2016年8月29日月曜日

尖閣の北西300キロに中国が新軍事拠点 藤井厳喜氏が警告「公務員の常駐を」―【私の論評】尖閣を有人化しなければ、中国は必ず奪取しにくる(゚д゚)!

尖閣の北西300キロに中国が新軍事拠点 藤井厳喜氏が警告「公務員の常駐を」

昨年中国複数サイトに公開された「南じ列島の新軍事基地写真」
習近平国家主席率いる中国の、軍事的野望がまた発覚した。沖縄県・尖閣諸島から北西に約300キロにある島に、軍艦用の埠頭(ふとう)や、艦載機用のヘリポートを整備していたのだ。尖閣強奪の軍事拠点にする可能性が高い。日本政府は覚悟を決めて、警察官や海上保安官などの「尖閣諸島常駐」に踏み切るべきではないのか。

 中国の暴挙が止まらない。軍事拠点が構築されていたのは、浙江省温州市の南●(=鹿の下に机のつくり)(なんじ)列島最大の島・南●島だ。埠頭は長さ70~80メートルで、複数の軍艦の出入りが目撃されているという。今年春には軍用機も参加した演習が行われたとの情報もある。共同通信が19日、報じた。

 南●列島は、自衛隊や米軍の基地がある沖縄本島よりも約100キロも尖閣に近い。

 8月に入り、尖閣周辺海域には、中国公船や漁船が大量に押し寄せ、一部が領海に侵入している。漁船には100人以上の海上民兵が乗り込んでいるとの報道もある。日本政府が再三抗議しても、やめる様子はない。

 26日も、機関砲を搭載した中国海警局の公船3隻が接続水域を航行した。尖閣周辺で中国船が確認されるのは24日連続。尖閣強奪を狙っている可能性が高い。

 日本政府は今こそ「自国の領土を守る」という断固たる姿勢を示し、効果的な対策を講じる必要がある。違法行為を行った中国漁船の臨検・拿捕(だほ)に加え、尖閣への公務員常駐は即効性のある対策の1つだ。

南じ島
 実は、自民党は2013年に公表した総合政策集「J-ファイル2013」で、尖閣への公務員常駐を明記している。

 「尖閣諸島の実効支配強化と安定的な維持管理」との項目で、「わが国の領土でありながら無人島政策を続ける尖閣諸島について政策を見直し、実効支配を強化します」「島を守るための公務員の常駐や周辺漁業環境の整備や支援策を検討し、島及び海域の安定的な維持管理に努めます」と記載しているのだ。

 自衛隊を常駐させれば、緊張状態を高める可能性がある。取り急ぎ、違法操業や不法入国取り締まり目的の「警察権の行使」として、尖閣諸島に警察や海上保安庁の「監視所」を設置すべきではないのか。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「政府は早急に警察官や海上保安官をはじめとする公務員を常駐させるべきだ。中国が尖閣に漁民に偽装した海上民兵を上陸させ、『救援・救出』の名目で南●列島からヘリコプターを飛ばし、一気に人員や物資を運び込む危険性もある。時間の問題ではないか。300キロはヘリで1時間の距離だ。世界から『日本は自信がないから尖閣の無人政策を取っている』とみられる」と警告を発した。

【私の論評】尖閣を有人化しなければ、中国は必ず奪取しにくる(゚д゚)!

上の記事では、中国の軍事的野望がまた発覚したなどと、突然ふって湧いたかのような報道ぶりですが、実はそうではありません。すでに、昨年の1月以前からこの動きはありました。南じ島の位置を示す地図を以下に掲載します。


新聞や、テレビなどのメデイアは、ほとんどこのことを報道していませんでしたが、週刊誌「週間実話」がこれに関しては報道していました。その記事を以下に引用します。
新軍事基地急造・レーザー兵器導入 尖閣強奪に動き出した中国の魂胆
2015年1月11日 15時0分

