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2019年10月30日水曜日

トランプのバグダディ作戦成功に旧来メディアがびくつく本当の理由―【私の論評】反トランプのためなら、人殺しを聖職者にする、焼きが回った米国メディア(゚д゚)!


<引用元:フェデラリスト 2019.10.28>モリー・ヘミングウェイ編集主任による論説

旧来の報道機関は、米軍がISIS指導者のアブバクル・アル・バグダディに対する作戦に成功したというトランプ大統領の発表に、彼らのトレードマークである敵意と怒りで反応した。それというのも議論の余地なく良いニュースによって、外交政策を形成し、大統領を弾劾し、2020年にトランプを打倒するためのコーポレイト・メディア(企業の利益、価値観に支配された主流メディア)の目標が脅かされるためだ。

「昨晩は米国と世界にとって素晴らしい晩だった。残忍な殺人者、大変な困難と死を引き起こした人物が乱暴に抹殺された――彼が他の罪のない男性、女性、また子供を傷つけることは二度とない」「彼は犬のように死んだ。臆病者のように死んだ。世界は今はるかに安全になった」とトランプは27日、国民に伝えた。

ところがメディアは、アルカーイダ指導者のウサマ・ビンラディンに対する同様の作戦の成功を、オバマ大統領が発表した時のような称賛と興奮の反応は示さなかった。多くの報道機関は自分たちのベッドを汚すような態度を取ったが、その努力を代表するのがワシントン・ポストだ。まずバグダディを、政治的・宗教的反対者を残忍に強姦し殺害した人物ではなく、「厳格な宗教学者」として聖人のように扱い、バグダディの死をどうにかしてトランプにとっての否定的な話として偏向解釈するにまで及んだ。実際次のように:


トランプ政権の成功の純粋な良いニュースを、掛け値なしにマイナスであるように偏向解釈しようとするには努力が必要だが、コーポレイト・メディアは果敢に挑戦した。それというのも、このような成功は彼らが国民の話題に無理やりねじ込もうとしている作り話を弱めるからだ。

1)肯定的な報道はトランプを倒そうというメディアの努力を損なう
コーポレイト・メディアは、少なくとも本当のニュース報道のために関心を投影することから、臆面のない政治活動家に変わってしまった。そのため彼らは――これまでの微妙に偏った解釈とは対照的に――議論の余地のない事実を伴う主要ニュースさえ偏向して解釈できる。

2016年大統領選挙はヒラリー・クリントンにとって屈辱的敗北だったが、政治的なメディアにとってもそうだった。報道機関は自分たちが高い給料をもらってニュースを書き、放送している選挙民を全く理解していなかった。彼らはトランプが勝つ見込みはないと自信たっぷりに断言し、ジャーナリストの基準を放棄することは、トランプがもたらす明白な破滅を理由として正当化できるのだと自分たちを納得させた。

ところがトランプ政権は内政と外政で成功の兆候を示してきた。メディアがこれまで達成はほとんど不可能だろうとしてきた雇用と賃金上昇も含めて、経済は好調だ。これは減税、税制改革、そして前例のない規制撤廃によるものだ。新たな戦争は起きなかったし、ましてやメディアが予測した世界が滅亡するような核戦争もなかった。長く延び延びになっていた中国との再調整は行われているところだ。

国にとっての良いニュースは、メディアとその政治的な仲間にとって悪いニュースなのだ。

大統領に対する戦争で彼らが利用できるツールの1つが、大統領の成功を誠実に報道することを否定することであり、そうした成功を誠実な形で話題にするようなニュース編集をすることがますます困難になっている。

2)ISIS創設者の死がメディアのシリア報道を複雑にさせる

急襲ニュース前の旧来メディアの態度は、彼らの大好きな土曜の夜の番組のオープニング・コントが最もよく表しているかもしれない。サタデーナイト・ライブ(SNL)の最初の寸劇はトランプ支持者をばかにし、トランプ集会での演説者という設定だった。あるネタではISISメンバーが、「あなたが自由にしてくれるまでシリアで収容されていた・・・ISISに雇用を取り戻してくれて感謝の意を表したい。ISISを再び偉大にすることを約束する!」というものだった。

