2016年8月10日水曜日

小池百合子新都知事の右腕 除名覚悟の「若狭勝」氏が都議会のウソを暴く―【私の論評】東京都の問題はこれからだ!まだ何も始まっていない(゚д゚)!

小池百合子新都知事の右腕 除名覚悟の「若狭勝」氏が都議会のウソを暴く


都知事選で小池百合子氏の応援にかけつけた若狭勝氏
■元東京地検特捜部検事

都知事選で圧勝した小池百合子氏の選挙戦の最中、彼女の後ろに立つ姿がよくテレビに映っていたのが、自民党の若狭勝衆議院議員。今回は、党から「小池を応援したら除名」といった通達があったにもかかわらず、除名覚悟で小池氏の応援に回ったことから、当選の陰の立役者の一人とも言われている。都知事選の後、彼は「できれば自民党に籍をおいていたい」とフジテレビの情報番組「とくダネ!」で心情を吐露しているが、どういう処分が下されるかはまだ不透明なところだ。

その若狭氏、かつて東京地検特捜部検事だったのは有名な話。数多くの取り調べにかかわってきた彼は、3年前、『嘘の見抜き方』という本を出版している。同書は「人が嘘をつく4つの理由」「嘘を見抜くための心得」「嘘つきのつかうセリフ」等々、過去の知見を活かした独自の「ウソ」に関する考察、見抜き方が盛り込まれた1冊。

今回はその中から「人が嘘をつく4つの理由」についての解説を紹介してみよう(以下、引用は同書より)。

和服姿の小池百合子氏

■嘘をつく理由は4パターン

検事経験を通じて、たくさんの嘘に接してきた若狭氏は、嘘には「自覚的につく嘘」と「無自覚につく嘘」があるという。

そのうち前者はさらに4つのパターンにわかれる。

(1)自分を守ろうとする「防御の嘘」

(2)自分を大きく見せようとする「背伸びの嘘」

(3)他人を陥れるための「欺瞞の嘘」

(4)他人を守るための「擁護の嘘」

(1)は動物の持つ「防御本能」に近いものだ。

「ただし人間が恐れているもの、逃れたいものは他の動物よりはるかに複雑です。処罰されたくない、仕事を失いたくない、信用や地位を落としたくない、お金を失いたくない、家族を失いたくない、怒られたくない……。

自己防衛として、真実を覆い隠し、隠蔽し、ごまかすのはある意味必然なのです」

わかりやすい例としては、若い女性と浮気をしたという嫌疑がかけられた男性が、身におぼえがあったとしても、つい、

「やっていない!」

「事実無根だ!」

「誰かが俺を陥れようとしている!」

などと言ってしまうのは、まさにこの「防御の嘘」と言えるだろう。

■意外すぎる殺害動機

(2)は「虚栄の嘘」と言い換えてもいいだろう。

「キレイに見せたい、能力を示したい、注目されたい、社会的地位を得たい……。そんな『自分を少しでもよく見せたい』という見栄からついてしまう嘘のことです。

この手の嘘は社会にはびこっています。

この嘘と向き合う上で重要なのは『プライド』と『恥』です。この『背伸び』の嘘は、プライドと恥が動機となって生み出されることが多い。プライドが高い人はプライドを守るために嘘をつき、恥を怖れる人はそれが明るみにでないように嘘をつきます」

若狭氏自身が経験した例としては、こんなものがあったという。ラブホテルで男性が交際相手を殺した事件。被疑者は殺害事実こそ認めるものの、動機がなかなか分からなかった。

「真実は意外なものでした。実は彼は先天性梅毒で、他人に感染させてしまうことを恐れ、人との接触を極力避ける生活を続けていました。

そんな彼にも中年になってようやく交際相手ができました。それでも相手に病気のことは打ち明けられず、性行為では感染させてしまうと考え、一緒にお風呂に入るといった感染の可能性のない行為を続けていました。

ところがあるとき、お風呂の中で、彼女がふと『うつる』という言葉を発したというのです。

必死で病気を隠し、人一倍その言葉になっていた彼は、その瞬間全てバレたと思ったそうです。この関係はもう終わりだ、病気も世間にバレてしまう――頭に血が上った彼は、病気を隠し通し、自らのプライドを維持し続けるため、彼女のことを思わず殺してしまったのです」

