朴槿恵大統領出席の新年会 |
朴大統領はこの日、チョン・ウイファ国会議長をはじめとする5部要人とセヌリ党キム・ムソン代表ら与党指導部、経済5団長らが出席した中で開かれた新年会でこのように言いながら「そのたびに経済革新3カ年計画を成功的に終えて4大構造改革を必ず仕上げなければならない切迫感が生じる」と強調した。
朴大統領は「そうでなければ、国民が望む経済活力の炎が起こらず、我らが青年たちが懇願する仕事と未来30年の成長の基盤を用意するということは空虚なこだまにとどまるだろう」と述べた。
朴大統領は今年の対内外経済環境について「世界経済が依然として低迷から抜け出せずにいて、特に中国をはじめとする新興国の経済の鈍化が懸念している」とし、「青年雇用、企業競争力の弱体化、人口崖など、すぐに私たちが克服しなければならない内部の課題も山積しており、朝鮮半島をめぐる外交安保も少しも安心できない困難な状況だ」と説明した。
続いて朴大統領は「このような状況であるほど、私たちが変化と改革を成し遂げないならば過去へと戻り、国家的な困難から抜け出せないだろう」とし、「経済改革と国家革新の課題は私たちの未来がかかっているものであり、子孫のために必ず結び目を作らなければならない」と呼びかけた。
それとともに朴大統領は「私たちは戦争の廃墟という最悪の状況の中でも一緒に力を合わせて世界が驚いた発展を成し遂げた」とし、「私たちはできる」と強調した。
また「精神を集中して矢を撃てば岩も貫通できるという古い言葉がある」とし、「今私たちの前に多くの難関と挑戦があるが、私たちが心と力を一つに集めた場合はできないことはないと思う」と付け加えた。
【私の論評】やりようはあるはずだが、慰安婦問題で食っていけないことはだけは確か(゚д゚)!
韓国の産業通商資源省は1日、2015年の輸出額(速報)が 前年比7.9%減の5272億ドル(約63兆円)になったと発表しました。
新興国の景気が鈍化する中、原油安や中国勢の過剰生産の問題などが影響。品目別では
鉄鋼やディスプレー、自動車、一般機械などが減少しました。一方で輸入額が原油安の影響で 16.9%減の4368億ドルと輸出額を上回る減少幅となった結果、貿易黒字は91.5%増の904億ドルと過去最高を記録しました。
この状況では、確かにブログ冒頭の朴槿恵大統領の嘆きはもっともなことだと思います。それにしても、日本ではなぜか貿易黒字が大きいと、何やら良いことのように報道する無知な報道機関が多いように感じますが、韓国の現状をみれば、貿易黒字が大きければ良いなどということはないということは十分お分かりいただけるものと思います。
昨年の韓国では、輸出額は減少しているものの、原油安の影響で、輸入額が大幅に減少したため、空前の貿易黒字になったわけです。この今の状況が韓国にとって良いはずがありません。
そもそも、貿易黒字とか、国際収支黒字という現象は、家計や企業業績などとは異なる指標です。黒字だから良い、赤字だからダメなどということはありません。この韓国の事例のように、黒字の要因や、赤字の要因がわかって、はじめて、それが良いことなのか、悪いことなのか判断できます。
これは、韓国経済に限らず、日本経済だろうが、米国経済だろうが、他の国の経済にもあてはまる真実です。
さて、少し横道にそれてしまいましたが、この似たようなな思い込みが、韓国をダメにしてしまったということはいえそうです。
さて、その思い込みとは何でしょうか。そうです。いわゆるグローバリズムというか、輸出偏重の考え方です。ご存知のように、韓国はここ10年以上、とにかくグローバリズムの名のもとに、政府ぐるみで輸出の振興を徹底的に図ってきました。
とにかく、輸出が増えさえすれば、韓国は豊かになるという誤った思い込みです。日本でも、そのような考え方をする人が多いどころか、国内資源が乏しい日本は、とにかく外国から資源を輸入して、その資源を工業製品などにつくりあげて、輸出することにより、成り立つ、輸出立国の国であるとの信念を持っている人が大勢います。
しかし、これは、本当にそうでしょうか。では、日本のGDPに占める輸出の割合はどのくらいなのでしょうか。それを知るために以下に資料を掲げておきます。
世界の輸出依存度 国別ランキング・推移
以下、GDPに占める輸出の割合を示したものです。データは平成14年度のものです。
【単位:%】
| |||
順位 | 国名 | 2014年 | 注 |
---|---|---|---|
1 | 香港 | 179.88 | |
2 | シンガポール | 145.17 | |
3 | アラブ首長国連邦 | 91.41 | |
4 | 赤道ギニア | 85.70 | |
5 | スロバキア | 83.43 | |
6 | ベトナム | 80.38 | |
7 | ブルネイ | 77.90 | |
8 | ハンガリー | 72.87 | |
9 | チェコ | 71.35 | |
