11jigenと同じことを従来のメディアができなかったのか。記者クラブ経由の「発表報道」に安住し、本来の調査報道を手掛けるような専門性の高い科学記者を育ててこなかったことが一因かもしれない。福島原発事故をめぐる報道が「発表報道のオンパレード」という批判を受けたのも、発表報道以上の報道を展開できるだけの専門性が記者側に欠けていたためだ。 
大手新聞社は優秀な記者については部長職など幹部へ昇進させ、ジャーナリストから経営者へ転身させてしまう。新卒一括採用を基本としているため、すでに実績を出している科学者を中途採用して記者として活用するといった柔軟性もない。社内の記者を留学させ、科学分野の博士号を取得させるなどの仕組みもない。これでは高度な専門性を備えた記者は現れない。 
・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・ 
11jigenは空いた時間を使ってボランティアで検証していたようだが、新聞記者であれば給与をもらいながら日中から堂々と論文チェックができる。「教訓として受け止める」「結果を重く受け止める」のであれば、これからは11jigenのような人材をスカウトし、ネットに負けないような調査報道を実行するとの決意を表明してほしいものだ。 
楢原氏は「取材し尽くしたつもり」と語っている。だが、調査報道の観点から言えば「取材は全然足りていなかった」というのが実態ではないか。
結局、マスコミ結局専門知識にあまりにも欠けているので、佐村河内のような詐欺師を天才作曲家としてもちあげてしまいました。

小保方報道についても、専門知識にあまりにも欠けているため、結局は取材報道がほとんどとなり、専門家を取材して、それを記事にして、記者の憶測を付加しているだけの代物がほとんです。

テレビ番組に至っては、専門家を何人か登場させ発言させ、それに対してコメンテーターが無意味なコメントを付け加え、なんとかまとめているという程度で、どれもが単なる興味本位の内容に終始していて決定打に欠ける報道ばかりでした。

このようなやり方が、佐村河内のような詐欺師を増長させたり、杜撰な小保方報道につながっています。

そうして、自分たちは全く意識していなくても、小保方さんをはじめとする、関係者を著しく傷つけています。

そもそも、STAP細胞のような専門的な情報は一般の人には、ほとんど必要ありません。知ったからといって、それでどうなるというわけでもありません。ただし、STAP細胞などで、産業をおこそうと真剣に考えているいる人には必要な情報だと思います。

しかし、そういう人は、かなり情報を得ているので、一般報道など必要ありません。マスコミは、一体誰のための報道しているのでしょうか。

本当に疑問です。特に小保方報道に関しては、最初は「物語」満載で、徹底的に木の上まで登らせておきながら、いきなり梯子を外して、徹底した袋叩きです。

そもそも、STAP細胞などの報道に関しては、もともと慎重にすべきでした。この基礎研究が実を結んだとしても、その結果大きな産業になるには、20年近くもの年月を必要とします。そうして、通常はその頃にノーベル医学賞の対象になるかどうかということになります。

数年前にノーベル化学賞をとった、鈴木名誉教授と根岸氏しもそうでした。受賞理由は、パラジウムを触媒とする「クロスカップリング」と呼ばれる有機合成法の開発です。鈴木氏らが見いだした合成反応は、有機合成化学に飛躍的な進展をもたらしました。

これについても、このブログに掲載したことがありますので、以下にその記事のURLを掲載します。
ノーベル化学賞に鈴木名誉教授と根岸氏―【私の論評】二人とも言葉は違うが、学生は努力せよと述べている!!私もそう思う!!!

2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木氏(右)と根岸氏(左)
彼らの研究は間違いなく社会を大変革した。

この「クロスカップリグ」の手法そのものは、1979年に開発されたものです。これがもとになって、今日の多様なプラスチック製品の産業が成り立っているのです。この開発がなければ、今日のようなテレビや、パソコンもなかったかもしれません。

しかし、これを開発した、鈴木氏、根岸氏は、発見した当初小保方さんのように「物語」をも含んだ、報道で脚光を浴びたかというとそうではありません。

それは、化学会という狭い分野の中では、脚光を浴びたかもしれませんが、一般人から脚光を派手に浴びるなどということはありませんでした。

なぜなら、こういう素晴らしい発見があったらといって、すぐそれが産業に結びついて、社会を革新してしまうかどうかということは、その当時はその可能性が高いというだけであり、それがどうなるかなどということ誰も予想がつかないのが普通です。

