2016年8月7日日曜日

尖閣沖に中国当局船が13隻 国有化後で最多 警戒強める―【私の論評】日本の尖閣対応は、習近平の失脚で大成功(゚д゚)!

尖閣沖に中国当局船が13隻 国有化後で最多 警戒強める

8月6日、外務省は、東シナ海の尖閣諸島(中国名:魚釣島)の接続水域で
中国の漁船約230隻と海警局の船6隻を確認し、中国側に抗議したと発表した。
写真は2012年9月、中国浙江省舟山市の港から尖閣諸島に向かう漁船群
7日、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国当局の船13隻が日本の領海に侵入したり、すぐ外側の接続水域を航行しているのが確認されました。6日より6隻増え、平成24年に日本政府が尖閣諸島を国有化して以降、最も多い数となっていて、海上保安本部が警戒を強めています。

第11管区海上保安本部によりますと、7日午前10時すぎ、尖閣諸島の魚釣島の西の沖合で、中国海警局の船2隻がおよそ40分間にわたって日本の領海に侵入しました。
尖閣諸島沖の日本の領海のすぐ外側にある接続水域では6日、この2隻を含む中国当局の船7隻が確認されていましたが、7日、これに加えて新たに6隻が接続水域内に入ったのが確認されました。

これにより午後5時現在、中国当局の船は合わせて13隻となっていて、領海に侵入したり接続水域を航行したりしているということです。

平成24年9月に日本政府が尖閣諸島を国有化して以降、同時に確認された数としては最も多くなっていて、周辺海域には多くの中国漁船も確認されていることから、海上保安本部が警戒を強めています。

13隻は尖閣諸島の国有化後最多

海上保安庁によりますと、尖閣諸島の沖合で、中国当局の船が同時に13隻航行するのが確認されたのは、今回が初めてで、4年前の平成24年9月に政府が尖閣諸島を国有化して以降最も多くなりました。

中国当局の船が尖閣諸島沖で、同時に確認されたのは、これまで最も多かったのが国有化と同じ月に12隻が航行したケースで、今回はこれを1隻上回りました。

また尖閣諸島沖で、中国当局の船が10隻を超えているのが確認されたのは、3年前の平成25年4月以来です。

このところは3隻から4隻航行するケースが多く、今月も当初3隻が日本の接続水域で航行していましたが、6日4隻増えて7隻になり、さらに7日になって6隻増え、合わせて13隻になったということです。

海上保安庁によりますと、今月に入って中国側の漁が解禁されたのに伴って、尖閣諸島の周辺海域でも中国漁船が増え始め、外務省によりますと6日はおよそ300隻が航行していたということです。

尖閣諸島の周辺を含む北緯27度より南の沖縄周辺の海域は、日本と中国の漁業協定に基づき、両国の漁船がそれぞれの国の法律に基づいて操業することが認められています。

尖閣諸島の周辺で中国の漁船が増えるなかで、中国海警局の船も増えていますが、5日には海警局の船が中国漁船とともに領海に侵入してきたことから、海上保安庁は、中国当局の船や漁船が領海に侵入しないよう警戒と監視を強めています。

【私の論評】日本の尖閣対応は、習近平の失脚で大成功(゚д゚)!

一昨日のこのブログでも示したように、やはり習近平は座して死を待ち、結局失脚するよりは、冒険することを選んだようです。一昨日のブログのリンクを以下に掲載します。
【スクープ最前線】首相、二階幹事長&稲田防衛相で中国封じ込め 習政権は不穏な対日工作―【私の論評】習近平は国内政治力学のため尖閣を奪取する(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の結論部分のみ掲載します。
しかし、習近平は、このまま権威を失墜し、統治の正当性を失い、失脚して座して死を待つくらいなら、これを避けるために、一気に大冒険に出るかもしれません。

中国の国内政治の力学によっては、習近平は尖閣で勝負に出る可能性は、大いにあります。

日本としては、これは絶対に避けるべきです。ブログ冒頭の記事では、"日本は、米国とオーストラリア、インド、そして世界各国と連携を強め、「法と自由と民主主義」を守り抜く積極外交を行うべきだ。日本は正々堂々、真正面から立ち向かえばいい"などとしていますが、私はそうは思いません。

