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2012年5月14日月曜日

Facebook連動ハンガーで、最も「いいね!」されている人気のお洋服を買う―【私の論評】ファッションのような感性がものを言う商品では無理があるか?

Facebook連動ハンガーで、最も「いいね!」されている人気のお洋服を買う(動画あり):


いいね! が多い、つまり人気があるということだ。 ブラジルのアパレルメーカーC&Aは、これまた斬新な方法でSNSとリアルを連動させてきました。お洋服屋さんの店内で、お洋服がかかっているハンガー。このハンガーがFacebookと連動しており、「いいね!」の数を表示しています。「いいね!」の数って購買意欲に繋がると思いますか?  

例えばネットショッピング中に評価の高い商品を買うのはもちろんあります。しかし、実際に店舗に行って手に取って見る時に、「いいね!」が多いからこっちのワンンピースにしようって思うものなんですかね? 2つで迷ったら「いいね!」の多い方でとか思うものなんですかね? なんだか天の邪鬼な気持ちが湧いてきましたよ。 あなたなら、「いいね!」がより多い服の方を買いますか?     [Springwise via The Verge] そうこ(ANDREW LISZEWSKI 米版)


【私の論評】ファッションのような感性がものを言う商品では無理があるか?

さて、この仕組み動画もありましたので、以下にコピペさせていただきます。また、本日は、あの有名な、ビクトリアズ・シークレッツのファッションショーなどの写真を掲載しつつ、上のファッションサイトに関する論考を展開していきます。




『あなたなら、「いいね!」がより多い服の方を買いますか?』という上の質問に関して、最初に私の結論を掲載しておきます。私なら買いません。「いいね!」がより多いということは、より、多くの人に好まれているということであり、それでは、ファッションの意味がなくなるからです。




さて、そもそも、ファッションという言葉の意味があいまいですので、ここで、語源をはっきりさせておきます。以下に語源由来辞典から、ファッションの語源を掲載しておきます。
ファッションは、「仕方」「流儀」「流行」を意味する英語の「fashion」からの外来語です。英語の「fashion」は、「作ること」「なすこと」を意味するラテン語「factio」に由来し、古期フランス語の「faceon」を経由して「fashion」となりました。 
英語の意味からすれば、「流行のファッション」や「定番ファッション」といった言い回しは、「流行の流行」「定番の流行」になるので、おかしいが、日本ではファッションが「お洒落なもの」といったニュアンスで受け止められ、多くは「服装」を指す言葉として用いられるため誤りとはされていません。
まずは、「仕方」「流儀」という語源から考えてみると、要するに「自分流」ということですから、「いいね!」がたくさんついている商品であれば、そもそも、自分流ではないので、買いたくないです。これを買うということは、人の「仕方」「流儀」に合わせるという意味です。それでは、ファションではないです、どんな服装であろうと、制服のようであり、没個性的です。



「流行」ということであれば、多少「いいね!」がついている程度ならいいですが、かなりの数がつけられているということであれば、それは、最早流行ではないということです。

日本語の流行は、英語でいう"Mode、Trend、Fad、Fashion"などの意味を持ちます。流行(りゅうこう、はやり)は、ある社会のある時点で、特定の思考、表現形式、製品などがその社会に浸透・普及していく過程にある状態を表します。



流行の展開過程は、それの発生・成長から衰退・消滅までを、いくつかの段階から捉え、分類することができます。
潜在期:ある様式が生み出され、それがごく限られた人々に試行される時期 
発生期:試行過程を経て、新しい様式の存在が人々に知られ、同調者が現れる時期 
成長期:新しい様式に同調する人々の数が増加し一斉に、普及率が拡大していく時期 
成熟期:普及が最大の水準に達し、その伸びが鈍化していく時期 
衰退期:後発的に採用する人もいるがそれ以上に採用をやめる人の数が増える時期 
消滅期:採用する者が少なくなり、その様式が消滅していく時期
「いいね!」がかなり、押されている衣服であれば、ファッションでいえば、上記の衰退期か、消滅期にある商品であるということです。これでは、価値がないです。


それに、一番気に食わないのは、一つ一つのアイテムで販売して「いいね!」をつける仕組みになっているということです。ファッションというものは、普通、いろいろなコーディネートで成り立つものですが、このコーデを見せるというのなら、わかりますが、一つひとつのアイテムでは、あまり参考になりません。

