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2018年7月15日日曜日

出ては消えるアベノミクス批判 「GDP改竄説」はデマの一種 改訂基準は過去の値にも適用 ―【私の論評】常識に欠けた人々には、永遠に満足する機会は訪れない(゚д゚)!

出ては消えるアベノミクス批判 「GDP改竄説」はデマの一種 改訂基準は過去の値にも適用 

高橋洋一 日本の解き方

 ネットメディアで「アベノミクスに重大な疑惑」といった記事がある。「マネタリーベース(中央銀行が供給するお金)が増えてもマネーストック(金融部門から経済全体に供給される通貨)はほとんど増えていない」「実質賃金は下がっていて生活は苦しくなっている」「アベノミクスがもたらしたのは、円安による為替差益と株価の上昇だけ」「GDP(国内総生産)はかさ上げされている」といったものだが、こうした説に妥当性はあるのか。

 約5年半前のアベノミクス開始当初にもこうした言説は多かったが、その後の実績でほとんど消えていった。特に、エコノミストらプロの世界では既に勝負がついているので、今やこうした話はまず出てこない。あるとすると、安倍晋三首相批判のためにする政治的な言説であることが多い。

金子勝氏はアベノセイダーズの急先鋒

 こうした批判では、雇用という国民生活で最も重要なことが語られない。失業率や有効求人倍率が記録的な良好水準であることの理由の分析を間違え、「実質賃金が上がっていない」という。

 金融緩和すると、まず就業者数が増え人手不足になる。その過程で物価はやや上がるが、名目賃金の上昇は追いつけない。それまで失業者であった人が就業者になる場合、名目賃金は比較的安い。こうしたことから実質賃金は上がらず逆に下がるという現象がみられる。これは効果のラグ(時間のずれ)であり、そのうちに名目賃金が物価上昇を追い抜いて上がり出す。

 「マネーストックが増えない」というのはそもそも批判にならない。筆者は当初から、マネーストックは金融機関からの貸し出しなので、当分増えないと断定していた。

 金融緩和によって実質金利が下がり、雇用とともに設備投資が高まる。しかし、過去の昭和恐慌の際にもみられたが、企業は当初は内部留保で設備投資をするので、すぐには外部資金に依存しない。過去のデータでは2、3年遅れるのが普通である。こうした批判をする人は、金融緩和のメカニズムが分かっていないと言わざるを得ない。

アベノセイダーズ五人衆

 「円安と株高だけ」との主張も左派の人に多い。実質金利が下がったことで円安と株高になるのであって、実物経済が良好であることの副産物である。

 そして、「GDPはかさ上げされている」というのはデマのたぐいだ。日本のGDP統計は、5年ごとに基準改定されている。2016年にも基準改定が行われたが、その際、09年に国連で採択された国際基準も取り込んでいる。改訂された場合、過去の値も遡及(そきゅう)適用されるので、改訂自体で統計数字が混乱するわけではない。もしこの手順が改竄(かいざん)というのなら、政府の統計委員会などに膨大な議事録が公表されているので、ぜひ指摘したらいい。

 それまでGDPに計上されていなかった研究開発費について、改訂後は「知的財産生産物」という固定資本として扱われ、その増分は設備投資になる。そこで「かさ上げ」という批判が一時出たが、過去データも遡及すればいいだけだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】常識に欠けた人々には、永遠に満足する機会は訪れない(゚д゚)!

経済政策が効果出すまでにはタイムラグがあるというのは、経済学上の常識です。これは、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
高橋洋一 日本の解き方 物価目標2%は実現できる 黒田日銀の壁は消費再増税、財政出動で景気過熱が必要だ―【私の論評】次の総理はやはり安倍晋三氏しか考えられない(゚д゚)!
2期目に入った日銀の黒田東彦総裁
経済対策のタイムラグに関する部分のみを以下に引用します。
"
経済政策には以下のようラグがあります。

1)内部ラグ
経済情勢の把握から経済政策の実行迄
1-1)認知ラグ
経済現象を認知する迄
1-2)決定ラグ
政策当局が経済情勢を判断し経済政策の発動の決定を行う迄
1-3)実行ラグ
決定した政策を実行に移す迄
2)外部ラグ
 政策実行から経済に効果が生じる迄