もうすでにその時期は過ぎました。日本ももし中国が尖閣に攻め入ってきたときに、どのように軍事的に対処するのか、真剣に考えておくべきときがきたものと思います。

私は、法律の専門家ではないので、何ともいえませんが、自分の国の領土に中国の軍隊が攻め込んできたとしたらということを予め想定して、それに対処する方法を考えておくべきです。

憲法改正などすぐにはできないのはわかりきっているので、現行憲法のまま、現行の法律体型のままで、対処する方法を早急に考えておくべきです。場合によっては、超法規的措置も実行する勇気と胆力が必要になると思います。その面では、稲田防衛相には期待できそうではあります。

いずれにしても、私たちも、習近平が大冒険をする可能性があることだけは、忘れるべきではありません。そのときは、本当に尖閣は危ういです。
そうして、この記事を掲載した二日後に、ブログ冒頭の記事のように、尖閣諸島沖に300隻の中国漁船と、 中国当局の船13隻が現れたわけです。

やはり、習近平は座して死を待つくらいなら、大冒険をする道を選んだのでしょう。そうして、このブログに掲載してきたように、日米に対しては、幼稚園児と大学院生くらいの軍事力の差があること、海軍力では日本の海上自衛隊にとも到底及ばないことを認識しているので、海上民兵を使って、まずは尖閣付近の海域を何度も領海侵犯することによって、この海上を完璧に実行支配することを企んでいるのでしょう。

尖閣付近の海上の実行支配に成功したあかつきには、尖閣を海上民兵を用いて、奪取するつもりなのでしょう。最初はとにかく、海上民兵を少人数でも良いから上陸させ、短期間のうちに離脱させることでしょう。

しかし、徐々に上陸する海上民兵の数を増やし、上陸期間も伸ばしていくことでしょう。そうして、最後には海上民兵を常駐させることにより、実行支配を主張することになります。

そうして、次の段階では、軍関連の施設を構築し、その後には人民解放軍がやってきて、常駐するようになり、ここは中国の領土だと主張するようになります。そうこうするうちに、埋め立てなど行い、様々な軍事施設や、航空機用の滑走路なども整備するようになります。

何のことはない、南シナ海と同じように、尖閣を実行支配するつもりです。

ところで、海上民兵については、その実体は日本のマスコミはなかなか報じないこともあつて、知らない人も多いと思います。これについては、このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
東シナ海と南シナ海における中国の領土的野心は、これまで十分に実証されてきた。一方、こうした野心を実現させる重要な要因の中であまり知られていないのは、十分な資金力を持つ「海上民兵」の存在だ。
写真:領海拡張狙う中国の野心示す衛星画像
「無から有へ」。占領当初のファイアリー・クロス礁。
これが今はとんでもない規模に!
ベトナムと同様、中国は海上民兵を抱える数少ない国の一つだ。この部隊は通常、民間漁船で編制され、さまざまな活動に従事する。これには難破船の救助など緊急対応から、島に上陸して主権を主張するといった強硬な活動まで含まれる。大企業で民間活動に従事する船員や漁業連合が軍事組織に採用され、軍事訓練や政治教育を受け、中国の海洋権益を守るために動員される。 
中華人民共和国の建国初期に創設された海上民兵は、世界最大の漁船団で編制されている。ここ数年で海上民兵は洗練さと重要性を増し、建築資材の運搬から情報収集まで幅広い任務を果たすようになってきた。最精鋭部隊は、必要があれば機雷や対空ミサイルを使い、「海上人民戦争」と呼ばれるゲリラ攻撃を外国船に仕掛けるよう訓練されている。現在、海上民兵は実質的に中国政府が管理する第一線の部隊として機能し、東シナ海と南シナ海で中国の権利を主張するための監視や支援、けん制などの活動に従事している。