■利権追及チーム

(3)他人を陥れるための「欺瞞の嘘」は、詐欺などが典型なのでわかりやすいだろう。若狭氏の指摘で興味深いのは、犯罪者の悪質性という点に注目した場合、実は殺人犯や暴行犯よりも詐欺犯のほうが「心が壊れている」こともあるという。

「殺人犯や暴行犯は意外と取り調べにも素直に応じ、真実を話し、反省を見せる傾向にありますが、詐欺犯の供述というのは徹頭徹尾嘘だらけ。

こちらが何を言っても動じず、罪悪感を感じている人が少ないのです」

(4)他人を守るための「擁護の嘘」は、政界、経済界絡みの事件ではお馴染みだ。

秘書やヒラ社員がボスを守るという構図は常にある。舛添前都知事にそういう人が出てこなかったことが不思議なくらいである。

若狭氏は、嘘を見抜くにあたっては、それがどのパターンの嘘なのかを見極める必要がある、と述べている。ただし、綺麗に4つにわかれるのではなく、動機が混在していることも少なくないのだそうだ。同書ではそれらの嘘を見抜く実践的なテクニックも披露されている。

小池都知事は就任会見で、今後、都政の「利権追及チーム」に若狭氏の起用を検討している、と述べている。国会議員が都の調査チームに参加するとなると、かなり異例のケースとも言えるが、それだけ彼の手腕を評価しているということかもしれない。

都議会や五輪組織員会には様々な「闇」が囁かれている。何らかの利権が隠されているとすれば、そこには誰か嘘をつく人間がいるはずだ。

嘘を見抜くエキスパートの腕に期待する都民も多いのではないか。

【私の論評】東京都の問題はこれからだ!まだ何も始まっていない(゚д゚)!

都議会の利権については、様々にいわれているところです。

大前研一氏
 (舛添氏よりも)むしろ“脛に傷を持つ”のは都道府県議会や市区町村議会の議員たちだろう。 
 実際、私が1995年に東京都知事選挙に出馬した際は、都議たちがいかに利権にまみれているかという情報が、都庁職員からファクスで続々と届いた。 
 たとえば、東京都の施設に設置されている自動販売機は1台1台すべて、都議ごとに利権が決まっていて、そのリストを送ってきた。あるいは、都立現代美術館が新設された時は、そこに展示する絵画や彫刻などの作品ごとに、それを納入する画商と口利きする都議のリストが送られてきた。業者への“口利き利権”を、与野党を問わず都議たちがあらゆる分野で分け合っている実態がそこにはあった。 
 また、野党議員の中には、住民反対運動を利権にしている者もいる。つまり、自分の選挙区でビルやマンションなどの建築計画が立ち上がると周辺住民の反対運動を組織し、住民の“代弁者”となって施主や建設会社と交渉する。そして騒音対策費などの名目で補償金のようなものを獲得したら、それを住民と折半するという仕組みである。 
 これらを全部ひっくるめると、地方議員がいかに利権まみれかがよくわかる。多くの議員は、叩けば山ほど埃が出てくるはずだ。この話は20年以上前のことだが、もし都議たちが今は違うと言うならば、都議全員の“総当たり制バトルロイヤル”で、お互いの利権の有無を追及し合えばよい。 
 産経新聞(5月18日付)によると、都議の年収は1700万円超で、議会に出席すれば1日1万~1万2000円の“日当”も支給される。この報酬と月60万円の政務活動費などを合わせた127人の都議の“人件費”に、それを支える議会局職員約150人分の給与などを加えると、都議会維持費用の総額は56億円に上るという。 
 なのに、今年3月の都議会では舛添都知事が提出した全議案を原案通り可決した。原案可決率100%という異常事態が、少なくとも3年以上続いている。要するに、都議たちは全く仕事をしていないのである。舛添氏の絵画や中国服の購買を追及する立場にないことは明らかだ。 
 都議会の「原案可決率100%」でわかるように、そもそも地方自治体は事実上、首長と役人が運営している。海外では、地方議員は無給のボランティアで、夕方、仕事が終わってから集まって議会を開いているところも多い。 
 一方、高給をもらいながら、それに見合うような仕事をしていない日本の地方議会は文字通り“無用の長物”であり、税金の無駄以外の何物でもない。では、優秀な都の職員たちは、なぜ都議たちの横暴や利権漁りを知りながら容認しているのか? 
 これが地方議会の本質ではないかと思われるが、都の職員は自分たちの仕事や提案する予算、議案にいちゃもんをつけさせない抑止力を維持したいからである。「原案可決率100%」で、その見返りが十二分にあったことが示されている。 
 しかし、彼ら公僕は決してそれでよいとは思っていない。だからこそ私が都知事選に出馬すると一斉に「この議員たちの悪行を一掃してくれ!」と、驚くほど細かな「利権一覧」を送ってきたのである。 
 舛添問題は聞き飽きたと言う人は多いと思うが、その背景にあるおぞましいまでの地方自治体と議会の実態を根本から作り直す契機にしてもらいたい。うんざりして「次の知事」を知名度だけで選んでいる場合ではないのだ。
なお、この発言は都知事選以前のものです。

