山の日の人で賑わう富士山頂上 |
国際的にも称揚される日本人の規律。その国民性を逆手にとって自己利益を追求するのは、経済の緊縮を是とする財務官僚とそれに追従する御用メディアだ。
朝日、毎日、日経新聞はこれでもか、これでもかと緊縮財政を求める。突出しているのは日経で、財務省が10日に「国の借金」が6月末で1053兆4676億円になったと発表するや、国民一人当たりで約830万円の借金を抱えていることになると騒いだ。経済に多少でも精通していれば、すぐわかる詭弁(きべん)である。
国債の9割以上は金融機関経由で国内の預金者が保有しているのだから、国民一人当たり約800万円の資産なのである。借金の当事者は財務官僚なのだから、それほど問題だと言うなら官僚は給料を返上すべきなのだ。
日経はこの大本営発表のタイミングに合わせて朝刊1面で「日本国債」と題した記事を5回にわたり連載した。米欧系投資ファンドが投機の口実に使う日本国債の暴落不安要因を並べ立て、消費税増税と緊縮財政強化をせきたてる。最終回は15日の終戦記念日付で、敗戦時には国債が悪性インフレのために紙くずと化したと断じた。このときばかりは国債を「国民の借金」ではなく「資産」とみなすご都合主義だ。
8日には、天皇陛下が「生前退位」のご意向を示されたお言葉の中で、「健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶ」と懸念されたくだりには、とりわけ胸を打たれた。
日本経済は元号が改まるたびに、大不況に襲われる。大正天皇崩御の4カ月後、1927年3月の「昭和金融恐慌」、昭和天皇崩御(1989年1月)後の「平成恐慌」である。いずれも政官の指導者による緊縮政策が引き起こしたが、その政策転換までには多くの年月がかかっている。
昭和恐慌の場合は1932年12月の高橋是清蔵相まで待たなければならなかった。バブル崩壊を伴った平成恐慌は慢性デフレへと停滞局面が続き、2012年12月の第2次安倍晋三政権が打ち出したアベノミクスでようやく政策転換がなされた、と思ったら、財務官僚が敷いた罠(わな)にはまった。14年4月からの消費税増税と財政支出削減であり、浮上しかけた景気はゼロ成長とデフレ局面に陥った。
安倍首相はようやくこの失策に気付き、消費税率の10%引き上げを2度にわたって延期したうえに、総事業費28兆円超の大型経済対策に踏み切ることにしたが、要は秋だ。安倍政権は執拗(しつよう)きわまる財務官僚や御用メディアによる緊縮包囲網を突破するしかない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
【私の論評】愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ!我が国の経済史を真摯に学べ(゚д゚)!
ブログ冒頭の記事にあるような、"「国の借金」が6月末で1053兆4676億円になったと発表するや、国民一人当たりで約830万円の借金を抱えている"などという見方は、全く一方的なものであり、間違いであることはこのブログでは何度か掲載してきたことです。その典型的なものの、リンクを以下に掲載します。
「国の借金」巡るホラー話 財務分析すれば怖くない―【私の論評】鳥越より悪質な都市伝説が現実になる新手の辛坊らの発言には気をつけろ(゚д゚)!
国の借金1000兆円は、真夏のホラー映画のような作り話にすぎない!