そのパロディーは、ニューヨーク・タイムズの10月21日の「ISIS Rejoices As U.S. Withdraws From Syria.(米国のシリア撤退でISIS歓喜)」という記事とそう変わらないものだった。

記事は、シリア――オバマ大統領が十数回以上「地上軍」はないと約束したにもかかわらず、また議会がその場所での武力の行使を許可していないにもかかわらず、何千名もの兵士がいた国――からの撤退が関係する全員にとって最悪の事態になる、とするものだ。

トルコ、シリアのクルド人、ロシアなどとの協力を必要とした作戦成功の後、バグダディの死は少なくともその話を複雑にしている。トルコとの最近の出来事がこの目標達成に寄与したかもしれないということが、話を複雑にしている。シリア外に駐留していた部隊からデルタ・フォース(米陸軍の対テロ特殊部隊)が入ったことが、話を複雑にしている。そしてSNLがISIS撃破について大統領を批判していたまさにその瞬間にこの全てが起きたという事実が、話を複雑にしている。

超党派の外交政策コンセンサスがISISの増大と米国に対する勝利を断言していた中で、米軍は実際バグダディを捕らえるか、殺害することを計画していた。トランプの外交政策のアプローチに「かかわらず」このことが起きたと、メディアは偏向して解釈しようとしているが、その議論にはトランプ錯乱レジスタンスを離れては、ほとんど説得力がないだろう。

3)トランプの外交政策の成功はメディアの弾劾促進を損なう
弾劾の最大の擁護者はメディアであり、2016年大統領選挙とロシア共謀の作り話の失敗後、面目を保とうとしている。彼らが民主党に、困難に満ちた道のりだというのに手続きを開始するよう強制したようなものだ。

昨日の日曜朝の番組は――どこの局もどの司会者も――全て、弾劾の火にさらに油を注ぐ予定だった。実際には、イスラミック・ステート打倒のための戦いにおける大成功を報じざるを得なかった。

作戦を監督した大統領を弾劾することは、メディア、民主党、また他のレジスタンスメンバーからのノンストップの、数年にわたる運動を生き延びた大統領をただ弾劾することよりもさらに悪く見える。弾劾を存続させるためには、メディアはその話を軽視して、迅速に批判能力なく繰り返される民主党の論点に戻る必要があるのだ。

そういうわけでメディアはバグダディ発表の日に、ワシントン・ナショナルズのワールドシリーズの試合で、ファンが大統領にブーイングした話に急速に方向転換した。2016年に96パーセント(誇張ではない!)がトランプに反対し、その後選挙区に対する反対運動をしている町が大統領にブーイングした事が報道価値のある事であるなら、その理由は国や大統領のことを問題にするからではなく、自分たちのことを問題にしているからだ。

それでもそれが、自分たちにとって望ましい弾劾の促進に戻り、自分たちが愚かに見えるようにする話から離れるための手段なのだ。

政敵を倒したいと考えるメディアがいることは理解できるが、米国にとって間違いなく良く、国をもっと安全にする成果に対しては、もっとうまく怒りを隠してもいいだろう。

【私の論評】反トランプのためなら、人殺しを聖職者にする、焼きが回った米国メディア(゚д゚)!

上の記事は、少し翻訳が難くて、理解しづらいものとなっていますが、結局のところ米国メディアも日本のメディアがとにかく安倍嫌いであるのと同じように、トランプ嫌いであることを示しています。

このブロクでは、過去にも何度か米国メデイアの特徴について掲載してきました。その内容を理解していないと上の記事の内容も十分に認識できないかもしれないので、再度米国のメディアについて掲載しておきます。

米国の大手新聞は、すべてがリベラル系です。日本でいうと、朝日新聞や読売新聞のようなリベラル系の新聞です。日本でいうと、産経新聞のような保守系の大手新聞はありません。

