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2017年8月8日火曜日

安売りでも売れない韓国車 「THAADだけが理由ではない」お得意さまの中国で販売激減のウラ―【私の論評】韓国車が世界的に売れない本当の理由(゚д゚)!

安売りでも売れない韓国車 「THAADだけが理由ではない」お得意さまの中国で販売激減のウラ

ヒュンダイ自動車の本社(左)とキア自動車の本社(右)。ただしキアはヒュンダイの傘下にはいっている
 韓国の自動車業界が不振にあえいでいる。最大手の現代(ヒュンダイ)自動車や傘下の起亜(キア)自動車は、中国市場での販売が6割減と壊滅状態だ。在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に対する中国の報復措置だけが原因ではなく、安売りに頼ってきた産業構造に問題があるとの指摘もある。

 北朝鮮が7月28日に2度目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した後、韓国がTHAADの追加配備を決めたことについて、中国の外務次官補は韓国の駐中国大使を呼んで抗議するなど、中国の韓国に対する怒りは収まっていない。

 そうしたなか、現代自の6月の中国市場での販売台数は前年同月比64%減、起亜は同62%減となった。4~6月期の最終利益も現代自が51%減、起亜が53%減と大幅減益に見舞われており、両社にとって最大のお得意さまである中国市場での不振が直撃した形だ。

 7月の数字についても聯合ニュースは「1~6月の減少幅と近いレベルの不振が予想される」とする現代・起亜関係者の話を報じた。

 韓国の政府系シンクタンク、産業研究院のリポートによると、同国の自動車産業全体でも同じ傾向で、「2012年の(沖縄県・尖閣諸島問題をめぐって)日本車が中国市場で受けた打撃よりも大きい」と分析する。

 韓国メーカーは、中国の報復措置が不振の原因と説明しているが、リポートでは「韓国メーカーの競争力低下が中国市場で苦戦している原因だ」とみる。

 日本の自動車に比べてブランドイメージが低いうえ、中国の自動車メーカーも品質や安全性が向上、競争力をつけていることが韓国車低迷の背景にあるとして、「低価格、高品質だけでなく、デザインや機能などの差別化の推進が必要だ」と提言しているのだ。

 中央日報によると、韓国は昨年の自動車生産台数でインドに抜かれて世界トップ5の座から転落したが、今年に入って7位のメキシコにも差を詰められているという。

 同紙は、2013年に日銀が量的緩和政策を実施して以来、日本の自動車メーカーが円安で得た収益を研究開発に投じたことも“日韓格差”の一因に挙げている。

 欧州市場でも、日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)交渉で大枠合意し、10%の自動車関税が協定発効から7年で撤廃される予定で、韓国車の価格優位性は風前のともしびだ。

【私の論評】韓国車が世界的に売れない本当の理由(゚д゚)!

2017年5月4日、韓国・東亜日報によると、日本に進出した唯一の韓国車ブランド・現代(ヒュンダイ)自動車の昨年の日本市場での販売台数は180台で、うち乗用車は7台、残りはすべてバスでした。一方、日本車の韓国での販売台数は3万5429台で、日本で販売された韓国車の197倍に上りました。

ただ、バスについては、日本ではここ数年、訪日外国人の増加や東京五輪開催決定により、大型観光バスの需要が急増しています。

右ハンドル仕様にするなど、日本人のニーズに
応えた現代自動車の大型バス「ユニバース」
日本メーカーは作っても作っても納車が追いつかず、その結果、ヒュンダイから購入しているケースが出ているとみられるからです。

三菱ふそうなど日本勢は「五輪前までは高水準の受注が続く」とみて、期間従業員を含む作業員の増員や休日出勤、残業の増加などで増産体制を強化する構え。ヒュンダイの大台乗せも一過性の可能性があります。

韓国輸入自動車協会によると、16年に韓国で最も売れた輸入車ブランドトップ10に、日本の3社の名前が挙がりました。7位レクサス(1万594台)、8位トヨタ(9265台)、10位ホンダ(6636台)です。

こうして韓国で日本車の販売好調が続く中、日本市場での韓国車の販売実績は惨たんたるものです。日本自動車輸入組合の統計によると、16年に日本で売れた韓国車はわずか180台で、54の輸入車ブランドの中では33位、シェアは0.05%でした。販売1位はメルセデス・ベンツ(6万7495台)で、2位BMW(5万828台)、3位フォルクスワーゲン(4万7726台)など上位5位までをドイツ車が占めました。

現代車は、韓国完成車メーカーの中で唯一01年に日本に進出したのですが、04年に販売台数2524台でピークを迎えた後は下落に転じ、10年に日本市場での乗用車販売から正式に撤退しました。