金融政策は決定ラグ、実行ラグが財政政策に比べて短く、外部ラグが長くなります。これは、日銀の9人が金融政策決定会合(時には緊急開催もあり)で、即座に決定、実行することができます。過半数の5票を取ることが出来れば良いので、追加緩和が必要であれば、その政策提案に5人の賛成で決定・実行できます。

財政政策は、与党内の調整や国会での議論などを通じて法制化しないと実行できず、決定から実行までに時間がかかります。安倍晋三総理が消費増税延期のために(修正法案提出・可決に必須ではない)衆院解散したことを見ても、財政政策の決定から実行に時間とコストがかかることが分かります。

外部ラグですが、財政政策はどの部分にいくら、と直接的にお金を使うため効果が早く出ますが、金融政策は様々な波及経路を通じて経済に効果を及ぼすため、半年〜1,2年程度のラグがあります。


以上のようなラグがあるからこそ、金融政策と財政政策をうまく組み合わせる必要があるのです。世の中には、財政政策と金融政策を比較してどちらが良いとか悪いとか語る人もいますが、医療の分野では同じ病気を治療するにしても、患者のその時々の状況にあわせて、複数の薬を使い分けるのが普通です。金融政策と財政政策も同じようなものであり、どちらか一方というのでは、経済を速やかに立て直すことはできません。
"
経済政策のなかでも、特に雇用に密接に関連した金融政策は様々な波及経路を通じて経済に効果を及ぼすため、半年〜1,2年程度のラグがあるいうのは経済学上の常識です。

もし安倍政権がアベノセイダーズ等の批判に負けて、金融緩和政策を中途半端でやめていれば、現在のような雇用の改善はみられなかったはずです。

世の中には、アベノセイダースだけではなく、一般の人でも、マスコミのインタビューなどに応えて賃金が倍にならなければ、経済が良くなったという実感が得られないなどと応えている人もいるようですが、こんなことはいくら経済対策がうまくいったにしても、ありえないです。

どうしてもそうしたいというのなら、企業に居続けるなら、職位の階段を短期で上るしかありません。あるいは、会社をやめて消費者・生活者に支持される事業を起こすしかありません。

ハイパーインフレにならない程度の緩やかなインフレ下で経済が伸びている状況では、1年や2年では賃金があがったにしても、誤差程度にしか感じられませんが、20年〜30年たつと倍になっているという感覚です。

ただし、インフレによって物価が上がっているので、それを相殺すると1.5倍というところでしょうか。

そのようなことでは大したことはないと思われるかもしれませんが、デフレが続けばこれとは反対のことがおこるわけです。デフレでも1年や2年では誤差のような感じてあまり賃金が下がったという感覚はないでしょうが、5年、10年で絶望感が生まれてきます。

20年後には今よりは確実に賃金が上がるであろうと確信できることと、20年たっても賃金が同じが下がっているだろうと確信できることとの間には、天と地ほどの違いがあるのです。

特に若い世代にとってはそうです。20年後には現在の職位のままであっても、賃金は間違いなく上昇して1.5倍くらいにはなっているだろうし、職位がある程度あがれば、賃金が現在の倍になっている可能性は十分にあると考えられるのと、デフレで20年後にはリストラされている可能性すらあると考えるのは雲泥の差です。

若い世代は20年後の自分が今より確実に良い状況にいるであろうとかなりの確率で想像できれば、結婚も積極的にするだろうし、その後の様々なライフステージで結構な消費もするでしょう。車を購入するとか、子供部屋のある家を購入するとか、定年後のことも考慮に入れ様々ライフスタイルを模索するようになります。

しかし、デフレのさなかではそのようなこともままなりません。将来に対する絶望や、不安が支配するようになり、さしせまってとても大きな消費はできないと考えるようになります。とにかく自分の身を守ることで精一杯という状況に追い込まれます。

どちらが良いかといえば、デフレは絶対に駄目です。緩やかなインフレが良いに決まっています。

しかし、経済政策で緩やかなインフレにもっていくには、上記で述べたようにタイムラグがあります。タイムラグがあることを無視して、経済対策をはじめてすぐに効果があがらないとして、すぐに打ち切ってしまえば、元も子もなくなるのです。

こんなことは、何も経済を学ばなくても常識で考えればわかることです。たとえば、ある大企業が何らかの理由で一度業績を落としてしまえば、そこから回復するには少なくとも、3年以上はかかるでしょう。

