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2014年10月11日土曜日

日銀総裁「経済状況反映した円安はプラス」、財務相は為替に沈黙―【私の論評】今の水準で"円安ガー"、"円安でも輸出ガー"と叫ぶ人は現実を見ていないただの馬鹿か、あるいはスパイかのいずれかである(゚д゚)!

日銀総裁「経済状況反映した円安はプラス」、財務相は為替に沈黙

黒田総裁
麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁は10日、ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後に記者会見した。麻生財務相は為替についてはコメントを避け、沈黙した。

一方、黒田日銀総裁はファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解を示した上で、日銀と政府の間に円安の影響について温度差はないことを強調した。

<為替発言はもっぱら黒田総裁、「政府と温度差なし」>

麻生財務相は「為替については話さない」と述べたきり、円安に関して一切発言しなかった。

これに対し、黒田総裁は饒舌(じょうぜつ)だった。「経済・金融のファンダメンタルズを反映した円安であれば全体として経済にはプラス」と述べたほか、相場変動の大きさやスピードについても「ボラティリティーが低いところから若干上がったことについて、特に大きな問題とはみていない」、「中期的にみて、市場のボラティリティーは依然かなり低い」と述べるなど、問題視しない姿勢を示した。

金融市場では日銀と政府の円安に対する姿勢の違いを懸念する声もあるが、黒田総裁は「円安が日本経済に及ぼす影響について、政府・日銀の見方に温度差があるとは思わない」と述べ、そうした見方を否定。「為替の動き含め、市場の動きの経済・物価への影響は引き続き注意深くみていきたい」と慎重な姿勢も見せた。

麻生財務相
<日本経済、緩やかに回復>

日本経済について、麻生財務相は「緩やかに回復しているとみている」と発言。世界経済についてユーロ圏を中心に懸念が強まっている状況もあるが、「世界経済については楽観も悲観もしていない」と特定の見方を明示しなかった。

黒田総裁は、世界景気の停滞感やさまざまな要因で原油価格など国際商品が下落傾向にあるなか、「日本は巨額の石油輸入国であり、原油価格の下落は日本経済にとってプラス」との認識を示した。

ただ、今回のG20では米国のルー財務長官が日本について「日銀がデフレサイクルを解消しつつあり、日本は慎重に財政健全化のペースを調整する必要がある」との見解を表明。これに対し麻生財務相は「金融政策だけではデフレを脱却できない。財政刺激も必要というのは日本は経験済み」と述べた。

【私の論評】今の水準で"円安ガー"、"円安でも輸出ガー"と叫ぶ人は現実を見ていないただの馬鹿か、あるいはスパイかのいずれかである(゚д゚)!

この黒田総裁の円安に関する発言、全く正しいと思います。現状の円安水準で「円安ガー」と叫んでいる人、頭がおかしいのではないかと思います。

たとえば、小泉政権のときは、どうだったかといえば、平均で116円でした。野田政権のときはどうだったかといえば、平均で79円でした。

これは、あくまで平均ですが、小泉政権のときは、最高で120円台までいったと記憶しています。これとは、対照的に野田政権のときは、最低で70円台までいきました。

小泉政権のときの円水準で特段何か良くないことがあったかといえば、そんなことはありません。これに対して、野田政権のときはかなりの円高で多くの企業が苦しんでいました。そうして、企業の海外展開が加速された時期でもあります。

どちらが良かったかといえば、小泉政権のときです。150円とか、200円などになれば、「円安ガー」などと叫ぶのはわかりますが、今の水準ならさほどのことではありません。

それにしても、「円安ガー」と叫ぶ人たちは、本当に目の前のことしか見ていないのだと思います。愚かです。

そもそも、現状では包括的な金融緩和をしているわけですから、相対的に以前よりは市場における円が増えているわけですから、円が少ないときよりは、円安に振れるのはあたり前のど真ん中です。

何でも、数の多いほうが価値が落ちるのは当然のことです。円も、従来よりは市場に流通する量が増えているのですから、その分価値が落ちる、だから円安になるというのは当然の成り行きです。今はこの成り行きによって、円安になっているだけです。こんなのは、小学生でもわかる理屈です。

