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2016年9月14日水曜日

【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も―【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!

【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も

蓮舫氏

民進党の蓮舫代表代行がこれまで「二重国籍」問題で取ってきた一連の言動から浮かび上がるのは、政権交代を掲げる野党第一党のトップを目指す立場にありながら、事実確認を怠ったまま反射的に回答するというリスク管理の危うさだ。自らの疑惑に発言を迷走させた対応には、党内からも批判や懸念が上がっている。(清宮真一)

「父の台湾、母の日本、2つのルーツを持っているという程度の認識だった。本当に浅はかだった」

蓮舫氏は13日の記者会見で、参院議員に転身する前に答えた雑誌のインタビューなどで台湾籍を持っていると答えた過去をこう反省してみせた。

党代表選の最中でも発言は変化した。3日の読売テレビ番組では「生まれたときから日本人。(台湾)籍は抜いている。18歳で日本人を選んだ」と断言したが、6日の高松市の記者会見では、「18歳」を17歳に訂正した。

読売テレビでの「生まれたときから日本人」の発言も撤回された。蓮舫氏の出生当時の日本の国籍法とつじつまが合わないからだ。7日の産経新聞などのインタビューで「法律的には昭和60年から日本人だ」と修正した。

蓮舫氏は13日、台湾籍が除籍されていなかったことを表明した後にも、平成22年に行政刷新担当相として入閣したことや、今回の代表選出馬には問題はないとの認識を示した。希薄な「国籍」意識に加えて「問題点を検証しないまま言動する軽さ」(民進党ベテラン)は、一国を預かる首相を目指す資質としても疑問符がつく。


ただ、台湾籍の継続が明らかになった13日も、代表選での蓮舫氏の優勢は変わらなかった。くしくもこの日は、地方議員や党員・サポーターの郵便投票の締め切り日でもあった。

「記憶の不確かな部分でご迷惑をおかけしたことは申し訳ない。(15日の)代表選のスピーチで、みなさんに届くような言葉でしっかり説明したい」

会見でこう訴えた蓮舫氏だが、党内では危機感が募る。松木謙公衆院議員ら党内有志は13日、枝野幸男幹事長に対し、今回の国籍問題について党の見解を示すよう文書で要請した。

蓮舫氏は除籍手続きが終わっておらず、このまま代表選で勝利すれば、台湾籍を持った党代表が誕生する可能性もある。ある党中堅は「事態は相当深刻。蓮舫代表の就任直後に衆院解散を打たれたらアウトだ」と表情を曇らせた。




【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!


私は、今回の蓮舫氏の「二重国籍問題」に関しては、上の記事にあるように、蓮舫氏の危機管理能力は無論のこと、民進党という組織の危機管理能力、政府の危機管理能力も低かったことも原因になっていると思います。