日本で、朝日新聞や読売新聞のような新聞だけを読んでいると相当偏向しているので、日本の実体がわからなくなるのと同じく、米国で大手新聞を読むと米国の実体がわからなくなってしまいます。今回のトランプ政権のバクダディ排除のニュースに関しても、米国大手新聞新聞を読んでいると実体がわからなくなります。

上の記事では、その実体をワシントン・ポストなどを例にとって解説しているのです。確かに、新聞でも保守系新聞は存在するのですが、その全部が小規模な新聞社です。全部が、地方紙です。

一方米国の大手テレビ局は、FOXnewsだけが保守であり、他はすべてがリベラルです。そのため、あまり力はなく、結局のところ米国のメデイアの力や能力も加味すると、90%がリベラルメディアに占められているといっても過言ではありません。

そのような米国の大手メデイアだけから、情報の収集をすれば、日本でいえば、朝日新聞や読売新聞だけを読んで、産経新聞などは読まないというのと同じで、読者の考え方が偏向するのは当然のことです。

バクダディの排除に成功した、トランプ大統領に対する米国メディアの反応に関しては、一昨日にもこのブログに掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
アルバグダディ排除がトランプのシリア撤退に対する民主党の断固とした率直な批判に一石―【私の論評】劇的に有利となったトランプ氏の大統領選(゚д゚)!
排除されたISの指導者アブ・バクル・アルバグダディ
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事の結論部分を以下に引用しておきます。
今回のアルバグダーディ容疑者死亡発表のタイミングですが、来年の大統領選に向けて与野党ともに盛り上がり始めた中でトランプ大統領はいわゆる「ウクライナ疑惑」をめぐって民主党から弾劾の追求を受け、またシリアからの米軍撤兵に対して与野党から批判を浴びているところでした。 
しかし、この奇襲作戦を命じ成功させたことで合衆国軍隊の「最高指揮官」としての役割を果たして「リーダーシップに欠ける」という批判をひとまず回避できそうです。また、今回の作戦ではトルコやロシア、さらにはクルド族の支援も受けたと発表して、先の米軍撤兵も正当化できるでしょう。 
世論調査で、すでにトランプ優勢となっています。今回の出来事は、オバマ前大統領のように、再選に向けての不利な潮目が変わる程度のことではすまないような気がします。トランプ圧倒的有利という具合になり、今後の米国政局はそれを前提にしないと考えられなくなるかもしれません。
ちなみに、世論調査では今年の春の時点から複数の調査会社でトランプ有利という結果でした。

今月に入ってからは、1980年の大統領選以来、一度しか予測を外したことのないムーディーズ・アナリティカがトランプ勝利を予測しています。

このような状況ですから、米国民主党ならびにこれを応援する米国メディアには、よほど余裕がないとみえます。

だから、トランプ氏をできもしないことが最初からわかっているのに、弾劾しようとしてみたり、あろうことか、トランプ政権による、バクダディ排除の手柄も、単純に称賛することもなく、「厳格な宗教学者」として聖人のように扱い、バグダディの死をどうにかしてトランプにとっての否定的な話として偏向解釈するにまで及んでしまったのです。

そもそも、今回のバグダディ排除の作戦は、ISの拘束下で死亡した援助活動家の米国人女性の名を冠した作戦名『カイラ・ミュラー作戦』でした。

ホワイトハウスは今回の作戦名が、2015年に死亡が確認されたカイラ・ジーン・ミューラー(Kayla Jean Mueller)さん(当時26)に敬意を表したものだったと述べました。

カイラ・ジーン・ミューラー

国際人道支援団体「デンマーク難民評議会(DRC)」で働いていたミューラーさんは、2013年にシリア北部アレッポで病院を訪問中に拉致され、翌14年に身柄をバグダディ容疑者に引き渡されました。その後ミューラーさんは、バグダディ容疑者から繰り返し性的暴行を受けていたとみられています。