その時点では、それが海のものとも山のものとも判断がつきません。あるいは、研究がもっと進んでもっと画期的な研究成果がもたらされるかもしれません。だから、数十年も経て、間違いなく、社会を変革したことがあきらかになってから、ノーベル賞が付与されるのです。

だから、ノーベル賞を受賞するためには、長寿でないと受賞できないといわれています。どんなに凄い発見をしても、早死してしまえば、受賞できないからです。ちなみに、ノーベル賞は、死者に対して授与することはありません。あくまで、生きている人に授与されます。

厳しいようですが、どんなに画期的な研究であっても、それが、実際に社会を変革しなければ、その研究の存在価値はありません。

世の中には、一見画期的だとみえても、結局は消え去っている研究などいくらでもあります。極端な人は、それを陰謀などとする人もいますが、結局社会に受け入れられないければ、そのような研究はなかったのと同じことになってしまうのです。

しかし、最近のSTAP細胞に関する、報道は、このような実体を無視して、最初から「夢物語」をふんだんに用いて、多くの人々大きな期待と希望を抱かせてしまいました。

これは、STAP細胞が本当に存在していようが、いまいがそんなことは、別次元として、報道の仕方としては、間違いです。研究そのものの内容と、その可能性などについて短く報道すればそれで良かったはすです。専門性がどうのという考えもありますが、まずはこのようなスタンスを持つべきでした。

しかし、最初に「夢物語」を報道してしまったので、現在のようにその実験再現性が問題になったとき、袋叩きの度合いがかなり高まってしまったのです。

マスコミは、このような報道の仕方は控えるべきです。しかし、マスコミはそんなことせずに、これからも、間違い報道をし続けることでしょう。

なぜなから、昨日もこのブログに掲載したように、朝日新聞をはじめとするマスコミは、長い間の根がティブ・シンギングで頭と精神が相当傷めつけられているからです。これに関しては、以前もこのブログで掲載しましたので、その記事のURLを以下に掲載します。
【朝日新聞】「済州島で連行」証言 裏付け得られず虚偽と判断―【私の論評】朝日新聞・テレ朝は、「虚偽新聞」になれば良い! それで、大躍進できるぞ~~ぃ(゚д゚)!
 
自分の頭で判断して、事実確認などあまりせずに、虚偽と捏造を本物のように偽って日々記事などを書いたり、それを方針として、10年以上の長きわたって実行していたとすると、それが頭脳に与える悪影響は計り知れません。 
だから、山村明義氏が指摘しているように、「一連の「慰安婦問題報道」について、朝日側は朝鮮人慰安婦の「挺身隊との混同」と「済州島での連行」の記事については取材や報道の誤りを認め、「強制連行」と「日本軍関与」の記事、さらに「キーセン」として売られていた朝鮮人女性への植村隆元記者の「慰安婦 初の証言」のインタビュー記事については、基本的にそれぞれ誤りを認めない」という、なにやら、妄想老人のような反応をするのだと思います。 
いずれ、精神がおかしくなり、虚偽や捏造が本当と信じこむようになってもおかしくありません。この状況はとても正常とはいえません。朝日新聞の記者や、幹部の方々は、精神鑑定をしていただてはいかがでしょうか。
相当頭脳が、おかしくなっている大手マスコミの記者や幹部など、認知症の老人のようなもので、理屈を説いてもそのその行動を変えることはできないでしょう。

佐村河内報道、小保方報道、特定秘密保護法報道、集団的自衛権報道のようなからさわぎをしつつ、反省も何もなく、いずれ人間の寿命がつきるように、この世から消えてなくなると思います。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

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ノーベル化学賞に鈴木名誉教授と根岸氏―【私の論評】二人とも言葉は違うが、学生は努力せよと述べている!!私もそう思う!!!

【朝日新聞】「済州島で連行」証言 裏付け得られず虚偽と判断―【私の論評】朝日新聞・テレ朝は、「虚偽新聞」になれば良い! それで、大躍進できるぞ~~ぃ(゚д゚)!

日本人は凄いという内容の本やテレビ番組をみて喜んでいるとアホになる―【私の論評】日本と日本人は駄目、という内容の本やテレビ番組をみて喜んでいるとアホになるし、そういうコンテンツばかり作成している日本のマスコミ関係者は若年性認知症になる(゚д゚)! 

