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2018年6月9日土曜日

【日本の解き方】安倍政権批判とアベノミクス批判 区別できず墓穴を掘る人たち、筋違いの議論で笑われるだけ―【私の論評】アベノミクスは高校教科書掲載の当たり前のど真ん中の金融・財政政策(゚д゚)!

【日本の解き方】安倍政権批判とアベノミクス批判 区別できず墓穴を掘る人たち、筋違いの議論で笑われるだけ

米国訪問及びG7シャルルボワ・サミット出席についての会見

安倍晋三政権を批判する人は、とかく右派も左派もアベノミクスの柱である経済成長路線や金融緩和まで否定する向きがある。その理由や問題点について考えてみたい。

 アベノミクスと一般にいわれる政策群は、(1)金融政策(2)財政政策(3)成長戦略から成り立っている。(1)はデフレ脱却まで金融緩和(2)は機動的な財政政策の運営(3)は主に規制緩和を行う。

 (1)~(3)の政策メニューは、先進国ではどこでもある政策群なので、あえて名前を入れる必要もないものだが、政治的な考慮から、アベノミクスという名称が使われている。

 実は、多くの人は、政策の中身を考えないで、ネーミングで判断してしまう傾向がある。アベノミクスとネーミングされると、「安倍政権の経済政策」となり、政権批判の人にとってはまず否定すべき対象になってしまう。

 しばしばある政治手法なのだが、実際に経済政策が効果を上げているときには、政権側からネーミングに拘り、あえてネーミングを先行させる。成果を上げている経済政策を政権のおかげであると国民に強く訴えることができるからだ。同時に、政権批判者は政権の全ての政策を否定しがちなので、良好な経済環境を否定させ、批判者の政策遂行能力について国民が疑問を持つようにもできるのだ。

 筆者は別に安倍シンパではなく、20年近く前から、金融政策は雇用政策であると主張してきた。これは世界のマクロ経済学の常識だったからで、その事実を安倍首相のほかにも、自民党や民主党(当時)の幹部に何度も説明してきた。ただし、結果的に政策として実行したのは安倍首相だけだった。

 それにも関わらず、政権批判者の中には、筆者を「御用」と呼ぶ人もいる。もし民主党政権で金融政策をまともに行い雇用の実績を伸ばしたら、当然筆者は評価したはずだから、レッテル張りは間違いだ。

 あるテレビ番組で、筆者が就業者数の推移をグラフ化して、民主党政権の時には減少しているが、安倍政権になってから反転急増していると説明したら、当時の民主党議員から、グラフが間違っているとの指摘を受けたこともある。その筋違いにテレビ視聴者から失笑も出たが、この議員は安倍批判をしたいだけだったようだ。

 最近の雇用環境が良好なのは否定できない。しかし、安倍政権批判者は、雇用の良さですら否定したり、別の要因を求めたりして、墓穴を掘っている。

 安倍政権の経済政策にも弱点がある。2014年4月の消費増税は失敗だったし、19年10月にも再び増税をやろうとしている。批判者は、良いものは良いとして、こうした政策ミスを突けばいいものを、全て否定してしまう。

 そして経済政策での批判が無理となると、今度はモリカケのような無駄なことばかりやってしまう。批判者は建設的な議論ができず、典型的な悪循環に陥ってしまっているようだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】アベノミクスは高校教科書掲載の当たり前のど真ん中の金融・財政政策(゚д゚)!

私自身も、高校生のときに財政政策や金融政策のあらましを習い、財政政策の具体例や、金融政策では売りオペ、買いオペなる言葉を覚え、そのときは厨二病が抜けていなかったせいか、自分は国家レベルの金融政策や財政政策が理解でき、簡単だと思いました。

自分が、政治家や財務官僚や日銀官僚になれば、すぐにでも財政政策や金融政策を実行して、日本経済がたとえ悪くなっても、すぐに立て直すことができると思い、何やらワクワクしたのを覚えています。

高校の政治経済の教科書の表紙

そんな気持ちのままで大学に入り、大学時代は、理系だったので、経済のことなどはすつかり忘れ、社会人になってからも経済のことなどあまり考えなかったのですが、あるとき新聞の経済欄を読んでいて、本当に日本経済が全くわからなくなっている自分に気づきました。