危機管理といえば、このブロクでは以前「STAP細胞」に関して、小保方氏の倫理観の問題にすり替えられ、重要な組織の危機管理能力およびガバナンスが疎かにされすぎていると批判したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
小保方さんの恩師もついに口を開いた!米高級誌が報じたSTAP騒動の「真実」―【私の論評】小保方さんの倫理問題にすり替えるな!理研と文科省のガバナンスの問題こそ本質(゚д゚)!
小保方晴子さん
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
ブログ冒頭の記事の最後のほうに、「小保方は『私はスケープゴートにされた』と書いてきた。『日本のメディアはすべて、若山先生が犠牲者で、私がまったくのろくでなしと断定した』とも」と掲載されています。 
仮に、小保方さんが「まったくのろくでなし」であったとしたら、そこでさらに疑問がわきます。では、なぜ「まったくのろくでなし」をSTAP細胞研究のユニットリーダーに抜擢したのかが疑問です。 
理研は小保方さんが、「まったくのろくでなし」あることを見抜く能力がないのか、ないとしたら何に問題があるのか、それを解決する方法や、それを防ぐための「危機管理マニュアル」など存在しないのでしょうか。 
理研は、存在しないというのなら、これから作るつもりなのか、それで本当にリスク回避ができるのかを開示すべきです。 
また、理研も組織であるので、監査や内部統制はどうなっているのか、今回の出来事で監査が有効に実施されていなかったのは、はっきりしています。どのような監査が行われていたのか、不十分だったのか、不十分であれば、どのように改善するのかをはっきりさせるべきです。
日本版SOX法における内部統制フレームワーク
さらに、内部統制は組織的に実施されていたかの問題もあります。内部統制(ないぶとうせい 英:internal control)とは組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステムを指します。組織がその目的を有効・効率的かつ適正に達成するために、その組織の内部において適用されるルールや業務プロセスを整備し運用すること、ないしその結果確立されたシステムをいいます。 
これは、ガバナンスの要とも言えるもので、近年民間企業においてはその構築と運用が重要視されています。内部監査と密接な関わりがあるので、内部監督と訳されることもありますが、内部統制が一般的な呼び名となっています。 
民間企業でわかりやすい事例としては、たとえば、財務部門と経理部門を一つの組織として、1人上長が管理するようなことはすべきではないというものがあります。 
財務と経理の仕事は、中小企業などでは特に区分していない企業も多いですが、上場企業においては明確に区分されています。 
経理部門が「日々の経費の精算や帳簿の記帳などをする」「事業活動を数字に表していく処理をする」仕事がメインですが、財務部は「経理部門が作成した財務情報を基礎として企業の今後の経営戦略を財務の視点から考える」部署となります。経理部より財務部の方がより専門性が高い業務といえるでしょう。
また、財務部門は、回収と支払いのサイト管理や資金繰りの管理を通して、企業運営を円滑に進められるように、資金が足りないときは外部から調達してくる役割を担っています。 
このような区分を考えると、経理部門と財務部門の管理者が同一であるというのは内部統制上良くないことははっきりわかります。内部統制として望ましいのは、これらの部署が互いに他の部門を牽制するような仕組みをつくることこそ、正しい方向性です。 
理研も、民間営利企業ではないものの、理研としてこのような内部統制や、監査の仕組みさらに、危機管理体制がマニュアル化などしてあれば、そもそも、今回のような騒動は起こらなかったかもしれませんし、起こったにしも、あのような無様な形で、主に小保方さんの倫理的な問題にして、ようやく決着をつけるということにはならなかったと思います。 
理研の実験室など、あのうろたえぶりからすると、このような観点からすれば、たとえば、レイアウトや、入室、退室のさいの手続きとか、実験の各段階における手続きとか、明確になっていたとはとても思えません。 
こういうと、私は小保方さんを援護しているように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。そもそも、部外者である私は、小保方さんの倫理面や人格等を忖度するような立場にもありません。どんな人なのかもわかりません。だから、小保方さんを援護したり、非難したりする気も全くありません。

そんなことよりも、たとえ小保方さんが「まったくのろくでなし」であろうが、なかろうが、あるいは悪人であろうが、なかろうが、私はそんなことよりも、たとえ狡猾でかなり頭の良い極悪人が運悪く研究所内に潜り込んだとしても、何か普段では考えられないような危機が発生したとしても、余程のことがない限り、間違いが起こらないようなシステムを構築すべきということを言いたいのです。そうして、仮に間違いが起こっても、早期に収拾できるリスク管理体制を構築すべきであることを言っているのです。
倫理観に基づく、良き意図は大事です。しかし、良き意図だけでは何もできません。何も守れません。何も変えられません。そもそも、理研など国の最先端の研究機関であれば、このあたり、二重三重に備えをしておかなければ、妨害されたり、邪魔をされたり、成果を盗まれたり、あらぬ方向に操作されたりするので、そのようなことが絶対にないように、その備えを固めよと言いたいのです。

そうして、そのような備えを固めることによって、まともなガバナンス(統治)を実行するための基礎ともなると言いたいのです。このようなことを疎かにするような、理研や文科省であれば、統治の正当性が疑われるということを言いたいのです。
この記事を書いたときに、私はいずれ忘れたころに第二、第三の「STAP細胞事件」が起こる可能性があるものと予感しました。

今日、全く予期せぬ形で、それが現実のものとなりました。そうです。今回の「二重国籍
問題」は、一見事象は全く異なるものの、マスコミの論調をみても、他の識者の意見でも、結局のところ、蓮舫氏の倫理問題として、その背後にある民主党や日本政府の管理の問題や、組織のガバナンスの問題を蔑ろにしています。

