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2013年7月8日月曜日

自民党の公約のボロも攻めきれず!?アベノミクス批判で二極化する各党の経済政策を検証する―【私の論評】常軌を逸する野党のデフレのど真ん中での金融緩和、財政出動への批判!!アベノミクスを批判するなら、これらには賛成して、順番や具体的なやり方、目標を批判すべき(゚д゚)!

自民党の公約のボロも攻めきれず!?アベノミクス批判で二極化する各党の経済政策を検証する

参院選に向けての党首討論

参院選の争点は、経済政策でアベノミクスの是非になっている。

自民党公約の経済政策について、「アベノミクスの「3本の矢」を一体的に推進するとともに、「経済再生と財政健全化の両立」に向けた取組みを通じて、デフレからの早期脱却とともに、持続的成長への道筋を確かなものにします」、「今後10年間の平均で、名目GDP成長率3%程度、実質GDP成長率2%程度の成長実現を目指します」と書かれている。

連立の公明党は、具体的な数字を上げていないものの、アベノミクス推進の立場である。

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】常軌を逸する野党のデフレのど真ん中での金融緩和、財政出動への批判!!アベノミクスを批判するなら、これらには賛成して、順番や具体的なやり方、目標を批判すべき(゚д゚)!

上の記事、さすが高橋氏です。特に金融緩和については余すところなく掲載されているので、私の拙い説明など一切掲載しません。ただし、気になるところ3点だけピックアップします。
1.野党のうち労働者の立場に立つべき、民主党、共産党、社民党などの政党が、金融政策に反対するというのは世界中を見ても日本だけだろう。欧州の労働・社会主義政党は、雇用の確保のために金融政策を活用すべきとの主張を歴史的にしてきている。というのは、インフレ率と失業率の逆相関を示す「フィリップス曲線」が示すように、金融緩和は失業率の低下をもたらし、労働者のためになるからだ。
これについては、有名な事実であり、野党の勉強不足が目立ちます。アベノミクスを批判するにしても、金融緩和、財政出動に関しては、賛成すべきであって、そのやり方とか、順番とか、数値目標に対して異議を唱えるというのなら、わかりますが、金融緩和そのもの、財政出動に反対するような発言をする政党は、はっきりいって問題外です。
2.「名目3%、実質2%」の公約は、「名目4%、実質2%」の誤り
一方、自民党の掲げた数字、名目3%、実質2%という数字も情けない。これは、民主党時代の2012年8月31日に出された「経済財政の中長期試算」での成長シナリオと同じ数字だ。
アベノミクスと民主党とでは、金融政策について「異次元」の違いがあるはずだ。ところが、それが数字にでていない。インフレ目標2%に向けて、黒田日銀は金融緩和している。
「マネーの効果」によれば、マネーストックの増加率は2年後のインフレ率と密接な関係がある。今のペースで行くと、マネーストックを7%程度増加することになって、2年後にインフレ率2%程度になるだろう。また、マネーストックの増加率は2年後の名目GDP成長率とも密接な関係がある。マネーストック増加率7%程度は名目GDP成長率4%程度になる。さらに、各種の規制緩和が行われれば、名目成長率は4~5%程度になっても不思議でない。
これは、本来つきどころ満点であり、ここを突けば、自民党の間違いを指摘することになり、自民党よりも、野党のほうが、良い経済対策ができるかもしれないと、有権者にアピールすることができるはずなのに、ほとんとの野党が指摘しないですし、指摘しても、非常に甘いです。そうして、今の段階では、このあたりを突かないことが、野党の経済音痴ぶりを披瀝することになっています。
3.第一の矢の金融政策、第二の矢の財政政策が2年以内に効果が出るのに対して、第三の矢は法案提出・成立に2年かかり、その効果が発揮されるのはさらに場合によっては5年、10年もかかる政策だ。この意味で、各政党の目指すべき経済観が表れている。
第三の矢に関しては、私は、自民党の公約のなかで、一番疑問に感じているところです。これに関しては、以前にもこのブログに掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。
【日本の解き方】あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”―【私の論評】今の政府や政治家は、自分の頭の上のハエを追えない人が、他人の世話を焼いているようなもの、自分がやるべきことに専念せよ!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとて、市場主義経済では、優秀な企業でさえ、将来を見過ことがおおいにあることをノキアと、アップルを例にとってあげました。何と、ノキアは、アップルがiPhoneや、iPadを市場に投入する前に、同じようなものをすでに開発していたのです。しかし、ノキアは市場に投入する時期を間違え、アップルに先をこされてしまったのです。