にもかかわらず、企業が何か手を打ったからといって、打った途端に即座に回復しないのはおかしい、自分の賃金もあがらないなどと騒ぐ社員がいたら、それこそそのような社員はリストラの対象にされるかもしれません。

企業の対策も、政府の対策も、何か手を打ったからといって、すぐに効果が出て、回復などということはありえません。タイムラグの存在を認められない人は、何も成就することはできないでしょう。

「よーし勉強するぞ」と決意し、3日目で「効果が出ないからダメだ」などと思い込むのは、滑稽ですらあります。こういうのを世間では「三日坊主」といいます。

非常識なアベニクシーズのツイートの内容を打ち消す世耕大臣のツイート

いずれにしても、そもそも安倍憎しで、何でも安倍総理のせいする人々や、経済回復の兆しを感じるのは賃金がすぐに2倍にならないと感じられないなどというような人々は、常識に欠けていると言わざるをえないです。

常識に欠けた人々には、永遠に満足する機会は訪れないのは確かです。どんなに良い境遇に置かれたにしても、満足感は得られないでしょう。

安倍総理も次の総裁選では、勝ちそうですから、すぐに引退ということはないですが、いずれ引退の時期は必ずきます。総理が他の人に変わったとしても、常識に欠けた人たちは、今度は次の総理を憎んだり、相変わらず政策の効果が見えないままでいるだけ話です。こんな人たちに振り回されるべきではありません。

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2018年6月9日土曜日

【日本の解き方】安倍政権批判とアベノミクス批判 区別できず墓穴を掘る人たち、筋違いの議論で笑われるだけ―【私の論評】アベノミクスは高校教科書掲載の当たり前のど真ん中の金融・財政政策(゚д゚)!

【日本の解き方】安倍政権批判とアベノミクス批判 区別できず墓穴を掘る人たち、筋違いの議論で笑われるだけ

米国訪問及びG7シャルルボワ・サミット出席についての会見

安倍晋三政権を批判する人は、とかく右派も左派もアベノミクスの柱である経済成長路線や金融緩和まで否定する向きがある。その理由や問題点について考えてみたい。

 アベノミクスと一般にいわれる政策群は、(1)金融政策(2)財政政策(3)成長戦略から成り立っている。(1)はデフレ脱却まで金融緩和(2)は機動的な財政政策の運営(3)は主に規制緩和を行う。

 (1)~(3)の政策メニューは、先進国ではどこでもある政策群なので、あえて名前を入れる必要もないものだが、政治的な考慮から、アベノミクスという名称が使われている。

 実は、多くの人は、政策の中身を考えないで、ネーミングで判断してしまう傾向がある。アベノミクスとネーミングされると、「安倍政権の経済政策」となり、政権批判の人にとってはまず否定すべき対象になってしまう。

 しばしばある政治手法なのだが、実際に経済政策が効果を上げているときには、政権側からネーミングに拘り、あえてネーミングを先行させる。成果を上げている経済政策を政権のおかげであると国民に強く訴えることができるからだ。同時に、政権批判者は政権の全ての政策を否定しがちなので、良好な経済環境を否定させ、批判者の政策遂行能力について国民が疑問を持つようにもできるのだ。

 筆者は別に安倍シンパではなく、20年近く前から、金融政策は雇用政策であると主張してきた。これは世界のマクロ経済学の常識だったからで、その事実を安倍首相のほかにも、自民党や民主党(当時)の幹部に何度も説明してきた。ただし、結果的に政策として実行したのは安倍首相だけだった。

 それにも関わらず、政権批判者の中には、筆者を「御用」と呼ぶ人もいる。もし民主党政権で金融政策をまともに行い雇用の実績を伸ばしたら、当然筆者は評価したはずだから、レッテル張りは間違いだ。

 あるテレビ番組で、筆者が就業者数の推移をグラフ化して、民主党政権の時には減少しているが、安倍政権になってから反転急増していると説明したら、当時の民主党議員から、グラフが間違っているとの指摘を受けたこともある。その筋違いにテレビ視聴者から失笑も出たが、この議員は安倍批判をしたいだけだったようだ。

 最近の雇用環境が良好なのは否定できない。しかし、安倍政権批判者は、雇用の良さですら否定したり、別の要因を求めたりして、墓穴を掘っている。

 安倍政権の経済政策にも弱点がある。2014年4月の消費増税は失敗だったし、19年10月にも再び増税をやろうとしている。批判者は、良いものは良いとして、こうした政策ミスを突けばいいものを、全て否定してしまう。

 そして経済政策での批判が無理となると、今度はモリカケのような無駄なことばかりやってしまう。批判者は建設的な議論ができず、典型的な悪循環に陥ってしまっているようだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】アベノミクスは高校教科書掲載の当たり前のど真ん中の金融・財政政策(゚д゚)!

