あえて「客単価↑」の狙いは
2009.11.11
肯定的なイメージ特徴
- 比較的綺麗で清潔な店舗、開放感のある広い店内にマイカーで行ける駐車場がある。
- 料理の値段が全般的に値ごろ感があり利用しやすい。
- メニューが幅広く、和・洋・中など多種多様な料理が楽しめる他、キッズメニューも多い。
否定的・マイナスイメージでの特徴
- カジュアルレストランなど、ファミリーレストランより客単価の高い形態の店舗と比べると料理の味が劣ることが多い。これは大量生産・工場生産などの理由に起因する。
- 子供が騒いでも周りが気にしない雰囲気である。
- ドリンクバー設置店での若年層(これに限らず、低価格商品の注文で長時間居座る客)の溜まり場、客席放置。
- 喫煙席と禁煙席が分かれてはいるものの仕切りがない店舗もある。
さて、従来型のファミリーレストランがその役割を終えて、業績が悪くなって以来、飲食業界の動きは、低価格化でした。最初は、これで一見成功したようにもみえました。しかし、その先頭を走っていた、マクドナルドも、100円マックは、今も継続してはいますが、アイテムも少なく、従来のようなプロモーションも行っていません。このように、マックは今でも、低価格路線を維持はしていますが、積極的に維持しているわけではありません。これについては、以前もこのブログに掲載してありますので、そちらをご覧ください。牛丼、焼肉など他の低価格業態も今では、決して良いとはいえません。
日本の飲食業界、特にレストラン業界に限ってその特徴をアメリカなどとの比較であげてみると、いわゆる高級レストラン(客単価1万円前後以上)と、ファストフードを含める町の洋食屋さん、カレー屋さん、蕎麦屋さんなど廉価な業態は豊富にあるのですが、いわゆる客単価が3000円~10000円以下の業態は極端に少ないのではないと思います。本来、こうした業態がもっと生まれてきても良いはずです。あまり高くないところでかといって、本当に安いところには行きたくないと思ったとき、意外と行ける店がありません。それでも、東京都内なら、何とか探していけないこともないですが、ここ函館をはじめ地方都市では皆無といっても良い状況です。
しかし、ここ10年ほど、日本の景気はパットせず、景気が伸びいてた金融危機直前でも、「実感なき好景気」といわれていて、飲食業界もあまり思い切ったことはできなかったのだと思います。しかし、本当は、顧客のほうは変わっていて、もはや、ファミレスのような業態はごめんだし、かといつて、本当に高級なところには、ごくたまにしか行けないという意識になっていたのだと思います。
数年前に、いわゆるファスト・カジュアルという業態が日本にもできかけたことがあり、マクドナルドでも、マックダイニングという業態をたちあげました。モスバーガーでも緑モスをたちあげたのですが、あまりパットしませんでした。いわゆる1000円ハンバーガーなども売り出したのですが、一時的な流行で終わってしまったようです。やはり、実感なき好景気などの状況さらには、金融危機などによってこの動きはいったん止まったかのようになっているのだと思います。
しかし、消費者の根底にある変化は変わらず、そのため、既存のファミレスも生き残ることができなかっだと思います。だとすれば、いわゆる客単価が3000円~10000円以下の業態は、まだまだ見込みがあるはすです。
ワタミは、いろいろな業態を持っています、また新しい業態を創設する力も十分あります。将来的には、客単価3000円以上のレストランを狙うにしても、今の景気の状況をみて、2000円程度の業態に最初にチャレンジし、様子を見ているのではないでしょうか?客単価が3000円であれば、サービスも一段上のいわゆるカジュアル業態のレストランにすることができます。だから、現状ではファミレスの業態として、価格は高めにして、ファスト・カジュアルのような業態としているのだと思います。それと、景気が回復したとしても、おそらく、2000円のファミレスなら残れると踏んでいるとおもいます。1000円では無理だと判断しているのだと思います。おそらく、1000円台のレストランは、ラーメン屋、カレー屋、洋食屋さん、その他個人経営のものなどで日本では十分事足りるし、個性が豊かであって、とても、チェーン店などは太刀打ちできないのだと思います。
私は、この不景気が終焉した後には、客単価が3000円~10000円以下のいわゆる、カジュアルの業態が日本にも根付く番ではないかと思います。現在は、少子高齢化の傾向にあります。子供の数は減っていますが、少ない子供によりお金をかけるという傾向があります。それに、若者ならまだしも、ある程度の年齢のいった高齢者が単価の安い外食ばかりしているというのも、あまりに侘しいと思います。子供の頃、その当時の日本では珍しくもなかった極貧生活を過ごし、現代日本人とは異質のメンタリティーの代表格でありその末期の層ともいえる、政治家の鈴木宗雄さん(61)は、幼少のころ父親とラーメン屋に行って、ラーメンを食べ終わって、お腹がいっぱいになって、スープを飲まないでいたら、「スープも御代に含まれているんだ!!全部飲み干せ」と怒られたそうです。
このような時代や、このような時代の痕跡が残っていたようなファミレスが創設されたばかりの頃は、ラーメン一杯でも、外食すれば、それなりに満足があったでしょうし、ファミレスなど家族で行ったら、それだけで特に子供などは有頂天になれたのでしょぅが、今はそうではありません。たまに家族で行く外食ですから、やはり、良いものを召し上がり、良いサービスを受けていただきたいものです。今まで熱心に働いてきた多くの日本人には、それだけの資格があると思います。高級レストランのほかに、ファストフードとか、1000内外のレストランという選択肢では、あまりにアンバランスです。やはり、ファストカジュアル、カジュアルの日本の飲食業界が提供すべきです。また、そうしたことが、外食業界を活気づけ、内需拡大にもつながります。
いずれ、アメリカやヨーロッパと比較して、数も少なく、貧弱な、カジュアル業態と、ファストカジュアル業態の店が日本にも興隆していくと思います。日本でも、アメリカ直輸入のような、ファストカジュアルの1000円ハンバーガーというようなものではなく、日本独自の和食やその他、創作料理などを含む、ファスト・カジュアルや、カジュアルレストランの新たな業態が開発されて、興隆していくと思います。
マクドナルドも、ワタミもそうした時代が来ることを予期しつつも、今の景気状況を踏まえ、現状にあわせた運営や、業態を創設して、着々と新たな時代に備えているのだと思います。
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