上の記事で、黒田総裁が、難しい言葉で語っている「ファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解」はこのことを指しています。

さらに、円安でも輸出が伸びないということについて、危機を煽る人もいますが、その原因はあまりにもはっきりし過ぎています。

その原因を簡単に言うと、過去において、日本政府があまりにも円高を放置しすぎたため、たとえば、日本国内で部品を組み立てて海外に輸出するよりも、中国や韓国などの海外で組み立てたり、場合によっては、部品まで製造して組みたてて、日本に逆輸入したほうが安いなどという異常事態になったため、多くの企業が製造拠点を海外に移転したからです。

これは、異常な円高のためにそうせざるをえなくなったからですが、今度は円安になったからといって、すぐに日本生産拠点を移すことはできないからです。日本の企業が円安になっても、輸出を拡大できないような、不都合なことが発生しているというわけでも、突然日本企業の競争力がなくなったわけでもありません。

中国の工場

これについては、私などの拙い解説よりも、このブログにも頻繁に掲載している、高橋洋一氏の記事などご覧いただければ、十分ご理解いただけると思いますので、その記事のURLを以下に掲載します。
円安でも輸出が伸びない真相 5年間の円高放置の罪は重い
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、高橋氏が以下のように締めくくっています。
 円高放置は、福田政権以降の責任であるが、雇用重視のはずの民主党政権下でも円高を大きく加速させたのは情けない。本コラムの読者であれば、2国間の通貨の交換比率である為替レートは、双方の金融政策の差によって決まることをご存じだろう。 
 つまり、円高放置は、各国が金融緩和する中で、日本のみが怠ったことが原因だ。金融緩和は雇用確保にもなるのに、民主党は金融政策に無理解で、雇用重視は言葉だけになっていた。 
 率直にいえば、いったん海外に出て行った企業はなかなか戻らない。企業は円高傾向が確信された時点で海外に出て行く判断をしたように、円安傾向が一定期間定着しないと国内回帰は難しいだろう。ざっくりといえば、5年間の円高傾向があったので、5年間の円安傾向があってトントンだ。いまのところ円安の反転は2年弱なので、あと3年くらいの時間は欲しい。 
実は、小泉政権のときには、海外に生産拠点を移していた企業が、日本に生産拠点を移すということがみられるようになったときもありました。なぜそのようなことになったかといえば、現代の製造業に占める人件費の割合は、製造原価でみると、それに占める人件費(直接労務費と間接労務費の和)の割合は、平均で10%前後に過ぎません。

そのため、従来のように人件費を安くするためという理由だけで、海外に製造拠点を移すことはあまり意味がなくなってきたため、海外に移した製造拠点を日本に戻す企業もでてきたわけです。

しかし、この流れは、日銀が金融引締めに転じたため、そこで終焉し、現在に至っています

ですから、表面上や統計上は、輸出が減っているようにみえますが、海外に拠点を移したとはいっても、日本の企業ということには変わりありません。

だから、こうした日本企業による海外直接投資は収益として返ってきます。しかも、円安になったので円建てで見れば海外投資収益は大きくなるのも事実です。だからこそ、企業は、一旦海外に移した生産拠点をすぐに戻すということはないのです。

しかし、こうして海外拠点が海外に移ったことにより、本来日本国内にあれば、国内の労働者によって製造されていたはずで、その分の雇用は海外に移ったということです。

日本の工場

だから、やはり日本に生産拠点があることのほうが、日本にとっては望ましいことです。しかし、この円安水準が継続し、誰の目にも明らかになった場合、先ほども述べたように、製造業に占める人件費の割合は従来からみれば、格段に低くなったため、日本のような先進的な市場に生産拠点を構えているほうが、有利に働くので、拠点を国内に戻すことになります。

いずれにせよ、冒頭の記事で、黒田総裁が述べていたように、ファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解は正しいです。今更、金融緩和をやめて、円高水準にもっていく必要性など全くありませんし、そんなことは百害あって一利なしです。

今のこの水準で、"円高ガー"、"円高でも輸出ガー"と叫ぶ人は、過去の推移もみることができないし、企業の製造拠点の海外移転も考慮いれない馬鹿なのか、あるいは知っていても、裏に海外の勢力がついていて、その意向に沿っているスパイなのかもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年5月11日金曜日

【日本の解き方】欧州の“緊縮派”敗北は経済にプラス!―【私の論評】財政再建より、デフレ克服のほうが先であることはわかりきった事実!!日本の国民もフランス国民がサルコジにノーをつきつけたように、現政権にノーをつきつけよう!!