都議の利権のほか、裏金を危惧する発言をする人もいます。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
舛添都知事“説明なき辞職”を元愛人が批判―【私の論評】倫理的追求に終始していては何も変わらない!形を変えてまた起こり続ける舛添問題(゚д゚)!
韓国の朴槿恵大統領と会談した舛添知事
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこのブログにも掲載した、佐藤優氏の裏金に関する見解を掲載します。佐藤優氏は、「これはあくまで自分の憶測です」と述べた上で、見解を表明しています。

 "

詳細は、この動画をご覧いただくものとして、佐藤優氏は、自分の憶測だとしながらも、都庁にはいわゆる裏金(プール金)があるのではないかと主張しています。

確かに、これがあれば、様々な謎が解けます。そうして、佐藤氏は、かつて東京都は、尖閣買い取りのため、副知事だった猪瀬が15億円を簿外で集めたことがあることを指摘していました。

さらに、佐藤氏は東京都には会計検査院の手が入らないことなどを語っており、裏金は大いにありそうそなことです。かつて全国各地の警察には、そのようなお金がプールされていました。当然のことながら、警察組織は監査が入ります。監査が入っても、あのようなことがあったのですから、会計検査院がノータッチということになると、東京都はかなり裏金をプールしやすい組織ということがいえます。

佐藤優氏
しかし、舛添さんのことばかりに目がいって、都自体の問題に何ら手をつけられないことをあげていました。

東京都庁は、このような裏金のある伏魔殿のような状況になっているのかもしれないと指摘しています。以下動画からまとめた内容を以下に掲載します。

舛添氏は一体、どんな悪を犯したか。彼にすれば、先の石原知事や、猪瀬知事とは異なり、平日は、毎日出勤するという生真面目さが裏目に出たということが考えられます。

しかし、舛添氏は、この伏魔殿に集う鬼ども集会に出て、この裏金についても説明を受け、「ちょっとそれ、旨そうだから俺にも食わせろ」と言ってしまったようです。

東京都庁という伏魔殿?
それが転落の始まりになったということです。ここで確認しておきたいのは、次の二つです。
一つは、舛添氏を誰がチクったか。 
二つは、彼が手を突っ込んだお櫃にあっただろう裏金は、今どうなっているのか、
ということです。

これが明らかにされない限り、舛添騒動は結局何も終わったとはいえないということです。結局、舛添氏の倫理問題だけがクローズアツプされ、その倫理観の弱い舛添氏がなぜあのような豪華な海外出張にでかけられ、都知事に許容される限度を超えたお金はどこからきているのか、全く追求されません。

都議会で彼を追求していた議員たちは、実は、自分たちも伏魔殿の鬼、汚い人間であるのが明るにでてはいけないので、中途半端に舛添氏の倫理問題ばかりをほじくり返していたのかもしれません。

ワシントンを訪問した舛添知事
舛添氏もそのような伏魔殿の鬼どもの悪さは知りながらも、それを表沙汰にしたとしても、結局自分がそれを利用したという事実があり、それが明るみにでると、倫理問題だけではなく、その裏金問題を知りながら許容したばかりではなく、自らからその恩恵にあずかったことが明るみでることを恐れて、それについては口をつぐんたのかもしれません。