その後、どうなったかは、皆さんご存知のように、アップルは成長し、ノキアは限界的な存在になってしまいました。この例では、アップルがたまたま成功していますが、アップルだって、いつも成功するとは限らないのです。サイトを探せば、アップルの失敗作も数多くあることがよく理解できます。

これについては、新しいところでは、SNSのPingがありました。私も使ってみたのですが、あまりピンとこなく、結局すぐに使うのをやめてしまいました。未だに、あのSNSの意味がわかりません。

Pingの発表をするジョブズ氏
アップルの失敗作については、以下のNAVERのまとめを御覧ください。
成功の影に失敗あり! 偉大なアップルの失敗作まとめ
資本主義の自由主義市場では、多くの企業が競い合って、いろいろな製品を出して、どこかの企業が成功すれば、それが市場で大きな位置を占めます。誰も、どの製品が売れるかなどわかりません。それを決めるの、性能でも、革新性でもありません。結局のところ、顧客です。企業が自らが、どんなに素晴らしいと思っても、顧客に受け入れられるとはかぎりません。

こんな自由主義市場が機能している、資本主義の世界では、どんなに優秀な企業でも、経営者でも失敗することがあり得るわけです。そうして、顧客に選ばれた企業が勝利を収めます。だれも、最初から、何が成功するのか、何が市場を席巻するのかなどわかりません。評価はあくまで、後付であって、最初から判るのだったら、誰もがすぐに大成功です。

だから、成長戦略として、政府主導で何かをやっても、成功する確率はかなり低いです。もし、これが成功するというのなら、優秀な官僚が、計画経済を立案して、実行した共産主義もうまくいったはずです。しかし、そんなことはなく、共産主義はことごとく失敗してしまいました。

だから、政府主導の成長戦略などは実施すべきではありません。政府はあくまで、黒子に徹して、企業が成長しやすい環境づくりのみに徹するべきです。それに、成長戦略の背後には、いわゆる「日本ダメ論」というのがあるだと思います。

この日本駄目論は、そもそも、古今東西みたことがない、空前絶後のデフレが15年も続いたことを無視して、そもそも日本は駄目なんたという思い込みが背後にあります。日本は、決して駄目な国ではありません。デフレを日本の常態だと考え、それを前提に新たな成長戦略を生み出さないと、本格的な成長はあり得ないというのは単なる思い込みです。私は、政府が実施するのは、金融緩和と財政出動で十分と思っています。そういて、自民党にかぎらず、成長戦略を強調する政党に関しては、いかがなものかと思います。

こういう観点から、自民党の成長戦略には、賛成できません。しかし、だからといって、自民党に反対であるというわけではありませせん。上記のように、他党と比較すれば、自民党のやり方の一つが気に入らないから、反対という立場はとりません。次の選挙でも、自民党を応援します。

そうして、これに関しては、下の動画の主張が素晴らしいと思ったので、掲載させていただきました。


この動画秀逸です。何か一つでも、自分の主張と違えば、支持しないなどということであれば、そもそも、支持する政党などなくなります。

それにしても、野党の主張はお粗末です。これでは、参院選ではボロ負けする確率が高いです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年7月24日火曜日

【日本の解き方】あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”―【私の論評】今の政府や政治家は、自分の頭の上のハエを追えない人が、他人の世話を焼いているようなもの、自分がやるべきことに専念せよ!!

【日本の解き方】あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”:



政府は「日本再生戦略」の原案を公表した。それは2020年までに環境や医療、観光など11の戦略分野で38の重点施策を掲げ、630万人の雇用を創るという政府の目玉の成長戦略だ。7月末までの閣議決定を目指しているという。

11分野を具体的にいえば、グリーン成長戦略、ライフ成長戦略、科学技術イノベーション・情報通信戦略、中小企業戦略、金融戦略、食農再生戦略、観光立国戦略、アジア太平洋経済戦略、生活・雇用戦略、人材育成戦略、国土・地域活力戦略。これはほぼ全省庁の守備範囲だ。