【日本の解き方】欧州の“緊縮派”敗北は経済にプラス!:


オランド氏
欧州で6日に行われた選挙が面白い結果になった。仏大統領選で現職のサルコジ氏が敗れ、社会党のオランド氏の当選が決まった。ギリシャでも与党の過半数割れとなり、第1党が連立樹立できずに再選挙の可能性も出てきたのだ。

サルコジ氏

共通するのはいずれも緊縮政策派が敗れたことだ。オランド氏は緊縮財政より欧州中央銀行での金融緩和を含む経済成長政策に力点を置いている。欧州の各国首脳らは、緊縮政策が選挙で選択されなかったことを理解する必要がある。

・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・

いずれにしても10年ぐらいで財政再建するという話は、不況・デフレ期に増税しないという話と矛盾しない。不況・デフレ期に増税すれば経済の回復が遅れて、結局財政再建にならないからだ。

今回の選挙結果は一時的には欧州金融市場に動揺を与えるかもしれないが、長期的には欧州経済にプラスになるだろう。

興味深いのは、消費税増税を審議しようとしている日本の政治状況への影響だ。不況時に緊縮政策はダメという常識が世界に広まる中で、日本が消費税増税という緊縮策にどのような答えを出すのか、試金石になる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】財政再建より、デフレ克服のほうが先であることはわかりきった事実!!日本の国民もフランス国民がサルコジにノーをつきつけたように、現政権にノーをつきつけよう!!

それにしても、上のようなこと、日本のマスコミは全く報道しません。日本のマスコミは、完璧に御用一般人化してしまったのでしょうか?

ヨーロッパの不況も、景気回復よりも財政均衡を重要視しすぎたというところが、主な原因です。サルコジが選挙で敗北したのも、ギリシャでも与党の過半数割れとなり、第1党が連立樹立できずに再選挙することになったのも、すべて、背後に政府がこのような考え方をしていたことが原因です。


たとえば、ギリシャですが、この国の国民は、かなりレージーで頭も悪く、セックスばかりが大好きで、どうしようもない国民であることはこのブログでも述べたことがあります。しかし、だからいって、景気が悪い時期に、緊縮財政をやっていたら、どういうことになるのかは、目ににみえていたはずなのに、それをやってしまって、税収が増えるどころか、どんどん減ったため、政府がやったのは、ドイツなどから、ユーロをどんどん借りまくり、あろうことか、ドイツの公務員よりも高い給料をギリシャの国家公務員に支払っていました。そうして、昨年現代ギリシャが開国して以来、はじめて、国家公務員の総数を把握したなどというとんでもない状況でした。とうとう、政府、国民ともに、ユーロ建で借金まみれになってしまい、あのような状況をになってしまいました。

ギリシャは、もともと小国であり、経済・軍事・社会に及ぼす影響があまりに少なく、はっきりいって、誰が大統領で、誰が首相であったかなど、全く記憶にもないし、おぼえる気もありません。まあ、今とはなっては、歴史の古い観光地であるというだけです。

しかし、フランスの場合は、今でも、人口は、六千万人以上いる大国です。また過去、特に近現代史なおいても、大きな役割を果たしたのと、日本のようにころころ変わるというこもないので。少なくとも、大統領は覚えています。その大統領の中でで、サルコジは、、フランス第五共和制の中では唯一のアホで無能な大統領でした。


ド・ゴールは、第二次世界大戦中から、戦後しばらくは、大統領でした。あのフランス独特であった、縦に高い帽子がかなり似合った大統領であり、かなり権力もありました。日本にも欲しい逸材でした。