それから、最近ファッションといえば、「世にも奇妙な物語」で、『試着室』という、奇妙な物語を放映していましたので、以下に掲載しておきます。



上の動画の説明は、見ていただければすぐわかることなので、ここでは、詳しくは解説しませんが、結局のところ、ファッションは自分らしさの演出だと思います。上の動画でも、結局女の子が、何度トライしても失敗するのに、自分らしさで勝負したところ、うまくいくというようなストーリーになっていました。

とこで、上でいろいろ書いていますが、私自身は、あまりファッションにうるさくは、ありません。ただし、特に女性ファッションに関して、どのようなファッションが今好まれていて、それは、なぜなのかということを考えることは好きです。そうして、このブログにも、そうしたことをいくどか掲載してきたこともあります。

先日は、「ポリボア」という最近話題のサイトがあり、それを紹介しました。このサイト、さまざまなアイテムから、自分の好きなものを選び、コーデしそれらで、コラージュを作成するというものです。これは、口で言っても理解しにくいと思いますので、その一つを下に掲載します。



このようなコラージュをユーザーがいくつもあるアイテムから自由に選び、一定の枠の中に自由に設置して、コラージュを形成します。アイテムが、かなりあるので、本当に組み合わせは、無限にあるといっても良いくらいです。そうして、このおのおののコラージュに、他のユーザーがコメントを寄せたり、さらに、「いいね!」ができる仕組みになっています。私は、当該ブログで、この「ポリボア」の良さを以下のように掲載しました。
それにしても、「ポリボア」は、コラージュという手法で、しかもそれをユーザーに自由に作成させつつも、全く自由ということではなく、ある程度の規則性を持たせて、その範囲の中で自由な発想を開花させ、それだけではなく、それをシェアできるというSNSの機能を持たせて成功しています。いままで、ファッショサイトでは、コラージュはあくまで、サイト側が提供するものでしたが、サイト側がすべて提供するというのでは、確かにプロが作成するということで、あまりに外れはないものの、数的にも、センス的にも限度、限界があります。しかし、ポリボアでは、このコラージュをユーザー自身に作成してもらうということで、ありとあらゆる、感性による、数多くのコラージュが掲載できるということです。何と素晴らしい!!
やはり、ファッションは、感性商品ですから、上のようなやり方は、通用しないと思います。最初はもの珍しさから、売れる時期もあるかもしれませんが、時がたてば、廃れると思います。



上のようなことをするなら、たとえば、この「ポリボア」など参考にして、たとえば、「ボリボア」のようなコーデのなからから、人気のコラージュを実物を使って、店内に掲載するとか、あるいは、マネキンにそのコーデをさせて陳列するとか、そのような工夫が欲しかったです。であれば、リアルと、サイトの相乗効果を最大限に引き出すことが可能になったと思います。皆さんは、どう思われますか?特に女性の意見をうかがいたいです。




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2012年5月7日月曜日

【調査結果】Facebookファンの顧客価値の高さとその重要性―【私の論評】何か、これって、当たり前といえば当たり前でないか?

【調査結果】Facebookファンの顧客価値の高さとその重要性:

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あるブランドのFacebookファンとはどういう人たちなのでしょうか。またそのファンの人たちはブランドの営業成績に実際どれくらい影響しているのでしょうか。

ソーシャル・メディアを使ったプロモーションはまだまだ成果が見えにくいのが現状で、この問いには多くの企業が悩まされていると思います。

大手調査会社Forrester Researchの若きアナリストジーナ・スベルドロフ(Gina Sverdlov) さんは、4月9日に出したレポートでこの問いに具体的な数値をもって答えました。そうして今回Facebookファンの顧客価値の意外な高さが浮き彫りになったのです。

ジーナさんはFacebookファンがブランドの営業成績にどれくらい貢献しているかを明らかにするため、ある期間中に特定のブランドの商品を①実際に購入した人、②購入を検討した人、③購入を他者へ勧めた人の数をファンと非ファンで比較しました。

調査対象になったのは飲料メーカーコカ・コーラ社、スーパーマーケットチェーンウォルマート社、家電量販店ベスト・バイ社、携帯電話メーカーリサーチ・イン・モーション社のBlackBerryという4ブランドです。

調査結果


0426_societa01

上図はベスト・バイ社の調査結果をまとめたもので、左の黄緑の棒が非ファン、右の深緑の棒がファンのデータを表しています。調査項目は左から1年以内にベスト・バイで買い物をした、買い物を考慮するだろう、他人にベスト・バイでの買い物を薦めだろうと返答した人の比率を示しています。 