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私の計算では、平成27年3月31日の日銀が含まれていないバランスシートに、平成27年3月31日の日銀の営業毎旬報告から推測したバランスシートを加えた(注:連列したという意味)もので、その結果は173兆円です。そうして、ブログ冒頭の記事のように、マスコミが、これでもかと緊縮財政を求めるその理由については、現場主義とのいいながの不勉強であると結論づけました。以下にその部分を引用します。
これだと、日本のGDPを500兆円ということで計算すれば、政府の借金はGDP比では34%に過ぎません。これと同じような計算方式では、米国は80%、英国は60%であったと記憶しています。
ブログ冒頭の、高橋洋一氏の計算では、150兆円ということですが、大体似たようなものです。高橋洋一氏は別の方式でもっと正確に計算しているのかもしれません。しかし、考え方としては同じです。
いずれにせよ、政府の借金が1000兆円などということは、全くありえないことです。もしそうなら、国債金利がマイナスということなるはずもありえません。この程度の負債なら、10%増税はおろか、8%増税も全く必要なかったことになります。まさに、"国の借金」巡るホラー話"です。
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元毎日新聞記者でもある佐々木俊尚氏は25日の以下のようにツイートしています。
(続き)昭和の時代の昔気質の新聞記者って、本読まなかった。私は現役時代、記者クラブで本読んでると、よく「本なんか読む暇あったら夜回り行ってこい」と怒られました。昔の記者は「本なんか読まなくていい。取材相手から勉強すればいいんだ」という考えで、だから取材先になめられる。— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2016年7月25日
鳥越氏の女子大生への強姦未遂は、なぜか週刊誌では「淫行」としていますが、この未遂事件は、実は東京の私大関係者の中では、都市伝説として伝わっていて、私大関係者なら知らない者はないくらいだったそうです。
このような都市伝説なら楽しいが、鳥越氏や財務省起源の都市伝説は全くいただけない |
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朝日、毎日、日経新聞などのメディアがこれでもか、これでもかと緊縮財政をすべきと、訴えるのは、結局のところ不勉強のなせる業です。私が、この記事で実際にやってみせたような計算や、同じような計算過程で算出された他国との比較などをすれば、すぐにわかることなのに、これらメディアの記者など、このような簡単な計算をすることもせずに、財務省のいうことをそのまま報道するか、それに輪をかけたような報道をしているだけです。
さて、メディアに関しては、これである程度彼らがなぜ、緊縮財政にこだわるのかある程度理解できます。
しかし、財務省やいわゆる日本の主流の経済学者までなぜ、あのように緊縮財政にこだわり続けるのか、合点がいきません。
しかし、少し参考になるようなことが、日経新聞に掲載されていましたので、その記事を以下に引用します。
かき消される進言 経済学界、安倍政権と溝 増税延期2度のトラウマ
アベノミクスを掲げる安倍晋三内閣と、日本の経済学界との間にすきま風が吹いている。学界の一部には安倍内閣との距離を縮めようとする動きがあるが、溝は埋まりそうもない。結局のところ、政府の会に参加するいわゆる日本の主流の経済学者たちは、マクロ経済における景気循環的視点からではなく、ミクロ的な側面からばかり日本経済をみて提言をしているようです。
政府の規制改革会議は7月末で設置期限を迎え、鶴光太郎・慶応大学教授は雇用ワーキング・グループ座長を退任した。政府の成長戦略の本丸ともいえる労働市場改革に積極的に関与しようとしたが、徒労感が漂う。グループ内で議論を重ね、正社員改革の柱として労働時間規制の見直しなどを提案しても安倍官邸には聞き入れられず、「悔しい思いをする場面が何度もあった」。
その背景として、この記事からザクっとまとめると以下のようなことがあります。
- 現在はミクロ経済学を中心とする理論分析が研究の主流で、米国などの著名な学術雑誌への論文の掲載件数で学界での評価が決まる。
このような視点から、平成14年4月からの8%増税は、日本経済に与える影響は軽微というのが、経済学者の大勢を占めた意見でした。
- 日本の経済学会は、ミクロ理論が研究の主流であり、経済学者が「エビデンスに基づく政策立案」という場合はマクロよりミクロ実証が念頭のことが多い。