ドナルド・トランプ米大統領はバグダディ容疑者の死を発表した会見の中で、ミューラーさんについて「若く美しい女性」だったと言及しました。

ISは、2015年2月にシリア北部ラッカ(Raqa)近郊で米軍主導の有志連合がISに対し実施した空爆でミューラーさんは死亡したとしています。ところが、ミューラーさんの死の具体的な状況は明らかになっておらず、遺体も発見されていないことから、両親のカールさんとマーシャさんは今も一抹の希望を抱いているそうです。

このような犠牲あり、さらにISによっては多大な犠牲を被った人たちが大勢います。命を落とした人も、多数です。

『カイラ・ミュラー』作戦でバグダディを追い詰めたとされる軍用犬

仮にも、米国のメディアがいくらトランプが大嫌いだからといって残忍な犯罪組織の指導者バグダディを、「厳格な宗教学者」として聖人のように扱うというのは、あり得ないことです。焼きが回ったとしか思えません。

米国リベラル・左翼の人たちでも、バグダディを聖職者のように扱うことには抵抗のある人も多いと思います。

次の大統領選挙でも、米国メディアはどのようなことでも、利用して、ネガティブなトランプ報道を続けた挙げ句に、また大統領選の報道に失敗して地に墜ちるのではないでしょうか。

このようなことを繰り返しているうち、米国メディアは多くの人から信頼を失い、崩壊するのではないでしょうか。

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2016年3月23日水曜日

【朝日新聞研究】朝日の手法は報道というよりキャンペーン 「日本死ね」問題と安保法制反対の類似―【私の論評】「日本死ね」は、福島産の小麦粉で作ったラーメンに「人殺し」というのと変わりなし(゚д゚)!


待機児童問題を報じる朝日新聞の紙面

保育所の待機児童問題に関するブログが評判になって、自民党がその対処に躍起となっている。

それは、「保育園落ちた日本死ね!!!」と題する匿名のもので、「何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか」などと記している。

待機児童問題は深刻かつ重要だが、実に品のない言葉遣いで、日本国家を呪詛(じゅそ)しているように読める。

ブログは2月15日に出され、民主党の女性議員が同29日の予算委員会で取り上げた。その後、広く話題となったが、これには朝日新聞の報道も影響しているようだ。

朝日新聞はまず、3月2日の投書欄で地方公務員の女性が自己の体験に基づいて「乱暴な文章だが気持ちは分かる」と紹介し、4日夕刊には「待機児童問題 広がる共感」という記事を掲載した。それによると、ブログの筆者は30代前半の女性と名乗ったこと、共感する人々が多いこと、政府の答弁に反発する声があることなどが述べられている。

翌5日には、天声人語がこの問題に触れ、6日には前日に行われた、国会前の抗議行動を、カラー写真入りで報じている。安倍晋三首相が国会で「匿名である以上、確認しようがない」と答弁したのに対し、自分たちが実際の体験者だと名乗り出たもので、子供連れで「保育園落ちたの私だ」といった、プラカードを掲げている。

原発反対、安全保障法制反対の行動と極めて酷似している。朝日新聞の記者が写真を写しているから、事前に連絡があったのだろう。

9日には「ブログ『保育園落ちた』共感広がる」「政権一転 改善へ意欲強調」と、自民党も対応乗り出したと報道した。10日には総合面で「保育制度充実を 2万7千人署名」「『保育園落ちた』きっかけ、国に訴え」と、母親が子供連れで、署名を塩崎恭久厚労相に提出したことを伝え、生活面でも「『保育園作れよ』実現するには」と、識者の意見を報じている。

その後も、12日には天声人語で一連の動向を絶賛し、13日には社説で総括的に取り上げている。まことに連日の報道で、これは報道というより明白なキャンペーンではないのか。その目的は安倍政権にダメージを与えて、政権交代に導くことにあるように思えてならない。

しかも、その手法には、大いに疑問がある。そもそも、正しいと思ったことを言うのなら、どんな表現をしても構わないのだろうか。

今回は「日本死ね」という刺激的な表現が使われて、注目を集めた。

だが、「死ね」とは、朝日新聞が徹底的に批判した、かの「在特会(在日特権を許さない市民の会)」のヘイトスピーチ(憎悪表現)と、変わらないではないか。あまりにも極端なダブルスタンダードである。

■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。

酒井信彦氏

【私の論評】「日本死ね」は、福島産の小麦粉で作ったラーメンに「人殺し」というのと変わりなし(゚д゚)!

