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2017年7月10日月曜日

翁長氏打撃 那覇市議選で知事派後退、過半数割れ 県内3市長選全敗に続きお膝元でも―【私の論評】翁長知事の終わりの始まり。宜野湾市長選が分水嶺に(゚д゚)!

翁長氏打撃 那覇市議選で知事派後退、過半数割れ 県内3市長選全敗に続きお膝元でも

翁長雄志沖縄県知事
 任期満了に伴う那覇市議選(定数40)が9日投開票され、10日未明にかけて開票の結果、翁長雄志沖縄県知事を支持する勢力が改選前(欠員5、総数35)の20人から18人に後退し、過半数を割った。

 那覇市長を務めた翁長氏のお膝元に当たり、翁長氏は今年実施された県内3市長選に続く敗北となった。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設阻止に向けて打撃となりそうだ。

 翁長氏は、来年1月に見込まれる名護市長選と来年秋の知事選を見据え態勢の立て直しを迫られる。

 翁長氏の不支持派は9人、支持・不支持を明確にしていない中立派は13人で、多数は支持派が保った。67人が立候補した。

 翁長氏は、今年実施された宮古島、浦添、うるまの県内3市長選で新人を支援して自民党が推す現職・前職に挑み、全敗を喫していた。

 那覇市の城間幹子市長は、知事に転身した翁長氏の後継で、名護市の稲嶺進市長とともに翁長氏を支えている。

【私の論評】翁長知事の終わりの始まり。宜野湾市長選が分水嶺に(゚д゚)!

那覇市長城間幹子氏
9日投開票の那覇市議会議員選挙で市政与党が過半数に届かなかったことを受け、城間幹子市長は10日、市役所で報道陣の取材に応じ「非常に厳しい結果だった」と答えました。

城間市政や翁長雄志県政を支える新風会など「オール沖縄」勢力が議席を減らしたことについて「敗因を分析し、今後の対応を考える必要がある」と話しました。来年の知事選や那覇市長選、辺野古新基地建設の反対運動に与える影響については明言を避けました。

中立系の候補者が議席を伸ばしたことは「意外だった」とし、課題解決に向けて「市議会の中でいろいろな議論をしながら、市民の暮らしの向上に努めたい」と、与野党・中立の協力を強調しました。

今後の市政運営については「真摯(しんし)に市の課題に対応し、支援の声が広がると信じたい」と緊張感をにじませた。



中立系の候補者が議席を伸ばしたということは、やはり都議選の結果を思い起こさせます。昨日は都議選の結果の辛坊氏の分析を掲載しました。その内容を以下に簡潔にまとめて掲載します。

都議選で、都民ファーストが大勝利したのは、維新が大坂で勝った時と同じで、都市部の有権者は受け皿ができれば流されやすいという事実を示したといえます。今回の都議選においては森友・加計学園問題や閣僚の問題発言や、議員の不祥事が響いたと分析する人もいますが、これはとんど関係ないでしょう。

そもそも、都民ファーストという受け皿の前に、内田茂氏を表に出して自民が勝てるはずもなかったのです。小池知事は維新の戦い方をコピーして大勝利したのです。

この分析からすると、那覇市議選には、都民ファーストのような大きな受け皿はなかっし、大都市でもないのですが、それにしも中立系の候補者が議席数を伸ばしたということは、ある意味これに近いところがあるものと推察できます。那覇市議選でも、「オール沖縄」を表看板にして戦ったということが大きな敗因の一つなのかもしれません。

それともう一つの大きな敗因は、昨年の宜野湾市長選の敗北から情勢が大きく変化したものと考えられます。

宜野湾市長選に出馬を表明する元沖縄県幹部の志村恵一郎氏。
右は翁長雄志知事=2015年10月23日、沖縄県宜野湾市
宜野湾市には、辺野古移設問題の原点である海兵隊の普天間飛行場があります。人口はおよそ10万人。その市長選で、志村恵一郎候補は、自民・公明が推す佐喜真淳候補に、得票率で10ポイント以上、票数で6千票近い差をつけられました。事前の「接戦」予測を大きく裏切る惨敗でした。
翁長知事と「オール沖縄」陣営が、宜野湾市民にここまで拒否された理由は決して複雑なものではありません。それは「戦うべきではない選挙で、戦えない候補を持ち出し、戦えない戦略で戦った」からに過ぎません。

翁長知事サイドが宜野湾市長選で候補者を立てようとした動機は、辺野古予定地での着工手続きをめぐって裁判で戦っている安倍政権に、反辺野古の結束の強さを見せつけることでした。

来るべき6月の県議選、夏の参院選(あるいは同日選)に向けて、選挙の年といわれる2016年を勝ち抜くキックオフにしたかったのです。沖縄県、辺野古の地元・名護市、普天間飛行場のある宜野湾市。この基地問題のトライアングルを固め、日本政府の訴訟攻勢への反証にしたい思惑があり、勝利の後は、翁長知事、名護市長、宜野湾市長の三者で訪米するというプランも立てていたとされています。