無論、ブログ冒頭の記事にあるように、蓮舫氏の個人のリスク管理の問題もあります。なぜなら、蓮舫氏は小保方氏とは異なり、選挙によって国民の付託を受けた国会議員であり、さらに野党第一党の、幹部であり、さらに今回民進党の代表になったとすれば、日本の総理大臣になる可能性もあるからです。

先日もこのブログに掲載したように、国会議員さらに野党第一党の幹部となれば、本人はどう思っているか、周りの人はどう思っているかは別にして、本来「自分の命よりもその責任」が重いエリートであることには間違いありません。日本では、エリートの定義があいまいですが、本来のエリートの定義は世界共通でこのようなものです。

エリートというものは、「本人の命よりも責任が重い」という事です。だから昔のエリートである武士は毎日切腹の訓練をしていたのです。

だからこそ、蓮舫氏には自らによる危機管理能力の欠如を追求されてもいたし方ないです。

しかし、小保方さんは理研の研究員のユニットリーダーであり、無論個人の危機管理能力も問われはしますが、そうは言っても、蓮舫氏程にその責任を問われることはありません。彼女は管理職ですらないのです。本来の研究員は危機管理やガバナンスなどについて、熱心に取り組むべき存在ではありません。第一そんなことに一生懸命になっていれば、研究がおろそかになるだけです。彼女はあくまで研究に没頭すべき存在です。

小保方氏と、蓮舫氏にはこのような根本的な違いがあるのは事実です。とは、いいながら、共通点もあります。それは、マスコミや識者の論調が、両者とも両者の倫理的な側面を追求しているということです。

何か問題が起こったときに、個人の倫理に委ねることは本当に簡単です。簡単に言ってしまえば「あいつが悪い」ということです。これだと、本当にどんな問題でも頭を使わずに、簡単です。結局「STAP騒動」においては、亡くなられた若山氏が唯一の犠牲者で、悪いのは小保方氏ということで決着がついています。しかし、あれだけの事件、当然のことながら、背景には多くの事象があり、そうして、理研や文部省にも、危機管理やガバナンスに問題があるのは歴然であると思います。

このことに関しては、蓮舫氏は以下のようにツイートしています。
蓮舫氏は、これだけにとどまらず、参院内閣委員会で理研野依理事を追求しています。

2014年5月13日(火)参議院内閣委員会で理研理事を追求する蓮舫氏
私は、民主党の第1次与党期の冒頭、政府外議員だった蓮舫さんが事業仕分けをしたところ、野依理事長が自民党本部にかけこみ、部会で、「歴史という法廷に立つ覚悟があるのか」と語ったのが印象に残っています。

さて、この野依氏に対して、蓮舫氏は、小保方晴子・理化学研究所研究員が発見した「STAP細胞」に関して論文に不正があったと断定して、理研が処分した問題を取り上げました。

蓮舫さんが理事長の責任を問うと、野依氏は「研究所全体の倫理の問題として、(小保方さんを代表者とする)共同研究の事業は、若者らの意識の変化もあり、経営者(理事長)として非常に重く受け止めています。経営者の責任として、若手の研究者の自立の支援と、外部有識者による委員会の調査結果を待ちたい」と語り、辞任を拒みました。

野依氏は、2015年に理研理事長退任しました。ただし、野衣氏は、当時会見で退任はSTAP細胞問題の引責辞任ではないと強調しました。また、STAP細胞論文に疑念が生じた後の理研の対応について、「社会が求めるスピード感とは乖離があった」と認めたものの、対応は十分だったと総括しました。

私自身は、野依氏に関しては、引責辞任するしないは別にして、あのようなことがお凝らないように、あるいは起こってしまっても傷口を広げないように、危機管理システムを充実してから辞任すべきであったと考えています。

当時の理研監督省庁であった文部省の大臣だった下村博文氏
さて、当時の理研監督省庁であった文部省の当時の下村文部大臣はというと、「STAP細胞」の再現実験には小保方さんも加わるべきだという発言などはしていますが、理研の危機管理システムやガバナンス上の問題に関する発言や、ましてや文部省のそれに関する発言などは全くなかったと思います。