そうして、結局のところ、舛添氏が語っていたように、公明党tが裏切り慰留も何も全くしなかつたことや、さらに佐藤氏が動画で語っているように東京地検の動きなどが重なり、舛添知事が自らか辞任するということで、決着がついたのかもしれません。

2年以上も、毎日平日出勤ということで、様々な帳簿なども全部みようと思えば見えるということであれば、以前の知事が気づかなかった、裏金の存在にも気づいたということは十分考えられます。

しかし、この佐藤氏の読みが正しかったとすれば、マスコミや都議会が大騒ぎしても、結局何も変わらないということです。

もし、真実はここまでひどくないとしても、問題の本質が解明されないまま、舛添知事の辞任ということであれば、何も変わらず、また何年かして、舛添知事のように倫理的に問題のある人間が都知事になった場合同じようなことが繰り返されることになってしまいます。

結局のところ、何も変わらず、変えもせず、臭いものに蓋をしておしまいです。このようなことがあまりに多すぎます。

"

裏金があるとすれば、当然のことながら、都議会議員だけではなく、都職員も大いに関わりがあるものと思います。

この他、猪瀬元東京都知事による暴露もあります。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「都議会のドン」への“抗議の死” 自殺都議の妻が夕刊フジに激白―【私の論評】次の東京知事は伏魔殿東京都を打ち砕く人にすべき(゚д゚)!
猪瀬元東京都知事
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部だけ引用します。
  猪瀬直樹元東京都知事がインターネット上で炸裂(さくれつ)させた「暴露」が、都知事選を激震させている。5年前に自民党都議が自ら命を絶った理由を、「都議会のドン」と呼ばれるA氏への“抗議の死”だったと明かしたのだ。このA氏、今回の都知事選で、「(親族を含めて)非推薦候補を応援すれば除名対象」という、まるで北朝鮮のような通達文書を出した1人だという。元都議の未亡人が夕刊フジに激白した。
以上のようなことから、都庁は伏魔殿のような所であるのは間違いないようです。

さて、かなり舛添元知事の問題になつた大名行列のような出張ですが、このようなことがあった挙句結局リオの視察に最終的に行った、自民・公明・民進・旧維新の議員たちには、ある共通点があります。

その共通点とはなんでしょうか。そう、舛添知事の高額海外出張経費などを徹底追求する、百条委員会の設置に最後まで反対した会派です。

なんのことはない、彼らも同じ穴のムジナだったというわけです。世論の流れに迎合して知事をぶっ叩いている裏側で、自分たちはちゃっかり海外視察の準備を進めていたということです。

舛添知事の行いは決して許されるものではありませんでしたが、都議会も本当に腐敗が極まっているような場所のようです。

普段国会議員などと比較すると、注目がほとんど集まらないことから、「国会以上に保守的な伏魔殿」と呼ばれる東京都議会です。そうして、東京都議の全部とはいいませんが、上でも指摘されているように、原案可決率100%で仕事をほとんどせず、能力も低く、利権あさりにはあざとい議員が大勢いるようです。

ある都議会で「ミは、ミは、ミは」と何度も繰り返す議員がいたので、不思議に思って原文を読んでみると、「実(じつ)は」だったという笑い話もあるくらいです。

このくらいの能力でも勤まってしまう、都議会議員なのです。彼らの多くは、都民などそっちのけで、利権の追求にばかり血道を費やしているのです。

そうして、このようなことは、全国の他の自治体にも多かれ少なかれあることです。これは、大阪でも橋下氏によって明らかにされたことがありました。

ただ、東京都は規模も大きく、政府から交付を受けなくても、都政を実行できるだけ、財力があるということや、今回の舛添知事問題や、都知事選挙で目立ってしまったというだけのことです。

ブログ冒頭の記事にあるように、若狭勝氏や小池百合子氏などこの問題の解決のためには、格好の人物であると思います。しかし、東京都の問題はこれからです。舛添氏が辞任し、新都知事が就任したからといって、終わったわけではありません。まだ何も始まっていないのです。

東京から地方自治体の腐敗が明るみに出され、そうして、それが是正され、その後にその波が全国の自治体にまで広がることを期待します。

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