しかし、実際に14年4月からの消費税増税と財政支出削減をして蓋を開けてみると、浮上しかけた景気はゼロ成長とデフレ局面に陥ったのです。
これでは、安倍総理が、経済学者らの提言に疑念を持つのは当たり前のことです。
マクロ的な経済対策をしないうちに、ミクロ的な経済対策を打ったとしても、ほとんど効果は期待できません。そんなことは、当たり前ですね。金融引き締めと、緊縮財政で経済がヘタっているときに、ミクロ的な経済対策を打ったにしても、ほとんど効果は期待できません。実際、民主党政権のときはそうでした。
現状のデフレ局面に陥った状態をそのままにしておき、労働時間規制の見直しをしたら、長時間労働が常態であるような、ブラック的な企業が跋扈するだけの話しです。このような提言に安倍政権が耳を貸さないのは、当然のことです。
それにしても、どうして、日本の主流の経済学者や、財務省などが、このように緊縮財政にこだわり続けるのか、本当に理解に苦しみます。
これは、なぜなのか、その背景には何があるのか、それを考える上で参考になる記事があります。その記事のリンクを以下に掲載します。
REAL-JAPAN » 亡国経済学の系譜
詳細は、この記事をご覧いただくものとて、以下に一部を抜粋します。
田中秀臣氏 |
「亡国」とは文字通りでいえば、日本という国が消滅することである。それを目的にした経済学はあるのだろうか? 答えはイエスである。その歴史はかなり古く、ルーツは戦前にまで遡る。また「亡国」の定義を、日本国民の生活水準をあえて意図的に低下させること、という意味に解すれば、その種の亡国経済学の論者は昔もいまも枚挙に暇がないほどだ。
亡国経済学の基本的な特徴は、日本が深刻な長期停滞に陥っていて、すでに通常の景気対策などでは根本的に立ち直ることができない、そのため日本の構造的な問題を一挙に解決するしか道はないと唱えるものである。
日本は公式統計をみても、国内総生産(GDP)の物価であるGDPデフレーターでみると94年からすでに20年近くデフレが継続している。このときのデフレは経済規模の縮小が伴っているので、私たちの生活か苦しくなっていることに等しい。そのような国民を厳しい環境に置く状態がずっと継続している。
このような長期のデフレはなぜ起きたのか? その答えはふつうの経済学では明白だ。物価とは、モノと貨幣との相対価値を示すものである。デフレは、モノに対して貨幣の価値が上昇しているからだ。なぜ貨幣の価値が上昇するのか。それは貨幣の希少価値が高いからだ。つまりいまの日本は20年近く貨幣が不足する状態にある。そして日本でお金を供給することができるのは、日本銀行だけである。
速水優総裁の時期(1998年から2003年)の日本銀行のデフレ政策を、米国の著名経済学者アダム・ポーゼンは、中央銀行の使命である不況時の金融緩和を忘却し、「創造的破壊」にまい進していると批判した。
最近の白川方明日本銀行総裁についても同様の指摘がされている。オレゴン大学準教授のテイム・デューイや『フィナンシャルタイムズ』の記者ロビン・ハーディングらは、今年の3月24日に米国で行った白川総裁の講演を「清算主義」だと批判した。
白川総裁はその講演で、金融緩和を継続することが、収益性のない投資案件やムダな企業を延命させ、財政危機を継続させていると発言したのである。デューイらは正しくも、そのような清算主義的な発言は、実は日本銀行の政策の失敗から注意をそらすためのカモフラージュである、とも指摘している。
しかし本当に「政策の失敗」なのだろうか。白川氏の本音が、清算主義的なものにあるのだとすれば、デフレを意図的に継続させて、日本を亡国とすることこそ本旨ではないのか? いまや日本銀行の総裁はじめ幹部たち、そしてその支持者を含めて、改めて彼らが何者であるのかが、問われようとしている。
この記事は、2012年のものです。まだ安倍政権が成立することも、予見できず、デフレが深刻化して日本経済はデフレスパイラルの底に沈んでいました。(『正論』2012年6月号所収)投稿者:田中 秀臣
上記では、白川体制であった、日銀のみを精算主義として批判していますが、それは、財務省も同じことです。財務省も、日銀が、金融引き締めを繰り返していたころ、緊縮財政を繰り返し、日本をデフレスパイラルのどん底に落とし込みました。
現在の日銀は黒田体制になって、2013年4月から異次元の包括的金融緩和を実施し、2014年の3月まで、日本の経済は回復基調にありました。しかし、2014年の4月からの8%増税により、この金融緩和も腰をおられた形となりました。とはいいながら、雇用情勢はその後も改善を続けました。