小保方氏は、当理研OBの石川智久・元上級研究員ES細胞窃盗の容疑で告発されましたが、結局警察の取り調べは受けたものの、立件には至っていません。

結局は、この事件若山氏一人が犠牲者で、小保方氏が「ろくでなし」ということで幕引きです。その後、マスコミも専門家も、危機管理の問題や、ガバナンスの問題など有耶無耶にされて、今日に至っています。多くの人は、「小保は悪いやつ」で止まってしまい、そこからさらに背景を追求しようなどとはしません。まるで思考停止してしまっているようです。

そうして、今回の蓮舫氏の「二重国籍問題」です。この出来事に関しては、さすがに、蓮舫氏の倫理問題として片付けるだけではないようではあります。

日本維新の会の馬場伸幸幹事長
日本維新の会の馬場伸幸幹事長は8日、国会議員や国家公務員らが日本以外の国籍を持つ「二重国籍」を禁じる法案を国会に提出する考えを示しています。早ければ今月末に召集される臨時国会への提出を検討しています。

馬場氏は都内で記者団に「国政に携わる者が二重に国籍を持つことはあってはならない」と述べ、国籍法や公職選挙法などの改正で対応する考えを示しました。

菅義偉官房長官も7日の記者会見で「ご自身が説明すべき問題だ」といい、「一般論として申し上げれば、外国の国籍と日本の国籍を有する人は、22歳に達するまでにどちらかの国籍を選択する必要があり、選択しない場合は日本の国籍を失うことがあることは承知している」と語りました。

自民党では、衆参の予算委員会や法務委員会で、法務省の見解などをただすことも検討しているといいます。中国、台湾の法律も絡むため、外務委員会でも質問が出る可能性もあります。

法務行政に精通する自民党のベテラン議員は「もし、蓮舫氏が『二重国籍』のまま、民主党政権の閣僚をやっていたことが確認されれば、その時点で議員辞職だろう。民主党は2009年の政策集に『重国籍容認に向け国籍選択制度を見直します』と掲げていた。当然、民進党の姿勢も問われる」と語っています。

さて、国会での追求ですが、これも「STAP細胞」騒動の反省にたち、蓮舫氏の危機管理能力の欠如や倫理観のみに焦点をあてるだけではなく、民進党の組織としての責任を危機管理やガバナンスの観点から追求して、追求するだけはなく法律は無論のこと、システムも変更していただきたものです。

そうして、忘れてならないのは、政府の責任の追求です。何やら、この問題、蓮舫氏や民主党にのみ責任があるような受け取り方をする人も多いようですが、政府にも明らかに責任があります。

このブログでも以前掲載しましたが、二重国籍者は推定で日本国内に40、50万人存在するとされています。日本の国籍法は二重国籍を認めていません。二重国籍になった場合は、一定期間内にどちらかの国籍を選択しなければなりません。また、自ら志望して外国籍を取得した場合は、日本国籍を喪失しなければなりません。

そうして、期限までに国籍を選択しない場合は、法相が書面による催告をしてから1カ月以内に日本国籍を選択しなければ「日本国籍を剥奪できる」と規定しています。にもかかわらず、二重国籍の人々は年々増加の一途をたどっています。

どうしてこういうことになるかといえば、この規定が守られていないからです。つまり、いつまでも国籍を選択しない者が多いにもかかわらず、法相による催告・国籍剥奪は、一度たりとも行使されたことがないのです。

これは、どう考えても異常です。全員に対してそういうことができないというのなら、国会議員や国家公務員に対してはこれを実行すべきでしょう。そうして、少なくとも反社会勢力に対しては、これを実行すべきでしょう。

いずにしても、「STAP細胞」騒動の時のように、曖昧にして小保方氏一人の倫理問題で片付けるようことがあってはならないです。そうしなければ、いつまでたっても、このような問題は何度でも繰り返し発生することになると思います。

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2013年5月27日月曜日

「解放者」米兵、ノルマンディー住民にとっては「女性に飢えた荒くれ者」―【私の論評】 どこの国でも、現在でもある問題、日本としては日本だけが異常で残忍などという誤った歴史認識を認めるべきではない(゚д゚)!