世論の流れを読むことに長けていた翁長知事は、もともと自身の選挙も他人を応援する選挙もともに強く、「無敗の翁長」の伝説もあるほどでした。加えて、自身の知事選を含めて、反辺野古を掲げた2014年の選挙では連戦連勝。自分が乗り出せば勝てる、という計算があったはずです。

しかし、宜野湾市は、普通に考えれば楽に勝てる場所ではありませんでした。長年の革新市政の下、市内の経済開発は大きく停滞。4年前の選挙で革新候補を破った現職の佐喜真氏は就任から積極的に経済開発にも取り組み、宜野湾市は明るさを取り戻しつつありました。市民の間には当然革新市政への拒否感が残っており、共産党も加わるオール沖縄はその点でも不利でした。

加えて、擁立した候補の志村氏は、父親が元県議会議長という血筋はありますが、政治家の経験は浅く、「あいさつでも原稿をつかえながら読み上げる姿にがっかりした」と宜野湾の人々は口々に語っていました。要は、タマが今ひとつだったのです。一方、佐喜真陣営はこまめに若者や女性の活動や集会に顔を出し、実際はディズニー系のホテルに過ぎない「ディズニーリゾート誘致」をできるだけ大きく宣伝して人々の経済的関心を引きつけていきました。

オール沖縄は保守から革新まで異なる背景の人々が集まったグループなので、勢いがあるときはいいのですが、守りに入ると弱いです。その欠点が出た選挙でした。

「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の結成大会で手を
つなぐ参加者=2015年12月14日夜、沖縄県宜野湾市
宜野湾という地の利、候補者の人の利でともに不利であるところに加えて、この選挙でオール沖縄陣営は、普天間基地の移設に賛成しながら、辺野古移設に反対する「矛盾」への回答を明確に説明しきれなかった感がありました。この矛盾はどう考えても、合理的に説明して、有権者を納得させることは難しいものでした。

政治は有権者を説得するゲームです。利益誘導やしがらみが地方選挙では目立つと言われていますが、有権者は見るべき点はちゃんと見ているものです。「理屈」が通らない話をされても、判断能力のある市民にごまかしは効かなかったのです。

沖縄県全体の選挙であれば、あるいは、何とかなったのかも知れません。しかし、普天間基地を抱える宜野湾の人々は、代替基地を辺野古に造れない場合、普天間返還そのものが雲散霧消しかねないリスクがあるという冷たい現実を十分に意識していました。その点を明確にせず、普天間移設と辺野古拒否の両方をセットで宜野湾の人々に納得させるなどは、本当はかなり難しいことだったのです。

この宜野湾市長選挙は沖縄政治の分水嶺になった可能性もあります。その後今年に入ってからの選挙は、上にも掲載したように、これで、宮古島、浦添、うるまの県内3市長選で敗北、那覇市議選でも敗北です。明らかに流れは変わったようです。まさに、翁長知事の終わりの始まりだと考えられます。

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2012年2月26日日曜日

アップル創業者、12日で辞めた理由を語った−【私の論評】結局は、自らを本当に信じられるか信じられないかが分水嶺になる!!

アップル創業者、12日で辞めた理由を語った:


故スティーブ・ジョブス(Steve Jobs)、スティーブン・ウォズニアック(Steven Wozniak)の2氏とともに、米アップルの共同創業者である、ロン・ウェイン氏(78 Ron Wayne,写真上)が、創業からわずか12日で会社を去った理由を語っている。

自身のフェースブックで語ったもので「私が離れたのは、コンピュータへの熱意が欠けていたからではありません。リスクの高さや、成功するだろうと思っていましたが、しかし、それがいつになるのか? わたしは何を犠牲にすればそこに辿り着けるのかわからなかったのです」としている。

ウェイン氏はゲーム会社アタリで働く時代に2人と知り合い、1976年にアップル立ち上げに参加。株式持ち分は10%だった。株式は、結果的にわずか800ドルで売却している。

ただ、20代であった2人と比べ、ウェイン氏は40代。また、個人の事情として負債を抱えていたことなど厳しい面もあったことは知られている。これ以上はリスクを背負いきれない中での起業だけに、心中は察するものがある。

ウェイン氏は「わずか4年で300人のミリオネアの一人になれるのだったら、4年間とどまっていたでしょう」とも語っている。とどまっていれば、大富豪になっていたことは間違いない。

退社後は、エンジニア、イラストレーター、作家などとして活躍し、現在は78歳となり、ネバダ州でリタイア生活を送っている。

昨年10月には、亡くなった元盟友ジョブズ氏への哀悼の意を公式サイトで明らかにしている。

  【私の論評】結局は、自らを本当に信じられるか信じられないかが分水嶺になる!!