しかし、最近では、日銀はマッカラムルールなどからみても、明らかに追加金融緩和が必要であるにもかかわらず、実行せず 、株安・円高の状況にとなっています。
財務省や、日銀、日本の主流の経済学者の中には、このような「亡国経済学」あるい清算主義的な考えの人が多いのだと思います。
特に、日本の主流の経済学者の中には、日本の産業は生産性が低いので、これを伸ばさない限り、日本経済は何をやっても良くならないと考えている人が多いです。
確かに、そういう側面もあるかもしれません。しかし、過去20年間の日本は景気循環的な側面を無視して、長期間にわたって金融緩和も、積極財政も実施せず、政治家やマスコミや、経済学者などが、いろいろなことを行ったり、実行したにもかかわらず、景気は全く回復することなく経過していたものが、2013年から金融緩和に踏切ったところ、経済指標がどんどん上向きました。
しかし、2014年4月から、緊縮財政の一環である、8%増税を実行した途端に、経済は落ち込み、雇用は改善を続けるという状態がつづきました。
これは、明らかに景気循環的側面を無視できないことの証左であり、追加金融緩和、積極財政の必要性があることがはっきりしたはずです。
しかし、多くの経済学者は、ミクロ経済政策の提言を行うのみです。これでは、彼らは亡国経済学者の謗りを受けてもいたし方ないと思います。
亡国経済学というと、私は、数十年前に出版された、ある外国の書籍を思い出します。書籍の名前も、著者の名前もすっかり忘れてしまったのですが、あらすじだけは覚えています。著者は確か、外国の人だったと思います。
それは、ある小国が、米国に戦争を仕掛けるというものです。そうして、戦争を仕掛ける理由が、「日本のように戦争に負けてその後に、脅威の経済成長をするため」というものでした。
私は、実は、「亡国」経済学者や、「亡国経済学」を信奉する官僚などには、無意識のこの小説の前提を是認しているのではないかと思います。
そうです。日本は、米国と戦争をして、負けたので不合理な制度やシステムが改善され、さらに米国の援助も受けたから、経済成長したという思い込みです。
しかし、これは本当でしょうか。私は、そうではないと思っています。経営学のドラッカー氏は、第二次世界大戦で疲弊したヨーロツパも、後世の歴史家が統計数値だけをみたとしたら、第二次世界大戦があったことなど認識できないかもしれないと語っています。
確かにヨーロッバは戦災でとんでもないことになりましたが、それでも、国全体としては、国富はかなり大都市などを除いて、地方などにはかなり残っていて、それらが戦争中はもとより、戦後はかなり生産を拡大したので、数字だけみているとまるで大戦などなかったかのように見えるというのです。
そうして、それは日本も例外ではありません。それに関しては、このブログでも掲載したことがあります。
そもそも、「亡国経済学」を信奉する方々は、戦争に負けたことによって、日本の国富はほとんど亡くなったか、あったにしてもせいぜい数十パーセントに過ぎなかったとの思い込みがあるのではないでしょうか。
それは、全く違います。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
やさしいデータと数字で語る「フクシマ」の虚と実 雇用は激増 離婚は減少 出生率もV字で回復―【私の論評】行動するなら感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行え(゚д゚)!詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に該当部分のみ掲載させていただきます。
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さらに、日本を例をとり、後世の歴史家が経済指標だけ見ていたら、大東亜戦争があったことなど気づかないかもしれないことを実証してみせようと思います。
以下は、最近読んだ古谷経衡氏の『戦後イデオロギーは日本人を幸せにしたか』という書籍に掲載されていた、統計資料です。
クリックすると拡大します |
この統計資料に関して、古谷氏は、以下のような説明をしています。
これを見ると、日本は先の大戦で、すべての国富のうち、その4分の1を失ったことになるが、逆説的に言えば、4分の3は残存していると見なすことができ、その水準はおおむね1935年のそれであった。
簡単に言えば、日本は1935年から1944年までの拡大分が戦争最後の1年、つまり戦争末期の大空襲であらかた吹き飛び、日本の敗戦時の国富は終戦時点の10年前である1935年の水準に逆戻りしたと考えればわかりやすい。