10 | マレーシア | 70.44 | |
11 | オランダ | 66.00 | |
12 | オマーン | 65.85 | |
13 | リトアニア | 65.52 | |
14 | バーレーン | 63.20 | |
15 | カタール | 63.04 | |
16 | スロベニア | 62.09 | |
17 | ベルギー | 60.95 | |
18 | クウェート | 60.69 | |
19 | コンゴ共和国 | 59.60 | |
20 | 台湾 | 58.80 | |
21 | エストニア | 58.38 | |
22 | アイルランド | 57.81 | |
23 | スワジランド | 57.70 | |
24 | ボツワナ | 55.95 | |
25 | タイ | 55.42 | |
26 | アンゴラ | 52.82 | |
27 | ブルガリア | 50.06 | |
28 | ガボン | 49.40 | |
29 | モンゴル | 49.34 | |
30 | パプアニューギニア | 49.13 | |
31 | トリニダード・トバゴ | 48.63 | |
32 | ベラルーシ | 46.94 | |
33 | ナウル | 45.78 | 1 |
34 | スイス | 45.71 | |
35 | カンボジア | 45.44 | |
36 | ザンビア | 45.26 | |
37 | サウジアラビア | 45.24 | |
38 | イラク | 44.43 | |
39 | ツバル | 44.04 | |
40 | リビア | 43.95 | |
41 | 韓国 | 43.87 | |
42 | レソト | 43.00 | |
43 | トルクメニスタン | 42.61 | |
44 | パラグアイ | 42.41 | |
45 | ラトビア | 41.97 | |
46 | ソロモン諸島 | 39.95 | |
47 | ガイアナ | 39.64 | |
48 | カザフスタン | 39.53 | |
49 | ルクセンブルク | 38.79 | |
50 | ドイツ | 38.70 | |
51 | シエラレオネ | 38.63 | |
52 | スリナム | 38.38 | |
53 | ポーランド | 38.17 | |
54 | アゼルバイジャン | 38.14 | |
55 | オーストリア | 37.63 | |
56 | ウクライナ | 37.31 | |
57 | ソマリア | 37.17 | 1 |
58 | コートジボワール | 37.12 | |
59 | ナミビア | 36.67 | |
60 | セーシェル | 36.39 | |
61 | コンゴ民主共和国 | 36.30 | |
62 | ボリビア | 35.51 | |
63 | ベリーズ | 34.91 | |
64 | モーリタニア | 34.88 | |
65 | パナマ | 34.85 | |
66 | ガーナ | 34.63 | |
67 | チュニジア | 34.56 | |
68 | 南スーダン | 34.37 | |
69 | マーシャル諸島 | 33.87 | |
70 | マルタ | 32.86 | |
71 | リベリア | 32.67 | |
72 | マケドニア | 32.50 | |
73 | デンマーク | 32.40 | |
74 | チャド | 31.74 | |
75 | スウェーデン | 31.35 | |
76 | メキシコ | 31.10 | |
77 | ルーマニア | 31.02 | |
78 | フィジー | 30.48 | |
79 | アルジェリア | 30.45 | |
80 | セルビア | 30.05 | |
81 | トーゴ | 30.00 | |
82 | ニカラグア | 29.74 | |
83 | チリ | 29.29 | |
84 | ノルウェー | 29.24 | |
85 | アイスランド | 28.82 | |
86 | フィンランド | 28.22 | |
87 | ブータン | 27.43 | |
88 | エクアドル | 27.37 | |
89 | ポルトガル | 27.09 | |
90 | カナダ | 26.75 | |
91 | ロシア | 26.68 | |
92 | 南アフリカ | 26.44 | |
93 | ギニア | 26.30 | |
94 | キルギス | 26.02 | |
95 | マラウイ | 25.98 | |
96 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 24.85 | |
97 | 北朝鮮 | 24.58 | 1 |
98 | モーリシャス | 24.49 | |
99 | ジョージア(グルジア) | 24.12 | |
100 | イラン | 23.86 | |
