74年にオランダ・ハーグの仏大使館が占拠されたハーグ事件や77年にインド上空で日航機が乗っ取られたダッカ事件で、殺人未遂罪などに問われた元日本赤軍メンバー、西川純被告(58)の控訴審判決が28日、東京高裁であった。阿部文洋裁判長は「政治的主張を実現するためには暴力的手段もいとわない独善的で反社会的な犯行」と述べ、無期懲役とした1審を支持し、被告側の控訴を棄却した。
西川被告はハーグ事件での共謀や殺意を否認、ダッカ事件でアリバイを主張したが、判決はいずれも退けた。
判決によると、西川被告は他のメンバーらと共謀し、人質をとって身柄拘束中の仲間を奪還するため(1)74年9月、オランダ・ハーグの仏大使館を占拠して警察官2人に発砲し負傷させた(2)77年9月、パリ発羽田行きの日航機を乗っ取り、バングラデシュのダッカ空港に強制着陸させた。
西川被告は、日本赤軍がマレーシアの米大使館を占拠したクアラルンプール事件(75年)を受けた「超法規的措置」で釈放され、1審公判が中断。97年にボリビアで身柄を拘束され98年に公判が再開された。【伊藤一郎】
かつて日本は共産主義国家だった?
この日本赤軍と称する人たちが犯罪を重ねた、1970年代は日本は歴史上まれに見るほどの共産主義国家でした。などというと、「何を馬鹿な日本はずっと自由主義陣営」の国だったではないかと言われるかもしれません。しかし、当時の日本は、様々な規制が網の目のように張り巡らされ、銀行も護送船団方式などといわれ、今とは違い絶対につぶれないようにされていました。さらに、平等主義も行き届き、賃金など世界で最も格差のない安定した社会を実現していました。貿易などにも保護政策が行き届き、さらに中小企業や組合に対する保護政策も行き届きすぎていて、まさに資本主義の国アメリカなどからみれば、日本は国が主導で動いている日本株式会社であると称され、これは実体は共産主義国家だが自由主義陣営に属していたため、こうい呼称がつけられたのだと思います。
1980年代に入ると、こうした日本の共産主義体制もその弊害が目立つようになってきましたが、1970年代は日本的共産主義がその頂点を迎えた時期で、共産主義のもとにまさしく最後の繁栄と安定を謳歌していた時代です。
90年年代に入りかけた、崩壊間近の旧ソ連のある経済学者が、この頃に論文を残しています。『われわれの共産主義は失敗した。私たちの本来目指した共産主義はこのようなものではなかったはずだ。私は、世界中の共産主義国家の成功事例を探し見た。そうしたところ、一国だけ成功を収めただけでなく、繁栄を極めた共産主義国家が存在した。それは日本である』との主旨の内容でした。(これは記憶にはっきり残っていますが、この学者が誰で、内容など詳しくは読んでいません。どなたか、この内容をご存知の方は、是非このブログのコメント欄に書いていただくか、メールでお知らせしていただければ幸いです。ロシア語は読めないため、英語の参考資料が掲載されているサイトをもしくは資料入手先をご紹介いただければ幸いです)。
そんな共産主義日本の真っ只中にいて、日本に共産主義革命が明日にも起こると考えて行動していた、赤軍派とはいったいどういう人たちのなのでしょうか。まさに、集団妄想にかかった狂信的な人たちといわざるをえないでしょう。
私たちは、この人々だけを特殊な人々と捕らえるわけには行かないと思います。たとえば、かつてサリン事件を起したオウム真理教の人々なども、信じるものが違うだけで、本質的に同じようなものです。秋葉原の殺人事件を起した犯人も集団ではなかっただけで同じようなものかもしれません。
さて、日本が「共産主義」ということに関して、あのホリエモンが語っていたことを思い出してしまいす。その頃の記事を掲載してみます。