私自身も、高校生のときに財政政策や金融政策のあらましを習い、財政政策の具体例や、金融政策では売りオペ、買いオペなる言葉を覚え、そのときは厨二病が抜けていなかったせいか、自分は国家レベルの金融政策や財政政策が理解でき、簡単だと思いました。

自分が、政治家や財務官僚や日銀官僚になれば、すぐにでも財政政策や金融政策を実行して、日本経済がたとえ悪くなっても、すぐに立て直すことができると思い、何やらワクワクしたのを覚えています。

高校の政治経済の教科書の表紙

そんな気持ちのままで大学に入り、大学時代は、理系だったので、経済のことなどはすつかり忘れ、社会人になってからも経済のことなどあまり考えなかったのですが、あるとき新聞の経済欄を読んでいて、本当に日本経済が全くわからなくなっている自分に気づきました。

その頃といえば、日本経済といえば、高校生のときに習った金融政策や、財政政策などとは程遠いことが話題となっていました。たとえば、「流動性の罠」とか、「構造改革」とか「生産性」とか、とにかく理解しがたいことばかりでした。


新聞を読んでも、テレビをみても、そのような話題ばかりで、自分がかつて高校時代に習った、もっと単純て明快なものとは似ても似つかないものになりました。とにかく、新聞で経済欄を読めば読むほど、テレビで経済の論議を聴けば聴くほど、本当に経済がわからなくなるという状態が続きました。自分は所詮経済が専門ではないので、わからないのは仕方ないことなのかもしれないと諦めていました。

高校時代にまともに政治経済を勉強した人なら、誰でも私と同じような思いを抱いたのでないでしょうか。私の場合は、政治経済で大学受験をしたので、比較的まともに勉強したと思います。

そうこうするうちに、最初は財政政策について述べる評論家などがでてきて、なんとなく納得はできるものの、それでもなにやら消化不良をおこしたような感覚がしたのを覚えています。今から考えると、彼らは、金融政策のことは何もいわず、財政政策のみで経済を立て直せると主張していました。

そうこうしているうちに、いわゆる金融政策を語る評論家などがでてきて、それを聴いていると財政政策だけよりは理解しやすいものの、それでも何やら少し消化不良気味でした。

そうして、あるとき、高橋洋一氏など、金融政策と財政政策の両方ですみやかにデフレ状況から脱却すべきという主張をする人たちが出てきて、というよりは、たまたま目にともり、それらの人たちを「リフレ派」と呼ばれていることがわかりました。

そうして、この「リフレ派」という人たちの主張こそ、私が高校生のときに初めて財政政策と金融政策を習ったときの当たり前のど真ん中の主張をしていました。

そうこうするうちに、安倍晋三氏がこの当たり前のど真ん中の主張をはじめ、2012 年の選挙に勝利し当たり前のど真ん中の政策をはじめました。すると、反アベノミクスの人々が、すぐに猛反対をしました。しかし、それらの批判はほとんど杞憂というものばかりでした。

ところが、なぜが2014年には8%増税という、当たり前のど真ん中とは反対の政策をはじめたら、経済が落ちた込みました。しかし、金融政策は当たり前のど真ん中の政策を実行したので、雇用に関しては良い状況が続き、今春の大卒の就職率は最高水準になりました。

安倍総理であろうと、なかろうと、政府が高校の政治経済で習った通りの、景気が悪ければ、金融緩和策と積極財政、景気が良ければ、金融引締めと緊縮財政をすれば良いだけの話なのです。無論どの程度の金融緩和と積極財政をするべきかという計量的なことをいえば、高校の政治経済レベルの話ではなくなります。