その頃といえば、日本経済といえば、高校生のときに習った金融政策や、財政政策などとは程遠いことが話題となっていました。たとえば、「流動性の罠」とか、「構造改革」とか「生産性」とか、とにかく理解しがたいことばかりでした。


新聞を読んでも、テレビをみても、そのような話題ばかりで、自分がかつて高校時代に習った、もっと単純て明快なものとは似ても似つかないものになりました。とにかく、新聞で経済欄を読めば読むほど、テレビで経済の論議を聴けば聴くほど、本当に経済がわからなくなるという状態が続きました。自分は所詮経済が専門ではないので、わからないのは仕方ないことなのかもしれないと諦めていました。

高校時代にまともに政治経済を勉強した人なら、誰でも私と同じような思いを抱いたのでないでしょうか。私の場合は、政治経済で大学受験をしたので、比較的まともに勉強したと思います。

そうこうするうちに、最初は財政政策について述べる評論家などがでてきて、なんとなく納得はできるものの、それでもなにやら消化不良をおこしたような感覚がしたのを覚えています。今から考えると、彼らは、金融政策のことは何もいわず、財政政策のみで経済を立て直せると主張していました。

そうこうしているうちに、いわゆる金融政策を語る評論家などがでてきて、それを聴いていると財政政策だけよりは理解しやすいものの、それでも何やら少し消化不良気味でした。

そうして、あるとき、高橋洋一氏など、金融政策と財政政策の両方ですみやかにデフレ状況から脱却すべきという主張をする人たちが出てきて、というよりは、たまたま目にともり、それらの人たちを「リフレ派」と呼ばれていることがわかりました。

そうして、この「リフレ派」という人たちの主張こそ、私が高校生のときに初めて財政政策と金融政策を習ったときの当たり前のど真ん中の主張をしていました。

そうこうするうちに、安倍晋三氏がこの当たり前のど真ん中の主張をはじめ、2012 年の選挙に勝利し当たり前のど真ん中の政策をはじめました。すると、反アベノミクスの人々が、すぐに猛反対をしました。しかし、それらの批判はほとんど杞憂というものばかりでした。

ところが、なぜが2014年には8%増税という、当たり前のど真ん中とは反対の政策をはじめたら、経済が落ちた込みました。しかし、金融政策は当たり前のど真ん中の政策を実行したので、雇用に関しては良い状況が続き、今春の大卒の就職率は最高水準になりました。

安倍総理であろうと、なかろうと、政府が高校の政治経済で習った通りの、景気が悪ければ、金融緩和策と積極財政、景気が良ければ、金融引締めと緊縮財政をすれば良いだけの話なのです。無論どの程度の金融緩和と積極財政をするべきかという計量的なことをいえば、高校の政治経済レベルの話ではなくなります。

しかし、大まかに景気が良いとき、悪いときにはどのような金融政策、財政政策をすればよいのかということは、高校の政治経済レベルで十分に判断がつきます。さらに、デフレのとき、インフレのときということになれば、どのような経済対策をすれば良いのかは、高校レベルの政治経済の知識があれば、十分すぎるほどです。

自民党内にもアベノミクスという名の当たり前の
ど真ん中の金融・財政政策に異議を唱える人が・・・・

こんな簡単な高校の教科書に掲載されているような当たり前のど真ん中の政策すら、いったんアベノミクスというレッテルが貼られてしまうと、反対する人もいるというのは残念なことです。

経済に関しては、日本も高校の政治経済で教えられる、金融政策、財政政策が当たり前のど真ん中という当たり前の世の中にはやくなっていただきたいものです。

それにしても、高校の政治経済の教科書に出ているレベルの財政政策や、金融政策について理解しない、あるいは理解できない、政治家やマスコミなど一体どうなっているのかと、本当に不思議でしょうがありません。

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2018年5月19日土曜日

【日本の解き方】間違いを正さない特区報道 政権批判に手段選ばず、世論操作の疑いも―【私の論評】マスコミに感謝!情弱で愚かな人と、多方面から情報を得るまともな人の区別がつきやすくなった(゚д゚)!