これだけ広範囲になると、「戦略」という名前がすたってしまう。戦略とは選択と集中が伴うものだが、政府のものは総花的で戦略の名に値しない。まるで、各省庁が予算獲得のために「一丁目一番地」(各省庁の優先政策事項)を束ねたものに見える。

・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・

個別では一見もっともらしいことが、全体を見ると奇妙なことは雇用創出にもある。

人口減少の日本では雇用者数があまり増えない。となると、630万人の新規雇用を創出すると、別の産業で雇用者の減少になるだろう。630万人の雇用が創出されるということは、600万人くらいの雇用喪失が別の産業でありうるということになる。それはどのような産業なのか。政府原案では示されていない。そんな産業はわかるはずがない。

成長する産業としない産業が政府でわかるなら旧共産圏の計画経済は失敗しないはずだ。もし本当に政府が分かるなら苦労はない。

ちなみに、グリーン成長戦略は、50兆円市場で新規雇用140万人。労働分配率が6割として、新規雇用者の平均年収は2100万円になる。どうして「日本再生戦略」を書いた官僚が役所をやめて、そこに就職しないのだろうか。書いた本人はそのいい加減さを知っているからだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】今の政府や政治家は、自分の頭の上のハエを追えない人が、他人の世話を焼いているようなもの、自分がやるべきことに専念せよ!!

上の記事で、高橋洋一氏は、「成長する産業としない産業が政府でわかるなら旧共産圏の計画経済は失敗しないはずだ。もし本当に政府が分かるなら苦労はない」と語っていますが、まったくその通りと思います。

成長する産業は、政府はおろか、優秀な民間企業でさえ、見抜けないことがあります。たとえば、あの世界を携帯電話で、席巻したNOKIAです。


ノキアが、実はスマホをアップルに先駆けて、開発していたことをWSJが伝えています。詳細は、WSJをご覧いただくものとして、以下にその記事の一部を掲載します。


スマホ戦略を誤ったノキア 膨らむ開発費、ユーザー動向つかめず
ノキアの開発チームは、アップルがスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」を発売する7年以上前に、ボタンが1つだけ付いたカラータッチスクリーン搭載の携帯電話を披露していた。端末を使ってレストランを探したり、レーシングゲームをしたり、口紅を注文するデモが行われた。1990年代後半にノキアがひそかに開発していたもう1つの魅力的な製品がタブレット端末だ。無線接続可能で、タッチスクリーンが搭載されていた。それら機能は全て大ヒットしているアップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」に今日搭載されているものだ。
「なんてこった」。ヌーボー氏は古いスライドを次々クリックしながら声を上げ、「われわれは完璧に仕上げていたのに」と語った。
ノキアの元デザイン責任者、フランク・ヌーボー氏は、アイフォーンを予期させるような試作品をノキアは既に開発していたと話す
いずれの製品も消費者の目に触れることはなかった。これらはノキアの企業文化の犠牲となった機器だ。研究にばかり多額の費用をつぎ込み、開発した画期的な製品を市場に投入するチャンスを無駄にしてきたのだ。
ノキアは1990年代にワイヤレス革命を主導し、世界をスマートフォン時代へといざなうことを目指した。そのスマートフォン時代が到来した今、ノキアは株価が落ち込み、数千人の従業員が職を失う事態に陥るなか、競争力ある製品の発売に向けて必死に取り組んでいる。
民間企業ですら、このような失敗をすることがあるわけですから、政府が成長する産業を見極めることなどほとんど不可能です。特に自由主義経済下では、そのようなことは誰もわからないというのが事実です。いろいろなタイプの企業が種々様々な工夫をして、その結果いずれかの事業がその時々の市場に適合うして、それが産業として伸びて行くというのが普通です。


スマホは、アップルがiPhoneで、現在の原型をつくりあげ、それを市場に投入しました。これが、たまたま、市場に適合していたため、それが、大ヒットして、今日につながっています。そうして、今では、iPhoneだけではなく、Android携帯なども様々の種類のものが、開発され、一大産業となっています。しかし、その影て、ノキアに限らず、ブルーベーリーその他、失敗しているところたくさんあります。それに、私としては、これら携帯電話に限らず、いまでは完璧に姿を消したPDSだって、電話機能さえつければ、現在のスマホと変わりないものがいくつもありました。