101 | イタリア | 23.83 | |
102 | ヨルダン | 23.73 | |
103 | クロアチア | 23.55 | |
104 | ベナン | 23.10 | |
105 | モザンビーク | 23.08 | |
106 | ラオス | 22.71 | |
107 | スペイン | 22.57 | |
108 | モルドバ | 22.32 | |
109 | グリーンランド | 22.31 | |
110 | 中国 | 22.28 | |
111 | マリ | 22.15 | |
112 | ウズベキスタン | 22.10 | |
113 | ブルキナファソ | 21.34 | |
114 | イスラエル | 21.16 | |
115 | インドネシア | 21.15 | |
116 | ホンジュラス | 21.13 | |
117 | トルコ | 21.09 | |
118 | 蘭領アンティル | 20.98 | 4 |
119 | ニュージーランド | 20.75 | |
120 | カメルーン | 20.67 | |
121 | フランス | 20.41 | |
122 | イエメン | 20.32 | |
123 | マダガスカル | 20.01 | |
124 | キュラソー | 19.97 | |
125 | ジンバブエ | 19.62 | |
126 | ペルー | 19.47 | |
127 | モロッコ | 19.01 | |
128 | ウルグアイ | 18.82 | |
129 | グアテマラ | 18.40 | |
130 | コスタリカ | 18.33 | |
131 | ニジェール | 18.31 | |
132 | キプロス | 18.08 | |
133 | セネガル | 18.03 | |
134 | バングラデシュ | 17.24 | |
135 | エルサルバドル | 16.78 | |
136 | フィリピン | 16.75 | |
137 | イギリス | 16.48 | |
138 | ドミニカ共和国 | 16.39 | |
139 | オーストラリア | 16.36 | |
140 | ニューカレドニア | 16.17 | |
141 | インド | 16.14 | |
142 | スリランカ | 15.77 | |
143 | アルメニア | 15.30 | |
144 | 日本 | 15.24 | |
145 | ナイジェリア | 14.91 | |
146 | コロンビア | 14.82 | |
147 | ギニアビサウ | 14.53 | |
148 | パレスチナ | 14.31 | |
149 | ベネズエラ | 14.31 | |
150 | ガンビア | 13.60 | |
151 | セントルシア | 13.50 | |
152 | アルゼンチン | 13.49 | |
153 | エリトリア | 13.34 | |
154 | カーボヴェルデ | 13.29 | |
155 | ギリシャ | 13.11 | |
156 | ミャンマー | 13.10 | |
157 | 蘭領セント・マーチン島 | 12.67 | |
158 | ミクロネシア連邦 | 12.65 | |
159 | ハイチ | 11.46 | |
160 | バルバドス | 10.93 | |
161 | モンテネグロ | 10.63 | |
162 | ジャマイカ | 10.51 | |
163 | タンザニア | 10.43 | |
164 | ケニア | 10.31 | |
165 | ブラジル | 10.21 | |
166 | モルディブ | 10.14 | |
167 | バハマ | 9.68 | |
168 | パキスタン | 9.57 | |
169 | 米国 | 9.32 | |
170 | アルバニア | 9.31 | |
171 | ウガンダ | 9.14 | |
172 | ジブチ | 8.92 | |
173 | エジプト | 8.92 | |
174 | アルバ | 8.57 | |
175 | ドミニカ | 8.20 | |
176 | バヌアツ | 8.16 | |
177 | セントクリストファー・ネイビス | 7.61 | |
178 | ルワンダ | 7.59 | |
179 | スーダン | 7.34 | 8 |
180 | レバノン | 7.11 | |
181 | キューバ | 7.07 | 1 |
182 | セントビンセント・グレナディーン | 7.07 | |
183 | エチオピア | 6.28 | |
184 | シリア | 6.23 | |
185 | クック諸島 | 6.02 | |
186 | モントセラト | 5.87 | |
187 | タジキスタン | 5.65 | |
188 | キリバス | 5.46 | |