参考人招致され答弁を行う柳瀬唯夫元首相秘書官=10日

 加計学園や国家戦略特区について、柳瀬唯夫元首相秘書官が国会参考人質疑で答弁したが、いまだに一部野党やマスコミはかまびすしい。特区に関しては1年経過しても間違った報道が続けられている。これはなぜだろうか。

 本コラムで何度も書いたが、問題の本質は、特区の行った規制緩和は、認可「申請」を許さなかった「文部科学省の告示」の改正でしかない。「認可」そのものについては一切、規制緩和されておらず、特区での便宜供与はほとんどない。

 このことをマスコミ関係者に話すと、ほとんどの人は理解しておらず、それを理解しても「この点については今さら報道できない」と言う。「この1年間、マスコミは何を報道していていたのか」と、批判を浴びてしまうかららしい。

 結局、マスコミが根本を理解できていないので、報道自体がまったく無意味なものになっている。

 一例を挙げると、NHKのニュースサイトに掲載されている解説記事「加計学園 獣医学部新設問題」の記述は誤解を招きかねない。サイトでは「今回、岡山理科大学が獣医学部を新設した愛媛県今治市は、平成28(2016)年1月、大胆な規制緩和を進める国家戦略特区に指定されました」と書かれているが、これは「今回、岡山理科大学が獣医学部を新設希望した愛媛県今治市は、平成28(2016)年1月、認可申請できないという異常な事態を認可申請できるという普通の状態にする国家戦略特区に指定されました」と修正すべきだ。

 「国家戦略特区の諮問会議で獣医学部の新設が52年ぶりに認められ」という記述も「獣医学部の新設の申請が52年ぶりに認められ」が正しい。なにしろ、「認可」と「認可の申請」を混同するのは、試験の合否と試験を受けることを取り違えるくらい恥ずかしいミスである。

 マスコミは、愛媛県知事が柳瀬氏の国会答弁は正しくないと言ったと報じるが、これは、試験を受けたいと「話す人」と「聞く人」の違いでしかない。

 3年前の話であり、聞く人は、試験の話であって、合否には無関係なのだから、気楽に受け流しているはずだ。筆者も官邸の「準秘書官」を経験したが、大人数で陳情を受けるときには、単に「聞きおく」といって、案件をさばくだけで一人一人の発言は覚えておらずメモもとらなかった。

 文科省による認可手続きは、昨年4月から11月まで行われており、これは、文科省関係者だけで行われ、安倍晋三首相も誰も関与していなかったのはマスコミでも知っているだろう。

 要するに、特区によって加計学園が獣医学部新設の認可を得たかのごとく、マスコミが報道していることが間違いだ。

 これは、文科省告示などの公式資料を見ればすぐにわかるし、筆者は1年前からマスコミに説明しているが、ほとんど取り上げようとしないし、問題の本質を避けようとしている。マスコミも分かっているはずなのに間違った情報ばかりを垂れ流すのは、政権批判に手段を選ばずという意図的な世論操作と判断せざるを得ない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】マスコミに感謝!情弱で愚かな人と、多方面から情報を得るまともな人の区別がつきやすくなった(゚д゚)!

高橋洋一氏は、特区によって加計学園が獣医学部新設の認可を得たかのごとく、マスコミが報道していることが間違いとしています。

"特区の行った規制緩和は、認可「申請」を許さなかった「文部科学省の告示」の改正でしかない。「認可」そのものについては一切、規制緩和されておらず、特区での便宜供与はほとんどない"としています。


これでもなかなか理解できない人がいるかもしれません、なぜかといえば、規制があまりにも異様、異常としかいいようがないからです。

これを高校受験にたとえてみましょう。認可の「申請」をゆるさなかったとは、高校受験で受験資格が規制で得られなかったということと同じです。

高校受験にたとえると、受験者が高校を受験したくても、出願すらできないという状況です。これが、何十年も続いていたというのですから驚きです。受験したい人がいるのに、何十年も受験できない状態を続けたということ自体が異様で、常人には理解不能です。