進出当初は韓流ドラマ「冬のソナタ」の主演俳優ペ・ヨンジュンを広告モデルに起用したものの、市場開拓には至りませんでした。現代車の関係者は、「日本の消費者は自国ブランドへの愛着が強く、日本車の品質や安全性が非常に高水準ということもあり、外国ブランドが入り込むのが難しい」と説明しました。

2005年ペ・ヨンジュンを広告モデルに起用し、「ソナタ」の販売を開始
日本国内で販売される現代自動車ブランドで現在残るのはバスなどの商用車のみで、10年以降、日本で売れた韓国製乗用車は、在日韓国公館で使用されるものか、一部の消費者が個人的に韓国で購入し日本で新車登録したものに限られます。

ヒュンダイの乗用車が売れなかったのは、日本の同クラスの車より高い価格設定をしたことや、当時の人気車種がコンパクトカー、ミニバンで、セダン中心のヒュンダイとのラインアップにずれがあったからです。

つまり、市場のニーズに対応しきれなかったのです。当時の韓国メディアは「閉鎖的な日本市場が撤退の原因」と報じるなど、韓国民の日本に対する被害者意識は今でも根強い。こうした意識を払拭しなければ、日本での地位向上は進まなでしょう。

さらに、ヒュンダイが悲願とする高級ブランドへの脱皮も今ひとつです。2月23日に米消費者情報誌コンシューマー・リポートが発表した自動車部門別ブランドランキングでは、日本車が7部門で最高評価を得たのに対し、ヒュンダイブランドは1部門にとどまりました。これでは、ブランド嗜好の高い日本人の支持は得にくいでしょう。

こうした状況のため、韓国自動車メーカーは日本市場への進出には否定的です。あるメーカーの関係者は「収益を出すことができない市場に入ろうとする企業はない。日本では韓国車の認知度が低く、当面は日本市場の開拓が容易ではないだろう」と述べています。

この報道に対し、韓国のネットユーザーからは「日本全体で韓国の乗用車販売がわずか7台というのは正直とても衝撃的」「年間でたった7台の販売って、笑わせる」「7台って…日本人が買ったんじゃなくて、日本に住んでいる韓国人が買ったのでは?」など、年間で乗用車販売数がわずか7台だったことに多くの驚きの声が寄せられました。

また、「国産車(日本車)の方が高性能なのに、あえて性能の低い韓国車を買う人なんていないだろう」「当然だ。僕でも日本車を選ぶ」「日本車は性能もいいし、燃費もいいからね」など、日本車に対する肯定的な意見も多く聞かれました。

一方米国での韓国車のシェアはどうなっているのかについても興味のつきないところです。それは、下のグラフをご覧になって下さい。
米国の主要メーカー新車販売台数
ヒュンダイも、キアも日本市場のように売れていないということはないのですが、2017年7月のシェアでは、ヒュンダイは3.8%、キアは4.0%に過ぎません。シェア増減では、ヒュンダイは-27.9%、キアは-5.9%とともに下落しています。

これには、何か原因がはるはずと思い調べたところ、やはり妥当な原因がありました。

それは、ヒュンダイが史上初のリコール勧告を拒否し、タイヤが突然外れるが欠陥ではないと発表したためのようです。

韓国史上初めて政府のリコール勧告を拒否し、ヒアリングを受けた上で韓国国土交通部から強制リコールを通知された現代自動車に疑惑の目が注がれています。
 
ここにきて現代自は是正計画書を提出したのですが、2度にわたるリコール勧告を拒否した姿勢に対し、同部は欠陥隠蔽(いんぺい)の可能性が排除できないとして検察に捜査を依頼しました。

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は米国でのリコール措置が適切だったかを判断する調査に入りました。韓国メディアも「品質信頼度と対外イメージ失墜は避けられない」と突き放している状況です。

国紙・中央日報(日本語電子版)によると、強制リコールの対象は、欠陥が確認された現代・起亜自動車の12車種・24万台です。

大気汚染を防止する部品の欠陥で走行中にエンジンが止まる可能性がある車両と、ハブナットの欠陥でタイヤが外れる可能性がある車両だといいます。

これらの欠陥に対しては同部が技術調査や専門家審議などを経て、3月と4月に2度にわたってリコールを勧告したのですが、現代自は「安全運行に支障をきたす欠陥ではない」と拒否。 ヒアリングを経て5月に強制リコール処分の通知を受けました。