まず最初にはっきりさせておきたいのは、あまりにも当たり前のど真ん中なのですが、ある個人の子供が保育所が落ちたことと、日本が死ぬ生きるとは、そもそも全く何の関係もありません。一億総活躍社会を目指すということと、一個人の子供が保育園に入れなかったことも直接関係はないです。個人が活躍できるできなことと、日本の生き死には全く関係ありません。

このブログ記事は、個人の問題と国や社会の問題等をごちゃまぜにして、ないまぜにして論じているという点で、全く無意味です。無論、保育所の問題を批判するなとはいいません。だからといって、このような発言をしたり、ブログに書いたりすることは意味がありません。物事は、きちんと分けて論じなければ、筋が通りません。自分の私生活が思い通りに行かないことと、日本という国家を同列に並べること自体が非常に異様で、奇異です。

そうして、このブログの作者には、国とか社会に自分が属している観念がないようです。本当になんと言ってよいのか、無様な個人主義とでも評したくなるような利己的な内容です。

完璧な国や完璧な社会などもともと存在しません。その不完全な社会を変えていこうするのは、正しいことです。しかし、そこで、「日本死ね」などという発言をしてしまえば、自分の属している、社会、国を否定することになります。

社会や国を否定するなら、そこから出ていくしかなくなります。そもそも、この方は、そこまで深く物事を考えていたり、覚悟があって書いているとは到底思えません。利己的な上に、浅薄です。

ちなみに、「日本死ね」という言葉が掲載されていたブログのリンク先を以下に掲載します。


ブログ冒頭の記事で、坂井氏は今回の朝日新聞の「日本死ね」報道に関して、"これは報道というより明白なキャンペーンではないのか。その目的は安倍政権にダメージを与えて、政権交代に導くことにあるように思えてならない"としていますが、まさにこの通りであると思います。そうして、よくもこのような「死ね」などと掲載しているブログを、キャンペーンの中心に据えたものだと思い、朝日新聞もかなり異常だと思います。

このキャンペーンという言葉、戦時中の朝日新聞による、戦争煽り報道を彷彿とさせます。結局、何を煽るかということでは異なりますが、朝日新聞は、創業以来キャンペーン姿勢は、今も昔も微塵も変わっていないのです。以下は、戦時中の朝日新聞の紙面です。



このブログ、「死ね」という言葉も汚いですが、全般的に言葉が汚いです。

それにしても、最近では普通に「日本死ね」とか「安倍死ね」などという言葉が何のためらいもなく遣われています。「死ね」などという言葉を安易に遣って良いはずがありません。

どうして、このような言葉遣いがこの日本で横行するようになってしまったのか、本当に残念なことです。このように「死ね」という言葉が、日常的に横行するようでは、いじめで「死ね」と安易に言ってしまう、中高生が出てくるのも無理からぬことであると思ってしまいます。いや、それどころか、企業内のパワーハラを助長することにもなると思います。


何しろ、言葉遣いや立ち居振る舞いなど本来国民の規範ともなるべき国会議員が国会での審議の最中に「死ね」という言葉を含んだ文章を読み上げてみたり、朝日新聞のような大手全国紙が、平気で「死ね」などという言葉を取り上げ安倍政権妥当キャンペーンを実行してみせたりするのですから、中高生あたりでも、自分の考えを実現するために「死ね」という言葉を遣うことにお墨付きを得たようなものです。

本来ならば、ブログにいくら「日本死ね」という言葉が書かれてあったにしても、国会の審議では、趣旨説明をして、「切実な訴えがあった」とか、「過激な言葉を遣って訴えていた」くらいで留めるべきだったでしょう。