【ロンドン/英国 2006年12月15日 AFP】英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)紙は15日(2006年12月)、ライブドアグループの証券取引法違反罪で公判中の同社前社長、堀江貴文被告(34)とのインタビュー記事を掲載した。堀江被告はインタビューのなかで、日本は「共産主義国家だ」と述べ、自身が逮捕されたのは、嫉妬深い官僚と、メディアという名の「マインドコントローラー」の恨みを買ったためだと主張した。
2月に証券取引法違反の容疑で起訴された堀江被告は、起訴事実を否認している。今回のインタビューでは、逮捕劇は「世間の風潮のせいだ」と指摘した。
「日本は共産主義国家だ。人によっては、日本は世界で最も共産主義的な国だと言うのではないか。表面的には平等な社会が成り立っているように見えるが、実際はそうではない。日本は、共産主義国家が陥りがちな落とし穴にはまってしまったのだと思う。つまり、エリート官僚が、国民にとって正しいこと、最も重要なことを決める国になってしまった」(堀江被告)
日本の最高学府とされる東京大学を中退した堀江被告は、日本ならではの年功序列モデルに従って生きる人々から恨みを買ったことが自身の逮捕につながったと考えているようだ。「年功序列主義のエリート官僚や、メディアという名の“マインドコントローラー”は、私のように実力で戦おうとする人間を憎んでいるのだと思う」
全盛期の堀江被告は2005年9月、当時の小泉純一郎首相の支援を受け、衆議院選挙に出馬(結果は落選)したこともある。
だが、かつてフジテレビの買収に失敗した苦い経験も持つ同被告は、日本ではテレビの影響力は首相のそれを上回る、日本社会はテレビに毒されていると嘆いた。
「私は、国民の意識をコントロールしようとするメディアや、政府よりも強大な権力を持つ官僚を敵にまわしてしまった。そのせいで、現在のような立場に追いやられたのだと思う」
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さて、彼がこの発言をしていたころ、日本は最早かつての「共産主義国家」ではなかったと思います。先ほど述べたように、80年代に入ってから日本の共産主義政策はいろいろな弊害を生むようになってきました。特に日本国内でも対外的にも競争にさらされなかった金融機関の弱体化が顕著になってきました。他の産業でも似たり寄ったりのところがありました。
その当時の日本の銀行を指して、経営学の大家であるドラッカー氏は「日本の銀行は非常に遅れている。西欧の銀行と比較すると60年くらいは遅れている。西欧の銀行が大人だとすると、日本の銀行は赤子のようだ」と語っていたほど弱体化していました。
こままでは、日本の国際競争力は低下してしまい大変なことになると考えた当時の橋本総理大臣は、金融の自由化を含む様々な規制撤廃、自由化を実施するいわゆる日本版「ビッグバン」を実行しました。
この頃には、何もかも自由主義的にすること、特にアメリカ流自由主義がすべて正しいわけではなく日本風の規制撤廃・自由化を行うべきだという議論が日本中にまきおこりました。しかし、いずれにせよ、その頃の世界のデファクトスタンダードに近い形でビッグバンは実施されまた。
だから、堀江氏が発言していた時代には、もう日本は「共産主義国家」ではなかったと思います。堀江氏が語ったのは、まさに1980年代までの日本のことだったと思います。その意味では、堀江氏も暴力、殺人まではしなかったものの、日本赤軍の「共産主義国家にいながら、彼ら独自の共産主義革命を信奉する」とは全く真逆の「最早にはは共産主義国家ではないにも関わらず、日本は共産主義にあり、彼独自の自由主義を信奉する」という間違いを犯した狂信的な人物だったといえると思います。
現在の金融危機の最中、日本赤軍の連中はもう老い先も短くほとんど存在価値もないですが、アメリカの中でも規制論が幅を利かせ始めた最中、堀江氏やそのシンパたちは今頃どのようにこの事態をみているのでしょうか?