ここにいたって現代自は強制リコールにひとまず従う方針を表明したのですが、「リコール命令とわれわれが主張している無償修理は実は大きく異ならない。  
ただし、安全に関連した問題でない場合、リコールをしなくてもよいためヒアリングまで受けることになった」と釈明。欠陥が安全問題と関連するかどうかをめぐっては、依然として同部との間に温度差があることを浮き彫りにしました。

こうした欠陥の公表に後ろ向きともとれる現代自の姿勢に米国当局も動き出しました。ロイター通信によると、NHTSAが現代・起亜自動車が2015年と今年に米国で実施しました。

3回のリコール措置が適切だったかを判断するための調査に着手したといいます。リコールが不適切だったと判断されれば最高1100億ウォンの罰金が科されることになります。 

当初リコールの原因となったとみられた事故の事例を以下に掲載します。以下は2014年9月の事故です。

ガールズグループLADIES’CODE(レディースコード)のメンバーが3日、交通事故に遭い1人が亡くなり2人が重傷を負うなか、事故車両である現代車の「グランドスターレックス」のタイヤが外れてエアバックが作動しなかったことが問題になっていました。 

レデイーズコード この中のウンビとリセがなくなっている
3日、LADIES’CODE所属事務所の関係者によると、事故原因は「ソウルに移動する途中、突然タイヤが外れたため」であり「運転席、後座席などのエアバックが膨らまなかった」と明らかにしました。

韓国地上波放送局SBS(ソウル放送)のニュース番組『8時ニュース』によると、現代車関係者は「エアバックが作動するのは状況によって違う。現在、警察側でもブラックボックスを確認しているとのことなので、ひとまず警察の調査が終わってからでないと我々も内容が分からない」と話したと明かしました。

また警察は事故車両やブラックボックスなどを国立科学捜査研究院に鑑定依頼し、正確な事故原因を調査していくと説明しました。

以下が実際の事故車両の写真です。
 



左後輪のドライブシャフトが折れて、ガードレールにぶつかって、かつエアバッグが膨らまなかったそうです。

しかも、毎日経済の記事によるとこれがレンタカー屋に入って初日の車で、このLADIES' CODEというグループに貸したのがはじめてだったそうです。つまり、金属疲労などあり得ないということです。

一人が死亡、一人が重体、一人が重傷でした。後に一人が亡くなっています。この状況では、これだけで済んで幸いだったというレベルのようにみえます。

監視カメラも目撃者もいないところで事故だったということなので、事故原因は完全に判明しているわけではありません。

事故当初は車の欠陥が原因とされていたのですが、10月20日、京畿道龍仁西部警察署は、ワゴン車を運転するマネージャーのスピードの出し過ぎにより車輪が外れたと発表。実況見分でワゴン車の速度が135km/h以上出ていたとして、水原地方検察庁はマネージャーに対し、懲役2年6ヵ月を求刑。2015年1月15日に公判が開かれ、1審で1年2ヵ月の禁固刑を受けたが、翌日に控訴しました。

4月15日に開かれた控訴審で禁固1年2ヵ月、執行猶予2年、社会奉仕160時間、順法運転の講義受講40時間の判決を受けて釈放されました。

この事故自体は、車の欠陥によるものではなかったようですが、ただし疑問を持つ人も未だに多いです。

確かに、この事故車両グランドスターレックスにだけ特に脱輪が多いという情報もありませんし、通常の衝突試験もそう悪い結果ではありませんでした。しかし、車輪を固定するボルトは一定以上の強度はあるものの、一定の負荷が加わるっと破断しやすいボルトなのかもしれません。

まず、ボルトが折れている事から整備ミスという説は一蹴でできるのですが、少し調べてみると、気になる苦情が目立つ事に気がつきました。それは腐食が多いという苦情です。そして、プロペラシャフト接続部の衝撃吸収機能が落ちて未舗装の道路やスピードバンプなどを高速で繰り返し過ぎる場合、トランスミッションオイルが漏れ出る現象が発見されています。他にもフライホイールに過剰な遊びが発生するという報告もあります。

これでは、いくらあの事故が車の欠陥化によるものではないといわれても、実際に乗るのは憚られます。

このようなことと、ヒュンダイ自動車の史上初のリコール拒否も相まって、顧客に不信感をつのらせたことが、販売不振の原因であると考えられます。

これでは、世界的に韓国の車が売れなくなったのも理解できます。そうして、一見頑なに見えた日本人のブランド志向による、韓国車忌避は結局のところ正しかったのかもしれません。

今頃日本にも、米国や中国のように韓国車が大量に存在していれば、大問題になっていたかもしれません。

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