これでは、国会議員や、大手新聞がこぞってヘイトスピーチを奨励しているようなものです。これに対して、政府側も、いくら火消しのためとはいえ、実際に政府がそのヘイトスピーチわ受けて安易に動いてしまったことにも、憤りを感じます。これでは、「日本死ね」などの過激な言葉遣いをすれば、政府も動かせるという前例を作ってしまったようなものです。政府側も、もうこのような挑発には絶対に乗らないようにすべきです。

そうして、このようなことを助長したのが、衆院予算委員会で質問した山尾志桜里議員(民主党)であり、朝日新聞をはじめとする、マスコミです。そうして、これではまるで、国会議員や新聞が、個人ブログの下請けをやっているようなものではありませんか。最近では、国会議員が週刊誌の下請けをやっていると思っていたら、それ以下の議員も存在したということです。

「日本死ね」という言葉を受けて、政府も動くなとはいいませんが、それにしても、もっとやり方があったと思います。そもそも、政府がこの問題について、過去に何もやってこなかったということはありません。過去においては、保育所数は劇的に増えているのですが、待機児童の数は少なくなっていないという事実もあります。これについては、以下にグラフを掲載しておきます。



上記のグラフをみても明らかに、保育所数は増えています。H26年までは、確かに少しずつ待機児童数が減っています。しかし、H27年は増えています。

だからといって、私は、政府は十分やっているから、批判には当たらないというつもりはありません。政府や直接対応する地方自治体に対しては、どんどん批判をすべきと思います。それは、実施しても良いと思います。でもやり方というものがあります。

また、今までの解決方法ではなかなかうまくいかないということで、高橋洋一氏がこの問題をシェアード・エコノミーで解決すべきであることを提言しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
待機児童問題を解決する、ある大胆な提案
しかし、私が主張したいのは、そのようなことではありません。あくまで、品位の問題と、論点をはっきりさせた、議論をすべきであるということを言いたいのです。そうして、国会議員や、マスコミが本来実施すべきことを実施しないことに対する憤りも感じます。

本来であれば、「死ね」などという言葉遣いなど、いくらそういうブログの投稿があったからといって、それをそのまま国会で審議中に読み上げたり、大手新聞がそのまま引用したりすることなど、すべきではありません。

国会議員なら、ただたんにブログを読み上げて、政府を批判するにとどまらず、改善方法、改革方法を提言すべきでした。ブログ見た、それを公の場で読み上げて批判するというだけなら、別に国会議員でなくてもできます。

マスコミも、朝日新聞のようにただただ、批判するだけではなく、この問題の背景を分析するなどして、報道すべきです。待機児童問題は、前から指摘されていることであり、何も今始まった問題ではありません。それを単なる安倍政権打倒キャンペーンにつかうというのでは、まともではありません。

「死ね」は小学校でも禁止されている言葉
こんなことで良いはずがありません。社会には、待機児童問題に限らず、なかなか自分の思い取りにならないことなど山程あります。それに対して、自分の思い通りにならないからといって、「死ね」という憎悪表現を語ったり、ブログに書いてみたり、またそれを国会議員や大手新聞がそのまま引用するなど、本来絶対にあってはならないことです。そうしてそれに、総理大臣が振り回さるようなことがあってはならないです。

そんなことをいちいち許容していては、総理大臣はありとあらゆる人の不満を聴かなければならないことになり、本来の仕事など何もできなくなります。

そうして、私も、このブログで、民主党の幹部などをかなり辛口で批判することもありますが、さりとて、「死ね」などという言葉を用いたことはありません。さすがに、このような言葉を用いるのは、憚られます。当然のことながら、このような言葉遣いをすれば、自分の人格が疑われでしょうし、そもそも、最初からこのような言葉遣いなどできません。それが、まともな人間(最初大人と書こうと思いましたが、それではまともな子どもたちに対して失礼なので人間に改めました)というものです。

言葉遣いといえば、最近これまた酷い事例がありました。

バラエティー番組「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)の20日の放送で、男性アイドルグループ「TOKIO」が完成させたラーメンについて、 ミステリー作家の藤岡真(しん)氏(65)がツイッターに「福島の小麦から作った麺なのかよ。人殺し」などと書き込んだことから批判が殺到、藤岡氏が謝罪する騒動になりました。 