189 | グレナダ | 5.46 | |
190 | トンガ | 5.20 | |
191 | ネパール | 4.66 | |
192 | サントメ・プリンシペ | 4.58 | |
193 | 英領ヴァージン諸島 | 4.25 | 1 |
194 | ブルンジ | 4.16 | |
195 | アンティグア・バーブーダ | 4.10 | |
196 | サモア | 4.06 | |
197 | タークス・カイコス諸島 | 4.05 | |
198 | マカオ | 3.59 | |
199 | 中央アフリカ | 3.54 | |
200 | コモロ | 3.27 | |
201 | アフガニスタン | 3.01 | |
202 | アンドラ | 2.92 | |
203 | 仏領ポリネシア | 2.57 | |
204 | パラオ | 2.41 | |
205 | アンギラ | 1.27 | |
206 | ケイマン諸島 | 0.73 | |
207 | 東ティモール | 0.47 | |
208 | バミューダ | 0.22 | |
999 | 世界計 | 24.12 |
注) | ||
1 | 前年のデータ | |
4 | 4年前のデータ | |
8 | 南スーダンを除く |
韓国は、世界41位で、43.87%です。日本は、144位で、15.24%です。中国は、110位で、22.8%です。米国は、169位で9.32%です。
このように見ると、輸出が多いからといって、必ずしも経済が良いともいえないことがわかります。
実際そうです。日本は、デフレになってから10%台を超えましたが、デフレになる以前は、8%程度でした。アメリカも以前は7%程度に過ぎなかったものが、最近はその比率があがっています。
先進国でめだって、輸出が多いのは、ドイツの50位くらいなものです。それでも、38.7%です。
結局、米国や日本のような比較的GDPの大きい国では、内需が大きいということです。日本は過去20年近くもデフレに悩まされ続けてききたにもかかわらず、個人消費がGDPに占める割合は60もありました。米国は、70%くらいです。
韓国のように、輸出が多ければ、それだけ外国の影響を多大に受けやすくなります。さらに悪いことに、最近では朴槿恵政権は、中国よりの路線をうちだし、中国向けの輸出を増やしていました。ところが、ご存知のように、中国の経済はかなり悪化しています。韓国にとっては、本当のに弱り目にたたり目です。
上のグラフをご覧いただければいかに韓国の対中依存度が高いか、よくおわかりになると思います。
そうして、現在、世界は貿易の成長率が経済成長率を下回る、スロートレードという問題を抱えてしまっています。IMF(国際通貨基金)のデータによると、1990年代は世界の実質GDP(国内総生産)成長率が平均3・1%だったのに対し、貿易量は6・6%も拡大しました。貿易の成長率が、実質GDPの2倍以上に達していたのです。
それが、2000年から11年までは、GDP4%成長に対し、貿易量が5・8%成長と、倍率が下がりました。ところが、直近のデータを見ると、世界のGDP成長率2・2%に対し、貿易成長率は2%に過ぎなません。
もはや、グローバルに輸出を増やすことで国民経済を成長させるという手法は、維持困難になりつつあります。それにも関わらず、韓国はスロートレードに突入する以前に、あまりにも輸出依存度を高めてしまっていました。それだけではなく、さらに経済が失速する中国への輸出依存度を深めてしまったのです。
しかし、この韓国経済立ち直りのための処方箋は、あります。それは、このブログに何度かすでに掲載しています。要するに、グローバル一辺倒から、内需拡大に転ずるのです。
しかし、そのためには様々な難題があります。まずは、経済的な中間層を多く輩出する政策をとるのです。多数の中間層が、様々な社会・経済活動を活発化にできるように基盤を整備するのです。ここで、経済・社会ではなく、社会・経済として、社会のほうを先にもってきたのは、それなりに理由があります。
それは、経済優先で社会をなおざりにしてはいけないということです。社会をなおざりすれば、たとえ一時、経済が栄えたように思えても、いずれ限界が来るということです。それは、今の中国をみればわかります。
そのためには、さらなる民主化と、政治と経済的の分離、法治国化をさらに推進するのです。これが出来ないと、多数の中間層が、社会・経済活動を活発化させることはできません。
いずれにせよ、今後慰安婦問題では食っていけないのは確かです。いかに困難な道であろうと、これを実行しない限り韓国は、先進国になれなかった中進国として、歴史に名を刻むことになるでしょう。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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