よって、「日本は敗戦でゼロからのスタート」を余儀なくされたのではなく、「敗戦により、おおむね1935年の国富水準からスタート」と言い換えることができるのだ。1935年のレベルといえば、言うまでもなくアジアの中ではトップクラスです。戦後の日本の復興は、「ゼロからのスタート」とするのは程遠い実態です。
終戦直後にこの状況であり、温存された国富の源となった、爆撃されなかった町や村などは生産活動を継続し、さらに戦争遂行のための様々な経済活動なども加えれば、日本も経済指標だけみていれば、戦争のあったことなど後世の歴史家は気づかないかもしれません。
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仮に、日本がうまく戦争を回避していたとしたら、少なくとも戦前の最盛期の時期から経済成長することになります。
これだと、さらにはやく、高度成長を迎えたかもしれません。そんなことをいうと、日本は軍部が腐敗した上に専横していたので、戦前から不合理な構造をしていたので、やはり戦争に負けてゼロにならないと、戦後の急速な経済成長はありえなかったと主張するかもしれません。
しかし、これは甚だ疑わしいです。戦後と、戦前で大きく異るのは、いわゆる軍が消滅したことです。軍が消滅したので、軍の不合理は消えたといえるでしょうか。現在の日本の状況、時折腐敗が表に出てきて、それと昔の腐敗を比較すると本当に良く似た構造であることがわかります。
こんなことからも、ある程度は改善はされたものの日本は腐敗などの不合理な構造残したままで、高度成長時代を迎えたのです。
軍の専横で、戦前、戦中の日本は民主主義から程遠い、暗黒社会だったと主張する人もいるかもしれません。しかし、戦前に東条英機が、軍に予算をつけてもらうために、しょっちゅう大蔵官僚を揉み手で接待していたという話が残っています。
東條内閣の閣僚(1941年10月) |
また、ブログ冒頭の記事では、"昭和恐慌の場合は1932年12月の高橋是清蔵相まで待たなければならなかった"とありますが、昭和恐慌とは世界恐慌の日本における名称であり、その原因は1990年代の研究で「デフレ」であったことがわかっています。
高橋是清は、今でいう「リフレ政策」すなわち、金融緩和と積極財政で、昭和恐慌から日本をいち早く脱出させました。世界恐慌から抜け出たのは、当時日本がもつとも早かったのです。アメリカが、本格的に世界恐慌から立ち直ったのは、第二次世界大戦の半ば頃です。
高橋是清 |
元々日本は、高度成長をする可能性があり、国富7割からスタートできたので、他のどの国も及ばない、高度成長ができたのだと思います。そうして、日本は高度成長により、いわゆる発展途上国から先進国に仲間入りしました。
これとは対照的に中国は、このブログでも、取り上げたように中進国(中所得国)の罠にはまっているので、先進国の仲間入りをすることもなく、中進国のままで終わることでしょう。
やはり、日本は戦争に負けようが、負けまいが、戦前から発展する可能性があったということです。
以上のように、いわゆる「亡国経済」には全く根拠がありません。これを信奉する官僚や、経済学者らには、経済史的な見方ができないのか、あるいはそもそも経済史、それも特に我が国の経済史など眼中にないのかもしれません。自らの、経験にのみ頼っているのではないでしょうか。
昔から、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」といいます。マスコミは先にあげたように、単なる勉強不足なのでしょうが、官僚や日本の主流の経済学者たちは、経験にばかり学び、しかもマクロ経済は無視して、ミクロ経済にばかり執着するので、愚かな提言しかできないのだと思います。
彼らにも、ぜひとも過去の歴史を真摯に学んで欲しいです。しかし、当面そのようなことは考えられないので、ブログ冒頭の記事の結論にあるように、「安倍政権は執拗(しつよう)きわまる財務官僚や御用メディアによる緊縮包囲網を突破するしかない」のだと思います。
しかし、国民の大多数がこれを理解すれば、安倍政権は、緊縮包囲網を突破しやすくなるものと、思います。
多くの国民が、日本の経済の歴史を学び、安倍政権を後押ししていただきたいものです。歴史を学ぶとは言っても、そんなに大層なことではないと思います。経済も歴史も専門ではない、私が上で掲載したことなど知っていれば十分だと思います。ただし、単に受け売りではなく、自分で納得しした上で知ることが肝要だと思います。
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