以下にそのツイートをそのまま掲載します。

TOKIOが作ったラーメンは「世界一うまいラーメンつくれるか!?」という番組企画の一環で、福島産の最高級小麦「春よ恋」が使われていました。これについて藤岡氏は20日の放送後、「TOKIO。究極のラーメンて、福島の小麦から作った麺なのかよ。人殺し」「未だに『食べて応援』している馬鹿がいて頭が痛くなる」などとつぶやいたのです。

これに対し、ツイッターでは「文筆活動家にもかかわらず、言葉を全く大切にしていない。 

自分の発言が、福島県に在住している全ての人に対する侮辱で、農家や検査に携わった人達への中傷だ」「こういう人がいるから風評被害ってなくならないんだろうね」などと批判の声が殺到しました。

この騒ぎに藤岡氏は問題となったツイートを削除。23日のツイッターで「わたしの無神経な発言が、多くの皆様を傷付けることになり、大変申し訳なく思っております。
 
福島県の皆様、TOKIOの皆様、鉄腕ダッシュの関係者の皆様に深くお詫び致します。本当に、申し訳ありません」と謝罪し、ツイッターを休止すると書き込みました。

作家百田尚樹氏は、この出来事について以下のようにツイートしています。
このツイートの◯◯さんとは、前後関係から、藤岡氏だと思います。
この作家哀れですね。こんなバカ真似をして何になるというのでしょうか。しかも、年齢は65歳です。このような発言をツイートしてはいけないことくらいわかりそうなものです。

しかし、この藤岡氏のツイートと、「日本死ね」のブログとは、本質的には似たようなものです。自分の思い取りにいかないから、その鬱憤を晴らすために、過激な「言葉遣い」をするという点では本当に似ています。しかも、福島産の小麦粉を用いたラーメンと、殺人とは何の関係もありません。

何も関係ないものを並列に並べて、自分の鬱憤を晴らすために論じるという点では「日本死ね」と似たような論法です。

そうして、今の日本では、このようなことが横行しています。藤岡氏の場合は、たまたま国会議員がとりあげるわけでもないし、大手新聞が取り上げるわけでもないので、彼一人だけが非難されるという結果に終わっているだけです。

こんなことを書くと、「日本死ね」のブログを書いた人は、待機児童問題で困っているではないかと、藤岡氏は何も困ってはいないではないか、言われる方もいらっしやるかもしれません。しかし、藤岡氏は、百田氏のツイートからも類推できるように、売れる本が書けないというどす黒い情念と、執念があるようです。

しかし、世の中には、待機児童問題や売れる本が書けないことなどよりさらに困っている人も大勢いるのです。たとえば、日本の若者の自殺者数は、先進国中では最高の水準にあります。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。
若年層の自殺がG7でトップ。日本の若者はなぜ死を選ぶ?―【私の論評】自殺率の高さの原因は、若者の精神的な弱さではない!過去のデフレによる悪影響が未だ残っているせいだ(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、本当にこれは深刻な事態です。日本の自殺者そのものは、デフレの真っ最中の時には、三万人台でしたが、2011年あたりから減り2万人台になり、最近も減る傾向にあります。これは、まずは最近は従来よりは、経済が良くなったこともあり、さらに毎年政府は、自殺対策に予算を割いています。この両方が、功を奏して自殺者数が減ったのだと思います。

ところが、若者の自殺者数が他先進国に比較して、突出して多いということは今でも変わりがありません。

自殺された若者の関係者や、特に親御さんは悲嘆にくれているでしょう。そうして、なんとかならなかったものかと考えておられることでしょう。そんな人たちからすれば、「日本死ね」のブログは、とんでもないものと映るに違いありません。

あのようなヘイトスピーチで国が動くというのなら、自分たちだって、そうしたかったと思うかもしれません。しかし、そのようなことをしても、亡くなった方は生き返らないのです。そんなことよりも、私たちは、若者の自殺者を少なくするような社会を目指すべきです。そんなときに、憎悪表現を用いて、政府や社会を非難しても何の解決にもならないのです。

