クローズアップ現代のオープニング画面 |
働いても働いても暮らしが楽にならない「ワーキングプア」が問題となる中、貧困のために風俗で働くことになった若年女性の様子を「ガールズプア」としてNHKが特集し、話題を呼んでいる。
1月27日放送のNHK「クローズアップ現代」で、特集「あしたが見えない ~深刻化する『若年女性』の貧困~」が放送された。
番組によると、現在10代、20代で働く女性は全国に503万人。だが、高卒女性で正規の仕事に就いているのは48%にとどまり、半数以上が非正規で働いている。
アルバイトを3つ掛け持ちしても給料が10万円程度にしかならない19歳の女性など、厳しい状況にある単身女性が紹介された。中でも特にきつそうなのが、小さな子どもを抱える若いシングルマザーだ。
クローズアップ現代より |
今、20代シングルマザーの80%が年収114万円未満の貧困状態にあるという。そうした中でも、周囲の支援を受けられなかった若いシングルマザーは、風俗店に居場所を見出すしかなくなってしまう。こうしたケースがかなりあるのだという。
性産業がセーフティネットに?
番組では、東京近郊のある風俗店を取材。この店では、若いシングルマザーに働いてもらうため、子どもを預ける提携託児所を用意し、その費用も負担しているという。家を借りられない女性のために、事務所近くに寮も設けた。
21歳のシングルマザーは、出産直後から働かなくてはいけない状況だった。しかし、託児所に子どもを預ける余裕もなかったため、この店に流れ着いた。現在、週5日働いて収入は月30万円。給料を店に積み立ててもらっている人もいる。
また、面接に来た30代のシングルマザーは、役所に生活保護を申請したものの審査に2~3か月かかると言われた。それまで待つことはできないので、20代のころに経験した風俗の世界で再び働こうと決めたのだという。
スタジオでは、若い困窮者の支援をしている臨床心理士の鈴木晶子氏が、
「性産業が職や住居、保育までを含めたしっかりとしたセーフティネットになってしまっている」
と指摘。公的機関ではそうした包括的なサービスが提供できておらず、
「社会保障の敗北といいますか、性産業の方が、しっかりと彼女たちを支えられているという現実だと思う」
と話した。これはネット上でも話題になり、
「風俗が超優良企業に見える」
「風俗と刑務所が日本のセーフティネット」
といった皮肉な声が挙がった。
「風俗の求人は嘘が多いので信じないで」
「社会保障が風俗に負ける」という状況を苦々しく感じている人も多いようだ。ただ、実際に番組が取材できた風俗店は「上澄みのほんの一部」にすぎないという人もいる。風俗店に勤務していたとする女性は、こんな書き込みを残している。
「風俗の求人広告は、女の子の気を引くように上手く作っていて、嘘が多いので信じないでください。夜の世界は特に悪い人が多い」
元風俗店の店長だったという人の書き込みにも、「託児所付きとは名ばかりで、紹介はするが、契約などは一切関知せず、酷い話でした」というものがある。
さらにネット上にはこんな提言も。
「まずは最低賃金の水準を引き上げること。そして安く長い時間子供を預けられる公立保育園の整備。行政がやるべきなのはまずこの二点じゃないか」
行政の違法な対応で、風俗に頼らざるを得なくなった
クローズアップ現代より |
NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの大西連氏は29日、ヤフーニュース「個人」で、放送についてコメントした。番組に登場した女性が生活保護申請に2~3か月かかる、と役所で言われたことについて、こう指摘する。
「生活保護の申請はその日にできます。そもそも、市役所が申請を受理しないのは違法です」
生活保護法では、役所が申請を受けて決定か却下を判断するまでの期間は「原則14日以内」と定められていると説明。女性は役所窓口で申請を受け付けない「水際作戦」の被害を受けたのだとし、
「生活保護行政の違法な対応により、本来利用できる制度利用にいたらず、風俗の仕事に頼らざるを得なくなった」
その上で、番組は生活保護に関する正しい情報を伝える必要があったとしている。
「家の外にも味方がいる!」
また、シングルマザーの支援を行っているNPO法人リトルワンズ(東京都杉並区)代表の小山訓久氏はキャリコネ編集部の取材に、「生活に困って風俗で働くことも選択肢になってしまっている」と話す。
「役所やNPO法人に相談すれば適切な情報や、他の道が見つかることもあります。まずは頼ってきてほしい」
シングルマザーは、離婚した直後の急激な生活の変化や、経済的に窮地にいても、独りで考えてしまうことが多く、また行政支援などに関する情報を知らない人も多い。同団体では彼女たちを対象に、日々の生活情報などを提供する企画を開催している。
「シングルマザーが集まるイベントも毎月開催しています。頼ったり、 助けを求めることを悪いと思うのではなく、家の外にも味方がいると思ってもらえれば」
【私の論評】ちょっとまってくれ!ガールズプアは20年も続くデフレのせいではないのか?最初に責めるべきは、まずは無能な政治家と、その次は狡猾な官僚であるべきだ(゚д゚)!