しかし、大まかに景気が良いとき、悪いときにはどのような金融政策、財政政策をすればよいのかということは、高校の政治経済レベルで十分に判断がつきます。さらに、デフレのとき、インフレのときということになれば、どのような経済対策をすれば良いのかは、高校レベルの政治経済の知識があれば、十分すぎるほどです。

自民党内にもアベノミクスという名の当たり前の
ど真ん中の金融・財政政策に異議を唱える人が・・・・

こんな簡単な高校の教科書に掲載されているような当たり前のど真ん中の政策すら、いったんアベノミクスというレッテルが貼られてしまうと、反対する人もいるというのは残念なことです。

経済に関しては、日本も高校の政治経済で教えられる、金融政策、財政政策が当たり前のど真ん中という当たり前の世の中にはやくなっていただきたいものです。

それにしても、高校の政治経済の教科書に出ているレベルの財政政策や、金融政策について理解しない、あるいは理解できない、政治家やマスコミなど一体どうなっているのかと、本当に不思議でしょうがありません。

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2013年7月8日月曜日

自民党の公約のボロも攻めきれず!?アベノミクス批判で二極化する各党の経済政策を検証する―【私の論評】常軌を逸する野党のデフレのど真ん中での金融緩和、財政出動への批判!!アベノミクスを批判するなら、これらには賛成して、順番や具体的なやり方、目標を批判すべき(゚д゚)!

自民党の公約のボロも攻めきれず!?アベノミクス批判で二極化する各党の経済政策を検証する

参院選に向けての党首討論

参院選の争点は、経済政策でアベノミクスの是非になっている。

自民党公約の経済政策について、「アベノミクスの「3本の矢」を一体的に推進するとともに、「経済再生と財政健全化の両立」に向けた取組みを通じて、デフレからの早期脱却とともに、持続的成長への道筋を確かなものにします」、「今後10年間の平均で、名目GDP成長率3%程度、実質GDP成長率2%程度の成長実現を目指します」と書かれている。

連立の公明党は、具体的な数字を上げていないものの、アベノミクス推進の立場である。

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】常軌を逸する野党のデフレのど真ん中での金融緩和、財政出動への批判!!アベノミクスを批判するなら、これらには賛成して、順番や具体的なやり方、目標を批判すべき(゚д゚)!

上の記事、さすが高橋氏です。特に金融緩和については余すところなく掲載されているので、私の拙い説明など一切掲載しません。ただし、気になるところ3点だけピックアップします。
1.野党のうち労働者の立場に立つべき、民主党、共産党、社民党などの政党が、金融政策に反対するというのは世界中を見ても日本だけだろう。欧州の労働・社会主義政党は、雇用の確保のために金融政策を活用すべきとの主張を歴史的にしてきている。というのは、インフレ率と失業率の逆相関を示す「フィリップス曲線」が示すように、金融緩和は失業率の低下をもたらし、労働者のためになるからだ。
これについては、有名な事実であり、野党の勉強不足が目立ちます。アベノミクスを批判するにしても、金融緩和、財政出動に関しては、賛成すべきであって、そのやり方とか、順番とか、数値目標に対して異議を唱えるというのなら、わかりますが、金融緩和そのもの、財政出動に反対するような発言をする政党は、はっきりいって問題外です。
2.「名目3%、実質2%」の公約は、「名目4%、実質2%」の誤り
一方、自民党の掲げた数字、名目3%、実質2%という数字も情けない。これは、民主党時代の2012年8月31日に出された「経済財政の中長期試算」での成長シナリオと同じ数字だ。
アベノミクスと民主党とでは、金融政策について「異次元」の違いがあるはずだ。ところが、それが数字にでていない。インフレ目標2%に向けて、黒田日銀は金融緩和している。
「マネーの効果」によれば、マネーストックの増加率は2年後のインフレ率と密接な関係がある。今のペースで行くと、マネーストックを7%程度増加することになって、2年後にインフレ率2%程度になるだろう。また、マネーストックの増加率は2年後の名目GDP成長率とも密接な関係がある。マネーストック増加率7%程度は名目GDP成長率4%程度になる。さらに、各種の規制緩和が行われれば、名目成長率は4~5%程度になっても不思議でない。
これは、本来つきどころ満点であり、ここを突けば、自民党の間違いを指摘することになり、自民党よりも、野党のほうが、良い経済対策ができるかもしれないと、有権者にアピールすることができるはずなのに、ほとんとの野党が指摘しないですし、指摘しても、非常に甘いです。そうして、今の段階では、このあたりを突かないことが、野党の経済音痴ぶりを披瀝することになっています。
3.第一の矢の金融政策、第二の矢の財政政策が2年以内に効果が出るのに対して、第三の矢は法案提出・成立に2年かかり、その効果が発揮されるのはさらに場合によっては5年、10年もかかる政策だ。この意味で、各政党の目指すべき経済観が表れている。
第三の矢に関しては、私は、自民党の公約のなかで、一番疑問に感じているところです。これに関しては、以前にもこのブログに掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。
【日本の解き方】あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”―【私の論評】今の政府や政治家は、自分の頭の上のハエを追えない人が、他人の世話を焼いているようなもの、自分がやるべきことに専念せよ!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとて、市場主義経済では、優秀な企業でさえ、将来を見過ことがおおいにあることをノキアと、アップルを例にとってあげました。何と、ノキアは、アップルがiPhoneや、iPadを市場に投入する前に、同じようなものをすでに開発していたのです。しかし、ノキアは市場に投入する時期を間違え、アップルに先をこされてしまったのです。