それに、あの拉致被害者の家族の方々はどう思われるのでしょうか。北朝鮮や政府に対して、ヘイトスピーチをしたりば、問題が解決するはずもありません。最初からそんなことは、わかりきっているので、そんなことをする方もいません。

「日本死ね」「人殺し」などの言葉が横行する日本社会、本当にどこか病んでいるとしか言いようがありません。その根底には、経済でけではなく、言い知れない、どす黒いルサンチマンがあるに違いありません。

さて、福島のことを話題に出しましたが、福島には、福島の放射線量について、丹念に調べてレポートにまとめた素晴らしい高校生たちがいました。それについては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
被ばく量「国内外で差はない」 福島高生、英学術誌に論文―【私の論評】発言するならこの高校生たちのように感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行え(゚д゚)!
福島の高校生たちが調べた被ばく線量に関する結論

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、この記事では、福島県など国内とフランス、ポーランド、ベラルーシ各国の高校生の外部被ばく線量を比較研究してきた福島高スーパーサイエンス部は、被ばく線量について「ほとんど差はない」と結論づけ、論文にまとめたことを掲載しました。そうして、この論文は英国の学術専門誌「ジャーナル・オブ・レディオロジカル・プロテクション」に掲載される運びとなったことも掲載しました。

そうして、私はこの記事の結論として、以下の内容を掲載しました。
いずれにせよ、何か発言したり行動するならこの高校生たちのように感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行えと、声を大にして言いたいです。
これと同じく、国会で発言したり、新聞が報道する際には、エビデンス (証拠・根拠、証言、形跡)をもとにすべきです。

そういうと、ブログもエビデンスではないかというかもしれません。しかし、ブログの記事とか、人の発言そのものはエビデンスとはいえません。それは、単なる一次資料(事実)にしかすぎません。エビデンスと、資料は異なります。

エビデンスとは、この高校生達が実施したように、体系的な調査を経てある程度事実を分析したうえで初めて得られるものです。

国会議員が国会で発言したり、新聞が報道をする際には、単なる一次資料に基づくだけでは不十分です。ある程度調査をした後、エビデンスにしてから、発言、報道をすべきです。

そうして、この高校生たちの比較研究の論文には、憎悪表現など含まれていません。含まれていれば、そもそも、ニュースにもならないし、学術論文に掲載されることもなく、誰にも評価されず、単なる理科実験で終わってしまったことでしょう。

これが、当たり前であって、憎悪表現を含むブログなどに注目した、国会議員や朝日新聞は、どこか根性がひね曲がっています。おそらく、待機児童について書かれたブログであっても、憎悪表現など一言も遣わずとも、人の心を打ったり、琴線に触れるようなものがあるに違いありません。

私自身も、いくつかそのようなものを見たことがあります。そのようなものを用いれば、多くの人々の共感を得られたかもしれません。

そうして、このような愚かな国会議員や、新聞、そうして「殺人」などという言葉を遣う作家に比べて、この高校生たちのような行動こそ、社会人としてまともな行動なのです。それをできない、国会議員や朝日新聞など、しばらくの間は、ショッキングな話題で、一見成功したようにも見えますが、時を経れば、効果は薄れ、来るべき選挙のときにはそんなことは、有権者の頭にほとんど残っていないことでしょう。残っていたにしても、悪いイメージだけで、とても安倍政権の打倒につながるものではなく、かえって逆効果になることでしょう。

最後の結論として、上下左右など全く関係なく、すべからく社会人が発言・発信するなら、特に公に発言・発信するなら、いかなる場合も憎悪表現は禁忌とすべきです。そうして、当然のことながら、発言・発信は、エビデンスに基づいてするべきです。

これが、あまりにも常識的なのですが、当たり前の社会人のあり方です。これができない、国会議員や新聞記者やデスクや作家など、もう一度小学生から常識を学び直すべきです。

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