ポンピドゥは、元ド・ゴールの最側近で、あらゆる面からみて、まともでした。


ジスカールデスタンは、今日開催されるサミットを始めた人で、それにまだ生存している人です。


ミッテラン冷戦構造の中でフランスの利益を守り抜いた社会党党首です。社会党であっても、フランス国民国家の利益を最優先したということです。どこぞの国とはかなり違います。だから、フランスや、イタリアなどの社会主義者などとは、まともな会話が成り立ちます。日本の社会主義者、共産主義者などとは違います。それに日本国解体を目論む、民主党とも全く異なります。


シラクは、元パリ市長で、90年代のバルカン危機を一人で捌きまくった人です。世界大戦勃発の危機を四度防ぎました。

同時代の指導者は、以下です。日本でいうと、九州・沖縄サミットの頃です。

日本 森喜朗首相

ウイリアム・ジェファソン・クリントン
(ビル・クリントン)大統領
米国

フランス ジャック・シラク大統領

ロシアプーチン、ウラジ-ミル・
ウラジーミロヴィチ大統領

ジャン・クレティエン首相カナダ

英国トニー・ブレア首相

ドイツ ゲアハルト・シュレーダー首相


九州・沖縄サミット
何か、つい最近のようにも思えるのですが、開催日は、2000年7月21日(金)~7月23日(日)でした。もう、10年以上も前のことなんです。そうして、この頃は、日本はとっくにデフレ状況にありました。本当に長い長いデフレです。


さて、上記の歴代フランスの大統領と比較すると、サルコジの印象は、まともな奥さんと離婚して、モデルと結婚したことと、グルジア危機でプーチンに土下座したこと、サミットで、当時のブッシュ大統領に「帰りやがれ」と怒鳴ったこと、徹底的に若い移民を弾圧したことなどしか、記憶にありません。そうして、フランスの国益よりも、グローバル化を熱心にすすめました。その結果もあってか、フランスは今日著しく不況です。

オルランド氏は未知数だから良くは知りませんが、オルランド氏も含めて、サルコジとは、決定的に異なるとろがあります。それは、サルコジがEUの利益や、グローバルスタンダードをかなり重んじて、その路線から、緊縮財政を主導したのですが、他の大統領は、すべて、フランスという国民国家の利益を重んじました。

オルランド氏は、まだ、未知数ですが、少なくとも、選挙公約では、「グローバル化ばかり推進するのではなく、いまは、まずは、国民国家フランスの利益を優先することをあげていました。


今のIMFの理事長ラガルドさんは、サルコジ大統領だったときの元財務大臣ですが、この方、日本に苦しくても、財政均衡を保つようにすべきだとのアドバイスをしていました。それをニュースワンのキャスターが、そのまま受けとめて何の反論もしていませんでした。全く、わけのわからない馬鹿な理事長だと思いました。経済に関してはサルコジ氏と同様な考え方なのだと思います。フランス国民は、サルコジ氏は無論のこと、このラガルドさん財政運営にも、結局ノーをつきつけたのだと思います。

最近では、何でもかんでも、財政均衡という考え方には、IMFの中でも意見が割れています。それに、ある人から、あろうことか、IMFは、アジアの中進国(そのほとんどが農業国)のデータを用いた、数理モデルで計算して、日本にプライマリーバランス(財政均衡)をすすめているという話しを聴いたことがあります。だとしたら、全く愚かです。いわゆる国際機関のほとんどが、目だった成果をあげていませんが、IMFもその例外ではないということです。

サミットといえば、あの菅さんの海外デビューでもある、カナダ・トロント郊外で開かれたムスコカ・サミット(主要国首脳会議)が2010年に行われました。さらにこれに続き、トロント中心部に場を移して、中国やインドなど新興国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会合が2010年26日夜(日本時間27日朝)、2日間の日程で開催されました。2009年のピッツバーグG20首脳会合以後の最大の状況変化として、ギリシャに端を発した財政健全化問題と、成長強化が中心議題となっていました。これに関しては、以前このブログでも掲載したことがあります。

当時、このサミットの最後にカナダの首相が、最後に各国に財政再建を求めました。ただし、日本は例外ということで、財政再建を優先しなくても良いとの見解を示しました。詳細は、当該ブログをご覧いただくものとして、その背景だけ簡単に述べておきます。