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2014年5月17日土曜日

【日本の解き方】景気落ち込みは一時的なのか 先行き判断上昇に騙されるな―【私の論評】ハイウエスト・ビキニが流行る今年は景気は落ち込むかもしれない! 愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶということを忘れるな(゚д゚)!

【日本の解き方】景気落ち込みは一時的なのか 先行き判断上昇に騙されるな

景気が上向くと、ビキニなどの水着の面積が小さくなるとか?

内閣府が公表した4月の景気ウオッチャー調査について、景気判断の現状が大きく落ち込んだ一方、先行き判断の上昇は過去最大となったとの報道もあった。消費税増税後の景気の落ち込みは一時的と考えてよいのか、それとも今後も懸念すべき材料はあるのだろうか。

・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・

先行き判断は政権交代のあった2012年12月に51・0と50を超えたあと、13年12月の54・7まで、いい状態であった。しかし、1月49・0、2月40・0、3月34・7と急落した。3カ月間の下落幅20・0は、統計を取って以来最大の下げ幅だ。その反動で、4月の指数が跳ね上がったとみるべきだ。

増税後の景気の動向を占うのは、正直言えば現時点では難しい。消費税導入の1989年と5%に引き上げられた97年を見ても、それぞれ4月の増税後、6カ月程度は消費税増税の影響はあまり現れなかった。

しかし、6カ月をすぎるあたりから、両者の景気動向には差がつき始める。増税時の景気動向指数を100とすると、1年後になると、89年増税時には103・0、97年増税時には92・6と大きな差がついた。こうしたデータから、本当に見極めがつくのは、少なくとも6カ月超から1年後である。

景気ウオッチャー調査の先行き判断が6カ月後の景気動向指数の予測に有効であるとしても、現段階ではあと1、2カ月先にならないと判断するのは難しい。その無理を承知の上で、景気動向指数の動きを大胆に予想すると、今のところ、97年増税時に近いような感じだ。

「増税後の落ち込みは一時的」「想定内」という報道があるが、これは政府や日銀官僚からのリークだろう。彼らが事前にどのような想定をしていたのかわからないので、そうした見方が妥当かどうかも判断困難だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】ハイウエスト・ビキニが流行る今年は景気は落ち込むかもしれない! 愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶということを忘れるな(゚д゚)!

さて、上の記事の冒頭には、ビキニのミズキの女性の写真をあげました。なにやら、世の中には、ビキニ等の水着の面積が小さくなると、景気が良くなるという説があるそうです。

なぜそうなるかといえば、一つは気分の問題です。好景気の時は消費心理が上向きになって、開放的な気分で大胆になると考えられます。

もう一つは、経済的な理由です。景気が良くなると財布の紐もゆるくなって、女性はボディケアにお金をかけるようになります。アンケートによるとビキニ姿に自信があるが13%ぐらいで、自信が無い人の理由が体が引き締まっていないということだそうです。しかし、懐具合がよくなるとボディケアにお金をかけられるので、パーフェクトなボディになってビキニに挑戦できるようになるということらしいです。
昨年の三愛の水着
ところで、昨年の水着の傾向は春ぐらいからかなり小さめのビキニが流行るといわれていて、実際小さめのビキニが売れていました。まさに景気がよくなっていたので、昨年の夏はビキニが売れるたという流れになっていたと思います。

景気がよくなると男性の懐具合も良くなってくるので、女性との遊びも派手になっていく傾向があるので、ビーチでナンパする時も露出度が高い女性の方が目立つので、ナンパされやすいという意味でも露出度の高い水着が流行るということも考えられます。

2014年、今夏の水着の二大キーワードは、「バンドゥビキニ」と「ハイウエストビキニ」。「バンドゥビキニ」とは、ブラがチューブトップタイプのビキニのこと。チューブトップ (tube top) は腋より下の部分を包む、袖なし・筒状のノースリーブの衣類のことです。落ちるのを防ぐため、ゴムひもなどで胸の上の位置できつく止めます。Twitterでキーワード検索をすると、女性から「かわいい」「欲しい」との声、多数上がっています。

