ラベル 将来の選択肢 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 将来の選択肢 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年2月5日木曜日

日銀法改正、将来の選択肢として視野に入れていきたい=安倍首相―【私の論評】日銀の政策決定委員会が日本の金融政策を決定するのではなく、政府が定められるようにしなければ、いつまでも日銀人事が重大な意味を持つという異常状況にさいなまされることになる(゚д゚)!

日銀法改正、将来の選択肢として視野に入れていきたい=安倍首相

安倍晋三首相は4日午前の衆議院予算委員会で、日銀法の改正について「将来の選択肢として視野に入れていきたい」との考えを示した。

山本幸三委員(自民)の質問に答えた。

日銀法を改正し、インフレ目標などを法律で定めたほうがいいのではないかとの指摘に対し安倍首相は「政策目標は政府と中央銀行が共有する。同時に目標に進んでいく手段は日銀が決めることでないとならない」との考えを示したうえで、「黒田日銀総裁を信頼している。日銀法改正については将来の選択肢として視野に入れていきたい」と語った。また現在の金融政策運営に関しては「物価安定目標に向け、今後も大胆な金融緩和を着実に推進していくことを期待している」と述べた。

アベノミクスと格差の関係については「われわれが政権をとって2%賃金が上がった。働き盛りの55歳以下では正規労働者が非正規労働者になる数と、非正規労働者が正規労働者になる数が逆転した。非正規、正規の収入の差も縮まり始めている」と強調。

また首相は、消費税率10%への引き上げを1年半先送りしたことについて、「デフレ脱却、アベノミクス成功にはこの道しかないと判断した」と語った。

日銀の黒田東彦総裁は、デフレマインドからの脱却には2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するという日銀の強いコミットメントが重要との見解をあらためて表明。2%の物価安定目標の実現に「着実に進んでいる」とし、今後も「目標達成に向かってまい進していきたい」と語った。

この記事の詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】日銀の政策委員会が日本の金融政策を決定するのではなく、政府が出来るようにしなければ、いつまでも日銀人事が重大な意味を持つという異常状況にさいなまされることになる(゚д゚)!

さて、昨日は日銀の政策決定委員会の委員の人事を巡って様々な憶測が飛びました。それに関しては、以下の動画をご覧いただければ、よくご理解いただけるものと思います。



さて、この動画をみていてもわかるように、日銀人事は日本の経済の先行き、アベノミクスの先行に関してかなり重要な意味を持ちます。これに関しては、倉山満氏の以下の記事をご覧いただくと、良くご理解いただけるものと思います。
日銀人事は衆院選よりはるかに重要 アベノミクスの“死活問題”
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、なぜ重要なのか、それについて倉山氏は、この記事の中で以下のように述べています。

倉山満氏
 日本経済はたった9人の日銀政策委員会に握られている。彼らの人事は衆議院総選挙などよりはるかに重要なのだ。
なぜ、倉山氏がこのようなことを語るかといえば、金融緩和するしないという日本国の大きな金融政策の方向性は、政府が定めるのではなく、実は政府の一下部機関にすぎない、日銀の政策決定委員会で定められるというとんでもない状況になっているということです。

これは、企業にたとえると、会社の一下部機関にすぎない、IT部門のそれもIT部門の中に設置された、IT政策委員会のような組織が、会社全体のITの方向性を決めるようなものです。そんな馬鹿な話はあり得ません。

大きな方向性は、あくまでも取締役会などもっと上の階層で検討されるべきものです。これをIT部門などにまかせておけば、技術的には優れたITオタクのような連中がとんでもない意思決定をしてしまう可能性が大です。

片山祐輔(ゆうすけ)IT能力はたいしたことはないそうだが、それにしても
このような人間が会社の方向性など定められないのははっきりしている
やはり、本来のあり方は、会社のITの方向性は、取締役会で決定して、IT部門はその方向性に従いそれを実現するために、専門家の立場からその方法を自由に選ぶことができるというのが正常なあり方です。このようにして、はじめてIT部門はその能力を十分に発揮できると思います。

しかし、現状では政府と日銀の関係はそうなっていません。

それについては、このブログにも何度か掲載してきました。その記事の典型的なものを以下に掲載します。
【日本の解き方】インフレ目標2%に黄信号 黒田日銀は審議委員人事でピンチも ―【私の論評】日本国がまともな金融政策ができるようにする立場からすると、いつも薄氷を踏むような人事にハラハラするのはおかしい。やはり、政府が人事権を握るのが当然、そのため日銀法改正を実現すべき(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、なぜ日本国の金融政策の方針の決定を日銀政策委員会が設定するなどという下克上のようなとんでもない状況になっているかに関係する部分のみ、以下にピックアップさせていただきます。