機雷の配置訓練を受ける中国の民間漁船
海上民兵に関する疑問の中で、最も複雑なのは「誰が統率しているか」だ。建設作業や訓練など、海上民兵がこなす日常業務は沿岸都市や郡に配置されるおびただしい数の人民武装部によって実施され、これを軍分区の司令部が監督している。海上民兵はさまざまな機関から直接指揮を受けて幅広い役割をこなすため、ここから先の組織構造は一段と複雑になっている。 
最近、規模を縮小したり専門性を高めたりすることで、各部隊の役割を変容させる努力が続けられてきた。その一例が浙江省玉環郡の海上民兵大隊で、この部隊は海軍の船に燃料や弾薬などを供給している。 
このほか、偵察部隊、重要な施設や地域を護衛する部隊、敵を混乱させたり敵の設備を故障させたりする部隊、海上輸送能力を増大させる部隊、修理や医療救助に従事する部隊など、さまざまな支援活動に関わっている。 
また、海上民兵は中国の政治活動や外交政策に協力し、係争海域における中国のプレゼンス維持を支援したり、領有権を主張する島々に上陸したりしている。 
数千隻に上る海上民兵の船には「北斗」と呼ばれる中国独自の衛星測位システムが設置されている。これにより民兵は他の部隊を追跡できるほか、テキストメッセージの送受信、船員がタブレット上に手書きした中国語の読み込みなどができる。 
中国による海上民兵の雇用は、周辺国だけでなく米国などにも幅広い影響を及ぼす。東シナ海や南シナ海で米国やその同盟国が中国との紛争に巻き込まれれば、軍事活動に従事する数多くの民間漁船への対処法を定めた交戦規定が要求されるだろう。南シナ海で激しい衝突が見られないのは、弱小な中国の近隣国がゲリラ的な混戦に直面し、これが中国海軍の戦闘参加を回避させているからかもしれない。 
民間人と衝突すれば政治的に敏感な問題になるため、米国などの海軍は手足を縛られた状態にある。その間、海上民兵は係争海域で際限なく拡大する中国の施設建設や護衛といった支援活動を継続することになる。
平たく言うと、海上民兵は海上の便衣兵のようなものです。 日本側としては、海上民兵が海上の便衣兵であるという理由で、これを排除・殲滅すべきです。

そのために、予めこれが海上の便衣兵であることを広く世界に訴えて、世界の理解を得るべきです。日本は、先の大戦で、これに大失敗しています。そうです、南京大虐殺です。

日本は、南京で大虐殺をしたという物的資料は未だにあがっていません、にもかかわらず、日本は南京大虐殺をしたことになっています。しかし、現実は便衣兵を捕まえて、処刑したというのが事実です。しかも、中国が非難するように、数十万規模も殺害などしていません。

当時は、便衣兵や第五列は、捉えて処刑するのは当然のことでした。しかるに、中国はこれを数十万もの無辜の市民を虐殺したと、話をすり替えています。

中国の海上民兵は、その実体は軍人です。だから、海上民兵と交戦することは、戦闘であり民間人虐殺ということにはなりません。

しかし、海上民兵の暴虐ぶりがあっても、結果としてそれを国際社会が放置してしまつたため、今日中国が南シナ海を自分の領土だと主張するような事態を招いてしまいました。しかも、中国は仲裁裁判所の裁定により、南シナ海が中国の領海ではないとはっきりと示されたにもかかわらず、中国は自分の主張を改めようとしません。

今のままだと、尖閣諸島も、これと同じことになります。このような中国の横暴を許すわけにはいきません。

そうして、これに日本が対処するためには、以前にもこのブログに掲載したルトワック氏の書籍「中国4.0」に掲載されていた方法が有効だと思います。それについては、このブログにも掲載したことがあります。以下に、その記事のリンクを掲載します。
中国不法漁船を爆破 インドネシアが拿捕して海上で 「弱腰」から「見せしめ」に対応―【私の論評】ルトワックが示す尖閣有事の迅速対応の重要性(゚д゚)!
この書籍の最後には、日本への尖閣防衛のための助言が掲載されています。どうなるか分からない不安定さを持つ中国に対応するために、無理に大局をみるより現実的な個々の事象に対応するべく準備せよというものです。

日本側が、独自かつ迅速な対応を予め用意しおくように進言しています。しかも、各機関相互間の調整を重視するよりも、各機関が独自のマニュアル通りに自律的に行えるようにしておくべきとしています。