会社という組織、いや、この世界に存在している組織というものはすべてその組織が属している社会ものです。これを忘れると、今回のような金融危機という破壊的な事態も招いてしまいます。
私のブログでは、ここしばらく社会の重要性を語ってきました。日本赤軍も、ホリエモンも日本という社会を真摯に見つめることをしていれば、足を踏み外すこともなかったと思います。
日本は、80年代まで日本では社会ばかりを重んじすぎて、いわゆる日本版共産主義を実施し、ある程度の成功を収めた後、機能不全に陥り、ビッグバンに踏み切り、今度は「金融・経済」を重んじすぎて、今回の金融危機がおこるまでは、たとえ経済成長をしても「実態なき経済成長」といわれるような、成長しかできませんでした。これらのバランスをとることのできる、健全な社会を作り出していく必要があります。今回の金融危機によって日本もここしばらくは不況になると思います。特にGDPはここ2~3年ゼロ成長が続くと思います。
しかし、私はここで産業界、政府、そうしてNPOなどの組織も、日本の「社会」をもう一度見直す良い機会だと思います。現在の日本はすでに2000年に入りかけた頃から、それまでとは違った異質な社会に入っています。この事に関して、以前にこのブログでも記載しましたので、ここでは本筋ではないのでかきませんが、とにかく異質な社会に対するインフラ、システムが整備されていないことは確かです。
これら、インフラ革新、システム革新をする必要があります。また、これを実施すれば、実体経済もかなりよくなります。しかし、これらを実施するためには、かつての日本赤軍や、堀江氏がはまった罠に陥ることなく、今私たちが存在している「社会」を真摯に見直す必要があります。
社会の変化の中で、「人口動態」など変えられないものに関しては、それに対応するためのインフラ改革、変えられる可能性のある「年金問題」「高齢者医療」「医療そのもの」などは、システムの改革などを実現していく必要があります。さらに上記のように誰もが見て分かるものとは別に、神経を研ぎ澄まさないとなかなか分からないような社会の変化に着目し、それに対するインフラ改革、システム改革をすることが、営利・非営利を問わず、あらゆる組織にとってイノベーションのきっかけとなると思います。
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■[主張]ライブドア判決の意味するもの・・堀江は楠正成か?-時代の転換はもう始まっている!
こんにちは。この件に関して私のブログではまず産経新聞のニュースを掲載してみましたが、見方があまりに皮相的すぎると思いました。私自身は、この判決の 意味するものは、時代の転換点がすでに始まっていることだと思います。我々は確実に今までとは異質な時代に、少し前からすでに入っています。そうした意味 で堀江は過去のモニュメント的な存在になると思います。さらに、一見あまり関係ないような、通り魔事件や、ストーカー判事のような事例は、大きな時代の転 換点にありがちな混乱や不安の現れであり、時代の徒花に過ぎないと考えます。私達はもっと大きな本質的な時代の転換点にいることを認識すべきと思います。 こには、長くコメントできません。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
■P.F.ドラッカーの『ネクスト・ソサエティー』―ポスト金融危機を生き抜く知恵私のブログでは、金融危機後「健全な社会」を作り出すことが、健全な実体経済を取り戻す最短の道であることを訴えてきました。しかし、多くの人 の頭の中「経済・金融」というキーワードで埋め尽くされ、「社会」など何も関係のないことと思っているかのようです。そんなことはありません。私だけの訴 えでは多くの人は振り向いていただけないようなので、私のブログでは自らを社会生態学者であると称したドラッカーの著書「ネクスト・ソサエティー」につい て取り上げてみました。また、一方ではあまり関係ないように見える、今回ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏のここ数年の辛らつな「ブッ シュ批判」は、形こそ違え結局は「健全な社会」を作くるどころか壊してきたことに対する批判だったと思います。結局は、クルーグマン氏も「健全な社会」を 作りだすべきことを主張していたのだと思います。ポスト金融危機には、すでに過去とは違う社会に突入した先進国の「異質な社会」に対するインフラ革新、シ ステム革新が必要不可欠だと思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
■現在の金融危機は2003年当時からすでに予測されていた!!―真の原因は誤った個人主義であり、いまこそ社会変革が必要だ!
今日の金融危機は、2003年あたりからすでに予測されていました。私のブログでは2003年のNHKスペシャル「個人破産―アメリカ経済が おかしい―」の動画を掲載しました。この動画をご覧になると、今日の金融危機すでに十分懸念されていたことが分かります。今日、その懸念はアメリカ金融機 関の崩壊という形で現実のものとなりました。この動画では、消費者に無理に消費を強いることにより今日の事態を招いたことがはっきりと示されています。現 在、ITバブル崩壊、株価低迷、消費者の旺盛な消費もなくなり、次の時代に何をすれば良いかが見えない時代になっています。しかし、私は、今こそ真剣に社 会変革に取り組む時期に来ていると思います。これが、アメリカの実体経済をも良くする唯一の道だと思っています。詳細は是非私のブログをご覧になってくだ さい。
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