スマホの例でもわかるように、どの産業でも、いくつもの会社が、いくつもの新しい次世代のものを開発しており、そのうちの本の数社、場合によっては、1社だけが、次世代の産業を担って、大きく発展していのです。今日確かにアップルは大成功を収めましたが、何かがどこかで違っていれば、アップルがノキアのような目にあっていたかもしれないのです。


そんな自由主義経済下の競争において、政府が発展する産業を見抜けるわけはありません。政府はもともと、そのようなことをする機関ではありません。城山三郎氏の小説「官僚たちの夏」では、あたかも、通産省が日本の産業を主導してきたような扱いですが、あれは、幻想にすぎません。現実には、通産省主導で行ったことは、何一つ成功していません。大成功したのは、先送り戦術だけです。


それに、本来自由主義経済下の政府の役割は、こんなことをすることではありません。政府の役割は、新産業などが生まれやすいように、経済活動が活発になるように、法律を整えるだとか、規制を撤廃するとか、逆に規制を強化するとか、さらに、公共工事をするとか、安全保証などをして、いわゆるインフラ(基盤)を整えることです。このインフラづくりが政府の本命の仕事です。このインフラ上で活動して、成果をあげるのが、民間企業営利企業、非営利企業、その他の組織ということです。間違っても、政府が、インフラの上にのっかって、様々な事業を展開するようなことがあってはなりません。

女性ソ連兵
それを大規模に行ってきたのが、旧ソ連邦をはじめとする社会主義国であり、部分的に行ってきたのが、自由主義陣営による高福祉国家でした。旧ソ連邦をはじめとする、社会主義国家は、今日では全滅しました。また、ソ連邦に脅威を感じて高福祉国家をめざした国々は、その本家本元のイギリスでも財政負担があまりにも大きくなりすぎたので、取りやめました。一部まだ続けている国もありますが、それは、スウェーデンなどの人口数百万の比較的規模の小さい国々だけです。

旧ソ連邦の雰囲気を出した携帯電話ショップ
旧ソ連邦に関しては、その破綻は、すでに1950年代にアメリカの経済学者が予測していました。統計資料などからみて、その頃のソビエトの経済はいたって簡単で、いわゆる、投入物=生産物という具合で、付加価値がほとんどなく、戦後のソビエトの繁栄は、結局戦後に敗戦国からの資源などを大量に投入し、大量の生産物を得ていたというだけであって、このようなことは長くつづくはずがないと予測したのです。まさに、その通りになりました。

旧ソ連邦の版図

社会主義など魅力的に見え
るが過去のものに過ぎない
社会主義国の時代のソ連といういうと、私が覚えているのは、アイロンです。当時アイロンは、ソ連の独占国営企業がつくって市場に投入していて、ソ連国内では、輸入ものでないかぎり、ほぼすべて同じものが使われていました。しかも、確か、崩壊する直前のものでも、30年前につくられたそのままです。

計画経済なので、顧客ニーズやウォンツなどとは全く関係なく、政府による来年はいくつ必要になるであろうという予測のもと、それに従って生産して、市場に投入していただけだったのです。競争も何もないため、結局30年にわたって、モデルチェンジも行われなかったのだと思います。

政府がインフラづくりだけでなく、実際に産業活動をしても、できるのは、このようなことだけです。ソ連邦の計画経済ほどは規模は大きくありませんが、政府が、重点施策を実行して、投資をするのも、結局は社会主義国政策と同じようなものであり、結局失敗します。

自由主義経済下の日本政府は、日本再生のための、インフラ整備をすべきです。このインフラ整備の中には、当然のことながら、デフレ対策も含まれるべきです。これなしに、日本再生など考えられません。デフレ対策のためには、まずは、景気を良くしなければなりません。そのために、真っ先に政府がやるべきは、大規模な、財政出動と、金融緩和です。このなこともせずに、やみくもに増税しようとしたり、「日本再生戦略」をぶちあげるなど、とんでもありません。

何やら今の政府や政治家、自分の頭の上のハエも追えない人がやる必要もない他人の世話を焼いているようなものです。そんなことをしないで、本来自分たちがやるべき仕事に専念しろと言いたいです。そうして、何が自分たちの本当の仕事なのか、よくわかっていないのが、腐れ官僚たちなのだと思います。そう思うのは私だけでしょうか?

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