「解放者」米兵、ノルマンディー住民にとっては「女性に飢えた荒くれ者」

ノルマンディー上陸作戦
【5月27日 AFP】(一部更新)第2次世界大戦(World War II)中の仏ノルマンディー(Normandy)上陸作戦に参加した米軍兵士たちは、フランスをナチスドイツ(Nazi)から解放した勇敢な英雄として描かれてきた。そうした「若いハンサムな米兵さん」のイメージに隠された負の側面を明らかにした研究書が来月、米国で出版される。

6月に刊行予定の「What Soldiers Do: Sex and the American GI in World War II France(兵士らは何をしたのか:第2次世界大戦中のフランスにおける性と米兵」は、米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のメアリー・ルイーズ・ロバーツ(Mary Louise Roberts)教授(歴史学)が、米仏で膨大な量の第2次大戦中の資料を研究してまとめた著作だ。

研究の趣旨についてロバーツ教授は、「GI(進駐軍兵士)はたくましい男で、常に正義に基づいて行動するとの典型的な『GI神話』の偽りを暴き出すことだった」と、AFPに語った。教授によると、米軍では当時「フランス人に対して優位に立つ」手段として性欲、買春、レイプが取り入れられていたという。

・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・

■フランスは「売春宿」、口説き文句も紹介――米誌プロパガンダ

ロバーツ教授は、当時の米兵が勇気ある青年たちであり、その勇敢で英雄的な行為がフランスから感謝されている事実についても忘れずに触れている。一方で、米軍が未知の国で戦う若者たちを鼓舞する即効策として、意図的に米兵たちの性欲に訴えかけるプロパガンダを行ったとみられる点も指摘している。

例えば、写真ジャーナリズムの草分けである米誌「ライフ(Life)」は、フランスを「快楽主義者4000万人が住む巨大な売春宿」と表現した。また、米軍機関紙「星条旗新聞(Stars and Stripes)」は、フランス女性を口説くためのフランス語フレーズを連載。「きみ、とても可愛いね」「たばこをあげようか」「ご両親は今、家にいるの?」といった会話の糸口を紹介していた。

ロバーツ教授は「米兵の性欲は、いったん火が付くと手が付けられなかった」と記している。

さらにロバーツ教授の著書は、当時レイプ事件で訴えられた米兵は、黒人兵士が圧倒的に多かった事実にも踏み込んでいる。1944年10月の資料によれば、米兵が絡んだ強姦事件152件のうち130件で黒人兵が訴えられている。これについてロバーツ教授は、米軍内の根深い差別を示していると指摘した。フランス人も、すぐに黒人米兵を指さして非難するようになったという。

■人類の経験として捉え直す

ノルマンディー上陸作戦から約70年たった今、同書を出版する理由についてロバーツ教授は、歴史を書き換えたいわけではなく、「フランス側から見た実態」を明らかにすることによって、ただの「空虚な英雄譚(たん)」にとどまらない「人類の経験の1つ」としてノルマンディー上陸作戦を捉え直すのが目的だと説明している。

【私の論評】 どこの国でも、現在でもある問題、日本としては日本だけが異常で残忍などという誤った歴史認識を認めるべきではない(゚д゚)!


ノルマンディー上陸作戦というと、私が思い出すのは、映画「プライベート・ライアン」(上動画)です。激越な戦闘で、多くの人が亡くなっていく様が、非常にドライに描かれていました。このような極度の緊張状態におかれた兵士たちの姿が見事に描かれていました。同じ映画でもジョン・ウェインがでていた、「史上最大の作戦」よりは、かなりリアルでした。


あるいは、テレビ番組「バンド・オブ・ブラザーズ」 を思い出します。これも、非常にリアルで、その場に自分がいたら、気が狂いそうになるのが当たり前だと思います。だから、上の記事で、負の側面があったことなど、容易に想像がつきます。だから、上の記事が事実であったとしても、現場で命を賭して戦った兵士達自身を責める気持ちにはなれません。無論、それを許容するというのではありませんが、さりとて、真っ向から非難することはできません。