カナダ首相スティーブン・ハーバー
結局日本は、財政均衡が崩れてはいますが、それは、たとえば、その当時のギリシャなどとは全く異なり、日本の場合、借金の大部分占める、日本国債のほとんどが、他国とは異なり日本国の国民もしくは、法人が円建てで購入しているという事実がありました。この場合、確かに、政府は国民からは借金をしていることになりますが、国自体としては、借金などしていないということです。それどころか、日本は、海外金融純資産(世界に貸し付けている金融資産)は、当時から世界最大260兆円前後でした。しかも、過去20年間一位の座を保っています。これは、バブルの時よりも増えています。実際、国債の購入の96%もが、国内で自国通貨で購入されている国は、その当時も今も、日本とカナダくらいなものでした。



だからこそ、カナダ首相は、日本は例外としたのです。それは、国債の購入のあり方が、日本と同様だったカナダ首相だからこそ、理解できたことだったと思います。全く、IFMの理事長よりも、日本の首相よりも、日本の経済を理解しているのだと思います。カナダは、国債のほとんどが、自国民もしくは、自国法人が自国通貨で購入しているということもあり、金融危機や、リーマンショックの影響はほとんど受けていません。こんなこともあり、ハーバー首相の経済運営には、定評があり、国民の信任も厚いです。あっというまに、首相の座から下ろされた、菅さんとはえらい違いです。ちなみに、上の写真は、当時のサミットのとき、他国の首脳同士は交換しているのに、左はじにポツンとたたずむ、菅さんです。

しかし、今となってみれば、ハーバー首相、日本とカナダの経済に関しては、見立ては正しかったのですが、他の多く国が金融危機などて不況であるにもかかわらず、財政再建を優先させるという見立て違いをしてしまったということです。たとえば、アメリカは、300兆円にもおよぶ対外債務(外国から借りているお金)がありますが、そのほとんどすべてが、自国通貨ドル建によるものであり、いくら借金をしていても、自国通貨によるものであれば、財政破綻をする可能性は低いです。にもかかわらず、アメリカでも、不況であるにもかかわらず、財政再建、緊縮財政を主張す輩もあらわれましたが、最近ようやっとなりを潜めつつあります。

ギリシャのような対外債務、それも、自国通貨ではなく、ユーロでの債務が多い国も、不況の最中に緊縮財政ばかりやっていれば、長い目でみれば、不況に陥り税収は減り、財政再建することはかなわなくなります。それは、どの国でも同じことです。最近、こうした一見もっともらしくみえる財政再建の罠に気づく国々が増えてきました。

その一つがフランスということです。カナダ首相ですら見立て違いをした、不況の最中に財政再建をするという愚かな、経済運営をフランス国民は、ノーといって退けたということです。オランド氏が公約したように、フランスの国益を考えEUの意思に従って、財政再建を優先するのではなく、当面の経済対策である、金融緩和、政府による財政出動などを速やかに行えば、フランス経済は好転すると思います。

それにしても、日本の場合、どこまでもどこまでも、緊縮財政、金融引き締めを行うことばかりに執着しています。そのため、もうすでに、失われた10年が、20年になりそうです。へたをすれば、30年になりかねません。そうなれば、豊かな日本であるはずにもかかわらず、デフレの泥沼に沈ん、とんでもないことになります。雇用も最悪になります。所得も増えるどころか、減ることになります。未来への展望がみえなくなります。自殺者も増えます。

世界の趨勢がこれだけ変わってきているのですから、政府も、日銀もはやく目覚めてほしいものだと思います。それに、フランスのように日本国民も目覚めてほしいです。不況のときに、増税しても、それは、結局緊縮財政をやっていることで、経済は悪くなるばかりです。さらに、税収も減ります。税率をあげたからといって、増収になると考えるのは、単なる錯覚です。税収を増やすには、まずは、デフレを克服しなければならないはずです。それに輪をかけて、中央銀行が、金融引き締めばかりやるというのでは、どうしようもありません。日本国民も、増税などで、緊縮財政ばかりやる政府、金融引き締めばかりを行う日銀には、ノーを突きつけようではありませんか!!それに、世界の趨勢に乗り遅れた自民党もデフレのときに増税するというのなら、ノーを突きつけましょう。マインドコントロールされることなく、自分の意思でノーをつきつけましょう!!



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