さて、プアガールについては、このブログでも掲載したことがあります。このブログの記事では、独女の生活の厳しさについて掲載しました。独女とは、30歳以上の結婚していない女性の総称です。以下に、この人達の生活に関する記事のURLを掲載します。
働けども独女の暮らし楽にならず!?:―【私の論評】そろそろ真実に目覚めても良いのでは?
この記事は、当時まだデフレスパイラルのまっただ中で、回復する見込みも何もなかった、2012年9月の記事です。安倍政権も誕生しておらず、日銀は金融緩和などおよびもつかず、金融引締め政策を続け、円高・デフレのまっただ中にありました。
そうして、このデフレこそが、独女が働けども暮らしが楽にならない真の理由であることを掲載ました。以下にその部分のみコピペさせていただきます。
日銀は、今年の2月には、インフレ目度1%を打ち出しました。この1%は、かなり低い数字です。これだけデフレ続きの日本であれば、当面4%にしたとしても、何ら悪影響はないはずです。ただし、いくら目処が低くても、一応は打ち出した目標です。しかし、日銀は、この1%目処ですら、実行しようとしません。実際、少しでもでもインフレになりかけると、すぐに追加緩和措置をやめてしまうというのが実態でした。
これじゃ、どうしようもありませんね。雇用といえば、もちろん、賃金もかかわってきます。過去20年日本は、失われた20年といわれ、経済は停滞し、賃金はあがるどころか、下がってしまいました。同じ時期に、他の先進国は、日本のようなデフレ政策をせず、程度の差はあれ、緩やかなインフレ政策を続けてきたために、経済も緩やかながら発展し、賃金も倍近くあがっています。ただし、毎年緩やかなインフレが続いたため、実質的には、1.5倍くらいです。
この間日本では、日銀が経済の癌ともいわれる、デフレを放置するどころか、デフレの守護神となり、積極的にデフレを推進してきたため、現在のような状態になってしまいました。そのしわ寄せが、独女の方にもかなり及んできているというのが事実です。マクロ的にみれば、そういうことです。無論、ミクロ的な見方もあり、上記のように雇用形態の問題もあるかとは、思います。
しかし、日銀の金融政策によって、雇用枠そのものを広げない限り、同じ雇用枠の中で、いくら厚生労働省あたりが、雇用のミスマッチを減らすよう努力しても焼石に水ですし、もぐら叩きに終わるだけです。ある独女の方が、職をみつけたり、賃金が上昇すれば、別の独女が職を失ったり、賃金が下がるということになるだけです。
雇用問題には、このような背景があるということが理解されていないため、多くの人が、日銀の金融政策に対して苦言を呈する人はいません。あくまで、厚生労働省や、自分達の責任であるかのように錯覚して、堂々巡りりを繰り返し、閉塞感にさいなまされています。水道の蛇口から、水が多量にもれているときに、漏れた水を汲み出して、頑張ったとしても全く意味がありません。水道の蛇口をとめるべきです。現在の雇用問題の水道の蛇口は日銀の金融引き締め政策です。これを止めない限り根本的な解決にはなりません。
もうこのようなことには、終止符を打つべきです。独女の方々も、最近では、SNSなどのコミュニケーション・チャネルを持っていらっしゃると思います。実際、私も、facebookで、多くの独女の方とお友達になっていただいています。独女の方々も、機会あるごとに、日銀の金融政策のまずさを理解し、訴えていくべきものと思います。それから、政治にも関心を持っていただきたいものです。
独女の方々をはじめとして、日銀のおバカな金融政策による無用な犠牲など、もう十分はらってきたと思います。今の民主党政権では、全く無理だし、それにもう次のない政権に期待してもしかたないですから、これから、政権を担いそうな、政党などがどのような金融政策をとるつもりなのか、特に、暴走する日銀に対して日銀法改正などで、対処していくつもりがあるのかどうか、関心を持つべきです。以上は、独女の方々の生活苦の真の原因はデフレであり、これを根治するにはデフレから脱却することであることを述べました。