その後、どうなったかは、皆さんご存知のように、アップルは成長し、ノキアは限界的な存在になってしまいました。この例では、アップルがたまたま成功していますが、アップルだって、いつも成功するとは限らないのです。サイトを探せば、アップルの失敗作も数多くあることがよく理解できます。

これについては、新しいところでは、SNSのPingがありました。私も使ってみたのですが、あまりピンとこなく、結局すぐに使うのをやめてしまいました。未だに、あのSNSの意味がわかりません。

Pingの発表をするジョブズ氏
アップルの失敗作については、以下のNAVERのまとめを御覧ください。
成功の影に失敗あり! 偉大なアップルの失敗作まとめ
資本主義の自由主義市場では、多くの企業が競い合って、いろいろな製品を出して、どこかの企業が成功すれば、それが市場で大きな位置を占めます。誰も、どの製品が売れるかなどわかりません。それを決めるの、性能でも、革新性でもありません。結局のところ、顧客です。企業が自らが、どんなに素晴らしいと思っても、顧客に受け入れられるとはかぎりません。

こんな自由主義市場が機能している、資本主義の世界では、どんなに優秀な企業でも、経営者でも失敗することがあり得るわけです。そうして、顧客に選ばれた企業が勝利を収めます。だれも、最初から、何が成功するのか、何が市場を席巻するのかなどわかりません。評価はあくまで、後付であって、最初から判るのだったら、誰もがすぐに大成功です。

だから、成長戦略として、政府主導で何かをやっても、成功する確率はかなり低いです。もし、これが成功するというのなら、優秀な官僚が、計画経済を立案して、実行した共産主義もうまくいったはずです。しかし、そんなことはなく、共産主義はことごとく失敗してしまいました。

だから、政府主導の成長戦略などは実施すべきではありません。政府はあくまで、黒子に徹して、企業が成長しやすい環境づくりのみに徹するべきです。それに、成長戦略の背後には、いわゆる「日本ダメ論」というのがあるだと思います。

この日本駄目論は、そもそも、古今東西みたことがない、空前絶後のデフレが15年も続いたことを無視して、そもそも日本は駄目なんたという思い込みが背後にあります。日本は、決して駄目な国ではありません。デフレを日本の常態だと考え、それを前提に新たな成長戦略を生み出さないと、本格的な成長はあり得ないというのは単なる思い込みです。私は、政府が実施するのは、金融緩和と財政出動で十分と思っています。そういて、自民党にかぎらず、成長戦略を強調する政党に関しては、いかがなものかと思います。

こういう観点から、自民党の成長戦略には、賛成できません。しかし、だからといって、自民党に反対であるというわけではありませせん。上記のように、他党と比較すれば、自民党のやり方の一つが気に入らないから、反対という立場はとりません。次の選挙でも、自民党を応援します。

そうして、これに関しては、下の動画の主張が素晴らしいと思ったので、掲載させていただきました。


この動画秀逸です。何か一つでも、自分の主張と違えば、支持しないなどということであれば、そもそも、支持する政党などなくなります。

それにしても、野党の主張はお粗末です。これでは、参院選ではボロ負けする確率が高いです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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