両方の映画・テレビとも、いわゆる性の話は、全くといって良いほどでてきませんでした。そうして、それは当然のことでもあると思います。自分達の国のために、命をかけて戦った兵士たち、しかもほとんどが職業軍人ではない普通の人たちを誰もが、愛おしく思い、彼らの思い出に泥を塗りたくないからです。しかしながら、上の記事では、それらを敢えて白日の元に晒そうというわけです。

米軍が未知の国で戦う若者たちを鼓舞する即効策として、意図的に米兵たちの性欲に訴えかけるプロパガンダを行ったなどということが事実であれば、とんでもないことです。これが、本当なら、日本で現在問題になっている根も葉もない「従軍慰安の強制」と同等か、それ以上の大問題です。

また、黒人のことも触れられていましたが、この時代には、あからさまな人種差別があり白人よりも緊張状態にあったことも事実です。さらに、黒人は、相対的に白人よりは、危ない任務につけられていたとされる事実もあるようです。このあたりも、明白すべきと思います。

そうして、これは古い時代の話というわけではありません。現在のアメリカ軍にも同じようなことがあります。それについては、このブログの過去の記事に掲載していました。その記事のURLを以下に掲載します。
日本人の思考力を奪っているのは平和主義ではないだろうか―【私の論評】従軍慰安婦問題でも何でも最悪の事態を考えておくという基本中の基本を忘れた多くのニッポン人!!日本人に戻るには武士道精神の復興が必要だ!! 
 詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に一部分をコピペさせていただきます。
   フィリピンや韓国、タイをはじめとする様々な国に置かれた米軍基地の周囲では、以前から軍事買春が行われてきた。けれども、米軍がムスリム圏諸国の多くに派遣されはじめてから、米軍兵士の買春をこれまでのようにオープンにしておくことはできなくなった。湾岸戦争で、アフガン戦争で、そしてイラク戦争で、米軍派遣は、中東地域における買春と女性の人身売買を新たに活気づかせている。

   もう一つの大きな変化は、米軍が私営契約企業に依存していることである。契約要員の数は今や米軍兵士の数を超えている。人々は、米国の戦闘地域でこうした契約要員がどのような役割を果たしているかに注目し始めている。しかしながら、私企業契約要員が軍の買春の性質をどのように変えているかについてはさほど注目が集まっていない。最もよく知られた例としては、ディンコープ社の社員がボスニアで女性の人身売買を行い捕まった出来事がある。そして、いくつかの兆候は、イラクでも似通った行為が行われていることを示唆している。

    私は、イラクやアフガニスタン、アラブ首長国連邦をはじめとするムスリム諸国で、契約私企業要員が軍による性的搾取を可能にしているかどうかを調査している。私の研究は、米国が軍事目的で女性を性的に搾取するパターンに新たなものが見られるかどうか、そして米軍兵士たちがムスリム諸国に駐留し始めてから制度化された買春がどう変化したかを調べることにある。とりわけ私は、私企業要員が地元女性に対する買春を促すために果たしている役割、そして料理人やメイド、事務職員という名目の陰に隠れて米軍の戦闘地域に外国の女性を連れてくるために果たしている役割に関心を持っている。
 この問題については、今月もアメリカの軍隊で、あったばかりのことです。それに関する動画を以下に掲載します。



アメリカ空軍内で性暴力防止部門トップ、クリンスキー中佐の性的暴力が発覚し、逮捕さ
­れました。クリンスキー中佐は保釈後に停職処分を受けましたが、政府と議会はこの事態を収拾す­ることはできませんでした。ヘーゲル国防長官は軍内部での性的暴行が隠ぺいされやすいと事実を­認めました。この事態にオバマ大統領は厳しい体制で対処すると述べています。

アメリカ軍による、売春については、終戦直後の日本でもあったことでしす、 ヨーロッパでもあったし、アメリカが派兵している世界各地でもあります。これは、何もアメリカに限ったことではなく、昔から世界各国であったことであり、売春というシステムにより、それこそ、アメリカ軍がノルマンディー上陸のときに上の記事で、掲載されていたような暴力を防止するという意味で合法的に実施していることです。