今回調査の対象となった4ブランドのファンが商品を「実際に購入」「購入を検討」「他者へ推奨」した比率は、非ファンのその比率を大きく上回りました。上のグラフのベスト・バイ社の場合、過去12か月間でベスト・バイで買い物をした人は、非ファンが41%であるのに対して、ファンは実に79%です。またファンの内の74%が、他人にベスト・バイでの商品購入を薦めています。非ファンの38%と比べるとその差は歴然としていますね。

更にジーナさんは膨大なアンケート結果から、ブランドのプロモーションに一番貢献している層はFacebookファンだということを突き止めました。

つまり「Facebookのファン」は、他のどんな人よりも商品を「実際に購入」「購入を検討」「他者へ推奨」する確率が高いというのです。例えば、ある人が電化製品を購入するとき、その人がベスト・バイのFacebookファンであったら、そこで製品を購入する確率は5.3倍も上がります。

次に確率が高かったのは「電化製品を買うためにある程度下調べをした」という条件でしたが、それでさえ実際にベスト・バイで製品を買う確率を1.4倍しか上げませんでした。

この傾向はベスト・バイだけでなく他の3ブランドにも同様に見られました。例えば、「何かものを買うときにウォルマートでの購入を考慮するか」という質問に対して、「Facebookファンである」という人が「はい」と答える確率は、「近場にウォルマートがある」という人より2倍も高いのです。更に「どちらでもない人」と比べるとその確率は4倍にもなります。
すごい結果ですね。

考察

この調査結果を踏まえて、前述のアナリストジーナさんのボスであるテクノロジー・マーケティングのエキスパートジョッシュ・ベルノフ(Josh bernoff)さんは、『ブランドにとって大切なことは、むやみやたらと「いいね!」を増やすことではなく、既に「いいね!」をくれている忠実なファンを見定めて、その人たちと親密な関係を構築することだ。」と自身のブログで綴っています。

というのは今回の調査結果からだけでは、Facebookのファンであることがブランド商品を買わせているのか、それとももともとそのブランドの商品をよく買う人がFacebookでもファンになるのかが判断できないからです。何だか鶏が先か卵が先かのような話になっていますね。いずれにせよブランドが気をつけなくてはいけないのは、無理やり「いいね!」を増やすと、ファンベース全体のブランドに対する熱心さが、減少する可能性があることです。

今回のこのレポートは、Facebookファンの顧客としての質の大切さを強調してくれました。Facebookファンたちは、最も熱心にそのブランドの商品を購入し、購入を検討し、また知り合いに薦めてくれるロイヤリティーの強いベースなのです。

ブランドはこのファン層とFacebook上でコンテンツやインタラクションを通して親密な関係を構築していくことが大切なのではないでしょうか。ロイヤリティーが強いファンであるがゆえに、良い関係を築くことに成功すれば、彼らが強力な情報発信元になってプロモーションに貢献してくれるかもしれません。

【私の論評】何か、これって、当たり前といえば当たり前でないか?

むやみやたらと「いいね!」を増やすとは、どういうことなのでしょうか?facebookの会員になっていない人、なっていても、あまり使わない人には良くわからないかもしれません。これの非常にわかりやすい例を本日見つけましたので、まずは、これを掲載します。

全米大ヒットドラマ『コバート・アフェア』が4月18日からDVDのリリースをスタートしています。サイト上ではCIAに入れる素質がどれくらいあるかをサイトで診断できます。以下は、そのサイトの画面です。


わたしも診断してみたところ、素質はありということでした。ランクは、Aでした。 このランクAという結果表示とともに、facebookの"コバート・アフェア"のページへ誘導するボタンがあり、このページに移動すると、自分がどのようなCIA捜査官に向いているかを診断できると表示してあったので。

ボタンを押して移動してみました。そうすると、以下の画面になりました。


そうして、この診断を受けるためには、やらなければならないことがありました。それは、このページの「いいね!」ボタンを押すことでした。確かに、このようなやり方をすれば、「いいね!」がかなり増えることになります。私が、「いいね!」ボタンを押すと、これが、私のウォールにも掲載されました。それが、以下の画像です。


私のウォールに表示されるということは、当然私の友人である他の人たちのタイムラインにも掲載されるということです。この友達が興味を持てば、さらに、このサイトに行き、さらに、ページに行く人いるかもしれません。そうして、最終的に「いいね!」ボタンを押して、診断を受けるかもしれません。