確かに、ロン・ ウェイン 氏は、アップルにとどまっていれば、ミリオネアになっていたことでしょう。それだけてではありません。それなりに努力していいれば、今日のIT業界ににおいて、いずれかの分野において、指導的立場にあったかもしれません。(下は、左ウォズニアック氏と、右ジョブズ氏)


しかし、私たちは、 ウェイン 氏を責めることができるるでしょか?私たちは、確かに ウェイン 氏のように、後から考えると誰もが認めるようなからとてつもない幸運に恵まれていたことを知るという機会に恵まれることはほとんどないかもしれません。しかし、もっと小さなことで、お金持ちになるチャンスや、リーダー的立場になれる機会など、本当は、山のようにあったかもしれないし、これからもあるかもしれません。

しかし、いわゆる成功者として、自他共に認める人は実際には少ないことから、現実には、 ウェイン 氏のように、滅多にないチャンスにお目にかかることはないにしても、小さな機会は身の回りにたくさんあるにもかかわらず、ほとんどの人が、それを逃しているのではないかと思います。

ドラッカー氏は、以下のよう著書に記しています。
人は、自らが自らに求めるものが少なければ成長しない。しかし、多くを求めるならば、何も成長しない者と同じ程度の努力で、巨人にまで成長する。また、成果をあげ続け、成長と自己変革を続けるには、自らの啓発に自らが責任を持たなければならない。ただし、無能を並みの水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。
また、以下のようにも語っています。
最高のキャリアは、あらかじめ計画して手にできるものではない。自らの強み、仕事の仕方、価値観を知り、機会をつかむ用意をしたものだけが手にできる。なぜならば、自らの所を知ることによって、普通の人、単に有能なだけの働き者が、卓越した仕事を行えるようになるからである。
そうして、自らの強みに本当に集中できれば、自信が湧いてくるはずです。そうして、本当の意味で、自らを本当に信じることができるようなります。そうなれば、自らが、みずからに求めることが多くなるはずです。そうなったとき、お金でも、社会的地位でも、目指すものに、凡庸な人物と同じ努力でより近づけるのだと思います。

しかしそこからさらに、一流となるには、何かを犠牲にしなればならないということです。これに関しては、このブログで、あのグリーの創業者である、田中氏の名言をとりあげたことがあります。これに関しては、当該ブログをご覧になってください。(下の写真は、映画が「レジェンド・オブ・メキシコ』で共演したエヴァ・メンデスとサルマ・ハエック。彼女たちがセレブになれたのは、セクシーだったからだけではない、セクシーな女性なら、世の中にゴマンといる。世の中にゴマンといるセクシーな女性がすべてセレブというわけではない)


本日は、人生の先輩である方と、昼食をともにし、特にお金について、お金持ちになれる人と、そうではない人の違いについてうかがいました。結局は、この方が言われていることも、ドラッカー氏の言っていることも同じことだと思いました。この方が、語っておられたことは、結局は自分自身を信じることについてでした。実際に、自分が一見無駄金に見えるようなことでも、使っていて、それがなぜ、使えるかといえば、どこかで、失敗しても、それは自分なら、取り返せという自信があり、だからこそ、様々な事柄に挑戦できたということです。

その自信はどこからくるかといえば、いろいろと、語っておられましたが、言い方は異なるものの、ドラッカーの言っていることと、同じであると私には聴こえました。お金でも、社会的地位においても、結局は、自分自信を信じることができるか、できないかが、分水嶺になるのだと思います。

上の記事で、ロン・ ウェイン 氏は、「私が離れたのは、コンピュータへの熱意が欠けていたからではありません。リスクの高さや、成功するだろうと思っていましたが、しかし、それがいつになるのか? わたしは何を犠牲にすればそこに辿り着けるのかわからなかったのです」と語っています。

もう、ロン・ ウェイン 氏がミリオネアや一流になれなかった理由はおわかりでしょう。そうです、いわゆる成功者といわれる人と比較をすれば、大きなチャンスに恵まれたとき、彼は自分自身を信じられなかったということです。それに、一流となるためには、何かを犠牲にせざるを得ないということを理解できなかったということです。

ただし、ここに一言ロン・ ウェイン 氏の名誉のために、掲載しておきます。彼が、大きなチャンスを逃して、ミリオネアになれなかったり、IT業界で指導的な立場になれかなかったとしても、彼が不幸で、反対にこれらを手に入れたスティーブ・ジョブズ氏が幸福であったとは、一概にはいえません。私自身は、ジョブズ氏は幸福であったと信じたいです。しかし、それは、ジョブズ氏のみが知ることです。


上のドラッカー氏の言葉を思い出してください。「自らの強み、仕事の仕方、価値観を知り、機会をつかむ用意をしたものだけが手にできる」。この中に、価値観という言葉がでてきます。この価値観に合致しなければ、いかに大成功したようにみえても人は幸せにはなれないということです。逆に、価値観に合致していれば、たとえ、何かを犠牲にしても、幸福でいられるということです。


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