日本国の金融政策の方針は、日銀行政策委員会が決定している
そもそも、日銀の政策決定委員会が日本国の金融政策の方針を決めるのが問題であって、これは政府が定めるべきです。政府が定める、金融政策の方針に従い、日銀の政策決定委員会が、専門家的立場から、その具体的実施方法を選択するという具合にすべきです。

実際、世界標準の中央銀行の独立性は、政府が国の金融政策の方針を定め、中央銀行はその方針に従い、専門家的な立場から、具体的な金融政策の方法を他から独立して、自由に選択し実行できるし、それに失敗すれば、責任をとるというものです。
特に、中央銀行の「目標の独立性(goal independence)と手段の独立性(instrument i 
ndependence)の違いを認識すべきです。中央銀行が自由に目標を設定できるという目標の独立性を民主主義社会で正当化することはできません。なぜなら、中央銀行のメンバーは全員が官僚であって、国民から選挙で選ばれるわけではないし、国民から信託を受けた人々ではありません。

しかし、中央銀行が干渉を受けずに適切な金融政策を実施できるような手段の独立性は、経済安定のために極めて重要です。手段の独立性は守られるべぎてす。
しかし、現状の日銀法では、「目標の独立性」が保障されているのです。 
日本銀行も、このような世界標準の中央銀行の役割を担うようにすべきであって、そのためには、日銀法の改正が必要です。
現状では、安倍総理や政府がいくら大きな方向性として、金融緩和をしたいと考えたにしても、日銀の政策委員会が金融引締めをすると決定してしまえば、金融緩和をすることができないのです。とんでもないことです。

こんな馬鹿なことが、まかりとおること自体が非常におかしなことです。だから、日銀の人事は重要な意味を持ってしまうのです。政策委員会のメンバーのうち、半数以上が金融緩和に反対で、金融引締めをするという考えであれば、委員会メンバーが変わらない限り、永遠に金融緩和ができないという信じがたい状況になってしまいます。

日銀の政策委員会のメンバーにもしこんなのがいたら・・・・・・・・

そうして、実際そのような信じがたい状況が、日銀法が改正された後、過去15年以上続き、日銀はたとえ、デフレであっても、金融引締めを続け、結局長期にわたるデフレ状況から抜け出すことができなかったという状況に陥りました。

とにかく、政府が金融緩和したとか、金融引締めをしたいと思っても、日銀の政策委員会の決定に従わなければならないという異常な状況にあるというのが、現在の日本の状況です。

日銀の政策決定委員会が日本の金融政策を決定するのではなく、政府が定められるようにしなければ、いつまでも日銀人事が重大な意味を持つという異常状況にさいなまされることになります。
この異常状況は、一刻も早く日銀法を改正して、改めなければなりません。

私は、そう思います。みなさんは、どう思われますか?

【関連記事】

 【日本の解き方】インフレ目標2%に黄信号 黒田日銀は審議委員人事でピンチも ―【私の論評】日本国がまともな金融政策ができるようにする立場からすると、いつも薄氷を踏むような人事にハラハラするのはおかしい。やはり、政府が人事権を握るのが当然、そのため日銀法改正を実現すべき(゚д゚)!


日銀総裁「経済状況反映した円安はプラス」、財務相は為替に沈黙―【私の論評】今の水準で"円安ガー"、"円安でも輸出ガー"と叫ぶ人は現実を見ていないただの馬鹿か、あるいはスパイかのいずれかである(゚д゚)!

日銀の決算は赤字でも気にする必要なし 政府と連結して考えれば些細な事―【私の論評】国や国際財政、金融を家計と同レベルて考える政治家・官僚をこの世界から駆逐しよう!なぜなら、彼らはあまりに幼稚すぎて、国ましてや世界のことなどに考えることなどできないから(゚д゚)!

【関連図書】

《完全版》「日本ダメ論」のウソ (イースト新書)
上念司
イースト・プレス
売り上げランキング: 37,631

日本経済はなぜ浮上しないのか アベノミクス第2ステージへの論点
幻冬舎 (2014-12-12)
売り上げランキング: 2,047


特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...