週刊実話 
 ついに、中国が尖閣強奪を本格化させる軍事的な動きを見せ始めた。沖縄本島より尖閣諸島に100キロも近い、中国浙江省温州市沖の南キ列島に新軍事基地を建設しだしたのだ。 
 「軍が基地を建設し始めた南キ島は、界隈にある52の島々のうち最大級の大きさを誇るが、ここに数百人の軍人が昨年秋に上陸。今では島の高所に複数の大型レーダーが設置され、軍事用の超高速通信網の敷設も始まっているという。また、ヘリポートや大型巡視船の艦載機に使用されると見られる滑走路の建設も始まっており、今年中の完成を目指していると伝えられているのです」(自衛隊関係者) 
 この南キ島には将来的に陸海空軍が駐留する予定だが、狙いは「ズバリ長年中国が目論んでいた尖閣諸島の強奪」(同)ともっぱら。そのため、日本政府も大慌てしている状態なのだ。 
 「すでに防衛省や自衛隊筋では、これが尖閣奪取に向けた方策と評判になっている。日米両国では緊急会議を開き、この軍事施設への対応を協議しているほどなのです」(防衛省関係者) 
 もっとも、尖閣奪取を狙う中国の動きはこれだけではない。昨年11月には中国政府傘下の軍事企業である『保利集団』が、「WB-1」と呼ばれるレーザー兵器を開発。これが南キ島の新軍事基地に配備される可能性も高まっているのだ。 
 「この兵器は強力な電磁波を発し、人体の水分を沸騰させる新兵器。ビームを当てられた人間は命に別状はないものの、電子レンジに入れられたような耐え難い熱さを感じ、ヤケドを負った感覚になる。中国軍は東シナ海や国内でのデモ排除に活用するとうそぶいているが、尖閣上陸作戦の折にこれを阻止する海保隊員らに用いるのに最適で、『中国軍はこの兵器を使って尖閣を実効支配する青写真を描いている』と評判なのです」(前出の自衛隊関係者) 
 ちなみに、昨年11月に広東省で開かれた航空ショーでは、最新鋭のステルス機『殱31』も公開された。抗日戦争終結70年の節目にあたる今年は、中国軍の動きが活発化すること必至といえそうだ。
この記事の中にでてくる南キ列島が、ブログ冒頭の記事の南●(=鹿の下に机のつくり)(なんじ)列島のことです。

この記事の中に出てくる「WB-1」という電磁兵器についても、以前から言われていたことです。それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
【軍事ワールド】人間を“瞬間沸騰”させる中国最新「電磁ビーム」に高まる警戒…海洋進出、デモ鎮圧、“恐怖政治”に利用か 
この記事は、2014年12月24日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
 中国が人間を“瞬間沸騰”させるという最新兵器を開発した。強力な電磁波を人体に浴びせ、熱さや傷みを感じさせる「非致死性」の兵器で、海洋進出を強行する東シナ海・南シナ海や国内で頻発するデモ対策での使用を視野に入れているとされる。何だかB級SF映画に出てくる武器のようで、威力や実効性もよく分かっていないが、米国ですでに同種の兵器が開発されていることもあり、「中国では恐怖政治の道具にされるのでは」と警戒する見方も広がっている。 
 チャイナ・ポリー・グループ(中国保利集団)が開発した「WB-1」という兵器で、先月11~16日に中国で開催された珠海(ズンハイ)エアショーで公開された。 
 国際軍事専門誌を発行する英国の軍事コンサルタント会社、IHSジェーンズなどによると、WB-1は強力なミリ波のビーム(電磁波)を発し、人体の水分を沸騰させる。ビームを当てられた人は電子レンジに入れられたような状態となり、耐え難い熱さを感じるという。ビームが届く有効距離は80メートルだが、電源などを強化すれば1キロにまで伸びるという。 
 SF映画も真っ青だが、米軍もすでに同種の兵器を開発しているというから、決して“空想の産物”ではない。 
 米軍のものは、人道的な「非殺傷兵器」(ノン・リーサル・ウエポン)に分類される「アクティブ・ディナイアル・システム(ADS)」という対人兵器システムだ。米CBSニュース(電子版)では、「この兵器は銃器の形ではなく、皿形のアンテナの形をしている」「オペレーターは(ゲーム機を操作するような)ジョイスティックで狙いを定める」などと紹介。ビームを当てられると火傷(やけど)を負ったような錯覚に陥り、有効距離は少なくとも450メートルとされる。 
米軍のADS
 2007年に初めて存在が公表された。米空軍研究所によると、ビームを浴びると瞬時に熱さを感じ、その後は炎の中にいるように感じるが、ビームの範囲外に出ると何の痛みも感じず、後遺症もないという。 
 またAFP(電子版)は「けがを負わせるか、極度の不快感を与えるだけかの違いは、その周波数にある」と解説。「電子レンジのマイクロ波は深く浸透するが、ADSの95ギガヘルツの電磁波は皮膚の表面から0・4ミリ程度しか到達しない」として、「電子レンジの100倍の威力を持つADSでも、ポップコーンを作ることはできない」としている。 
米国でのADSの実験。ビームを当てられるやいなや、顔をしかめて逃げるデモ行進役の人たち
 実際に米国でボランティアが被験者として参加し、実験した際の画像も公開されているが、問題は実験時に主催者から被験者に対し「(熱が局所的に集中する)ホットスポットを引き起こす可能性がある」としてメガネやコンタクトレンズ、金属物を外すよう安全予防措置が取られた点だ。つまりこうした金属物などを身につけている場合は、無傷では済まないとみられる。
この記事を読んだ限りでは、中国の 「WB-1」は、大した代物ではないようではあります。わざわざ、このようなものを使わなくても、既存の兵器を使えば、殺傷能力はかなり強いです。