そうして、日本も戦争中にはあったということです。しかし、この事自体で日本を責めるということは全くの間違いです。それは、はっきりしています。当時の日本では、いわゆる売春婦を強制的に集めたという事実はありません。それは、歴史的に明白なことです。もしそういうことがあったというのならそのような主張する人は伝聞ではなく、きちんとした物的証拠をあげるべきです。しかし、そのようなはでてきていませんし、これかも出てくることはないでしょう。

このことに関しては日本は、これからも絶対に譲るべきではありません。 強制などというとんでもなデマはどこまでも排除すべきです。

そうして、戦争ということになれば、このようなことは、必ず起きるとみるべきです。これは、誰も否定しないと思います。否定する人間は、はっきりいえば、単なる偽善者です。世の中綺麗事ではすみません。過去の日本軍をはじめとする、世界各国の軍隊のように、そうして、現在の米軍のように、きちんと、それに対処するシステムをつくっておくべきです。ブログの冒頭の記事のような、不幸な自体を防ぐためそうすべきです。

これは、危機管理システムの一つとみなすべきです。日本の軍隊が過去にそのような危機管理システムを持っていた事自体は、問題ではないと思います。そのシステムを構築するため、女性を無理やり売春婦にしたというのなら問題ですが、そのような事実はありません。それよりも、そこに危機があるのに、綺麗事や危機があるのを認めず何も対処しないことのほうが、もっと危険です。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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2012年11月6日火曜日

【万里の長城遭難】現地任せでツアー強行 大雪、コース下見なし…-【私の論評】私がドラッカー氏に救ってもらったトムラウシ山の教訓が生かされなかったのはなぜ?

【万里の長城遭難】現地任せでツアー強行 大雪、コース下見なし…:

記者会見で事故への対応等を説明するアミューズトラベルの板垣純一総務部課長(中央)ら=6日午前、東京都千代田区
平成21年に北海道・トムラウシ山で登山客ら8人が凍死した遭難事故の直後、観光庁はツアーの安全確保に問題があったとして、アミューズトラベルに業務停止(51日間)の処分を下した。今回の事故と符合する点も少なくなく、観光庁は近く、アミューズ社に対し、旅行業法に基づく事情聴取や立ち入り検査を行う方針。ルート設定や安全対策に問題はなかったのか。


【私の論評】私がドラッカー氏に救ってもらったトムラウシ山の教訓が生かされなかったのはなぜ?

現場近くの万里の長城。これは、山だ!!
このブログには、平成21年(2009年)に発生した、トムラウシ山での遭難事故について掲載したことがあります。

大雪山系遭難:「寒さ、想像超えていた」 ツアー社長会見―ドラッカーが救ってくれた苦い経験のあるトムラウシ山

詳細は、上の記事を読んでいただくものとして、いずれにしても、今回は万里の長城ということで、場所も条件も異なりますが、結局トムラウシ山での教訓が全く活かされなかったということです。全く残念です。この記事では、私自身が、トムラウシ山で遭難しかけたことを掲載しましたが、結局遭難はしませんでした。遭難しなかったにはそれなりのわけがあります。


第一には、寒さ対策だったと思います。トムラウシ山に行く前に、結構寒い思いをしたので、その後山に登る際には夏であっても、自分自身も、他の人たちにも、寒さ対策を十分に行うようにさせていたことが、遭難しないで済んだ最大の理由だと思います。他にも、ドラッカーが言っていたことで非常に役に立ったことがありました。これも、大きな理由の一つです。