バンドゥビキニ
一方の「ハイウエストビキニ」は、その名の通り、ハイウエストのショーツが特徴のビキニ。布面積が多めの50年代風デザインで、露出が少ない分、ビキニはちょっと…という女性でも抵抗なく着られそうです。こちらのほうはネット上ではあまり評判が良くはありません。

ハイウエストビキニ
景気ウォッチという側面からいうと、バンドゥ水着はあまり問題はないと思いますが、ハイウエストビキニは、明らかにボトムの面積が大きくなっているということから、問題ありです。これは、ハイウエストのジーンズ等のパンツからの流れのようですが、それにしても、ハイウエストのパンツが流行り、それが水着にまで進出してくるなどのことは今まではなかったことです。

これは、今年は景気が悪化するという前兆なのかもしれません。私としては、下の動画までいかなくても良いですから、やはりハイウェストではなく、面積が小さめのビキニが良いです。



景気が良くて、バブルになるとこんな水着が流行るのでしょうか、過去の事例では、さすがにマイクロビキニは流行りませんでしたが、バブル期やその直前にはハイレグ水着ははやっていました。


マイクロビキニまではいかなくても、せめて景気が良くなってハイレグ水着が流行る時代が来て欲しいものです。

さて、少し話が脱線してきたので、元に戻します。

上の高橋氏の記事は正しいです。実際、97年の増税後、98年になってから自殺者が2万人台から3万人台へと大幅に増えています。そのグラフを以下に掲載します。日本がデフレに突入したのは、5%増税をした1997年からなのですが、実体経済への最大の影響とみられる自殺者数が大幅に増えたのは、増税した次の年からです。


考えてみれば、判る話です。増税による影響が、すぐに出るなどのことはあり得ません。自殺者が増えたのは、デフレによる経済の悪化によるものが大きな原因とされています。これは、現在の日銀副総裁の岩田氏も認めていますし、他の多くの経済学者でも認めている人は大勢います。

たとえば、経済的なことが理由で自殺に至るにしても、最初は蓄えを崩すとか、人からお金を借りるとか、なんとかしていても、それでもどうにもならなくなり、進退窮まって最終的に自殺を選ぶということになるので、増税した直後に自殺者が増えるということにはならなかったのだと思います。

これは、自殺者数の推移について述べていますが、他でも同じことだと思います。たとえば、店をやっていても、増税後に客数が減ったとしても、多くの人が、最初は一時的に客が減っただけかもしれないと考えますが、半年、1年経つと、これは一時的ではなく、これからもずっとお客が減ると考え、本格的に仕入れを減らしたり、節約をはじめるという具合です。

財務省や、多くの白痴自民党議員は、こんなわかりきったことでも、増税後半年くらいであまり影響がないということにでもなれば、「8%増税で影響なし、次は10%増税も視野に入ってきた」などと言い始めるし、新聞などでも報道されると思います。

それとともに、財政赤字1000兆円を超えたので、増税しなければならないとか、次の10%増税に向けての前準備をすることと思います。これは、徹定期的に不味いです。

過去の2回の増税では、結局増税前よりも税収が減っています。今回の増税も結局そうなりそうです。

財政赤字を減らすというのなら、本来は増税などせず、金融緩和と積極財政をすることです。そうして、デフレを脱却して、さらに景気を良くすることです。こんな判りわかりきったことが、できない多数の与党自民党議員は、白痴といわれても仕方ないと思います。

白痴議員は、頭がなく財務省の官僚のいわれるがままです。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言があります。これを最初に語ったのは、ドイツの名宰相であるオットー・ビスマルクということになっています。

オットー・フォン・ビスマルク

しかし、彼が本当に語ったのは、
愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。 
Nur ein Idiot glaubt,aus den eigenen Erfahrungen zu lernen. Ich ziehe es vor,aus den Erfahrungen anderer zu lernen,um von vorneherein eigene Fehler zuvermeiden.
ということだそうです。

しかし、それより「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉のほうが人々によく知られていています。格言などは時間の経過によって、取捨選択された人々の智慧ですから、冒頭の言葉の方が、格言としてふさわしいと思いますし、実際そうなのだと思います。