「殲滅31」もまだまたの代物で、現状ではとても実戦配備できるようなものではありません。そもそも、失敗しているようでもあります。仮に成功していたにしても、実戦配備は2019年あたりになる代物で、その戦力はまだ未知数です。

となると、この週刊実話の記事は、やはり週刊誌独特の煽り記事で、信ぴょう性はさほど高いものとは思われません。だからこそ、一見このショッキングな記事は、所詮週刊誌の記事ということで、あまり日本国内でも、注目を浴びなかったのでしょう。

中国が「WB-1」を尖閣で使う予定をしているというのなら、中国側としては、尖閣を奪取するにしても、死傷者の出る本格的な戦闘ではなく、デモ隊を鎮圧するように、死傷者を出さずに奪取しようとしているとも受け取れます。

中国としては、海軍力でも、空軍力でも日本と比較すれば、かなり劣ることを自覚しているのだと思います。これについては、このブログに何度か掲載してきたので、ここでは詳しくは、解説しません。詳細を知りたいかたは、以下のその記事のリンクを掲載しておきますので、これを参照して下さい
中国の海軍力が日本に比較して劣勢である根拠 
中国の空軍力が日本に比較して劣勢である根拠
中国の軍事力で優っているのは、まずは核兵器です。中国は核を保有しているものの、日本は保有していません。しかし、現実問題として、尖閣を奪取するくらいのことで、核兵器を使うなどということは考えられません。さらに、日本には米軍が駐屯しており、日本は米国の核の傘で守られているということもあり、中国としては、現状では尖閣奪取のたに核兵器を用いることなど考えられません。

もう一つ、中国が優っているのは、陸軍力です。これは、数の上では圧倒的です。ただし、空軍力と、海軍力が劣っている中国 は尖閣に多数の陸軍を上陸させることは不可能です。輸送しているうちに、その大部分を失うことになります。

以上のようなことを考えると、通常兵力で、尖閣を奪取しようとした場合、日本とまともに戦っていては、中国には全く勝ち目はありません。

だからこそ、通常兵器ではなく、「WB-1」などを用いることを画策しているのかもしれません。しかし、これとて暴動の時に暴徒を鎮圧するのには、良いかもしれませんが、戦車やその他の車両に搭載している兵士には効き目がないと思います。

さらに、歩兵などに照射したとして、歩兵が黙って無力化されるなどということも考えにくいです。その前に、何らかの兵器を用いて「WB-1」を破壊することでしょう。

しかし、ブログ冒頭の記事のような記事が、ZAKZAK(夕刊フジ)に掲載されることになったのですから、これは週刊誌の煽り記事などとは違うと思います。

中国海軍には探知できない日本の「そうりゅう型」潜水艦
やはり、尖閣に危機が迫っていると考えるべきでしょう。ここは、国際政治学者の藤井厳喜氏が主張するように、尖閣に自衛隊員などの公務員を常駐させるべきです。

尖閣に人がいるということになれば、もし中国が尖閣を奪取しようとした場合、日本側としては、その人を守るとい大義ができ、武力を行使して人民解放軍や、海上民兵を排除したとしても、国内的にも国際的にも、非難されることはありません。無人島だとそういうわけにはいかないと思います。

これからも、人を常駐させなければ、それこそ藤井厳喜氏が語っているように『日本は自信がないから尖閣の無人政策を取っている』とみられる」ことになります。これは、中国もそのような見方をし、軍事的には劣勢ということを承知しながらも、尖閣を奪取できると思い込ませ、その方向に走らせてしまうことになります。

やはり、藤井厳喜氏のいうように、尖閣を日本の軍事基地として、自衛隊員を常駐させ、その他海上保安庁の職員なども常駐させ、無論のこと尖閣に港や、ヘリポートなど構築して、一日もはやく本格的に中国に対峙すべきです。

これは、自国の領土守るためであり、たとえ戦闘になったとしても、先ほど述べたように、中国に負けることは考えにくいし、国際社会も容認するものと思います。ただし、愚かで外交の劣等生でもある中国は、喚き散らすかもしれません。しかし、これは放置しておけば、単なる負け犬の遠吠えになるだけです。日本政府にその覚悟があるかないかという問題があるだけです。

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