ドラッカーが言っていたいたこととは、以下のようことです。以下に要点だけコピペしておきます。詳細は、元記事をご覧になって下さい。

これと同じ状況(管理者注:私達がトムラウシ山で迷ったこと)に陥ったあるパーティーの中に、ある男が地図を持っていて、その男がその地図を見ながら、自信をもって、あっちの方角に行けばよいと言ったので、みんなが、その男の言うことを信じて、その方向に進んでいき事なきをえたというものでした。 
しかし、実は、その男が持っていた地図というのは、その山の地図ではなかったそうで、全く関係ないところの地図だったそうです。この事例を出してドラッカーがいいたかったことは、企業経営にとっていかにビジョンが重要であるかでした。人は、行くべき方向がわかれば、安心する、力を結集するというものでした。そうして、ビジョンがたとえずれていたとしても、全くないよりははるかに良いことを力説していました。 
そのとき、わたしは、この話を思い出し、たまたま、札幌市内の地図を持っていたので、さっそくその地図を広げながら、「これは、この近辺の詳細地図です。あっちの方向に進めば間違いありません」とメンバーに言ったところ、あれだけ仲間割れしていたいたのに、たちどころに皆が同意して、私の言うことにしたがってくれました。私自身も、ほとんど勘で言っているだけですが、皆が私につきしたがってくれてたので、非常に安心感を持つことができました。
そうして、結局は遭難はせずにすみました。やっぱり、装備がまともで慌てないということが重要なことであると思います。こうしたことが、過去にあったので、トムラウシ山のあの遭難事件は、今でもはっきりと記憶に残っています。そうして、個人レベルでは、このような準備や心構えが絶対に欠かせないと思います。

山と名のつくところには、こんな格好で絶対に行ってはいけません。寒さに対する装備はかかせません!
今回のこの遭難者を出してしまったツアーなど、細かなことは本題ではないので、他のサイトに譲ることにしますが、結局現地任せで、現地では下見もせず、大雪であったにもかかわらずツアーを強行し今回の遭難事故になってしまったということです

さて、このツアー会社ほんの少し前に、同じような過ちをしていたのに、なぜ、また同じような過ちを繰り返したのでしょうか?この質問への回答は、要するに「危機管理体制」が全くできていなかったということだと思います。そうして、危機管理とは、テロ、事件、事故または災害の不測の事態に対して、被害を最小限にするための手段であり、クライシスマネジメントともいわれています。これが、最も妥当な答えであり、これは、誰も否定することはできないでしょう。

しかし、もっと根源的な質問があります。死者も出したような甚大な大失敗をしたにもにかかわらず、なぜこのような遭難事故が再び起こしてしまうような、杜撰な危機管理しかできなかったのかというものです。これには、たとえば、行政による監視機能とか、ツアー客の自己責任とか、いろいろな考え方があるとは思いますが、それは、さておき、このアミューズズ・トラベルという会社の経営という側面から述べます。

冬山でこの格好では、すぐに死んでしまいますね!!寒さ対策が必須です。それは、夏でも同じことです。
以前の記事でも、ドラッカー氏の話をだしましたが、今回もドラッカー氏の言っていることから教訓を導き出します。ドラッカー氏は、企業の自己目的が「企業利潤極大化」にかわって、「企業の生存」であるとする「企業生存説(theory of corporate survival)」を唱えました。このドラッカーの企業生存説に関するコンセプトは危機管理と深い次元でつながっています。

企業の危機管理を考える場合、収益性や生産性という視点に加え、広い意味での「企業の社会的責任」、あるいは「経営管理者の能力と育成/労働者の業績・態度」の確保こそが重要な条件となります。

そして、ドラッカーが主張していた「企業は継続(ゴーイング・コンサーン)するために利益を得るべきであり、利益を得るためだけに継続するのではない」、「企業が生存するためには、企業の生存に致命的な影響を与える各種領域ごとに一定の目標を設定し、この維持に最低必要な成果を確保すること」という原則があるということ、そして事業継続計画/事業継続管理の原点をいまいちど噛みしめる必要があると思います。

企業は、存続して顧客に奉仕しつつけることに意義がある!!
要するに、この企業の経営者は、企業の継続性(お客様にサービスを提供し続ける)ことよりも、目先の利益だけにとらわれて、安全性など無視して、結局企業の継続性を危うくしたということです。まったくもって、本末転倒です。この会社は、利用しないほうが良いです。本日、ホームページを検索してみたら、一時休止という表示がでていました。多くの人たちの苦情が殺到したので、休止したのだと思います。

おそらく、この会社、もう継続することはできないと思います。この経営者は、結局一時の利益と、会社の継続という二つ事柄を天秤にかけて、一時の利益をとったということです。経営者としては、あるまじき行為だと思います。皆さんは、どう思われますか?




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