たちば、海上保安庁は即座に中国側の上陸者を退去させ警戒活動にあたり、外務省は諸外国に働き掛けて、中国の原油タンカーやコンテナ船などの税関手続きを遅らせるという具合です。とにかく、「対応の迅速さを優先させる」ことを強調しています。

自衛隊による対馬での島嶼防衛対応訓練
各機関が、このようなマニュアルを用意しておき、即座に動くことが肝要であることをルトワックは主張しているのだと思います。各機関が綿密に共同して行動していては、迅速さに欠けて、あれよあれよという間に、南シナ海で中国が実施したように、いずれ軍事基地化され、既成事実をつくられてしまってからは、これを取り消すことは至難の業になるからでしょう。

各機関が独自に動けば、初期の対応はかなり迅速にできるはずです。無論、海上自衛隊も、マニュアルに従い、独自に動き、尖閣有事の際には、別行動をしている海上保安庁の巡視船の行動を見守り、それではとても歯がたたないまでに、事態が悪化した場合、迅速対応するという形になるでしょう。 
そうして、中国側は、日本の迅速な対応に拒まれ、結局何もできないうちに、なし崩しになって終わってしまうということになると思います。

こうした、迅速な初期対応が終わった後に、その後の対応に関して、各機関が綿密に共同して行動すれば、良いということです。とにかく迅速さが一番ということだと思います。多少拙速であったにしても、中国側に既成事実を作られるよりは、遥かに良いということです。
当事者である日本が、このような迅速な動きしなければ、尖閣諸島もそれを含む東シナ海も、南シナ海の轍を踏むことになるでしょう。

とにかく、日本は各省庁間の縦割り行政が問題になっており、日本が一丸となって、尖閣対応などということになれば、時期を逸してしまうのは必定です。尖閣諸島は、第二の竹島のようになってしまうおそれが十分あります。

自衛隊なら、自衛隊で、尖閣諸島でのおこる事態を予め、想定しておき、要件を決めておき、その要件を満たした場合には、他省庁とは一切関係なく、官邸の指示を仰いだ上で、尖閣諸島での軍事行動に打ってでるのです。

外務省などの他省庁も、他省庁には一切おかまいなしで、要件などをあらかじめ決めておき、それを満たしたら、官邸に指示を仰ぎ即行動するのです。

習近平が失脚すれば、日本の尖閣対応、東シナ海対応は大成功したといえる
このような素早い行動には、中国も対応できないでしょう。あれよあれよという間に、大胆に先手を打たれ、いつの間にか目標を達成できないばかりか、国際社会からますます孤立することになり、結局東シナ海での野望はくじかれ、習近平は失脚することになります。

日本の東シナ海での中国対応の成否は、習近平の失脚で判断することができます。習近平が失脚すれば大成功ですし、失脚しなけば大失敗です。非常に理解しやすいです。

こんなことを言うと、日本が尖閣に対いする本格対応をしないうちに、習近平が失脚した場合どうなるのなどと、意地悪な質問をする人もいるかもしれません。

もし、日本が軍事介入など行わなくても、習近平が失脚したとしても、それは日本の大勝利です。なぜなら、尖閣問題でブログ冒頭のような暴挙をしても、習近平は国内で権威を高めることもできず、国内で中国統治の正当性を強調できなかったということです。

尖閣問題に関しては、安倍総理など安全保障のダイヤモンドの構築などで、中国封じ込めにかなり努力してきました。習近平の失脚は、その努力の成果が花開いたということを意味します。

中国内では、習近平の失脚は前から多くの人民に噂されており、それだけではなく、習近平は中国のラストエンペラーになるかもしれないとも囁かれています。

そうです。習近平が失脚すると、中国の現体制は維持できなくなる可能性も大というわけです。これは、日本にとっては良いことです。

日本が尖閣で頑張れば、このようなことも考えられるのです。それだけではありません。当事者である日本が尖閣諸島で勝利を収めれば、アメリカや周辺諸国も南シナ海での中国対応がかなりやりやすくなります。

こういうことからも、日本は、是非とも尖閣問題では、軍事対応を含めて、踏ん張ってまともな対応をすべきなのです。それが、日本の平和の安定だけではなく、アジアの平和と安定そうして、世界のそれに大きく寄与することになるのです。

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