日本企業にはある特定の1人に仕事が大量に偏ってしまう傾向がある。その人が退社したり、いなくなって機能しなくなることがよくある。
@shiraishi_unsoさんがツイートする。
「仕事を大量に任されている先輩社員がインフルエンザでダウン。ボスは「この忙しい月末にダウンするなんて、自己管理いや危機管理が出来ていない!けしからん!」と怒っているが、社員一人が倒れたくらいで機能しなくなる組織...」
他の人では代わりは利かないということは当然あるのだろう。ただ、このボスは「危機管理ができていない」とまで言っているが、百歩譲って「自己管理」までは認めても、「危機管理」は100%ボスのせいだ。
【私の論評】確かに、日本の企業は、東電や国を笑ってはいられないほど危機管理能力が低い!!
危機管理能力というと、他の国はどんなことをやっているかという格好の事例として、以下のようなものがあります。
アップルでは信用できるまで新人にフェイクの製品を開発させる
詳細は、当該記事をごらんいただくものとして、以下に要旨のみコピペしておきます。
アップルがわざとフェイクの情報を社員に吹き込んで、外部に漏れた情報の中身でリーク犯を特定するのは割とよく知られてますが、なんと新採用の社員には一定期間とりあえずフェイクの製品を開発してもらって信用に足る人間かどうかテストすることもあるんだそうです。さすが、時価総額世界一の企業のやることです。というかこの世界では、知的財産の保護に気を使いすぎても過ぎではないことを示す査証なのかもしれません。最近では、アップルもいわゆる戦略などはオープンにしたり、また、新製品の発表がやたらとはやく、まだ製品化されるずっと以前から発表されるなどのことがあります。特に、記憶に新しいのは、アップルのAirという薄型のパソコンは、何と発売の1年以上も前から、製品の詳細がYouTubeに掲載されており、Appleが発売する以前に、中国では、偽者が出回っていました。このように、正式なチャネルを通じて発表するように戦略的に情報を出すことと、情報漏えいとは、異なるということです。
これと対照的なのが、日本です。これは、何も、政府や、東電のような企業ばかりではありません。以下のような事例もあります。
ガジェ通日誌「ネットで何でもしゃべってしまう人と本気で仕事ができるのか」
これも、詳細は上の記事を御覧になっていただくものとして、この記事の冒頭に結論めいたこと書かれていたので、それを下にコピペしておきます。
なんでもネットで喋ってしまう人とうまく仕事できるのか、という話です。昨今ツイッターになんでも書いてしまって問題になっている人がいますが、そういう人と一緒に仕事をするとこを想像してみてください。普通は怒られて終わり、となるんでしょうが、そのまま放置してたらどうなるのか。想像するに「その人の周りで情報が空洞化して孤立化してしまう」てなことになりそうです。情報の壁ができて、最終的には会議にも呼ばれなくなります。だんだん仕事がしづらくなります。(下の写真は本文とは関係ありません、イメージ画像です)
これらは、危機管理の中でも、いわゆる情報の扱いに関するものだと思います。一人休むと、仕事が滞るということは、情報共有がなされていないということです。何でもネットで喋ってしまうということは、守秘義務が不明確ということです。これらも、一つ間違えば、大変な危機をもたらすことになります、笑い事ではすまされなくなります。
このブログでも過去にこれに関した、記事を掲載したことがあります。中国のハニートラップに関する記事などです。
中国「ハニートラップ」恐るべき実態 標的は日本外交官から民主活動家まで―【私の論評】超限戦の古典的手口!!財務省のトラップはそんなに甘いの?!!
「中国出張に持っていったiPadは捨てなさい」米メディアが驚きの安全指南―中国メディア―【私の論評】世界は、謀略が渦巻いているのが常識!!日本だけが、この常識が通用しない!!!
上記のような事例をみれば、情報の扱いに関しては、気をつけ過ぎて、過ぎるということはないと思います。アメリカでも、ロシアスパイのAnna Chapmanの問題がありました。下のような女性にとても親切にしてもらえたら、彼女に抗える人は少ないかもしれません、それに気がつかないうちに、情報をぬきとられるということもあるのだと思います。
このようなことは、何も、インターネットが当たり前になった昨今ではなく、それ以前からありました。私が知っている限りでも、銀行に関するものがありました。これは、もうすでにその銀行がなくなってしまったからこそ、今では話せる事例ですが、旧北海道拓殖銀行では、銀行の窓口の女性行員が、喫茶店で仲間内との談笑の中で、ある会社が財務的に危機にあることを軽い気持ちで喋ってしまったところ、それが多くの人が知るところとなり、当該企業の信用問題になってしまったということがありました。(下は、旧拓銀の一階部分)
また、これは、別の銀行の話ですが、あろうことか、居酒屋で、上司が部下に融資の結果など報告させ、その内容の中で、その居酒屋居合わせた顧客が、自分の会社に関わることもあったので次の日に会社の上層部に伝え、無論、それが銀行のほうにも伝わり、上司は降格、部下は、左遷ということになったという事例がありました。こちらのほうも、実話でしかも、私自身がその場に偶然居合わせたものですが、この銀行は現存しているところなので、どの銀行かまではここには掲載しません。
こんなことは、うっかりしていれば、どの企業でも、誰にでも起こりえることです。特に、地位が上にあがれば、あがるほどこのような危機は増していきます。まさに、気をつけ過ぎても過ぎることはないと思います。
しかし、気をつけるだけでは防ぐことはできません。企業の中でも、比較的高い地位にある方は、上記のようなアップルのようなやり方はあまりにコストがかかって、できないかもしれませんが、たまに、ガセネタなど、複数の人間に伝えてみて、そのガセネタの伝わり具合を見て、怪しい人間を特定して、処分するなどのことをすべきと思います。
また、普段から、人事などが、行動指針や行動規範などを明確にして、それを社員などに徹底しておく必要があることは、いうまでもありません。
規範の中には、たとえば、取引先から贈答品をもらったらそれは会社がもらったものなので、必ず上司に報告させ、贈答品も上司に渡させるとか、取引先とは、個人的に年賀状を交わすなとか、ゴルフ、呑み会など、取引先から誘われた場合は必ず、上司に報告させるとか、それに情報共有を含めて社内の情報の取り扱いなど、しっかり規範を定めて、徹底させることはいうまでもありません。これができない企業は、アップルのような企業になることは望むことすらできないと思います。
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