そうして、特区の行った規制緩和は、高校受験でいえば、特区にある高校への受験の出願を可能にしたということであって、その後の実際の受験の仕組みそのものについては一切何も変てもいないし、ましてや特定の受験生に対して、便宜なども図っていないということです。

受験が終了してその結果を学校側が採点するときに何か不正を行った、校長の友人の子弟である受験生に下駄を履かすなどの不正を行ったというのであれば問題ですが、受験申請をして受験票をもらう事自体は何の不正でもありません。

しかし、高校を受験すること自体が、受験票をもらうこと自体が何十年も禁じられていたという異常事態自体が、一般の人には理解しがたいものなのでしょう。

新聞などのマスコミもこれを当初は理解しなかったのも理解はできます。しかし、最初の数ヶ月くらないらそれも理解できますが、1年たっても理解できないというのですから、これはもう印象操作以外の何ものでもないと思います。

私自身は、当初は高校受験のたとえ話のようにわかりやすく説明することはできませんでしたが、これについてはこの問題が明らかになってから1〜2週間で理解しました。

さらに高校受験のたとえばなしを続けます。柳瀬唯夫元首相秘書官は、高校でいえば、高校の副校長のような立場で、受験を希望する受験生本人や、その両親に面会したようなものです。その中にたまたま、校長の友人の子どもが含まれていたとしても、それ自体はどう考えてみても犯罪でも何でもないです。

テレビドラマ「先に生まれただけの僕」の登場人物の相関図

テレビドラマで「先に生まれただけの僕」というのがありました。あれは、商社マンが高校の校長になり、民間営利企業と学校の違いで四苦八苦するという物語でした。櫻井翔さんが、校長役をやっていました。

あの物語でも、受験生を増やそうとして、魅力的なオープンキャンパスを実施していました。高校側が受験生を増やそうとして、オープンキャンパスを行って、受験生やその親などに高校に来てもらったりするのは当然のことです。

あるいはオープンキャンパス時に来られなかった受験生や親などが、予め連絡をして高校に来るなどのことがあれば、教頭や入試に関わる教師などができるだけ面談しよう心がけ、実際に面会したとしてもそれ自体は何の犯罪にもなりません。たとえ、その中に校長の友人の子弟などが含まれたとしても、それ自体は犯罪ではありません。

ただし、入試自体で手心を加えて、裏口入学をさたたようなことがあれば、これは問題であり場合によって犯罪になります。しかし、特区の行った規制緩和は、何十年も与えられなかった受験資格を与えたようなものであり、規制緩和自体が裏口入学のようなものというわけではありません。

マスコミの報道の仕方、あるいは野党政治家の追求の仕方は、まるで高校受験で校長の友人の子弟が受験して合格したので、校長が不正を働いたと確たる証拠もないのに、断定して、「疑惑が深まった」と言っているようなものなのです。

もっとわかりやすく言うと、行列のできるラーメン店で、ラーメン店の店長の友達が早めに並んでいたので、一日100食限定のラーメンを食べることができたという事実を、野党やマスコミは店長の友達がラーメンを食べられた事自体を問題にして、「不正だ」と大騒ぎして、その後も何人かの証人の証言を聴いても確たる証拠も出ていないのに、「疑惑は深まった」と言っているようなものです。

行列にできるラーメン店
加計問題でも、何度誰を証人喚問をしても、確たる証拠はでてきません。これは、どう考えても野党、マスコミぐるみの倒閣運動としか思えません。

マスコミや野党が、証人喚問をすれぱするほど、追求をすればするほどその「疑惑」が深まったとしか言いようがありません。本当にくだらないです。

くだらないとはいいながら、それで実際に国会の審議が妨害されているわけですから、本当にトンデモないことです。

この事件で唯一ポジティブな面は、マスコミ、政治家、識者の中で誰が倒閣運動に熱心なのかがあぶり出されたかということです。

それと、加計問題が起こってから1年以上もたった現在では、身近な人のうち誰がマスコミなどに扇動されやすい人なのかが見えてきたということもあります。これを巡っては、誰があまりに情弱で愚かな人なのか、普通の人なのか、多方面から情報を得る優秀な人なのかが本当に見分けやすくなったと思います。ある意味で、マスコミや野党に感謝です。このような機会は滅多にないものと思います。

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