上は、白豪主義に関する動画。今日私が言いたいことは、上の動画に凝縮されている。
白豪主義
白豪主義(はくごうしゅぎ、英:White Australia policy)は、オーストラリアにおける白人最優先主義とそれにもとづく政策。特に移民制限法によって白人以外の移入を厳しく制限した政策を指す。
歴史
イギリスの植民地としてスタートしたオーストラリアの住民は、初期には白人、それもイギリスからの移民が殆どであったが、1850年ごろからゴールドラッシュが始まり、特に中国系の移民、または労働者が相次ぐようになる。これに対し、1888年には中国人移住制限法を制定。日本からも真珠貝採取のダイバーなどとして多数の労働者が流れていたが、日本の膨張主義を恐れ移住希望者に「ヨーロッパ言語による書き取りテスト」を課して実質的にアジア人流入を阻んだ。19世紀末から主に20世紀前半にかけて、アングロ・アメリカ、オーストラレイジア、南アフリカ、ヨーロッパ、南アメリカなどに生じたアジア人(黄色人種)脅威論を一般に黄禍論と呼ぶ。 日本では対米関係において言及されることが多いが、その範囲は世界的な広がりを持ちオーストラリアでもこの考えは普及した。白豪主義の根底には、黄禍論の影響があることは否めない。
1901年にイギリスからの自治権を得て事実上の独立を果たした後には、本格的に「連邦移住制限法」「帰化法」「太平洋諸島労働者法」等が成立、白豪主義政策が完成していく。こうして、人種差別主義的体制が確立されていき、1940年頃にその有色人種の国内人口に占める割合はもっとも小さくなった。第二次世界大戦中にはアメリカの黒人部隊の上陸を拒否したほどである。
第二次大戦後、労働党が人口2500万人を目標にした大量移民計画を発表。これはアジアに対する開放ではなく、あくまで英国人やアイルランド人をさらに大量に受け入れることで白豪主義を完成させるためのものであった。しかし実際には東欧からの移民が多数派を占め、その後イタリア、ギリシャを中心とした南欧諸国、トルコ、中近東、東アジアからの移民が増えていきオーストラリアの労働力を支えるようになると、従来の人種差別政策は撤回していかざるを得なくなっていった。
特に1973年にイギリスがECに加盟したことでヨーロッパ諸国との繋がりを重視し始めたことに伴い、それまで圧倒的に密であったイギリス本国とイギリス連邦加盟諸国の繋がりが薄れ、連邦が実質的意味を失いつつあったことがこの事態に拍車をかけることになった。これまでイギリス一辺倒であったオーストラリアの外交政策は転回を余儀なくされ、経済的にも政治的にもアジア、特に最も近い先進国である日本を向き始め、アジアの仲間としての道を模索していくことになる。
1972年誕生したゴフ・ホイットラム労働党政権は、急速な政治改革を実践したが、その一環として、移民政策も大きく転換した。1973年「移民法」「オーストラリア市民憲法」の改正、1975年「人種差別禁止法」制定によって、原則的に移住手続きや、移民の国内での生活・教育・雇用に関する一切の人種差別を禁止した。ベトナム戦争後ベトナム難民を数多く受け入れるなど、積極的にアジアからの移民を受け入れるようになり、マルチ・カルチュラリズム(多文化主義)を国策として掲げるようになった。
オーストラリアの現在
現在ではオーストラリアは人種に対して最も公平な国の一つになっているといわれている。しかし、20世紀末にアジア人移民を拒否し、白豪主義に戻ろうとする極右政党「ONE NATION」の台頭など、ドイツのネオナチに似た問題も発生している。またガイドブックなどに、特に黒人の旅行者(バックパッカー等)に対しては、差別的な犯罪に巻き込まれないよう留意する必要性が記載されている。
最近のオーストラリアの捕鯨に対する行動をみると、白豪主義などの影響によるものも見え隠れする。
こうした白豪主義による反捕鯨の動きに関しては、日本は、ヨーロッパ文明を受け継ぎながらも,地理的にはアジアに属する国,オーストラリアは今もなお,自らにふさわしいアイデンティティを求め続けている。そうした過程の中で,他の西洋諸国とは違う,より冷静で,より積極的な日本観を育んでいくことが重要であることを強調すべきだろう。今更、白豪主義などは時代遅れであり、鯨に関して過度の反応を示めしたところで、アジアの中のオーストラリア人というアィデンティティーを構築することには、つながらないことを理解してもらうことが肝要だ。
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