このことは、もっと若い世代の、プアガールにもあてはまることです。プアガールの存在を完璧になくすことはこれからもできませんが、デフレから脱却すれば、かなりというか劇的に改善されることは確かです。この問題は、いくら社会保障を充実したとしても、デフレが解消できない限り、根治はできません。
デフレは当然のこととして、若い世代の女性にも牙をむく |
そもそも、デフレのときには、政府の税収が減ります。税収が減っているのに、社会保障を拡充することはなかなかできません。それに、プアガールの人たちに特別に社会保障を手厚くすれば、独女の方々は救うことはできなくなります。いや、それどころか、他の男性や、壮年層男性にだってしわ寄せがいくかもしれません。
判りやすくいえば、デフレである限り、何かをよくすれば、何かが駄目になるという悪循環に陥るだけです。デフレであるかぎりにおいては、何をやっても、こうしたことがモグラたたきのように別のも問題が起こるだけです。
さてこのことに目覚めた、安倍政権が政権の座につき、日銀人事が刷新され、まるでデフレ・円高の番人であったかのような日銀は、昨年の4月より異次元の金融緩和を行い、本格的にデフレ脱却に向けて具体的に動きはじめました。
デフレのときに金融緩和をすべきことは、わかりきったことなのに、歴代の政治家の多くは、日銀の愚劣な金融引締め政策の継続を見過ごししてきましたし、狡猾な財務省の官僚などは財務省益優先で、雇用のことなど無視して、過去においては、デフレ解消の方策でもある財政出動などさせない方向に誘導し、それどろか、今年の4月の8%増税の誘導までしました。デフレの最中に増税するなど、完璧に間違いです。このまま増税せずに、金融緩和を継続していれば、早くて2年、遅くても4年もすれば、日本はデフレから脱却できたと思います。
しかし、増税によって、デフレ脱却は足踏みすることなりました。おそらく、今年4月に増税すれば、デフレからの脱却は遠退きます。そうして、さらに来年10%増税をするということにでもなれば、日本はまたデフレ・スパイラルの泥沼に沈み、失われた20年は、40年になってしまうかもしれません。
しかし、10%増税は控え、異次元の包括的金融緩和を継続し、さら大規模な財政出動をすれば、必ずデフレが脱却できるようになります。多少時間はかかりまずか、間違いなくそうなります。しかし、今後金融緩和をやめたり、財政出動をしないということにてもなれば、独女の生活苦はますます、酷くなるし、ガールズプアも増えることになります。社会保証制度をいくら整えても、何も解決しません。
若い女性たちは、政治経済を理解した上でやるべきことがある(゚д゚)! |
これ根治するためには、無論デフレ解消だけでは100%とはいきませんが、それにしてもデフレが解消されれば、かなりの部分が解消されます。その上で、社会保障制度を拡充するとか、これを解消するための社会事業を展開すれば、このようなガールズプアは、100%解消とはいかないまでも、大方の人たちが自己責任によるものと思える程度には解消できます。
この真実を見つめて、独女の方々も、ガールズプアに陥っている若い女性の方々も、もっと政治や経済に関心をもっていただき、自分のできることをすべきものと思います。それこそ、SNSでガンガンこの事実を拡散するとか、選挙のときには、デフレ解消を一義とする政治家に投票するとか、その反対にデフレ・円高政策をいろいろやることはあると思います。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか。
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