今の大多数の自民党議員は、まさしく経験に学ぶことばかりしていて、歴史に学ぶということをしていないのだと思います。

今のタイミングで増税が駄目な理由は、古今東西の事例を見れば良くわかります。

たとえば、このブログでも掲載したように、世界で一番はやく金融恐慌によるデフレから脱却した高橋是清のリフレ政策などがその良い実例です。

高橋是清のデフレのときに、金融緩和と積極財政をするというのは、マクロ経済学では常識であり、デフレのときの施策としては、ごくまともな政策です。過去を良く振り返ってみれば、デフレや不況のときに増税して成功したためしはありません。

これは、日本の過去においてもそうですし、海外でも同じです。たとえば、イギリスでは、現在の日本とは順番が逆ですが、大幅増税してから、景気が落ち込み、大金融緩和をしたにもかかわらず、なかなか景気が上向かず、税収も上がらなかったという例もあります。

それよりも、なによりも、こんなに長期間デフレであるのは、今の日本だけです。他国ではそんな事例はありません。
【国際政治経済学入門】税収減、失業増…消費増税失敗 英の教訓―【私の論評】増税はまだ本決まりではない!!まだ防ぐ機会はある!!
 

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、この記事では、イギリスが2011年時点で、財政再建を目的として、付加価値税(日本の消費税にあたる)を大幅に引き上げた結果、景気が低迷し、雇用、その中でも若者の雇用が著しく悪化したため、これに対応するためイングランド銀行(イギリスの中央銀行、日本の日銀にあたる)が、大金融緩和を実施したものの、なかなか景気が回復しなかったことを掲載しました。

これらの事例をふりかえると、不況、ましてやデフレのときには、増税など全くの間違いであることが良く理解できます。

高橋是清の政策は、良くリフレ政策と呼ばれますが、実は私はこの呼び方は大嫌いです。デフレのときに、金融緩和や積極財政をするのはあたり前のど真ん中であり、普通の政策であり、これをわざわざリフレ政策などと呼ぶ必要はないと思います。

そんなことより、過去の日本の経済対策をみれば、増税によりデフレになったにもかかわらず、日銀は金融引締めを行い、ますますデフレを加速させ、昨年には日銀がインフレ政策に転じ、やれやれと思っていたら、その翌年には増税です。日本の過去の経済政策は、まさに゛「デフレ政策」というにふさわし政策ばかりでした。

なぜこんなことになるかといえば、自民党をはじめとする日本の政治家のほとんどが、白痴なみであり、自分の経験したこと(財務省の官僚から聴いたことも含む)だけを拠り所として、過去の歴史から学ぼうとしないからです。

こんなことをいつまでも続けていれば、日本はいつまでもデフレから脱却できず、また自殺者も増えるだけです。デフレは、国民を塗炭の苦しみに追いやるばかりで、何も良いことはありません。無論、政府にとっても日本国にとっても良いことは何もありません。

自民党議員は、自分たちは政権与党の議員であることを認識して、過去の歴史に学び、デフレ政策をやめるべぎです。やめられないというのなら、議員を辞めるべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年10月13日土曜日

百数十年間先進国であった日本 中韓にはない知恵と経験あり―【私の論評】正しい歴史認識をすることから、日本の覚悟が始まる!!

百数十年間先進国であった日本 中韓にはない知恵と経験あり


国際情報誌・SAPIOが11月号で『いまこそ日本人の「誇り」と「自信」を謳い上げる。中国よ!韓国よ!「ニッポンの覚悟」』との大特集を打ち出した。その狙いは何か、以下は同特集の巻頭言だ。

 * * *
 文明と人間が、そして国家が進歩するものならば、かつての日本人にできたことが、今できないはずはない。

 長く泰平が続いた封建社会から近代国家を築いて百数十年、日本は「三度目の建国」を迫ら... 続きを読む

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【私の論評】正しい歴史認識をすることから、日本の覚悟が始まる!!