しかし、この内容が、ウォールに掲載してから、しばらくして、facebookをみてみても、その時点ではまだ、誰もそのようなことをしていませんでした。

ちなみに、コバート・アフェアは、全米での初回視聴者数約500万人を獲得し、2010年新作ケーブルドラマ中No.1を記録した大人気シリーズです。USAネットワーク(※アメリカのケーブルテレビ向け娯楽専門放送局)の看板枠(火曜22時台)において、過去16年間で最も視聴された作品が、いよいよ今春、日本に上陸するということです。DVDも発売されますし、テレビでも放映される運びとなったため、そのキャンペーンとして、facebookも活用されたということです。以下に、その動画を掲載しておきます。


製作総指揮は、映画『ボーン・アイデンティティー』シリーズや『Mr.&Mrs.スミス』でおなじみのダグ・リーマン。お得意のアクション・シーンはまさにハリウッド超大作並みのド迫力!本作の見どころのひとつです。

ヒロインのCIA諜報員アニー・ウォーカーは、映画『コヨーテ・アグリー』でブレイクしたパイパー・ペラーボが演じます。本作では、2010年ゴールデングローブ賞ドラマ部門の主演女優賞にもノミネートされました。

CIAもので、女性がヒーローということで、なかなか面白そうな内容ではあります。以下にヒロインの画像を掲載しておきます。





さて、何やら、この番組の宣伝のようになってきましたが、いいたいのは、これではありません。要するに、このキャンペーンでは、上の記事の考察で言っていた「ブランドが気をつけなくてはいけないのは、無理やり「いいね!」を増やすと、ファンベース全体のブランドに対する熱心さが、減少する可能性があることです」という内容の、無理やり「いいね!」を増やすことをやっているということです。

このやり方は、すでに、facebookでは、古典的といっても良いやり方です。要するに、この事例では、「いいね!!」ボタンを押すことで、はじめて、スパイの適正診断を受けられるということで。このような、やり方は、他にも、たとえば、「いいね!」を押すと、ゲームができるだとか、クーポンがあたるだとかなどいろいろいあります。


共通しているのは、なんらかのインセンティブが得られるということです。こういうことをたくさん、やれば、確かに、「いいね!」がかなり増えることになります。しかし、こんなことをしても、あまり効果はないということです。

やはり、「いいね!」ボタンは、このような方式で、数を増やすというのではなく、ユーザーが本当に「いい」と思ったときに押してもらえるようにすべきであると言っているのです。そうして、すでに、「いいね!」ボタンを押す人をむやみに増やすのではなく、すでに、「いいね!」押しているユーザーを大切にしようと言っているということです。

でも、これって、facebookという新しいシステムについての調査結果ということで、それは、それなりに意味があるのでしょうが、普通に考えれば、別に調査をしなくても理解できることだと思います。

昨日は、K-POPが日本市場では、下火になっていることをお伝えしました。詳細は、昨日のブログをご覧いただくものとして、K-POPが日本で、下火になっている理由は、特に昨年あたり、あまりに、テレビや、YouTubeで一時に露出をかなり多くしてしまったことが、主な原因と思われます。むろんこれだけではありませんが・・・・・・・・。

facebookで、むやみに、「いいね!」を増やすということは、これに似ていると思います。一時にあまりに、露出が多すぎると、多くの人に飽きられるということです。それに、このやり方の場合は、多くのユーザーに対して、本当は、気に入って押している人もいるかもしれないのに、わざわさ゜、この「いいね!」は、ユーザーが本当に気にいって押してるのではなく、インセンティブがあるから、押しているんですと、告知して回っているようなものです。

faceookを使おうが、使うまいが、商売の基本は同じだと思います。本当に、お客様に気にいっていただくための知恵を絞るのが商売人なのであって、上記のように人為的にお客様の反応をただ増やすというのは、意味のない行為です。 これでは、無意味なディスカウントとあまり変わりないと思います。 しばらくの間は、通用するかもしれませんが、いずれ、通用しなくなります。上の調査結果は、そのことを示しているのだと思います。

顧客価値を高めることが本筋なのであって、これを軽視して、顧客の反応を増やしても意味はないということです。
もっとも重要な顧客、それに準ずる顧客は誰か?
顧客からどのような知見を得なければならないのか?
このような知見を得るため、どのような行動をしなければならないのか?
このようなことに智慧を絞るべきです。 やはり、見る人に気にいってもらえるように、いろいろ考えることで、「いいね!」を増やして行きたいものです。皆さんは、どう思いますか?



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