私自身は、上記のサピオの記事は、読んではいませんが、いいたいことは良くわかりますが、やはり、正しい歴史認識の上にたって、論を展開しているのかどうか、上の紹介記事の一部をみていても、不安になるところがあります。

ペリー来航
たとえば、上の記事で、ペリー来航のことを以下のよう記しています。
明治維新から遡る黒船来航の折、ペリー総督は日本人を驚かせて屈服させようと蒸気機関や大砲を見せつけた。すると浦賀奉行所の与力・中村三郎助は、それが「蒸気機関車と同じ仕組みである」「大砲の型は××である」と正確に指摘し、ペリーが示した地球儀を指さして、ワシントンとニューヨークの場所を言い当てた。日本人の知識と科学技術のレベルに驚いたアメリカは、他のアジア諸国のように日本を植民地にすることは無理だと悟ったのである。
現在は、上記のようなことが、頑なに歴史的事実として、多くの人が信じています。しかし、これは、事実なのでしょうか。特に、上記の太文字にしたところは、事実ではありません。当時の幕府は、弱体化していて、ペリー来航にも及び腰しで臨んだように受け取られていますが、そうではありません。

ペリー来航時には、幕府は、砲台から大砲を打ち放しながら、ペリー来航を待ったとされ、ペリーなどにも最初は、けんもほろろの態度で接したことが記録に残っています。これは、特使として日本に訪問しているにも関わるらず、将軍にも謁見できなかったことから考えてもうなづけることです。

これに関しては、以下の動画などごらんいただければ、良くわかります。


 

上の動画に出演している倉山充氏は、「憲政史家」であり、『嘘だらけの日米近代史』の著者でもあり、この動画でも、その書籍に関していろいろ述べています。この書籍など読むと、いかに私たちが、日米関係の歴史に関して、誤った認識を持っていたかを思い知らされます。

ペリーが来航したころの、米国は、世界的な水準からみれば、まだまだ、小国であり、日本を脅かそうなどという意図はなかったはずです。他の列強とごしていくため、日本と協定を結びたかったということです。

日米関係史に関しては、上記のように、いろいろな意味で誤解があります。たとえば、モンロー主義などですが、モンローが大統領だったころの、アメリカはまだまだ、弱小国で、海外に多数の兵力を派遣して、戦争を遂行できるほどの力などありませんでした。アメリカが建国当初から、今日のような大国ではありませんでした。日本と、アメリカは互いに戦争をするような国ではありませんでした。事実開戦の10年ほど前には、そんなことは誰も思いも寄らないことでした。などなど・・・・・・。

この書籍を読むと、いかに私たちの歴史観が誤っていて、その誤ちの上に日米関係の虚像がつくられていることが理解できます。


たとえば、以下のようなことがあります。いくつか、列記してみます。

通説1
信仰心の篤い敬虔なクリスチャンたちがメイフラワー号という船に乗ってはるばるアメリカ大陸に渡り、厳しい自然や現地インディアンとの戦いなど幾多の困難を乗り越えてフロンティア精神で開拓したのがアメリカ合衆国の成り立ちだ。苦労をしながら開拓した土地からの利益を英国国王ジョージ三世は無情にも搾取したので、耐えかねたアメリカ人たちは独立戦争を起こし、独立を勝ち取って建国したのがアメリカ合衆国だ。
以上、何か一つでも信じていたら、それは歴史に対する無知としか言いようがありません。これは、「金日成建国神話」のようなものであり、後から、人為的につくられた話であるにすぎません。これに関しては、歴史的にも古い話ではないので、いくつもの文献からこれらが作話であることがはっきりしています。
通説2
第二次世界大戦の最大の戦勝国は、アメリカだった。
これも大きな誤りです。第二次世界大戦の真の最大の勝者は、ソビエト連邦です。


あまり書いてしまうと、この書籍を読む楽しみをなくしてしまうので、このへんでとどめておきますが、多くの人か、学校で習った歴史を鵜呑みにしています。アメリカが、戦後に日本弱体化のために、導入した教育委員会制度、自分たちを自ら労働者とみなす、日教組の影響を多大に受けた教師たちがいる学校。唯物史観で構成されている歴史教科書もあります。このような、学校や、教師たちから教えられた歴史観が正しいものであるはずがありません。180度ねじり曲がって、無責任この上ありません。

にもかかわらず、多くの人々が、自分で本当の歴史を調べようとしません。田母神さんが、現役のときに、物議を醸した論文など、物議を醸すこと自体が異常であり、歴史的(学問的)には、特に新しいこともなく、当たり前の真ん中を書かれているだけです。多くの人々が未だマスコミなどが流すデタラメな、自虐的歴史観に浸っていたりします。滑稽ですらあります。

多くの人々が、このような歴史観に浸っているうちは、「日本の覚悟」は始まりません!!「日本の覚悟」は、正しい歴史認識を持つことから始めるべきと思うのは、私だけでしょうか?



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